ポケットモンスター Agent PLATINUM 作:ミノワ
ダイゴを無事救出したプラチナムメンバー。
独自に研究を続けていたゼンノとダイゴの口から、反転世界の謎が語られる。
※独自解釈・設定を含みます。
もう一人のリーダーの生還。
プラチナム本部内には安堵と活気に満ちた空気が漂っていた。負傷者の治療や装備の確認に追われながらも、職員やエージェントの表情には、隠しきれない喜びが浮かんでいる。
「みんな、今回の件……改めて、本当にありがとう」
「気にするな!」
「当然だろ、仲間なんだから!」
次々と返ってくる声に、ダイゴは静かに笑ったが、その瞳の奥には依然として消えない影があった。
「ただ、喜んでばかりもいられない。僕はあの世界で、見過ごせないものをいくつか見た。……おそらく、僕たちが思っていたより事態は進んでいる」
静かながらも重みのあるその言葉に、周囲を包んでいた歓喜の熱気が、すっと引き締まった緊張感へと変わっていく。
「まずは僕とゼンノが持ち帰った情報を共有したい。その上で、今後どう動くかを決めよう」
シロナが一歩前へ踏み出し、凛とした声を通した。
「了解。各位、十分間休憩し、その後は会議室に集合して。負傷している人は処置を優先すること」
エージェント達は一度散開し、軽食や水分を摂りながら失った体力を補っていく。
ライルとルカの二人も明かされるであろう「反転世界の真実」を求め、早々に会議室へと向かった。
そこでライルは道中、廊下や外壁、本部内設備などを慌ただしく、しかし極めて入念にチェックしていく十数人もの技術職員の姿を捉えていた。
その光景を眺めていたライルに、ルカが声をかけた。
「……」
「おい、どうした? 相棒」
「そういや、こないだも……」
「なんだよ」
「……いや、行こう」
「……?」
ただならぬ気配を感じたライルであったが、そのまま会議室のドアを開いた。
◇ ◇ ◇
会議室には、今回の作戦に参加した精鋭達が顔を揃えていた。
前方には、腕を負傷しながらもすでに普段の理知的な眼差しを取り戻したダイゴと、『薄汚れた白衣』姿の老人——ゼンノが座っている。
「それでは始めましょうか」
シロナの声から始まった会議は、まずダイゴを救出した【突入部隊】の報告から始まり、脱出経緯や、彼らが中で見た大量の鎖のポケモンのこと等を共有。
ゼンノがここにいる理由については、ダイゴから直接紹介があった。
「彼は反転世界について調べていた研究者だ。この後、僕から正式に組織へ推薦するつもりだ。今回の件については、僕が身元を保証する。ゼンノ、何かあるかい?」
「ゼンノじゃ。よろしく頼む。だが、わしゃ何も好き好んで『あんな世界』を調べていたわけではない。昔、パートナーだったポケモンを囚われてしもうてな。それをきっかけに、反転世界の研究を始めたんじゃ」
そしてここからは、二人が反転世界で調べ上げた情報について共有されることとなった。
「じゃあ、ダイゴくんとゼンノさん、お願いできる?」
「ああ、まずは僕から。少し遡ってキッサキ神殿での直後のことから話そう」
その地名が出た瞬間、ライル、アスナ、スズナの表情がわずかに強張った。キッサキ神殿内でレジ系三体が現れ、レジギガスが例の鎖に囚われかけたあと、ギラティナによって拉致された事件である。
「あの時、レジギガスは一度、自力で黒い鎖を引きちぎった。だが僕とともに反転世界へ引き込まれたあと、再びギラティナに鎖をかけられてしまい、しばらくするとそれが模様のようになった。レジギガスはその場を動かなくなり、ギラティナはそれを確認したあと更に奥へ消えていった。特に僕に危害を加えることなくね」
ライルはあのときの記憶とダイゴの言葉をつなぎ合わせていた。
「なら、なぜダイゴさん……いや、おれとアスナさんを……」
