これでよう実とFGOの要素を組み合わせた作品は3つ目です。どんだけ作っとんねん。だけどこの作品は作者自身の文字です。よろしくお願いします。
俺は転生者である。死んだと思ったら神様によって転生させられていた。神様がいると信じていたから存在に驚きはなかった。ただ実際会えて、転生することになったことには驚きがあったけど。
現世の名前は藤丸立香。赤茶色に近いような橙色のした髪が特徴的な少女に転生した。ちなみに前世は男である。世間的にはTS転生、で合っているのかな。
それにしても藤丸立香だと分かった時は、色々と調べたものだ。ただ該当するものはなかった。検索に引っ掛からないだけかもしれないけど。
後、女の子の生活に慣れるのも大変だった。今はもう余計な意識とかはしなくなった。
そんな俺だが、今日から東京都高度育成高等学校に入学することになった。合格した日の両親を今にも思い出す。めっちゃ大喜びだった。
だからこそ俺はもっと努力する。FGOの主人公である藤丸立香に転生したけど、まだまだ平均的だ。同時に伸びしろがあるということなんだと思う。
これからも努力し続けたい。それが俺の目標だ。
さて、どうして自分語りをしたのか。気を逸らしたかったのである。バスの席で隣に座っている存在から。
俺の姿はバスの窓に反射されて映っている。橙色の髪を黄色のシュシュで纏めてサイドテールにしている。橙色の瞳。赤色のブレザーに大きめの紺色のリボン。白のスカートに黒のタイツ。靴は茶色のローファーを履いていた。
これが今の俺の姿。そんな俺は現在縮こまりたい気分だった。だって……隣が完全に不良なんだ!
紫がかった黒髪を肩まで伸ばして、筋肉質な体をしていた。
俺にだって怖いものがある。でも案外優しかったりして。
そんな淡い期待は見事なまでに打ち砕かれる。バス内でちょっとした揉め事が起きた。OLが老婆のために優先席に座る青年に声を掛けたが拒否される。それどころか論破された。
そのまま席を譲れないと思ったところで、行動に移した少女がいた。少女は周りの誰でも良いから席を譲って欲しいと言ってきた。
実のところ、老婆と私達が座っている席は近い。そして俺は席を譲りたかったが窓側にいる。つまり心優しい人物なら席を譲ってくれるはず。そうでなくても社会貢献とか出来るから譲って欲しいなとした期待を込めて不良を見た。
そんな想いが通じたのか、不良と目が合う。そして——何も見なかったと言わんばかりに目を逸らした。
この不良全然心優しくない。社会貢献にも興味が無いのだろう。
結局他の人が席を譲ってくれたおかげで老婆は席に座ることが出来たのだった。
時間は過ぎて東京都高度育成高等学校に到着する。俺達はバスを降りて高度育成高等学校、略して高育に向けて歩き出そうとした。
「おい、そこのお前」
後ろから先程の不良が今度は私に向かって声を掛けて来た。俺はそっと振り返る。
「何かな?」
「お前、さっき俺のこと見てただろ」
「まぁね。席を譲らないかなって思って見てたよ」
「譲るわけないだろ。俺にメリットがねえ。そんなに席を譲りたければ声を掛けろよ」
確かに、俺は我が身可愛さに声を掛けることを怠ったかもしれない。そこは素直に謝罪すべきだろう。
「ごめんなさい。声掛けたら譲ってたかもしれないし、その通りだと思う」
「何言ってんだか。声を掛けたところで譲るわけねえだろ」
「ひっど!?」
この不良の反応に対して正直に酷いと申したい。本当に優しくも無ければ、社会貢献をしないタイプなんだろう。
「お前みたいな偽善者は反吐が出るぜ。出来ることなら同じクラスじゃねえことを祈る」
「私は別に、君と同じクラスでも良いんだけどね」
心の中の一人称は俺、普段の一人称は私と決めている。こだわりの一つでもある。
俺の言葉を見事スルーした不良は高育に向かって歩き出した。俺も高育に向かう。
高育にある掲示板を見て俺の所属するのはCクラスだった。俺は歩きながら校舎の中を見ていく。監視カメラが多いことに気付いた。
「なんでこんなに……」
こんなに多いと管理も大変ではないだろうか。
そんなことを考えていたら1年Cクラスの教室に到着した。私はそのまま入って黒板に貼られた座席表を見て自身の席に向かう。
「あっ……」
「チッ……」
俺が窓側の一番後ろにある自分の席に到着する。隣の席にいたのは先程の不良だった。最早切れない縁で繋がっているのではないかと疑いたくなる。
「よろしくね」
「俺はお前とよろしくしたくねえぜ」
照れてはいなかった。本気で俺とは関わりたくなさそうな雰囲気を醸し出している。
自分で言うのもなんだけど、俺美少女だと思うんだけど。ここまで拒否するとか自身を失くしそう。
