キヴォトスの終末装置ってマジですか!?   作:とっとこ馬鹿野郎ッ!!

6 / 10
まさかの一日二話投稿!!
不定期更新が故のッ 変則的連続投稿ッ!!

明日も一話投稿する予定です。


終末装置 / 大嘘つきの■■■■

「少々、お時間よろしいでしょうか?」

 

会議の最中、明星ヒマリが挙手する。

 

「どうぞ」

 

「我々、ミレニアムサイエンススクール特異現象捜査部でも、独自にこの事態の調査を行っていました。そして先日……アビドス高等学校の自治区内に、巨大なエネルギー反応を確認しました。

といっても、この反応は非常に不安定…………というより、秒単位で波長や大きさが変化しているため、信憑性には欠ける反応ではあったのですが」

 

「ちょっと待ってよ。アビドスでは、異変とかは確認出来てないんだけど」

 

ヒマリの説明に、疑問を投げかける小鳥遊ホシノ。

 

「それはそうでしょう。アビドス自治区といっても、校舎からも居住区からも離れた砂漠の上で観測された反応ですから」

 

「うへ……そっか、説明を止めちゃってごめんね」

 

「いえ、お気になさらず。………そして、ミレニアムの生徒による調査を行ったのですが―――

調査隊は、全滅しました」

 

生徒たちが息を呑む。

 

「全滅、とは?」

 

「言葉通りの意味です。ただの一人も、情報を持って帰還することが出来なかった。

ですが、生体反応(バイタル)は正常。調査隊たちは―――――観測されたエネルギー反応の近くで、眠ってしまったのです」

 

「つまり………そのエネルギー反応が、この生徒連続昏睡事件に関係している可能性が高い、と」

 

「はい、その通りです」

 

「そして、我々ミレニアムサイエンススクールは、このエネルギー反応の調査隊の結成を提案します」

 

ユウカが、ミレニアムを代表して提案する。

 

「ですが、危険ではないでしょうか?」

 

「はい、危険です。ですが、危険性を考慮して尻込みしていては、それこそ取り返しのつかない事態になりかねません。それに………私たちは、被害者のデータを集めることで、昏睡する生徒の傾向を掴みました」

 

「なんだと………!?」

 

マコトが驚愕の声を上げる。

他の生徒も同様に、驚いているようだ。

 

「傾向を掴むヒントは、昏睡した生徒ではなく、しなかった生徒にありました」

 

「どういうことでしょう?」

 

「各学校の風紀委員、ヴァルキューレの実働部隊など、他の生徒と比べて戦闘能力の高い……言い換えれば、身体強度の高い生徒には、殆ど被害者がいませんでした」

 

「つまり、強い生徒はこの現象に耐性がある……ということでしょうか?」

 

「はい、私たちはそう考えています」

 

「よって、我々の提案とは「各学校の精鋭を募り、選抜調査隊を結成する」というものになります」

 

改めて、ユウカが締めくくる。

生徒たちの反応は………おおよそ肯定的である、と見てとれる。

 

「先生のご意見を伺いましょう」

 

「……私は賛成だよ。でも、その調査隊には私も参加させてほしい」

 

がやがや、とざ(・)わ(・)め(・)き(・)が会議室に広がる。

 

「待ってください先生!! この調査は極めて危険なものなんですよ!?」

 

「分かってる。でも………先生として、この調査には同行しなくちゃいけないと思うんだ」

 

「…………身体強度が、昏睡への耐性と仮定するなら、先生は真っ先に昏睡状態に陥っているはずです。そうなっていない、ということは前提が間違えている。或いは、先生にはこの現象への耐性がある、と考えられます」

 

「………それは―――――」

 

「生徒だけでなく、住民にも被害者が出ているため、生徒のみが対象となっている訳ではない。

とすると、先生にこの現象への耐性があるという可能性は十分にあるな」

 

マコトが呟くように自論を語る。

 

「分かりました。調査隊には先生も同行する、という方向性で議論を進めましょう」

 

この決定には反対意見もあったが、反対していた生徒たちは先生が説得した。

 

そして、決まった調査隊の隊員は――――――――

トリニティより、剣崎ツルギ、宇沢レイサの二名。

ゲヘナより、空崎ヒナ、愛清フウカの二名。

アビドスより、砂狼シロコの一名。

ミレニアムより、和泉元エイミの一名。

そして、シャーレより……先生。

以上の七名となった。

 

剣崎ツルギ、宇沢レイサ、空崎ヒナはいざという時のための戦闘要員としての選出。

愛清フウカは、アトラ・ハシース突入の際と同様に食事の担当。

砂狼シロコは、場所がアビドスということもあり、土地勘のある人物が必要であったが故の選出。

和泉元エイミは、特異現象捜査部として現場での調査を担当。

 

そして、オペレーターの担当者。

七神リン、岩櫃アユム、由良木モモカ、浦和ハナコ、早瀬ユウカ、明星ヒマリ、甘雨アコ、

奥空アヤネ、桐生キキョウの九名。

彼女たちが、遠隔でのエネルギーの調査や、通信などを担当する。

 