「わからない。危害を加えなかったのも、鎖をかける対象ではなかったので見逃したか、あるいはただの気まぐれか……」
ダイゴはさらに続けた。
「そしてその後、出口を探して歩き回っているとさらに驚く光景を見た。突入部隊が内部で見たような、大量の鎖のポケモン達が、いくつかの広い空間に囚えられている姿だよ。あれはもはや軍隊と呼ぶに相応しいものだ」
重苦しい沈黙の中、シロナの鋭い声が響く。
「そもそもあの鎖は何なの? ライルくん達からは、その鎖によって敵のダメージが回復したと報告を受けていたし、今回もそうだった」
ダイゴは頷くと、隣のゼンノへ視線を送る。
「ここからはワシが話そう」
ゼンノは腕を組み、椅子へ深く腰掛けた。
「わしとダイゴは、貴様らが見たあれらを反転ポケモンと名付け、調べていた。そしてあの『鎖』はもともと、ギラティナ固有の能力じゃと気づいた。その実態は『表の世界から反転世界に流れ来るエネルギー』を鎖という形へ変換し、定着させたもの、と考えている。そしてそれをかけられた者はギラティナに従うようになる」
確かに、そらのはしらにおいてもギラティナは反転ポケモンを呼び出し、ライル達を襲撃させた。
「先ほどエネルギーを利用したと言ったが、まず大前提、反転世界はこちらの世界の『循環機構』のような役割を果たしており、乱れたエネルギーが流れ込んだり、それをまた戻したりすることで、世界のバランスを取っているのだ。まさに表裏一体、お互いがお互いに影響を及ぼし合う。尤も、近年で何故ここまでエネルギーバランスが狂っておるのかまでは、まだ分からんがな」
「反転世界にそんな役割があったなんて……」
ライルは『反転世界側のカンナギ』でギラティナと戦闘した際、『表』の街が傷ついたことを思い出した。
それは、裏である反転世界での乱れが影響していたということであり、今回の救出作戦時の戦闘(実際の戦闘は反転世界外であったが)を想定し、人払いを行っていたプラチナムの前提は、正しかったことになる。
ゼンノはなおも続ける。
「そしてその性質を利用し、支配したいポケモンの体にかける。それがあの鎖と、そこから出る黒い霧の正体。それによって、ダメージを食らったとしてもある程度なら外へ流し、その次は逆にエネルギーを吸い込むことで傷を癒やすことができる」
ついに判明した鎖のカラクリに、会議室がどよめく。
「そしてもう一つの性質。反転世界は循環機構という役割がある以上、ある一定を超えたエネルギー量は溜め込むことができない。つまり、ダムが無ければ水は貯められんということじゃ。そのため、強力なダメージが与えられれば、反転ポケモンたちはそれを流しきれず、反転世界に戻される」
各エージェントは、攻撃を加えた後、反転世界へと返されて行ったポケモン達を思い出していた。
そしてゼンノはライルを指差した。
「つまり、そこの銀髪の小僧が叫んでいたことは正しい」
ゼンノを始め、会議室にいるメンバーがライルを見据えたが、彼は険しい顔のまま返した。
「でもそれは完全な対処法じゃありませんでした。おれが倒したはずのレジスチルが、再び現れた。それどころか、今回はあの老兵が呼び出したんです。ギラティナだけじゃなく、あいつらが反転ポケモン達を操っていた」
一同をまた、沈黙が包む。
「次はまた僕が話そう」
そう言って声を上げたのはダイゴであった。
「まずライルくんが言った通り、反転ポケモンにダメージを与えて反転世界に戻したとしても、それで完全に『倒した』ことにはならない」
その言葉にアスナとスズナが驚きの声を上げる。
「そんな……!じゃあ、私たちが倒したレジアイスとレジロックも、まだ囚われたままってこと!?」
「そんなの無敵じゃない!」
「重要なのはここだ。——実は『反転世界内』でなら、あの鎖を壊すことができる」
