キヴォトスの終末装置ってマジですか!? 作:とっとこ馬鹿野郎ッ!!
戦場:炎の厄災
雨のように降り注ぐ爆撃。蛆のように湧くモース。
その戦場は、正しくこの世の地獄とでも言うべき、混沌とした様相を見せていた。
そんな地獄のただ中で、少女たちは足掻くように、戦い続ける。
「くそっ………埒が明かねぇ…………!」
また、炎の厄災が空中で旋回し、近づいてくる。
そして、地上を襲う爆撃。
「あいつ、機械みてーな体してるんだし、電磁パルスとか効かねぇのか!?」
『それはさっきエンジニア部の方で試しました!! 効きませんでしたけどね!!』
「ふふ………そんなにイライラしないでください、ユウカちゃん」
『機械……そう、機械であるのなら………。皆さん、時間を稼いでください!』
「何か打開策でも浮かんだのか?」
『はい。機械であれば、ハッキングが可能なはずです。この私が、「全知」の名にかけてあの厄災の動きを止めてみせます』
「動きが止まったところで、アリスの出番という訳ですね!!」
『ならば! その時間稼ぎの役、私たちが請け負おう!!』
通信越しに名乗りを上げたのは、エンジニア部の部長……白石ウタハ。
『あの空を舞う怪物は、アヴァンギャルド君Mk.3に元々構想としてあった人型決戦兵器の要素を追加する形で改修、改造した戦闘用ロボット。………アヴァンギャルド改め、トロイア・イポスが務める!!』
『え!? そ、そんなものいつの間に!? というか予算は!?』
『はっはっは! 人型決戦兵器の作成の話を聞いて、随分前から私たちのパトロンとなっていてくれた人物がいてね! まぁ、その人は今敵になっている訳だが………その話は今はいい!!
それよりも、このトロイア・イポスの搭乗者となってくれる生徒だが…………』
『はい……わ、私、コードネーム「オデュッセウス」が務めます…………』
「ユズですか!?」
エンジニア部のロマンという名の悪乗りに付き合わされ、オデュッセウスのコードネームで作戦に参加することになったのは、ゲーム開発部の部長……花岡ユズ。
「そうか……それじゃあ、モース共はC&Cが務めます」
『私はしばらく、ハッキング作業に集中しなければいけません。なので、その間のオペレーター業務はユウカさんにお任せします。よろしいですか?』
頷くユウカ。
『………では、作戦開始です!』
戦場を空から見下ろす、鋼鉄の龍。
それに立ちはだかるは、同じく鋼鉄の巨人。
急旋回――――目の前の巨人を敵性存在と認識し、攻撃を行う。
空中で加速し、接近。鋼鉄の翼による斬撃が肩に当たる。
(やっぱり速い………! でも、反応出来ないほどじゃない!)
またも旋回。後方から、二撃目を狙う。
急加速、接近――――――合わせるように、裏拳。
それを超人的反応速度で回避。
(……うーん、反応速度が違いすぎるかな…………。攻撃は当たりそうにない。でも、防御ならなんとかなるかな…………)
地上では――――――――
「チッ……数が多い!!」
「どんどん湧いてくる~!」
最高出力の攻撃を放つため、チャージに入っているアリスを守るようにC&Cが戦闘する。
そして、オペレーター室ではヒマリが奮闘していた。
―――――28%――――――29%――――――――30%――――――――
炎の厄災の攻撃で、トロイア・イポスの右肩が大破する。
モースの攻撃で、前線に出ていたノアが負傷する。
(くっ……早く…………もっと早く…………!!)
額に伝う汗。緊張と疲労で震える指を根性で動かして、ハッキングを進める。
ヴェリタスの協力もあって、順調にハッキングは進んでいる。
―――――――39%――――――――40%――――――――41%――――――――
(足りない………! このままでは、間に合わない…………!!)
時間が、人手が、戦力が足りない。
前線が崩壊するのは時間の問題。
アリスの光の剣のチャージが中断されれば、あの鋼鉄の龍を地に墜とす方法は無くなる。
――――45%―――――――46%――――――――60%――――――――――――――
「!?」
ハッキングが加速する。
予想外の速度で、ハッキングは進んでいく。
「なるほど………たまには、気の利いた助力もできるんじゃないですか」
――――――――70%――――――――74%――――――――80%――――――――
「これが、最も合理的な判断よ」
―――――85%――――――――89%――――――――93%――――――――
「なんて、言っているんでしょうね」
――――――95%――――――――97%――――――――99%――――――――
「いけ………! いけ…………!!」
「「いっけーーーッ!!!」」
――――――――100%
鋼鉄の龍が失速する。
空中で徐々に、徐々に、そのスピードを落としていく。
そして…………勇者の聖剣が、その威光を示す。
アリスの脳裏によぎったのは、自分を助けてくれた妖精王の姿。
『アリスちゃんは、何になりたいんだい? 君の目指す、理想の君は………一体どんなもの?』
『アリスの理想………アリスがなりたいもの…………アリスは…………』
「アリスは勇者です!!」
チャージ完了。
出力120%。
光の剣・スーパーノヴァ………起動。
彼の教えてくれた「おまじない」が、アリスを勇気づける。
「束ねるは星の息吹。輝ける命の奔流………! 受けるがいい!!」
「
勇者の剣が、鋼鉄の龍を貫く。
炎の厄災は………空中で自身の体を分解させながら、地面へと堕ちていった。
「パンパカパーン!! アリス、『龍殺し』の実績達成です!!」
勇者は高らかに、勝鬨の声を上げた。
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