救護騎士団団長 蒼森ミネ、またの名をキュウゴマイト 作:酢ヴァメ゙
いやっほう
あと新連載あります。良かったら見てってください。
『転生大賢者は予言の大天使に宿る』
「……やはり、ここはいつ来ても圧巻されますね」
「そうですよね。ミレニアムって、トリニティやゲヘナとは少し世界観が違いますよね」
現在、キュウゴマイトこと蒼森ミネと、その後継である鷲見セリナは、ミレニアムサイエンススクールへ来ていた。
「エンジニア部の部室は確か、あれ?こちらだったはずですが……」
「…おかしいですね。確かにここだったはずですが」
ミレニアムのエンジニア部に行こうと案内に従って歩くセリナとついていくミネだったが、たどり着いた先は一面真っ白で所々青い光が走る近未来的な壁しかなかった。
「…も、もしかして私。ま、まま、迷子になってしまったのでしょうか?」ウルウル
「落ち着いてください。ですが妙ですね、私も何度かエンジニア部に来たことがあるのですが」ナミダフイテクダサイ
「そうなのですか?」グスン
「ええ。確かにここに部室があったはずなのですが……もしかして、この壁に何か仕掛けが?」
そうしてミネが白い壁に触れてみると、一部だけ少しへこんでいるところいくつかあり、そこを順番に押してみるとキュイイィィィンと高い音が鳴り、壁が変形して扉になった。
「やはりそうですか」
「ええ!?壁から扉が出てきました!」
「隠し扉、やはりミレニアムの技術力は凄いですね」
「でもなんで壁を押す順番が分かったのですか?」
「ああ、それはですね……」
「ハッハッハッハ。流石だミネ」
「お久しぶりですね、ウタハ。殴っていいですかいいですね殴りますSMA」
「まままままま待ってくれ!!!お願いだから待ってくれないか!!!!」
「ちょ、ミネ団長!いきなり殴るなんてひどいですよ!」
「ですが“これ”は私の大切な後輩であるセリナを、あなたを困らせたのですよ。とりあえず手始めに300発ほど殴ります」
「“これ”!?久々に再会した親友相手に“これ”扱いはひどくないかい!?あと300発はやめてくれホントに、こちとら君のパンチ10発で死ぬ自信があるんだ、だから本当にやめてくださいお願いします」
「その前に言うことがあるでしょう」
「確かに。セリナさん…だったかな?どうやら私のイタズラで少し「少し?」……だいぶ困らせてしまったようで、本当に申し訳ない」
「ふえ?い、いえ別に。全然大丈夫ですよ!気にしないでください」
((天使かな))
「はあ、仕方ないですね。今回はセリナさんに免じて許しましょう」
「ああ…ありがとうセリナさん、君のおかげでまだ私は生きていられるよ」
「あはは、大げさですよ」
「それで、注文したものは出来たのですか?」
「ああ。後は最終調整してトリニティに送るだけだよ」
「…あの、郵送するならなぜ私たちここまで来たのですか?」
「今回発注したものは精密機器なので、最終調整に私も必要だったのですよ」
「まあ本当は私が久々に会いたいから呼んだだけなんだけどね」
「「え、そうなんですか?」」
(あ、ミネ団長も知らなかったんだ)
「調整に君がいると助かるのは本当だよ。ああそうだセリナさん、せっかくだからエンジニア部を見学していくといいよ。ヒビキ、コトリ、案内お願い」
「わかったよ部長」「了解しました!」
「あ、よろしくお願いします!」
「うん、よろしく」「よろしくお願いします!」
ワーコレナンデスカー コレハネ セツメイシマショウ
「すぐに仲良くなれそうですね」
「そうだね。それじゃあ私たちも行こうか、こっちについてきてくれ」
「……それで、わざわざ私を呼んだ理由は何ですか?」
「ハッハッハー!君に会いたかったのは本当だが、よく私の真意に気づいたね!」
「もちろん、長い付き合いですから。さっきからずっと、サプライズしたくてウズウズしてるじゃないですか」
「うれしいこと言ってくれるじゃないか。実はね、私も君みたいにヒーローになろうとしたのだよ」
「ヒーローに?」
「そう!それでとりあえずスーツを作った。それがこれ」
そこには青と白、そして所々薄紫に光る線の入ったスタイリッシュな人型の機械があった。
「これは…」
「凄いだろう。結構費用がかかったから、今金欠なんだよね」
「自費で作ったのですか?」
「流石に部品使うのは駄目だろう」
(まあ、レールガン作ったら下半期の予算70%吹っ飛んだからね、流石に駄目だろう)
「まあ結局失敗したんだけどね」
「そうなのですか?よくできていると思ったのですが」
「ああ、作るのは成功しているよ。このスーツは超高性能だ。…ただ、私ではうまく使いこなせなくてね」
「それは残念ですね」
「ああ。でも、決して私は諦めないさ。君に追いついてみせる。待っているといいよ」
