絶対に配信はしないダンジョン攻略者   作:POTROT

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【悲報】オケラさん、遂に殺人未遂を起こしてしまうwww

1:名無しの攻略者

ダンジョン配信者の嵐山(あらしやま)投子(とうこ)さん、配信中に思いっきり人間相手に魔法ナイフをぶん投げてしまう

 

ちなみに元動画は既に削除済み

切り抜き動画が既に各サイトに流れているのでそれを参照にしてください

 

2:名無しの攻略者

はい。

 

3:名無しの攻略者

はいじゃないが

動画見たけど結構ちゃんとヤバい事やってたねアレ

 

4:名無しの攻略者

相手が強い人だったから助かったけど、死んでたらマジでヤバかった

 

5:名無しの攻略者

ちなみにマジレスするとこの件はただの事故っぽいので

殺人が起こりそうではあったけど殺人未遂には問われないと思われる

 

6:名無しの攻略者

ちゃんと映ってたけどお咎めなしって有り得んの?

 

7:名無しの攻略者

>>6

専門家じゃないからわからんけど

相手方が起訴しなかったらお咎めなしなんじゃないスかね

 

8:名無しの攻略者

そもそも相手の人って誰なん?

知らないけど有名な人?

 

9:名無しの攻略者

全然無名

誰も知らない

マッパー付けてるから少なくともレイダーでは無いらしい

 

10:名無しの攻略者

故意の有無がどうなるかやね

モンスターを殺そうとしてナイフぶん投げましたって文脈の、殺そうとしたってところが重要視されるんならそりゃあ殺人未遂だし、モンスターをってところが重要視されるならまぁ……って感じじゃね?

 

11:名無しの攻略者

やっぱり専門家に任せんと何も分からんね

ここにはニワカが多すぎる

 

12:名無しの攻略者

でもまぁ何にせよ問題行動に変わりないんだよねコレ

 

13:名無しの攻略者

特に罰があるわけじゃねーだろ

無名だしどうせ個人勢だろ?

相手も個人勢だしなぁなぁで終わるんじゃね?

 

14:名無しの攻略者

ライセンス取り消しくらいワンチャンあったりすんのかな

 

15:名無しの攻略者

やっぱりダンジョン配信ダメだろこれ

絶対注意力散漫になって投げただろ

ちゃんとしてれば相手が人間だってわかったはず

 

16:名無しの攻略者

>>15

動画見てみろ意外と分からんぞ

二足歩行型のモンスターも珍しいわけじゃないし

本人の戦闘スタイル的に近づかれたら終わりなんだから接敵前に殺しにかかるのは当然

 

17:名無しの攻略者

>>16

言い分は分かるんだわ

でも論点そこじゃないんだわ

 

18:名無しの攻略者

難しい問題だよねコレ

何が難しいって被害が無いところ

 

19:名無しの攻略者

ダンジョン配信で注意力散漫になってた

→多分あってる。コメント見て会話しながら探索してるのにまともな注意を割いてるわけがない

 

敵を捕捉したら接敵前に殺す

→こっちも間違ってはない。モンスターによっては捕捉された瞬間に超高速で殺しに来る奴もいるから、残当ではある

 

その上でその相手が人間で、しかもそれが配信中の事件だったってのがマジでややこしい

 

20:名無しの攻略者

擁護も非難もできるんだよね

難しくない?

 

21:名無しの攻略者

罰を受けるにしろお咎めなしにしろ

反省は見せて欲しいところではある

 

22:名無しの攻略者

見せねぇだろ

個人勢とか馬鹿しかいねぇぞ

あの女も見た目からして馬鹿だし

 

23:名無しの攻略者

>>22

ライン越えだぞテメェ

 

24:名無しの攻略者

思ってても口に出しちゃいけねぇことってのはあるんだ

 

25:名無しの攻略者

でもまぁ配信者があんまり考えて行動してなさそうなのはマジ

 

26:名無しの攻略者

ちょっと主語がデカいか

 

27:名無しの攻略者

真面目な人もいるにはいるのよ?

今回の件の人がどうだったかは置いておいて

 

28:名無しの攻略者

何にせよ、今回の件はデカい一石を投じることになるやろな

流石にこれで最終的に何もナシだと色々な所が納得せん

 

29:名無しの攻略者

何もないんじゃね?

問題がデリケート過ぎるしデカすぎる

 

30:名無しの攻略者

被害者さんが被害届出したら流石に大々的にしなきゃならんくなるとは思うが……

さて、どーなるか

 

 

 

 

「……やらかしたよねぇ、これ。本当に」

 

 通知の鳴りやまない携帯を放り投げ、横になる。

 

「間違ったことをした、んだろうなぁ……多分私のやり方が根本的に間違ってたんだ」

 

 自分以外の誰かの足音を聞いた。

 だからダガーを投げた。

 あの時の私の判断が間違っていたとは、どうしても思えない。

 

 自分の擁護意見を持ち上げるようだが、近づかれた時点でほぼ負けが確定する私にとって、距離とは力であり、生命線だ。

 だから近づかれる前に、視覚、聴覚、嗅覚、あらゆる感覚で察知した相手を、相手がこちらに気付く前に殺す。

 そうして私は今まで生き残って来た。

 

