ポケットモンスター Agent PLATINUM   作:ミノワ

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この作品はポケモン世界を舞台にしたエージェントアクションです。独自設定・独自展開を含み、一部、シリアスな展開があります。

本作は『ポケットモンスター ダイヤモンド・パール・プラチナ』を土台とした二次創作作品です。大体SMとORASくらいまでの設定・原作がベースですが、独自の設定・解釈・展開(かなり)を含みます。

主人公「ライル」が、その実力と正義感を見込まれ、人知れず世界を守る秘匿組織「PLATINUM(プラチナム)」のエージェントとなり、仲間との出会いや戦いを通して成長していく物語です。
というか、ほとんど群像劇みたいな感じです。

※一部キャラクターには他作品から着想を得た要素があります。
※国際警察とは全く別物と考えて頂ければ幸いです。
※公式キャラはシンオウ・ホウエンがメインです。
※ポケモンは全地方から出ます。

シリアスな展開もありますが、キャラクター達がそれらを乗り越えながら前へ進んでいく物語でもあります。




第一話【リクルート】

 シンオウ地方を揺るがした激闘が幕を閉じ、心地よい疲れと達成感が街を包んでいた。

 友人たちが企画したささやかな祝勝パーティの喧騒の中、すらりとした長身のその少年は、壁に背を預け、冷たい飲み物で喉を潤している。

 

 その時、周囲の喧騒が、不思議と一瞬だけ遠のいた気がした。凛とした足音。長い金髪を揺らす女性が静かに歩いてくる。その女性の名を、少年は思わず口に出していた。

 

「……っ、シロナさん!」

 

 シロナは柔らかな、しかしどこか見透かすような笑みを浮かべて告げる。

 

「お疲れさま。このシンオウ地方を救って、そのままリーグを戦い抜くなんて。……本当によく頑張ったわね。素晴らしい活躍だったわ」

 

 少年は首をさすりながら、照れたように答える。

 

「いえ、こちらこそ、シロナさんには色々と助けてもらって……。ありがとうございました」

 

 シロナは満足そうに笑う。

 

「それで……この後はどうするの? 何か予定は決まっているのかしら」

 

「まだ特には何も。正直、必死すぎて先のことは考えてなかったし……。それにおれ、結局リーグも準決勝で負けて、シロナさんのところまで辿り着けませんでしたから」

 

 悔しさを滲ませる彼の表情を、シロナは受け止めるように、優しく声をかける。

 

「少しゆっくりするのも良いかもしれないわね。……でも、もしその後、君に興味があるなら、私の所属する組織に来てみない?」

 

「組織……ですか……?」

 

「ええ。私が君を『推薦』したいのよ。バトルでの柔軟な発想、ポケモンと心を通わせる力、そしてその正義感も。君ならきっと、高い適性がある。……危険も伴う仕事だけど、他にやりたいことがなければ、ぜひ一度考えてみて」

 

 シロナはそう言い残すと、一枚のカードを彼の手の平に乗せ、会話もそこそこに、風のように去っていった。彼女に手渡されたそれには、肩書も組織名もない。公的なものとは思えないほどシンプルなデザインであり、真ん中に電話番号だけが記されていた。    

 彼はそのカードをポケットにしまうと、仲間の声がする方へと呼び戻されていく。

 

 ——数日後。ヒカリや旅の仲間たちと賑やかな時間を過ごし、心の整理をつけた少年は、静かな公園のベンチで、苦楽を共にしたパートナーと共に、そのカードを見つめていた。

 

「……なあルカリオ。おれ、いきなり『就職』しちゃうかもなんだけど、大丈夫かな」

 

 隣に座るルカリオは、相棒の不安を汲み取るように、波導で少年の心へと語りかける。

 

(良いんじゃないか。あのシロナという女は強いし、信頼できる。オレも嫌いじゃない。ただ、一つ言っておくが……)

 

「ん?」

 

(お前は真面目すぎる。仕事だけに没頭していると、またヒカリに叱られるぞ。)

 

「……たしかに。あいつに説教されるのはもう勘弁だわ」

 

 主人公は意を決して、カードの番号を入力した。それが、世界を股にかける精鋭組織「PLATINUM」加入への、最初の一歩になるとは知らずに。

 

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