Fate/Sacrifice   作:The phone

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注意書き:この作品は作者による拡大解釈が存分に盛られています。ご注意ください。

初投稿です。色々試してみたから短めなので、ご容赦を。


〇.■の■/未城桐矢の夜明け

爛々と、真紅が咲き誇っている。

 

目眩を催すほどに強烈な(あか)が、大理石の床を染め上げている。

思わず目を背けてしまうほどに惨憺たる様があるというのに、そこは驚くほど静まっていた。

 

真紅の真上に転がる青年は、浅く、しかしゆっくりと息を吸っていた。

熱く、同時に冷たい身体。脇腹には感覚がなく、最早死は確かのものとなっていた。

 

「残念だったな、坊主。俺に見つかっちまったことが運の尽きだ」

 

声が聞こえる。青年(ぼく)を穿った、ボロ切れを羽織った不気味な男だ。

 

「別に即刻殺してやっても良いんだが…ま、別にいいよな。どうせ死ぬ運命だ。できる限り苦しめ」

 

嗜虐的な笑みを浮かべながら、男は背を向けて歩き出す。

いよいよ視界もぼやけてきた。男の背中が霞む。…もう、限界かな。

 

僕の死で、誰かが生き延びれたなら、良かったな。

 

死ぬのって意外とあっさりなんだ。そこまで苦しくなくてよかった。

 

そういえば、何も言わずに出てきちゃったな。梨奈、怒るかなぁ。

 

―――結局、やりたいことは殆どできなかったな。

 

 

『悔いているか?』

 

 

…そうかもしれない。正直僕は、人助けは愚か、家族の役にすら立てなかった。

 

『他人への義理で死を悔いるか。愚か者め、後悔など、己が欲を満足に果たせぬ時にするものだ』

 

随分な言い様だな。

…誰かは知らないけど、あんたは僕が義理で人々を救済したがる聖人だと思ってるわけだ。

なら、それはちと的外れな発言だな。

 

『ほぅ?ならば申せ。貴様がただの正義たらん所以を』

 

―――僕は、僕のために人を助けたいんだ。

理由はない。ただ、助けなければ僕は僕でいられない。

食う寝ると同じで、救うことは僕が生きているために必要なことなんだ。

僕による、僕のためだけの救済。どうだ?聖人とはかけ離れた傲慢さだろ?

 

『…………』

 

…………

 

『……ふ、ふは、ふはははははは!斯様な世にも、未だに貴様のような阿呆が残っていたか!』

 

『佳い、実に佳い啖呵だったぞ!…なればこそ、貴様は生きる他にあるまい』

 

『故に、余を受け入れよ』

 

『今より余が貴様の核と化し、汝の救済、その胎動を与える』

 

 

【故に、余の名を讃えよ!!】

 

 

❐❏❐❏❐❏

先程の建物から少し離れたとあるビルの屋上。ボロ切れの男が、目を細めながら弓に手をかける。

 

「…おい、マスター。あの坊主は誰も連れずに1人でここまでノコノコ歩いてきた。そうだよな?」

 

『あぁ、そうだ。何か問題でも起きたか?』

 

「なら、あれは何だ(・・・・・)。これだけ離れてもこの圧力、とてもだが並の英霊たぁ思えねぇぞ」

 

天高く、黒々とした(のろ)いとも呼べる魔力の渦が突き上がる。

 

『な…が起き…るか……が、一…撤退し…、ア…ー。おま…が言…ならそ……険とい…と…』

 

「何だ、どうしたマスター!おい!おい!!…畜生、こちとら令呪で繋がってんだぞ、こんな事あるかよ、」

 

と、そこまで口にして、ボロ切れの男は口を止めた。視線を上げ、そこにいたのは。

 

「未だ残っていたか。良かろう、今宵は余の初陣だ。盛大な救済の礎に、貴様の魂を焚べてやろう」

 

「余を讃えよ。余の偉業を讃えよ。余の悲劇を讃えよ。余の栄誉を讃えよ。余の救済を讃えよ。

讃えよ。讃えよ。讃えよ。讃えよ。讃えよ。讃えよ。讃えよ。讃えよ。讃えよ。讃えよ。讃えよ。

さすれば、汝の愚昧を赦そう」

 

「余の(いみな)(くら)復讐者(アヴェンジャー)。貴様に名乗る真名()などありはせ

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