 人間が迷宮の奥から飛び出て来るなんて、考えたことも無かった。

 それがたぶん、根本的に間違っていて、ダメだったんだ。

 だから今回は今まで間違ったことを続けてやって来た、そのツケが回って来ただけ。

 

「あの人が強かったから良かったけど……このまま続けてたら絶対にまたやらかすよね……」

 

 しかも、今度こそ取り返しのつかない事になる可能性もある。

 そうなる前に、ダンジョン攻略も、配信者もやめて、真面目に働いた方がいいのかなー、なんて。

 そんなことを考えてしまう。

 

「今更そんなことが出来るとも思えないけど……」

 

 お父さんが事故で働けなくなって。お母さんは元々働けなくて。

 家計が一気に苦しくなって。

 だからソフトボールやめて大学もやめて。

 バイトしながらライセンスを取って、バカ高い配信機材を買って。

 大した実力も無い中配信とダンジョン探索でお金を稼いで。

 無駄に知名度を上げてしまった。

 知名度を上げようと、必死に努力した過去があった。

 その努力が、馬鹿みたいに巨大な足枷になって今の私を引きずっているように思えた。

 

「あーあ……」

 

 もう駄目かも知れない。

 そんな思いが湧き上がって来る。

 

 ここで開き直れれば良かった。

 あの人に対して、そっちが急に出てきたのが悪いんでしょと、噛みつければよかった。

 でも、自分はそんなことが出来る人間じゃなかった。

 それだけの話なのだ。

 

「…………」

 

 幸いなことに、手段はそこに転がっている。

 やろうと思えば、いつでもやることが出来るだろう。

 もういっそ、こんなに不安に苛まれ続けるくらいなら、楽になってしまおうかと。

 そんな考えが脳裏に過って───

 

 ピンポーン、と。呼び鈴が鳴る。

 インターホンのモニターを見れば、顔を真っ青にした友人の姿が。

 私が大学を辞めてもずっと友達でいてくれた彼女だ。

 心配で心配で、たまらなくなってしまったのだろう。

 

「……ダメだね」

 

 まだまだ取れる手段はあるはずだ。

 こんなもの、最終手段にだってしちゃいけない。

 

「はいはーい、なにか───」

『ちょっと大丈夫なの東子(とうこ)!? アンタ今めちゃくちゃ燃えてるじゃない!?』

「……あー……うん。ちょっと上がろうか。流石にちょっとその声でその話題は洒落になんない」

 

 近所迷惑以上に私の立場がヤバい。

 いやもう既にヤバいんだけど。

 

「ねぇ東子、アレ何!? 本当にやったの!?」

「うーん……まぁ、あそこに映ってたのが全部かなぁ」

「冷静になってる場合じゃないでしょ!? この状況でだんまりは悪手よ!?」

「うん。わかってる。謝罪動画とかはすぐに出すつもり。あとしばらくは活動自粛も。どうせ何やっても叩かれるだけだと思うし」

「そりゃあそうかもだけど……」

 

 正直、何をしても叩かれる未来しか見えないのは本当。

 だから取れる手は全部取った上で、事態が風化するまで黙ってるしかない。

 ……と、思う。

 

「ライセンスが止められたりは……?」

「わからない。今のところ連絡とかは何も来てない」

 

 けど、止められる可能性は高いと思う。

 実際、やらかしちゃったわけだし……ダンジョン配信者に関する問題は、元々問題視されてる部分もあった。

 騒ぎがもっと広がったら、一種の見せしめとして、処断される可能性だってある。

 

「……だからその前に、ご本人にも、一回会って謝らないと……」

「ご本人……ああ、あの人? 正直滅茶苦茶怖かったけど……確かに謝るのは重要よね……そこを配信とかはしないの?」

「逆に大炎上するでしょ」

「そうかな……そうかも……」

 

 はい謝りました相手も認めてくれました。

 配信してるし皆もしっかり見てるよね?

 これで一件落着だよね。

 

 …………うん、燃える気しかしない。

 っていうかどんな形で謝っても燃える気しかしない。

 何がヤバいって、あの人が多分、全く表に出てきてない、純粋な攻略者さんだって事。

 あの人がどこかの媒体で発信とかしてくれてたなら連絡とったり、向こうから何か意思表示的なことをしてくれたら何とかなった気もするけど、私だけが配信者をしているから、何をやっても。

「お前の圧力で言わせたんじゃね?」とかそういう意見が絶対出て来る。

 

 だからそこは甘んじて受け入れるしかない。

 その上で、どれだけ皆に納得してもらえるかを考えないといけない。

 

「…………何にせよ、まずは本人とコンタクトを取らないと……」

「そうだよね……」

 

 名前なんて知らなければSNSもやっていない人物。

 分かっているのは装備と声だけ……

 正直、会えるかどうかわからないけど……

 

「やるしかない」

 

 赦してもらえるか否かじゃなく、まずは謝る。

 きちんと直接、相手に会って。

 それが普通。それが常識……そうだよね、お父さん。

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