教室に担任の先生である坂上数馬先生が来た。入学式の前に説明を行った。
まず担任の先生は変わらず、クラスも3年間一緒ということだった。
また、この学校の敷地内から出ることは基本的に許されず、義務として寮生活を送ることになっている。生徒の不満を抑制するためか、敷地内には様々な施設があり生活に困ることはない。
そしてここからが重要そうな説明だった。高育は『Sシステム』を導入していた。学生証を通すか提示することでポイントを消費して、施設を利用したり売店で買い物することが出来る。学校内で買えないものは無いらしく、敷地内なら何でも購入出来るみたい。凄いね。
それと毎月ポイントが支給されて、今手元には10万ポイントがあるってさ。太っ腹だけどそう簡単に10万ポイント授けるはずがない。甘い話には裏がある。
そう考えてくるとポイントのなんでも購入可能も視野を広げる必要がありそうだ。普通なら目に見える物とかだけど、もしこれが目に見えない物も入るんだとしたら……。
先生の説明を聞きながらメモを取る。他にも実力で測る、卒業後にはポイントは回収される、いじめ問題だけは敏感など様々なことを話してくれた。
「何か質問はありますか?」
坂上先生は周りを見る。すると隣の不良の声が聞こえた。
「坂上、月に支給されるポイントを教えろ」
「龍園君、敬語を使いなさい。それに質問については説明した通りです」
「ククッ、そうかよ」
不良の名前は龍園って言うのか。それと坂上先生の言い方は明らかに誤魔化している。
俺の質問はこの学校を回ってから考えようかな。それに誤魔化されるかもしれないし。
「他に質問は無さそうですね。それでは良き学生ライフを」
そう言って坂上先生は教室を後にした。教室中は10万ポイントをどう使うかで持ち切りである。特に女子はポイントを使いそうだな。俺だってそうするかもしれない。
俺はメモ帳を机の中に仕舞った。さて、ここからどうするか。……まずはみんなの名前だけでも知るために自己紹介を促してみるか。
ちょっとの緊張感を持ちながら教壇の上に立った。
「ねえみんな、ちょっと良いかな」
教壇にいる俺に向けて視線が飛んできた。改めて見ると体格が良かったり、目付きの鋭いクラスメイトが沢山いる。殆どの視線は好奇心だった。
「入学式まで時間あるし自己紹介しよう! 私はみんなの名前を知りたいな!」
「良いね!」
「賛成!」
ふむふむ、女子の殆どからは良いという言葉が出てるけど——。
「なんで自己紹介なんかしなきゃいけないんだ」
「お前の我がままに付き合うつもりはねえ!」
一部男子、特に体格の良い不良達からは不評みたいだ。だがこう言ったのは見栄を張っているだけだ。それにここで怖気づくと女子と男子で亀裂が生まれるから、大胆に攻めよう。
「確かに私の我がままだよ。その我がままと時間を私に貸して欲しいな。お願い」
私は両手を合わせてウィンクする。すると不良達の頬がちょっとだけ赤くなった。
「しょ、しょうがねえなぁ」
「分かった、自己紹介しようぜ」
ふふふ。ちょろすぎて将来が怖くなったわ。
取りあえず説得することには成功したので自己紹介をしていく。
「私は藤丸立香。好きなこと、興味のあることは沢山あるし探したりもしてます。勉強と運動も平均的だから努力中です。まずはこのクラスの全員と仲良くなりたいなって思ってます。気軽に声を掛けて欲しいです。よろしくお願いします」
俺の自己紹介から始まって続々と自己紹介をしていく。俺は自己紹介を聞きながらみんなの名前を覚えていく。
最後は予め最後が良いと言った龍園と呼ばれるクラスメイトだった。
「龍園翔だ。最初に言っておく。いずれ俺はこのクラスの王になる」
大胆不敵。王になると龍園君は言った。クラスメイトの殆どは何言ってんだこいつと言わんばかりに龍園君を睨んでいる。だけど彼は気にしていない。自信もたっぷりある。
「俺が王になるのが不服なら、いつでも相手になるぜ」
不良達が一番やってきたのは喧嘩だろう。それを分かっていて言っているんだ。しかも自信を損なってないから、喧嘩慣れもしているんだろうな。
「王様ね。どんな王様になるのかちょっとだけ楽しみだよ、龍園君」
「……そうかよ」
そう言って龍園君は自分の席に座った。さっき言った言葉に嘘は無い。ちょっとの期待とそれ以上の不安が心の中を渦巻いている。
それでも、今は名前を知れただけでも良しとすることにした。
「みんな、自己紹介してくれてありがとう!」
・勝手に答える作者の一言。
・なんで藤丸立香(ぐだ子)を容姿にしたのか。単純に可愛かったのと、藤丸立夏を使って小説が書きたかったからです。
・ごめんなさい。藤丸立香でした。訂正しときます。