現場へと赴く調査隊の人数が少ないのは、現場の状況が一切不明であるため、身動きの取りやすい少数精鋭であった方が都合が良いという判断によるものである。

いざという時の予備戦力として、ゲヘナ風紀委員・トリニティの正義実現委員会の二組織による連合部隊が周囲に配置されている。

指揮系統の混乱を避けるため、現場の指揮はそれぞれの組織に任せ、全体の指揮はオペレーター部隊が取ることになっている。

 

 

 

そして遂に――――――――調査隊出動の時が来た。

エネルギー反応が確認された場所における情報はただ一つ。

ミレニアムの調査隊が、通信で残した一言。

『あれは………く、黒い………な、何か………が………』

その言葉を残し、彼女は眠りへと堕ちた。

 

そして、現場へとたどり着いた一同。

その瞳に映ったのは――――――――

 

「な、何………あれ?」

 

「あれは…………虫?」

 

黒い、巨大な空洞。或いは、虫?

空に浮かぶ、おぞましい何か。

魂を引かれるような、意識が吸い寄せられるような、そんな何か。

 

「ん………撃ってみる?」

 

「駄目、何が起こるか分からないし」

 

その化け物を撃とうとするシロコを、エイミが止める。

エイミの判断には、先生も感謝した。

もし、あれを撃ったとして、あれが襲ってきたら、一体どうなる?

分からない。分からないからこそ、恐ろしい。

 

だが、一つだけ分かることがある。

あれから感じる、凄まじいまでの嫌悪感。

あれこそが、生徒たちを眠りに落とす元凶。

キヴォトスを滅ぼそうとしている………怪物なのだと。

 

「そう。先生………君の考えは間違ってない。あれは、キヴォトスを滅ぼすものさ」

 

風が吹きすさび、砂漠の砂が舞う。

そうして出来た砂のカーテンの奥から、彼はやってきた。

 

「な、なんで…………オベロン、君は死んだはずじゃ…………」

 

「うん? 僕は死んだなんて一言も言ってないと思うんだけど?」

 

彼はいつものように、軽い口調でそう言った。

 

『疑問、先生………あの生徒は何者ですか? 私たちのいたキヴォトスには、男性の生徒なんて一人もいませんでした』

 

背筋が凍る。

 

「え? 彼、は…………」

 

「そうか、そっちの世界にはいなかったのか。ま、そういう事もあるだろう」

 

「………君は一体、何者なの?」

 

今までに感じていた違和感が、小さな疑問が、パズルのピースのように組み合わさっていく。

真実へと導かれるように、過去の記憶がフラッシュバックする。

 

『僕? 何処にも所属してないよ?』

 

『アロナちゃん、またカステラ食べてるのかい? ………いつも気になってたんだけど、どうやって食べてるの?』

 

『………ま、僕にだって隠し事の一つや二つあるさ。先生にもあるだろう? そういうの』

 

『先生、これはささやかな忠告です――――――』

 

『これは、妾のお節介なのじゃが――――――――』

 

『『夢見オベロンにはお気をつけください(気をつけた方が良いぞ)』』

 

ピースが、嵌る。

 

「他ならぬ君の質問だ。僕も正直に答えよう」

 

そう言った彼は、ひらひらと舞う蝶に包まれて、その姿を変容させる。

――――――――否、真の姿へと戻る。

 

「まったく、度し難いと思わないかい? 自分たちが滅ぼした民すら忘れ、ひたすらに透(・)き(・)通(・)っ(・)た(・)世(・)界(・)なんて幻の中に浸り続ける彼女たちを。他人である僕ですらそう思うんだ。滅ぼされた彼らからすれば、気持ち悪くて仕方ないだろう」

 

白かった髪は灰色に濁り、手足の一部は異形と化し、背中にあった羽も姿を変える。

そこには、明るく、皆のムードメーカーであった、王子様のようなオベロンの姿は無かった。

 

「答えてオベロン――――――君は、敵なの?」

 

否定してほしい。そう願いながら、言葉を絞り出した。

そして、その言葉は容易く肯定される。

 

「その通り。俺はキヴォトスの先住民たちの怒りを肯定する者。名もなき神の復讐の具現。

空想の中に生きる神秘、妖精王オベロンのカタチでこの姿になったもの。神秘の時代と共に、自ら破滅を望んだブリテン島の意志たる邪竜の神性を継ぐもの――――――――」

 

「――――――名をヴォーティガーン。オベロン・ヴォーティガーン」

 

「君たちの、青(・)春(・)という物語に終止符を打つ『奈落の虫』さ」




マーリン(偽オベロン)ブートキャンプで、原作よりも遥かに強くなったレイサが参戦!!
そして、二回目の危険地帯同行が決定してしまったフウカに悲しき現在。

先生の性別どちらがいいですか?(プレ先は女性で決定済み)

  • 男
  • 女
  • 興味ないね(どちらでも良し)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。