”博麗の巫女”の弟は幻想郷の平和の夢を見るか?   作:針が11を指している

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十一話 幼馴染

 

私と霊夢お姉さんは、活気に溢れる人里の中を進む

 

霊夢「・・・ねぇ、イアちゃん」

 

イア「なんですか?」

 

霊夢「イアちゃんは、何でここに(幻想郷)残るっていう選択をしたの」

 

霊夢「別に帰れることも出来たのに...」

 

イア「・・・帰っても、意味がないですから」

 

霊夢「え?それってどういう...」

 

イア「気にしないで下さい」

 

イア「それよりも、何を買うんですか」

 

霊夢「え、えぇ、そうね まずは...」

 

そう言って、霊夢お姉さんは景さんからもらっていたメモ帳を見る

 

霊夢「えーと、なになに? 肉類30㎏、魚類20㎏、野菜類50㎏...」

 

そうやって、霊夢お姉さんがメモ帳と睨めっこしていると

 

阿求「あら、イアさん それと...」

 

霊夢「あ、阿求...」

 

丸眼鏡をかけた阿求さんが声をかけてきた

 

阿求「・・・なんですか、“博麗の巫女”さん」

 

霊夢「・・・何でもないわよ」

 

阿求「・・・イアさんを、お借りしますよ」

 

霊夢「何で?」

 

阿求「何でもいいでしょ? さ、いこ」

 

イア「え、え?」

 

そうして、阿求さんに連れられ、鈴奈庵に来ていた

 

阿求「・・・ごめんなさいね、強引に連れてきて」

 

イア「いえ、えっと...どうして、ここに?」

 

阿求「・・・その前にきいておきたいことがあるわ」

 

イア「・・・何でしょうか」

 

阿求「本当に、景のことが好きなの」

 

イア「好きです」

 

阿求「そう...なら、知っておくべきことがあるわ」

 

イア「それは、何ですか」

 

阿求「・・・小鈴のことよ」

 

イア「小鈴って...」

 

阿求「私と景の幼馴染で...」

 

阿求「景と幻想郷の対立を決定づけた」

 

イア「・・・それは、どういう?」

 

阿求「それには、これから話さないとね」

 

阿求さんは、そう言って、巻物を差し出した

 

イア「何ですか、これは?」

 

その絵巻を手に取る

 

阿求「百鬼夜行絵巻」

 

阿求「元々は、私家版百鬼夜行絵巻最終章補遺っていう名前だったんだけど」

 

阿求「長ったらしいから、景が短くしたの」

 

イア「これが、小鈴さんと何の関係が...」

 

阿求「・・・これのせいで、小鈴が死んだの」

 

イア「・・・え?...」

 

阿求「私家版百鬼夜行絵巻最終章補遺には」

 

阿求「読んだ者の精神を乗っ取ることが出来たの」

 

イア「読んだ者の精神を乗っ取る?」

 

阿求「そう、小鈴は昔から、こういった類の妖魔本を読み漁るの、好きだったから」

 

阿求「・・・小鈴はね、好奇心旺盛なやつだったのよ」

 

阿求「疑問に思ったら大人たちに、何で?、どうして?、って質問攻めして」

 

阿求「大人たちを困らせていたわ それに、その好奇心故に」

 

阿求「度々問題を起こしてね、人里一番の問題児って呼ばれていたわ」

 

阿求「私も景も、よく小鈴の突拍子もないことに巻き込まれては」

 

阿求「大人たちに られていたわね」

 

そうやって、小鈴さんのことを説明する阿求さんは

とても楽しそうで、とても遠い目をしていた

 

イア「・・・そう、だったんですか」

 

阿求「・・・あぁ、ごめんなさいね 関係ない話をして...」

 

ゆっくりと首を左右に振る

 

イア「いえ、そんなことなんです 本当に、仲が良かったんですね」

 

阿求「えぇ、そうなのよ でも...」

 

阿求「そんな日々は続かなかった」

 

イア「・・・」

 

阿求「あれは、アリスが殺されてから大体一年が経った頃のこと」

 

阿求「その日も、小鈴は妖魔本を読み漁っていたわ」

 

阿求「その時に、見つけたのよ...私家版百鬼夜行絵巻最終章補遺を」

 

阿求「小鈴がそれを読み始めて、すぐに小鈴の行方が分からなくなってしまったわ」

 

イア「どう、なったんですか」

 

阿求「・・・私家版百鬼夜行絵巻最終章補遺に取りつかれた状態で発見されたわ」

 

阿求「私と景は、なんとかして小鈴から引き剝がそうとしたけど」

 

阿求「どうにもならなかった」

 

阿求「そして、“博麗の巫女”は、事態が穏便に収まらないと悟ると」

 

阿求「人的被害が出る前に...って言って、小鈴を殺した」

 

イア「霊夢さんが?」

 

阿求「えぇ、そうよ」

 

阿求「・・・今でも、この百鬼夜行絵巻に、小鈴の血痕が残っている」

 

そう言って、阿求さんは百鬼夜行絵巻を手に取る

 

阿求「・・・だから、私は幻想郷を...」

 

阿求さんはその先の言葉を、口にしなかった

 

イア「・・・阿求さん...」

 

阿求「私のこの想いを分かってくれたのは、景だけだった」

 

阿求「景だけは、私のことを支えてくれた」

 

阿求「・・・だから、私は景が好きなの」

 

イア「・・・」

 

阿求「ごめんね、こんな話を聞かせて」

 

イア「・・・いいえ」

 

阿求「・・・そう、ありがとね」

 

阿求「話はこれでお終い それじゃあ、行きましょうか」

 

イア「行くって何処に?」

 

阿求「・・・イアさん 買い物の途中だったでしょ」

 

阿求「私も買い物にいくよ」

 

イア「いいんですか?」

 

阿求「私が、こうやって話しかけたんだし」

 

阿求「どうせ、貴女の歓迎会でしょ」

 

イア「はい、景さんがそう言って、いました」

 

阿求「そうでしょう それじゃあ、行きましょう」

 

イア「・・・うん、そうだね」

 

そうして、鈴奈庵を出て

買い物途中の霊夢お姉さんと阿求さんと私で買い物を続けた

 




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