畜生道に堕ちたと思ったら五条悟の飼い猫になった件 作:鳳飛鳥
アタシ七波奈々高校1年生! 小学校の頃に欲しい本を買うのにお小遣いが足りなくて、お祖父ちゃん御蔵のモノをちょーっと失敬して、お小遣いにしようとしたら御先祖様の持っていた『
その本に宿る72体の魔神はアタシのお願いを聞いて色んな事やってくれたり、教えてくれたりするんだ、だからアタシの人生はバラ色! ……と思ってたんだけど、アタシが魔法だと思ったモノは呪術で、コレは好き勝手に使っちゃ駄目なんだって大人に叱られた。
勿論、最初は魔神たちが付いてるしアタシが負ける訳無い! って反抗したんだけど……五条センセって言うイケメンが来たら魔神たちもあっさり負けちゃったんだ。
魔神に頼んでやった色々な悪い事の結果、アタシは本当なら死刑になるハズだったのを、センセは『子どもが間違った事をしたなら、叱って正しい道に導くのが大人の役目』って言って呪術高専で正しい呪術師に成りなさいって言ってくれたの!
五条センセは背は高いしちょーイケメンだし、あ、コレ私にも春が来たのかな? って思ったけど、高専に入ったらセンセが恋してる先輩が居るのに気が付いちゃったんだぁ。
でもまぁ呪詛師って奴に成ったら組屋センセの実験材料にされる訳で、正直アレは勘弁して欲しいしゴジョセンセの事はアタシの独り相撲だったって事でノーカンにしとく。
そんなアタシの高専での生活は基本的には体育体育体育……って感じで、ふつーの授業もちゃんと有るけどソレ以外は兎に角『魔神に頼らず戦う練習』だ。
クラスメートの子達は皆、実家が古くから呪術師をやってる家で、高専に入学してから直ぐに任務? ってのに出かけてたけど、アタシは基本の基の字も出来て無いから先ずは兎に角魔導書に頼らなくても戦える様になるのが第一らしい。
呪霊? ってお化けは今までも見た事は有るし、魔導書を手に入れてからは邪魔な所に居る奴は魔神にお願いして倒して貰っていたんだけど……ソレだけじゃぁ呪術師としては駄目なんだって。
ゴジョセンセは『基礎がしっかりと出来たなら、72個の術式を持っている様なモンだから、全部使い熟せれば1級は確実、特級も夢じゃない』って言われたけど、正直1級とか特級とか言われても全然ピンと来ないんだよね?
でも同じクラスの磯野君は『頑張って2級、但し海の上なら1級』らしいから、多分アタシは凄い才能が有るって事なんだと思う。
……誰かがアタシが凄いんじゃなくてゴエティアの魔神たちが凄いって言った気がするから、取り敢えず66番目の魔神キマリスを呼んでアフリカの精霊で言った奴を呪って貰っておこう。
うん、こう言う事を簡単にしちゃうからアタシは呪詛師予備軍ってゴジョセンセにも思われてるのかもしれないね。
でもさー、あの金色のケバケバしいオッパイハンマーを持たせて呪霊と戦わされた時は、流石にゴジョセンセを呪っても仕方なかったと思うんだよねぇ。
幾ら凄い呪具が有ってゴジョセンセも一緒に居るって言っても、アタシの初めての任務でイキナリ1級呪霊と魔導書無しで戦えとか言われたんだよ?
まぁあの忌々しいオッパイハンマーは本当に凄い呪具だったみたいで、魔神の力を借りても祓うのに手こずる様な1級呪霊をたったの一撃で叩き潰しちゃったんだから!