「…ええ。あなたはそういう人ですから」
「ハッハッハッハ!」「ふふふっ!」
「それで、注文したものは?」
「うん、完成したからもう後は出すだけだが?」
「……調整は」「いらないよ」
「本当に私と会いたいから呼んだのですか?」
「だからそう言っただろう、一応口実とかあったほうが来やすいかなった思ったからテキトーに理由作ったんだよ」
「…はあ……」
「?」
「たのもー!」
エンジニア部の部室に、大きな声が響き渡る。
「ウタハせんぱーい!お願いがあるんだけどー!」
「そんなに大きな声を出さなくても聞こえているよ、モモイ」
「ウタハ先輩お願い!」
「わ、わかったわかった!ひとまず話を聞かせてくれ」
「……なるほど、だいたい把握できたよ。新しい仲間に、よりよい武器をプレゼントしたい……と」
「そういうことであれば、エンジニア部に来たのは素晴らしい判断だね。ミレニアムにおける勝敗というのは、優れた技術者の有無に大きく左右されてしまうものだ」
「そっちの方に、私たちがこれまで作ってきた試作品が色々と置いてある。そこにあるものであれば、どれを持っていっても構わないよ」
「やった!ありがとう、先輩!」
「やあ…1年生のヒビキだよ。よければ私が、何か良いものを見繕ってあげる……たとえば、これはどう、アリス?」
「へえ、拳銃?」
「見た感じ、多分だけど…これまでにあまり戦闘経験はないはず」
「その言葉は否定します。アリスはこれまでに人類を27回救い、魔王軍との46回に渡る戦闘を行い、三桁を超えるダンジョン探索を行ってきました。経験値はそれなりに豊富です」
「…あ、アリスちゃん……」
「それは、すごいね…。とにかく、銃器を使用した経験は…あまり無さそう。そういう人にはやっぱり拳銃がいい…これはプラスチック製だから軽いし、反動も少ない…。そういう意味でも、色々と初心者に優しいはず…それに、何より……」
「この銃にはミレニアム史上、今まで存在しなかった機能が搭載されている」
「な、何それ?」
「何か聞く前から凄そう…一体どんな機能なの?」
「それはね…」
「『Bluetooth』機能、だよ」
「…えっ?」
「Bluetoothを通じて、音楽鑑賞やファイルの転送まで可能な拳銃…調べた限り、そんなものは今までに存在しなかった。…もちろん、スモモ機能も搭載。乗り場のICパネルにタッチして、交通機関を利用することもできる。それにNFC機能も付いてるから、コンビニペイだって使えちゃう」
「す、すごいと言えば、すごい気もするけど…。コンビニで「これで決済を」って突き出したら、店員の人がびっくりしちゃうよ!」
「あれ、そういえばアリスちゃんはどこに…?アリスちゃん、アリスちゃーん?」
「…あ、あそこに。……あれは、」
(じーっ…)
アリスは自分と同じくらいの大きさの大砲のような何かを見つめる。
「これは…?」
「あなたもこれが気になりますか?」
「…はい」
"あれ、あの子トリニティの子だよね"
「ああ、彼女はトリニティの救護騎士団の子でね。このエンジニア部に注文したものの確認、ついでにここの見学をしてるのさ」
「ふっふっふっ…お客さん、お目が高いですね」
「え、えっと……?」
「あら、コトリさん」
「説明が必要なら、いつでもどこでも答えをご提供!エンジニア部のマイスター、コトリです!」
「…?」
「あなたがアリスですね。ゲーム開発部、4人目のメンバー!」
「あ、コトリちゃん久しぶり。ところで、この大きいのは何?」
「まるで…『大砲』、みたいだけど」
「いい質問ですね、ミドリ。これはエンジニア部の下半期の予算、その内の約70%近くをかけて作られた……」
「エンジニア部の野心作、『宇宙戦艦搭載用レールガン』です!」
「宇宙戦艦、って…また何かとんでもないことを……」
「初めて聞いたときはびっくりしましたよ」
「エンジニア部は今、ヘリコプターや汎用作業ロボットに続いて、宇宙戦艦の開発を目標としているのです!」
「このレールガンは、その最初の一歩です。大気圏外での戦闘を目的として開発された実弾兵器!これはミレニアム史上、明らかに類を見ない発の試みです!」
「かっこいい…聞いただけでワクワクしてくる!」
「流石ミレニアムのエンジニア部!今回はうまく行ってるんだね!?」
「ふっふっふっ、もちろんです!」
「と言いたいところだったのですが、ちょっと今は中断してまして……」
「えええっ!?なんで!期待したのに!」
「いつものことながら技術者たちの足を引っ張るのは、いつの世も想像力や情熱の欠如ではなく、予算なんです…。このレールガンを作るだけで下半期の予算70%もかかったのに、宇宙戦艦そのものを作るには果たして、この何千倍の予算がかかることやら……」
