ハイブリット系ダンジョンアタッカー、キモがられる 作:好きな動物発表ドラゴン
動物ぺろぺろしたい。
街中インタビューで動物は好きですかの返答がこれである。羞恥心も後悔もない、それどころかこの返答を聞いてドン引きしたインタビュアーに少しばかりお話ししたいほどである。
ネットのおもちゃにされたのは少し傷ついたが俺のこの思いは恥ずべき趣味ではないので胸を張って次も、動物ぺろぺろしたい。と言おうと思う。
さて、突然だがそんなネットミーム総編集に数えられた俺の仕事について語らせてもらおう。
俺の仕事は、なんか数十年前に生えてきたダンジョンに
簡単に説明すれば、不思議エネルギーが詰まった石や不思議道具を手に入れるためにダンジョンに湧く魔物を倒すお仕事である。他にも仕事はあるが大まかな仕事は潜ってアイテムを探す昔のゲームのような仕事だ。
んで、ここからが本題でさっき説明した中に不思議な道具があるといったがその中にスキルオーブというものがある。
その名の通り、使えばそオーブに封じ込められたスキルを手に入れることができるダンジョンアタッカーならば喉から手が出るほどに求められる超レアものアイテムだ。
魔物を倒したり宝箱を開けて手に入れることができるそのスキルオーブなのだが当たり外れがある。そして俺が喉どころか身体中から手を生やしたいほどに欲しいオーブが外れ枠として捨てられているのだ。
そのスキルオーブの名称はアニマルオーブと呼ばれており、獣人になれる夢のような宝玉なのだ。
そしてその素晴らしいスキルオーブは外れ枠として魔物や宝箱から出たとしても地面に叩きつけられてぶち壊されるのだ。
絶許。
たま〜に上に持って帰ってくる人がいるのだがダンジョン組合はそのオーブをめっっっっちゃ安く買い取るせいで逆に品薄状態で幻のアイテムのようなものとなっている。
絶許。
なので俺が求めているスキルは絶対に金で買えないので自ら潜って手に入れて使わないといけないのだ。その道中に手に入れたアイテムを売って生計を立てている。趣味を仕事にするってこういうことだろう。ダンジョンアタッカーサイコ〜!!
そしてここ最近とある噂をネットで見つけた。
“【最悪】ボスのドロップ品がアニマルオーブだったんだけど【ゴミオーブ】”
もうね、遠吠えをあげた。興奮しすぎて。
しかも自分が持ってないスキルの可能性があったから思わずドラミングしてしまった。
昂る精神を落ち着かせてすぐに情報を精査して明日にでもその例のオーブが出たダンジョンに向かうれる準備を済ませた。本音を言えば今すぐにでも向かいたかったが三度ほど夜中に侵入して組合にブチギレられたので我慢した。俺は待てができる人間なのだ。偉すぎる。
昂る気持ちを抑えながら布団に包まる。が、今日は眠れそうにない。
……………入らなければ怒られないだろ。
ここが熊本ダンジョンか〜動物園に来たみたいだぜ。テンション上がるなぁ〜
無事受付の人から
ダンジョンに潜り数分、朝一に来たおかげか俺以外に人はおらず通路は魔物がウヨウヨ湧いていた。
俺のスキルを使えば蹴散らしながら目的の階層までいけるかもしれないがダンジョンアタッカーの暗黙の了解で必要以上に狩らないというルールがあるので魔物にバレないように通り抜けようとスキルの準備を始める。
俺はダンジョンに潜る際、靴を履かない。なぜかって?んなもん動物の足のほうが性能が上だからだよ。靴を履いたままだと靴が破けるんでな、脱ぐのが経済。
心の中でスキルの使用を念じると足がグニョりと変形し、毛が生え、爪先立ちとなり、踵が浮き始める。
そして数秒経てばそこには、猫の足を持った俺の姿が!カワイイ!!
猫の肉球は柔らかい故に音を出さずに歩くことができるのだ!しかも犬の足と違って爪を収納できる!バランスは取りずらいがそこは鬼の努力で手に入れた体感でなんとかする!そして何より可愛い!!やっぱ肉球は可愛い!!触るだけで人を天国に導ける!!ネコと和解せよ。
猫の足の可愛さに興奮しながらも歩き出せば肉球が音を完全に殺す。試しに軽くジャンプしても音は鳴らない。さらに試してゲル状の魔物付近を歩いても気づかれる様子はない。やっぱ猫はサイコ〜!!
猫の肉球の素晴らしさに改めて気付いたところで気づかれないように目標下層を目指して可愛い足を動かす。本当なら足を馬の蹄にしてダンジョン内を駆け回り体がまだ馬のスキルオーブを手に入れていないので脳内のやりたいことリストに加えておく。
途中、魔物に目視され襲い掛かられるが右手を変化させて殺した。アイテムは魔石を落としたのでバックに入れてまた足を進める。
目指せアニマルオーブ!!!!!
「先輩、なんでアニマルオーブ?は捨てるんですか?」
とあるダンジョンにて最近ダンジョンに潜り始めた青年が先輩に質問する。
「そら外れスキルだからだ。使うのは絶対にオススメしねぇし、組合に持ち帰っても誰も使わないスキルオーブなんて邪魔にしかならないから安く買い取られる。要は旨みがない」
「なんでオススメしないんですか?」
後輩の質問に先輩は説明がめんどくさそうな顔をするが一つ息をつくと説明を始める。
「アニマル系のスキルを使うと体が変形すんだよ。人の体を動物の体に変形させる。要はスキル使うたびに骨や筋肉が無理やり変形させられる痛みに耐えねえといけねぇ。そのうえ、変形したとしても人間が動物の体を十分に使いこなせるわけがねぇ」
「へ〜」
「痛みに耐えて発動して出てくるのが十分に動けない姿だ。だから誰も使わない。てか使えない」
先輩の説明に後輩は納得したような顔をする。
説明を終えた先輩は倒した魔物からアイテムを拾いながら思い出したかのようにもう一度話を始めた。
「さっきアニマルスキルを使う奴なんていないといったが嘘ついた。1人だけいる」
先輩は続けて話す。
「そいつはアニマルスキルを率先して集める変態でな。残念なことに二つ名を持っている」
「え!?」
先輩の発言に後輩は驚いてしまう。二つ名は、ダンジョン組合が特別な名声を得た者にだけ贈るダンジョンアタッカーとしてこれ以上ない名誉であり日本だけでも両手と少ししかいない。そこにその変態が数えられていると先輩は言う。
「そいつの二つ名は『ハイブリット』と呼ばれている。中には『キメラ』や『雑種』とも呼ばれている」
先輩はこっちの方がわかりやすいか?と言う。
「動物ぺろぺろしたい」
「嘘でしょ……」
最近流行っているミームの正体が二つ名持ちと言う現実に思わず目が遠くなってしまった。
後輩はその変態に会いませんようにと願いながら前を歩く先輩の背を追った。
ちなみにだが彼らがいるダンジョンは群馬である。