一同の目が大きく開かれ、会議室がざわめき始める。
「それも、循環機構という性質に起因しているのではないかと考えている。反転世界内で大ダメージを与えるとエネルギーは逃げ場を失い、鎖が解け、その反動で本体であるポケモン達だけが表の世界へ戻る」
一同の表情が僅かに明るくなる。
「ただし、その世界由来の能力であるがゆえか、反転ポケモン自体の能力も底上げされているけどね」
そこで、ライルがダイゴに問いかける。
「レジギガスが、こちらの世界で鎖を破壊できたのは何故です?」
「完全に鎖が定着する前かつ、レジギガスの膂力が余りにも異常だったからだと考えている。それでも反転世界内では今度こそ囚われてしまった。つまり、中では更にその力が強まるのかも。後は——」
ダイゴが顎に手を当てて続けた。
「対象を弱らせれば鎖を定着させやすい、などの条件もあるかもしれないね」
「ほとんどモンスターボールじゃん」
「だからギラティナはレックウザを攻撃してたのか……?」
ルカが平然と言い放ち、ライルもそれに続く。
だが何より、ダイゴが命懸けで持って帰ってきた情報は、ほとんど無敵に思えた鎖への真の対処法だった。その言葉を、シロナは何も言わず聞いていたが、他の一同は希望を抱いた。
しかし、そこに冷静な声が響く。
その声の主はルカとロードだった。
「いやそもそも、その反転ポケモンとやらが、しこたま集められている理由ってのはなんなんだよ。そいつらボコしゃ全部終わんのか?」
「ええ、嬢ちゃんの言う通りです。これは値千金の情報だが、重要なのは反転世界内で彼らが集められている目的が何かということです」
会議室は再び静まり返ったが、シロナと、そしてダイゴは、少し満足そうに薄い微笑を浮かべた。
「ああ、もちろんそれで終わりじゃないさ。ここからはロード、キミやライルくん達が手に入れた情報と掛け合わせなければならない。だけど、もう少し話すね?」
そう言うとダイゴはさらに続けた。
「鎖の対処法を見つけた後、僕はしばらくの間、一部ではあるが反転ポケモン達の解放に努めた。複数場所があったので、自分の手持ちをバラけさせてね」
ライルはミオシティの少年の言葉を思い出した。やはりあの少年が見たのは、戦っていたダイゴのメタグロスだった。
「そこで、さらに気が付いた。ギラティナ以外にも反転ポケモン達を『増やし』、管理している存在がいることに」
「……奴らですね?」
ロードの問いにダイゴが頷く。
「そう。今回、我々を襲撃してきたあの『軍服姿』の集団だよ」
「増やす……って? さっき、ギラティナ固有の能力と言っていたのでは?」
困惑するライルに、ダイゴが答える。
「そうだ。僕がその集団を追ううちに、反転世界内に巨大なアジトがあることを突き止めた。そして、そこで何やら研究が行なわれていることも……おそらくギラティナやその能力、反転世界のエネルギーについて調べているのだろう」
次に、ゼンノが続けた。
「奴らは恐らく、ギラティナの能力を模した擬似的な鎖を作り出すことに成功しておる。これまでに得た情報を整理すれば、奴らが手にしているのは、『鎖』と、『反転ポケモンを使役する何らかの方法』。そしてエネルギーを利用した、『ポケモンの能力強化』と『空間移動能力』」
あまりにも軍事目的にあつらえたかのような条件。かつてライルが危惧していたように、一同の緊張が一気に高まる。
「空間移動についてはわしも試算したことはあり、確かに計算上は可能。じゃがそれには、かなりのエネルギーを要するはず。そう簡単に何度も使えるほどのものではないはずじゃ」
「それでも危険には違いない」
「何をしようとしているんだ?」
「そもそも奴らは何者なんだ?」
次々と湧き上がる不安と困惑の声。
