キタサンと北さん   作:論理的のうきん

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どうものうきんです。
指導者として働く北さんをみたくて突発的に書いてみました。

※ウマ娘メインのクロスオーバーですが、北さん以外の稲荷崎メンバーも出すつもりなので、お楽しみに


プロローグ キタさんと北さん

 

4月下旬、春の暖かさを間近に感じられつつある今日この頃。

数あるトレセン学園内レース場の一角にて、厳しい勝負の世界への羽ばたきを間近に控えた有望株(ルーキー)たちによる熱い戦いが、一足早く繰り広げられていた。

 

「負けないよ!ダイヤちゃんっ!!!」

 

「勝負だよ!キタちゃんっ!!!」

 

芝2000m、勝負の直線前の第4コーナーに差し掛かったところで、二人のウマ娘が互いのエンジンに火をつけることで、繰り広げられる熱いデットヒートの激しさを増していった。

 

「なんだありゃすげー......」

 

「いったいどっちが勝つんだ......」

 

通りすがりのトレーナー達の目にも、二人の迫力が目に留まる。どちらも荒削りでセンス任せ、技術的な視点で見れば気持ちだけでまだまだ未熟なデビュー前といった印象だが、それ以上に新人達が放つ気迫に、優秀な名門トレセン学園のトレーナー達でさえ、自然に気圧(けお)されていた。

 

「頑張ってダイヤーーー!!!」

 

「・・・・・・」

 

レース場のコーナー外には、二人の大人がウマ娘達を見つめていた。一人の女性トレーナーは必死に声を大にして応援する反面、もう一人の男性トレーナーは腕を組んで静かに勝負の行方を見守っている。周りから見て、この二人が彼女たちのトレーナーであることはすぐに分かる。

 

「ラスト勝負だよっ!負けるなダイヤーーー!!!」

 

「「っ!!!」」

 

勝負は五分のまま、最後の直線までもつれ込むこととなった。二人はトレーナーの声を聞いた瞬間、ここが勝負どころである事を認識すると、未熟ながらも自然と身体がギアを押し上げた。

 

「ハアアアアアアアアアアアッ!!!!」

 

「やあああああああああああっ!!」

 

一歩一歩の踏み込みの強さが増したことで、蹄鉄が地面をより深く抉り、その深さの分、身体を前へ前へと加速させる。模擬レースだというのに、さながら重賞レースの終盤を思わせる走りっぷりだ。

 

「「ぐぅ!!!」

 

片方が抜いたと思えばもう片方がすぐに並び、そして抜き返す。本番であれば胃が痛くなるような展開の中、ついにレースが動く。

 

「(食いつけ...ない...!?)ハアッ、ハアッ...くぅぅぅ!!」

 

「(っ!?...今だ!)」

 

なんと片方の黒毛短髪ウマ娘が残り50メートルほどで急速にペースを落としてしまった。それを見事に捉えたもう片方の鹿毛長髪ウマ娘が一息で前に出る。

 

「やあああああああああああっ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「ハアッ、ハアッ、ハアッ......」」

 

「ハアッ...ま、負けたぁぁぁぁぁぁ!」

 

「ハアッ、ハアッ...やった!キタちゃんに勝ったぁ!!!」

 

こんにちは!キタサンブラックです。今あたしと一緒にターフで寝転がっているのは、昔からずーっと仲良しで幼馴染のサトノダイヤモンド、ダイヤちゃんです!

 

あたしたちは今年の4月に、それぞれ憧れの人を追いかけてこのトレセン学園に入学しました。あたしの夢はテイオーさんみたいに強くて、お父さんみたいに周りの人をもれなくみんな笑顔にすることができる、そんなウマ娘になることですっ!だからこれからいっぱい練習して、いっぱいレースに出て、そしていっぱい勝つ!!!

 

......って、思ってたけど...いきなりダイヤちゃんとの模擬レースに負けちゃいました...早めにトレーナーさんも見つかって、これからって時なのに、なんだか出鼻挫かれちゃった気分です...

 

でもっ、これはあたしの未熟さが原因!さっそくトレーナーさんにアドバイスもらわないと...って、その前にまずダイヤちゃんにお礼言わないと!

そう思い、あたしはゆっくりと身体を起こした。

 

「負けたよダイヤちゃん!くぅーっ!悔しいけど、またやろうね!」

 

「ううん、こちらこそ付き合ってくれてありがとう、キタちゃん!お礼にに今度併走とかどうかな?」

 

「いいの!?助かるよー!!!」

 

勝っても負けてもダイヤちゃんは変わらずいつもこんな感じで、その謙虚さが、たくさんあるダイヤちゃんのいいところの一つだ。だからか、何度でも勝負したいと思わせてくれるのかもしれない。

 

「二人ともお疲れ様!ほら、飲み物だよー」

 

「ありがとうございます、トレーナーさん」

 

入学した他のあたしたちには、ちょっと早めだけどもうそれぞれトレーナーがついてくれています!小走りで駆け寄って、あたしたちにスポーツドリンクを渡してくれたのは、ダイヤちゃんのトレーナーさん。黒髪に短めのポニーテールをしていて、苗字は金剛さんって言うみたいです。トレーナーになったばかりみたいだけど、明るくて面倒見が良くていつも笑顔、まるであたしたちのお姉さんのような存在です。あっ!トレーナーさんと言えば、あたしにもいるんです!