……まぁでも魔神達がオッパイハンマーより弱いって訳じゃぁないんだよね。
センセが言うには縛り? って奴で、魔神はアタシが呼んだらその時に出した命令を一つだけ聞いたら直ぐに本に帰らなきゃ駄目で、もしも出しっぱに出来たならアタシはその時点で特級呪術師って奴に成れる……らしい。
なんでもセンセの綺麗な蒼い目で見た感じ、魔神たちは単体で特級呪霊相当の強さが有るらしくて、ソレを自由自在に呼び出して使い熟せれば、ゴジョセンセとその相棒だって言う人が居なければアタシは日本を滅ぼせるみたい。
まぁ別に日本を滅ぼしたいなんて全然思ってない、そんな事したらポケモンの新作だって遊べなく成っちゃうし、買い集めてる小説の続きだって読めなくなる。
ただこー言うチカラってのは『ちょっとくらい』のつもりで使っていると、どんどん歯止めが効かなく成っていって、どっかで大事故を起こすってのが呪術界の定番なんだそうだ。
総監部? ってとこで呪詛師認定された人達も、殆どはそんな感じで最初は小さな悪い事をして、ソレが段々エスカレートして行って取り返しの付かない罪……殺人なんか……に手を染めて人達なんだって。
アタシも多分、センセ達高専の人達が止めてくれなかったら、ちょっとくらい良いよね? で魔神達のチカラを使って悪い事を続けてたんだろう……そうして繰り返す度にどんどん悪い事のハードルが下がって行くのは想像に難く無い。
本が売れなけりゃ出版社や作家さんにお金が入らず、物語が完結する前に続きが出なくなる……所謂『打ち切り』が普通に起こる事だと知ってからは、読みたい作家さんの本は必ず買う様にしているが、魔導書を手にした頃には何度か彼等のチカラで万引きもしている。
悪い事なのは分かっていたし、ヤッちゃいけない事なのも分かっていたが、魔神は他の人には見えず(呪術師には見える)40番目の魔神ラウムは『財宝を転送する』と言う現代科学では防ぎようの無い盗みが出来るんだ。
……まぁそうして盗った本は3冊だけだけど、1冊万引きされたら本屋さんは10冊売らないとその赤字を穴埋め出来ないと知って、ソレ以上盗む事は無かった。
兎にも角にも私の術式と魔導書に限らず、呪術と言うのは悪用しようと思えば幾らでも悪用が出来てしまう便利で危険な
高専に入って最初の夏、繁忙期と呼ばれる時期にはアタシも何度か任務を任され、出来るだけ魔神のチカラは借りずに戦う様にしたのは、魔神に頼るだけならアタシは一生成長しないとゴジョセンセに断言されたからである。
ゴジョセンセは呪術界ではちょーが付く有名人で、呪術界でも最強の一人だと言う、そんなセンセに殆どマンツーマンで指導されているアタシがボンクラのママだとセンセの指導力不足だって事になるらしくてセンセ割と容赦無いんだよねー。
んで、そんなセンセがラブラブビーム出してるのが一個上のウェンディ先輩、オーストラリアからの留学生だそうで、綺麗なストロベリーブロンドの髪も小柄な割に出る所はしっかり出てるボディーラインも『男なら惚れてもしょーがない』と思わせるスタイルだ。
でもさっぱりした気の強い性格で、一年ではアタシしか居ない一般人家庭出身の子に色々と気を使ってくれる良い先輩である……他の2年生達が後輩に気を使わなすぎってだけかもしんないけど。
同期は男ばっかでアタシが紅一点な上に、皆呪術師家系出身だから今ひとつ距離感が分かんないんだよね?
その辺ウエンディ先輩は外国人で尚且つ一般家庭出身らしくて割と話が合うんだ。
「ハーイ、ナナ。ちょっと良い?」
「ウェンディ先輩、どーしたんですか?」
「さと……五条先生からコンサートのチケット2枚貰ったのよね。本当は一緒に行きたかった見たいなんだけど、任務が入っちゃって行けないからってくれたの。ソレってデートじゃない? そんなチケットで他の男の子誘うのもどーかと思って、一緒に行かない?」
ゴジョセンセがウェンディ先輩にガチ恋してるのは、センセは隠せてるつもり見たいだけれども、ぶっちゃけ高専の生徒なら……と言うか高専に出入りする呪術師も補助官もみーんな知ってる事実だ。
ソレでも日本人ならセンセと生徒の恋はヤバいと隠すんだけど……この辺を普通に言っちゃう辺りはウェンディ先輩は日本語は覚えたけど、やっぱり文化の違う外国人なんだなーと思う。
そんな事を考えながら差し出されたチケットを見ると、ソレは最近話題の洋楽アーティストで、アタシもCDは何枚か買ったくらいには好きなパトリシア・マイアースのクリスマスライブのモノだった。
初来日の彼女は国内にファンクラブの様なモノは無く、殆ど全席が一般販売でそれでも10倍以上の倍率での抽選販売だったとニュースサイトで見た覚えがある。
某オークションサイトに出品されたチケットは即決120万円と言うアホの様な数字だったのにSOLD OUTに成っていたのだから本物のプラチナチケットと言う奴だ。
「え!? マジで! アタシで良いんすか?!」
「うん、ウチの学年のもう一人の女の子も誘って見たんだけど、その日はコミケで着るコスプレ衣装造りの追い込みだから無理って言われちゃった」
2年のもう一人の女子と言うと確か『仮面呪術』と言う、アタシと同じく呪具を使う事が前提の術式の人で、読んでたラノベ関係で趣味が被って何度か寮で話して盛り上がった記憶がある。
そっかーあの先輩、冬コミにコスプレして参戦するのかー? あの人、ウェンディ先輩よりも胸部装甲が重そうだし、ソッチ系のコスしたならカメコの視線をガッツリ集めるんだろなー。
思わず自分の胸を触って確かめるが、ソコにはブラのカップ分の膨らみしか感じられない……AAカップのブラですらパット入れないと隙間が出来るフラットな胸が恨めしい。
「アタシもパティは好きなんで行けるなら行きたいです!」
「じゃぁクリスマスは2人でコンサートね! 午前中はミサに参列してくるから何処かで待ち合わせましょ?」
ミサ……ああ、そっかクリスマスだもんな、オーストラリア人なら普通にキリスト教徒だよなぁ……表向き宗教系の学校に通ってると言う事に成ってるクセして宗教に疎いアタシは彼女がちょっとだけ遠い世界の人の様に思えたのだった。