それを制するように、ダイゴが静かにロードへ視線を向けた。
「ロード、頼めるかい? 奴らの正体が何か、君たちは掴んでいるんだろう?」
「ええ」
ロードは短く頷き、今回の救出作戦で記録されたログを大型スクリーンへと映した。
「まず軍服姿の奴らの名は——『天狼隊』。裏世界に生きる傭兵集団です。色々な噂は聞くが、普段、潜入を専門にしている俺でもあまり目にしたことはない」
——天狼隊。
明かされたその組織名に、一同は息を飲む。
次の映像を見て、シロナ、アデク、そしてライルとルカの表情が変わる。そこにいたのは、つい数時間前にテンガン山で対峙した、あの老兵。
「こいつが間違いなく頭領格。奴らのはっきりとした全容は分かりませんが、その性質上、数十名で構成される集団でしょう」
ロードはさらに映像を切り替える。それは、ライル達が潜入したヒウンシティでのログ。
「そして奴らには一連の動きを指示する雇い主がいる。それがこの——『輪廻教』という、理想郷を騙るカルト教団です。これは、ライルくん達が潜入をして掴んでくれた情報です」
ライルは少し背を正し、ルカは腕を組みながら、そこに映った『教祖』の姿を睨みつける。
「金の動きが怪しく、以前から目をつけていたところにこの傭兵集団との繋がり。天狼隊は多額の報酬によってのみ動く集団です。一介の新興宗教が動かせるような額じゃない。だからこそ、輪廻教の交流会に参加していた大企業や著名人をスポンサーとして睨んでいた。なぜ資金提供をするかまでは分からなかったが——」
そこまで言いかけたロードが急に口を閉じた。そして手元のデバイスをおもむろに操作し始め、スクリーンに画像を映し出した。
「ロードくん? どうしたの?」
シロナが声をかけるとロードは顔を上げ、ある企業名を拡大する。
「これは俺が手に入れたそのリストですが……。——例えばここ、大手エネルギー企業だ」
画面をスライドさせ、別の企業名とロゴを提示する。
「こっちも、そしてこれもエネルギー会社です。あと多いのは、都市インフラと物流。そして著名人は……投資家が多い」
ロードの眼光が鋭さを増す。
「最初は単に金持ちを集めてるだけかと思った。でもゼンノさんの反転世界の話を聞いた後じゃ、見え方が変わります」
「どういう意味じゃ?」
「……もし、その反転世界由来のエネルギーを完全に制御できるなら?」
会議室に、刺すような静寂が訪れた。
「エネルギー屋からすりゃ新しい資源になる可能性がある」
そして今度は物流企業を指す。
「そして例の距離を無視した移動。こいつを物資輸送に転用できれば、世界中の物流網そのものがひっくり返る」
ロードは苦々しく眉をひそめた。
「今、わかりましたよ。こいつら全員、欲しいものが違うんだ。それぞれ求めるものの為に投資してる。だからこそ輪廻教は金を引っ張れる」
画面のリストを見上げながら、ダイゴが深く頷く。
「だから反転世界のエネルギーを調べていた、というわけか」
「ええ、そして実働部隊には天狼隊が選ばれた」
「だけど、それにしても技術力が高すぎないかしら? 教祖自体の目的と反転ポケモンが集められている理由も、まだ繋がらない」
シロナがスクリーンに移された輪廻教を指す。
「……確かにそうですね。技術力の部分は企業の力を借りているのかも知れません。教団は金儲けか、何か他の狙いがあるのか。ただ、なにかをしでかすつもりではあるんでしょう。反転ポケモンに関しちゃ、無敵の軍隊を使って一儲けって可能性もある。俺たちのような組織への対抗手段にもなる」
過去から点在していた不可解な事件の数々が、ついに一枚の巨大な陰謀の絵として繋がりつつあった。
その時、一つの問いが投げかけられる。
「……でも反転世界では、エネルギーはその場にとどまれないんですよね?」
ライルが静かに呟くと、再び静寂が生まれた。