 

「二人ともお疲れさん」

 

「あっ、ありがとうございます!」

 

そしてこっちの男の人のトレーナーさんは、あたしこと、キタサンブラックのトレーナーさんです!こちらも金剛さんと同じく新人さんみたいで、灰色の髪に先っちょだけ黒色に染まっている短髪のトレーナーさん。苗字はまさかの北さん!さんをつけたらあたしと同じキタサン!...ってそれはよくて...ダイヤちゃんのトレーナーさんと比べるとちょっと厳しいけど...その分しっかりとしていてとても頼もしいトレーナーさんです!...なかなか表情を変えてくれないのが悲しいところです.....

 

労いの言葉と一緒に、トレーナーさんは私たちに汗拭きタオルを手渡してくれました。

 

「北トレーナー、今回は私達の勝ちですね!」

 

「ですね笑」

 

そういって金剛さんは満面の笑みと一緒にドヤ顔を披露し、ダイヤちゃんも面白がって一緒になってやっちゃってます。

 

「そうですね。でも、次は勝ちますよ」

 

「そうですっ!次はあたしが勝つよ!ダイヤちゃん!」

 

「望むところだよ、キタちゃん!」

 

今度はあたしがトレーナーさんに乗っかって、ダイヤちゃんに宣戦布告しておきました。あたしとダイヤちゃんは、本格化の影響でデビュー戦が一緒になるのか、そもそもデビューする年が一緒になるのかはまだ分かってません。でも、早く本番で一緒に走りたいな...

 

「ダイヤ、最後のあれよく見逃さなかったね、偉いぞー!」

 

「ふふっ、くすぐったいですよぉ」

 

あれっていうのは、最後あたしがバテてしまったことかな。そこをちゃんと見逃さなかったダイヤちゃんに金剛さんはダイヤちゃんの頭をいっぱい撫でであげている。おんなじ女の子だからだと思うけど、二人を見ていると一ヶ月もしないのにもう仲良しで、なんだかうらやましいです。

 

「......いいなぁ(ボソッ)...あっ!?」

 

わっ!?思わず声に出ちゃったよぉ!?トレーナーさん聞こえてないよねぇ......でも、最後まで頑張ったし...あたしにだってなにか......ないかな?

 

「チラッ...チラッ......」

 

「...キタ、ええか?」

 

「は、はい!」

 

これは、な、何か期待しちゃってもいいのかな!?いつものっぺらぼうみたいに表情変えないトレーナーさんが、今日こそついに...!

 

「さっきの模擬レース、最後までよう走ったな」

 

「っ!!!...いえ!それは...相手がダイヤちゃんだったので、その...なんか負けたくなくて...あ、ありがとうございます!!!」

 

「ふっ、せやな。キタらしいわ」

 

「......」

 

ど、どうしよ!?あの仏教面が基本のトレーナーさんが...わ、笑った!?やったー!!!これ、このまま何かしてくれるんじゃないかな!?頭とか...ちょっと下げたりしてみようかな......ダイヤちゃんみたいに。

 

「チラッ...!チラッチラッ......!」

 

「(......あ、あの寡黙な北トレーナーが、ちょっと笑った!?...そして)」

 

「「(キタちゃんが撫でられ待ちしてる!?...可愛いっ!!!)」」

 

外野二人からは、キタサンブラックが大型犬にしか見えなかったと後々語ったとかなんとか。そしてついに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただ、練習でやってないへんこと本番でやろうすんのは嫌いやけどな」

 

「......へ?」

 

「序盤、練習の時より逃げ気味で走ったやろ「ギクッ!?」なんでそうしたん?」

 

「えっ...えっとぉ......そ、それはぁ......勝つために、あえてと言いますかぁ......そのぉ...」

 

「最後の直線勝負でバテて、レースに勝てんの??」

 

「あ......」

 

「今日はもう遅いから、明日に今日の反省して、そこからトレーニングや。ええか?」

 

「は......はい」

 

「ほな」

 

.....................

 

氷河期の如く冷風は、一瞬であたしを、ダイヤちゃんと金剛さんを覆い、消えていったのだった......そうでした。私のトレーナーさん、こんな人でした...

あの人はまるで、生きた氷河期。いや、歩く正論パンチですよ...

 

「あっ...えーっと......ど、ドンマイだよ!キタちゃん!」

 

「私凍え死ぬかと思った...」

 

「はっ、はは......」

 

デビューまで残り2ヶ月。

あたし、上手くやっていけるかなぁ...

 

 

 

 

完




とりあえずプロローグということで。
新しい試みなので、どこまで続くかは分かりませんが、なるべく頑張ります。次からなぜ北さんがトレーナーとして働くことになったのかを、かつての稲荷崎メンバーと共に振り返っていくのでお楽しみに。

お気に入り登録及び評価や良し悪し問わず感想などなど頂けますと、モチベーションにつながりますので、お気軽にしちゃってください。

簡単なアンケートもとっておりますので、よければそちらも

稲荷崎メンバー(主に侑など)とウマ娘の絡みあった方いい?

  • もちろんやろ
  • べつに
  • それより北さんの性格何とかならへん?
  • キタちゃんかわいい
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