「そんなの計画段階で分かることじゃん!どうしてこのレールガン、完成まで持って行っちゃったのさ!?」
「愚問だね、モモイ」
「……ビーム砲は、ロマンだからだよ」
「うんうん」
「その通りです!ビーム砲の魅力が分からないなんて、全くこれだからモモイは」
「バカだ!頭いいのにバカの集団がいる!」
「エンジニア部の情熱が注ぎ込まれた、この武器の正式名称は……『光の剣:スーパーノヴァ』!」
「また無駄に大げさな名前を……」
「…!ひ、光の剣…!?」
「あ、アリスの目が輝いてる…!?」
「わぁ、うわぁ…!」
「アリスちゃんがこんなに興奮してるの、初めて見たかも」
「…これ、欲しいです」
「…え?」
「偉大なる鋼鉄の職人よ、あの竜の息吹が欲しいのだ」
「うーん、そう言ってくれるのは嬉しいのだけれど…」
「申し訳ないのですが、それはちょっとできないご相談です!」
「何で!?この部屋にあるものなら何でも持っていって良いって言ってたじゃん!」
「…それは、理由があって」
「この武器は、個人の火器とそて使うには大きくて重すぎる」
「なんと、基本重量だけで140kg以上です!さらに光学照準器とバッテリーを足した上で砲撃を行うと、瞬間的な反動は200kgを超えます!」
「これをカッコいいと言ってくれただけで、私たちは嬉しいよ。ありがとう。持っていけるのならば、本当にあげたいところなのだけれど……」
「…!…汝、その言葉に一点の曇りもないと誓えるか?」
「ん?この子、また喋り方が……」
「た、多分ですが、「本当なのか」って聞いてるんだと思います」
「もちろん嘘は言っていないが……それはつまり、あれを持ち上げるつもり、ということかい?」
アリスはコクリと頷き、スーパーノヴァに手を添える。
「この武器を抜く者……この地の覇者になるであろう!」
「ふふふっ、なるほど。意気込みは素晴らしいですね!」
「無理は、しないほうがいい…クレーンでも使わないと持ち上がらな__
グググググッーー!
「……も、持ち上がりました!」
「嘘…信じられない……」
「えっと、ボタンは…これがBボタンでしょうか…?」
「ま、待って……!」
「…っ、光よ!!!」キュイイィィィン
ドガアアァァァァン!!
「あああああっ!私たちの部室の天井がぁっ!?」
「わあ」(ウチのミネ団長みたい)
「アリス、この武器を装着します」
「ああ、構わないさ、持っていってくれ」
「ウタハ先輩…本当にいいんですか?」
「ああ。どちらにせよ、この子以外には使えないだろうからね。ヒビキ、あとでアリスが持ちやすいように、肩ひもと取っ手の部分を作ってあげてくれ」
「分かった。…前向きに考えると、実戦データを取れるようになったのはありがたいかも」
「うわ、何だかものすごい武器もらっちゃったね!ありがとう!」
「あ、ありがとうございます!」
「いや、お礼にはまだ早いさ」
「え?」
「その武器を本当に持っていきたいのなら…」
「この私を倒してからにしていただけますか?」
「!?」
「え!?誰!?」
「はじめまして、私はトリニティの救護騎士団団長、蒼森ミネと申します」
"やあ、久しぶりだね"
「「「…え?」」」
「ミネ、君先生と面識あったのかい?」
「いえ、(キュウゴマイトとしてはありますけど、蒼森ミネとしては)初対面です」
「……なるほどそういうこと」
"あれ、でも君キュウg
その時、ミネが先生の口を鷲掴み、セリナが先生の首を絞め、ウタハが機械腕を使い先生の四肢を拘束する。
(先生そのことは秘密なので他言無用でお願いします)
"(了解)"
結局ミネは戦わず、ヒビキの出した処分要請を受けたドローンとロボットを倒し、アリスはスーパーノヴァを手に入れたらしい。
「結局あの人何だったんだろうね」
「ウタハ先輩が親友って言ってたけど」
おまけ
「最低でも1トン以上と推定される握力、発射時にもブレない安定した体幹バランス、強度や出力はもちろん、肌全体に傷すら見当たらない綺麗なな肉体……いや、機体。つまり、最初から厳しい環境での活動を想定し、ナノマシンによって「自己修復」することを前提として作られた体……。その目的はきっと……」
「……「戦闘」、だな」
「アリス、彼女は一体……」
「…ただの可愛い後輩でしょう」
「ミネ。…そうだな、少し難しく考えすぎたようだ」
「そうですね。ところで、久々にあなたの作った作品について聞くのもいいかもですね」
「……!!ハッハッハー!いいだろう!いくらでも話してやろう!」
ウタハはデヴィットポジってこと。
そして親友、会いたかったら気軽に会おうとするし、それでいてちゃんと相手のこと考えて理由つけて来やすくした。いい子やでホンマ。
「え?サクラコさんはただの友達ですよ?親友とは言えないですかね」