「それに各地のエネルギー反応は徐々に消えて行った。天狼隊が何らかの方法で回収していたと仮定して、その利用方法が分かっても、溜めておけないなら使えません。——それなら何か、それ専用の設備がアジトにはあるんじゃないですか?」
その鋭い指摘に、ダイゴとゼンノは心底驚いたようにライルを見据え、答えた。
「——その通りだ」
ダイゴは包帯が巻かれた腕を出す。
「これは、奴らのアジトに潜入することができた時に負った傷だ。兵の一人からカードキーを奪い潜入に成功したが、後からそれが罠だったと分かった。何とか逃げ出す中で、アジトの奥に巨大な装置を見つけた」
「装置……!」
「そう。恐らくはその装置こそ、反転世界のエネルギーを思い通りに使用するためのものだ。あれこそが今後の我々の行動の鍵になると、僕は見ている」
ダイゴの発言が意味するもの。それは、反転世界内に存在する敵の拠点と巨大装置が、今後の戦いにおける最大の焦点になるということだった。
この場にいる全員がそれを理解したが、いずれ再び、数百は軽く超えるであろう反転ポケモンと、天狼隊が待つ反転世界という死地へ、踏み込まなければならない。
あまりにも重い作戦の難易度に、誰一人として軽々しく口を開くことができなかった。
◇ ◇ ◇
だが、その静寂を破ったのも、やはり彼女であった。
「なあ、ちょっともう長すぎて疲れたんだけど」
声の元に視線が集まる。
「要するにさあ——」
その少女、ルカがおもむろに口を開く。
「反転世界に殴り込んで、反転ポケモンを片っ端から解放して、教団と傭兵共をぶっ倒しゃいいって話だよな? だったら何で全員、黙りこくってんだよ。潜入捜査やらエネルギー調査やらよりもずっと単純な話だろ」
その余りの乱暴な結論に全員が呆気に取られ、ダイゴはまたも驚いた顔をしたが、その後に優しく微笑んだ。
「ああ。概ねはその認識で構わないよ」
静まり返っていた会議室に、あちこちから吹き出すような呆れ笑いが漏れ始める。
「全く。言ってくれるよ、嬢ちゃんは」
「あのなぁ、お前。そんな簡単な話じゃねーんだよ!相手のアジトに乗り込むなら死ぬほど作戦練らなきゃいけねーし、色々対策が必要なんだよ!」
ライルの抗議に苦笑しながらダイゴが制そうとする。
「まあまあライルくん……」
「ダメですよダイゴさん!こいつこんなこと言って、本当に肝心などうやるかってことは全く考えないんですから!甘やかさないでください!」
それにルカがすかさず反発する。
「何だとてめえコラ!!」
ルカの不遜な発言にライルが突っかかり、いがみ合う。こんな状況でも、あまりにいつも通りの喧嘩をする二人。だがある意味では、これこそが今までプラチナムになかった風であり、停滞を打ち破る推進力でもあった。
そのうちつかみ合いにでもなりそうな二人を、エージェントたちが笑いながら眺めている。しかし重苦しかった会議室の空気はいつしか、「やるべきこと」を見据えた前向きな熱気へと塗り替えられていた。
そこで——パン、とシロナが静かに手を叩いた。
「はい、そこまでよ二人とも。……非常に有意義な会議だったわ。これまでに全員が命懸けで戦ってきたからこそ、ここまで積み上げることができた情報です。——本当に、感謝するわ」
シロナは愛おしむかのように全員を見渡した。
「分からないことはこれからまた全員で調べていく。そしてそれが世界を危機に陥れるなら、我々が全力で止める。——それこそが、我々『プラチナムの使命』よ」
シロナのその力強い言葉にその場にいた全員が頷いた。ライルとルカもまた顔を見合わせ、戦いへの決意をあらわにした。
——その時だった。
ウゥーン!ウゥーン!ウゥーン!
耳をつんざくような、けたたましく不気味なサイレンが、プラチナム本部の建物全体に鳴り響いた。