「......行ったか。」
「君は良いのかい、早稲。」
「ハッハッハッ!ご生憎様、こちとらまだ魔法少女になってねぇんだよ。んなもん敵るわけねぇだろキューベイよ。」
「そう言えばそうだったね。」
「わりぃな、こんなクソゲーに付き合わせて。」
「かまわないよ君も知ってると思うけど、僕のかわりはたくさんいるからね。むしろこの情報がいずれ何かを変える転機になるかもしれないし。」
「無駄死ってわけじゃねえのか。」
「さぁ、それは君次第なんじゃない。」
「...ふっ。だな、じゃあ1人と1匹、あがいてやろうじゃねぇか!!!」
静かだった。いや、正確には静かになったように思えた。ついさっきまで吹き荒れていた暴風雨も、ワルプルギスの夜が放っていた無数の使い魔の気配も、すべてが遠ざかったように感じる。
俺とキュゥべえは、ただワルプルギスの夜を見る。
「......っ!」
ほむらが抜けた分の負荷がかかる。暁美ほむら、彼女は時間遡行した。俺たちを置いて、この世界をやり直すために。まぁ、それが正しいだろうな。それが彼女にとって最善なのだろう。にしてもキツイ、さっきまで死ぬほど出てきた汗が逆に引いていく、暑いような寒いような矛盾。体力的にも不味いかもな。色々考える、俺自身の事、この世界の事、ほむらの事、少なくとも今の俺にはそう思えた。
「さぁて」
俺は拳を握った。身体が重いし、呼吸するだけでも肺が潰れそうだ。全身に鉛を詰め込まれたような感覚。
それでも立てる。
「まだ終わってねぇよな」
「もちろん」
キューベイが俺の隣で答える。
「ワルプルギスの夜はまだ健在だ。君の願いも、完全には成立していない。」
「だよな。にしてもこのデカブツ、くそが、いつまで持つか。せめてほむらがしっかりと時間遡行できるまで耐えねぇと。」
目の前の巨大な存在。まるで世界そのものを嘲笑うように、逆さまになった姿で浮かんでいる。少しずつだが、確実に違う。その身体を包んでいたキラキラとした光が、少しずつ内部へ侵食している。
ほんの僅か、それでも確実に。
「...まだ、食えてる。」
「食べているという表現は適切じゃないけどね」
「細けぇことはいいんだよキューベイ」
「君らしいね」
俺を見るキューベイ、その赤い瞳にはいつもの無機質な光が宿っていた。
「でも、問題がある」
「何だ?」
「君のソウルジェムだ」
視線を落とす。浮かぶそれは、まだ完全な形ではない。魔法少女の証。俺の魂そのもの。まぁ、こっから離れたら魂が離脱してオチャンな訳だが。
にしても濁っている。しかも異常な速度で。
「これ、そんなにヤバいのか?」
「かなりね」
「あーね、...魔女になる?」
「その前に君の魂が耐えられなくなる可能性の方が高い、砕けて割れてしまうよ。」
「マジかよ」
俺は笑った。魔女になるのも死ぬもの正直怖くはない。別世界線の俺が暁美ほむらと協力して、いずれワルプルギスの夜を倒す。なんとなくだが、そんな予感がする。ここで勝てなくても何処かで勝てる。...何だが気分が良くなってきた。
「じゃあ、急ぐしかねぇな」
「怖くないのかい?」
「怖いに決まってんだろ」
即答した。怖い、それを気合とど根性で蓋をしてる。常に命を晒さられている。しかしだ、
「死ぬのは怖ぇよ」
自分でも驚くほど素直に言葉が出た。
「でもよ、ここまで来といてなぁ。怖いからやめますなんて言えるかよ!!大体、シーザー・ツェペリじゃねぇが、俺だって何かしなくちゃなぁぁぁあ!!前世の俺なら、絶対にこんなことはしなかった。」
前世の俺ならまずこんな生き方しない。普通に生きて。普通に学校へ行って。普通に仕事をして。普通に趣味して。たまぁに贅沢して終わり。それが人生だと思っていた。
なのに、二度目の人生で俺は変わった。
何故かと問われれば正直わからない。趣味で読んだ少年漫画の影響かもしれないし、生まれ変わったからそこだからかもしれない。
けど言えることは1つ、俺は力を求めた。強くなることに喜びを感じた。格上を倒すことに興奮した。
そして今の今、人生で初めて自分より遥かに強大な存在に挑んでいる。
「......はっ!!最高じゃねぇか」
「何がだい?」
「格上狩りだよ」
俺は笑う。いいや、笑うしかなかった。相手は健在、だが俺は力尽きかけていた。自慢の気合もど根性も付きかけている。でもまだ終わらない。
「ここまでデカい格上、そうそういねぇだろよ。」
「生物は追い詰められた時物凄い力を発揮する事がある。でも君は自ら追い詰められいる。なのに火事場の馬鹿力って奴で何とかしようとする。
生物の生き方の原理として理解できないな」
「理解しなくていい、それが俺よ。」
俺は一歩前へ出た。
「俺が理解してりゃ、それでいい」
その瞬間、ワルプルギスの夜が動いた。今の今まで沈黙していたくせに動いてきた。
「っ!」
巨大な身体が傾く。同時に、周囲の空間が歪んだ。振り回される中、必死にワルプルギスの夜にしがみつく。建物が吹き飛ぶ。道路がめくれ上がる。瓦礫がこちらへ飛んでくる。
「うおおおおおっ!!」
反射的に跳ぶ。2・3mほど動いた。動いただけなのに、
「ぐっ……!」
衝撃で身体が吹き飛びそうになる。
「まだだ!」
ワルプルギスの夜を覆う光が、また一段強くなった。まさに最後の踏ん張りどころ。だが底をついて無理やり出力していた力は...。だか、だからこそ、踏ん張る。しかし思う、踏ん張ってるだけでは勝てない。
。
。
。
キラキラはあいも変わらずワルプルギスの夜を包む。が、勝ち筋見えず、勝つビジョンも浮かばず、勝つ方法も思いつかない。
「気合...根...性...。...。」
この物語、この世界線はやはりバットエンドなのだろうか。
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後日談やIFルートとして追加して欲しい話。
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オリ主と暁美ほむらの話
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オリ主とキュゥべえの話
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各ルートのその後の話
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オリ主がすでに魔法少女にだったIFの話
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要望は無し
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新作を書いて欲しい