だが、本作の彼女は一味違う。
作中最強のフィジカルを手に入れたナギサ様。
その圧倒的な力でエデン条約編そのものをぶち壊していく。
【エデン条約編:ナギサのセーフハウス】
二人の生徒がナギサのセーフハウスに突入する。
「ハナコさんに、アズサさん!」
「貴方がたが裏切り者だったのですね!」
驚いた表情を見せるナギサ。
彼女の様子を見た二人は、本編通りの行動を取る。
「私たちだけではありませんよ、ナギサさん。」
「あっ、そうそうリーダーから伝言があります。」
「『あはは、それなりに楽しかったですよ。ナギサ様とのお友達ごっこ。』とのことです。」
(ヒフミさんまで!こうなったら......)
近くの棚からスモークグレネードを取り出すナギサ。
そのまま二人に向けて投げつける。
「「ゴホッゴホッ 」」
「アズサちゃん、行けますか?逃がしてはダメです。」
「大丈夫だ!このくらいなら問題ない。少し寝ていてくれ、ナギサ。」
ダダダダダダダダダダ
咳き込みつつも、気配を頼りにナギサに弾丸を浴びせるアズサ。
数十発の弾丸が煙越しにナギサに突き刺さる。
はずだった......
「あなたたちの力はこの程度ですか?」
煙が晴れた時、ナギサは平然とした顔で二人を見ていた。
握りしめた右手を突き出して、彼女は続ける。
「少し痛かったですが......このくらい余裕ですね。」
握っていた手をゆっくりと開くナギサ。
撃ち込まれたはずの全ての弾丸が、その手の中にあった。
金属音をたてて床に投げ捨てられる弾丸。
信じられない光景を見て、驚愕するハナコとアズサ。
勝てないと悟った彼女たちは、逃走を図る。
だが、ナギサは彼女たちに逃亡など許さなかった。
「タアー!」
掛け声とともに二人に回し蹴りを叩き込むナギサ。
頑丈なはずのキヴォトス人二人を容易く気絶させる。
銃を使うことなく......
「それにしても、最高級茶葉の効果は素晴らしいですね。」
「毎日20杯飲み続けるだけで、こんなにも身体が強くなるのですから。」
「やはりカテキンが効いたのでしょうか?」
【エデン条約編:補修授業部合宿所】
「楽しかったよ、サクラコちゃんたち。それに補修授業部の二人も☆」
「でも、力不足だったじゃんね☆」
「みんな行くよ!このままトリニティを乗っ取るよ。」
アリウス生たちと交戦する、ヒフミとコハル。
シスターフッドの援軍も到着し、攻めてきたアリウス生たちを押し返した。
だが、黒幕であるミカが現れたことで状況は一変する。
ミカの圧倒的な力により、ねじ伏せられるシスターたち。
ついでとばかりに、ヒフミとコハルも気絶させられる。
またたく間に敵を殲滅したミカ。
アリウス生を引き連れて、進軍を開始した。
「そこまでです!ミカさん!」
ミカたちの背後から、ナギサが現れる。
「ナギちゃん、探す手間が省けたよ。ちょっと眠ってもらうよ。」
「大人しくしていたら、ヘイローは壊さないから安心して☆」
護衛も付けずにやってきたナギサに、不気味な笑顔で答えるミカ。
だが、彼女はまだ知らない。
幼馴染の本気を。
「ミカさん、何か勘違いしているようですね。」
「貴方には勝ち目などありませんよ。」
「私の力をお見せいたしましょう。行きますよ、ミカさん。」
「あはは、面白い冗談じゃんね☆」
「いいよ、こっちも本気でいくよ。」
「ヘイローの無事は保証しないから、覚悟してね。」
いつの間にかミカの笑顔が消える。
鋭い目つきに変わり、ナギサへの猛攻撃が始まる。
ダダダダダダダダダダ
銃弾の嵐がナギサに吹き付ける。
神秘の力を上乗せした弾丸が、ナギサの身体に吸い込まれていく。
だが、彼女はまだ倒れない。
「ナギちゃん、こんなにしぶとかったっけ?」
「まあいいや、これでトドメじゃんね☆」
屋根を破って隕石が堕ちてくる。
ミカが呼び寄せた隕石は、ナギサが立っていた場所に正確に命中する。
この超高火力攻撃によって補習授業部が使っていた合宿所が崩壊し、辺りが土煙で覆われる。
ナギサは二つの攻撃をモロに受けてしまう。
普通の生徒であれば、耐えることは到底できないだろう。
「あーあ、やりすぎちゃったな。肉片すらのこってない......」
「さすがに幼馴染を殺すのは......罪悪感がすごいよ。」
土煙が晴れた時、そこにはクレーターだけが残っていた。
自分がやってしまったことを実感し、悲しむミカ。
突然、ミカは背後に強い殺気を感じる。
思わず飛び退くが、時既に遅し。
「ハアー!」
「グハ......なぎちゃ......」
「この程度で最強格とは......ミカさんも自信過剰ですね。」
手刀の一撃でミカを撃破したナギサ。
どこから取り出したのか、紅茶の入ったティーカップをその手に持っていた。
一口紅茶を飲んだ後、謎の力でティーカップをどこかにワープさせた。
そのまま、アリウス生たちに向き合う。
「さて、次は貴方方の番ですが......準備はよろしくって?」
つぶやくとともに、駆け出すナギサ。
優雅な仕草で鋭い拳を叩き込む。
数人のアリウス生が床に倒れ伏す。
「撃て!撃て!近づけさせるな!」
「化物め!はやく倒れろ!」
必死に抵抗するアリウス生たち。
いくつもの弾丸がナギサに直撃する。
だが、その動きは止まらない。
わずか10秒で、全てのアリウス生が倒される。
一人の例外を除いて。
「さて、残るは貴方だけですね。」
「アリウス分校まで案内していただけますか?」
「ひいい......案内しますからお命だけは......」
ニッコニコの笑顔で、上品に脅しをかけるナギサ。
そのまま、単身でアリウス分校に乗り込む。
待機していたアリウススクワッドをわずか5秒で蹴散らし、真の黒幕と対面する。
だが、その真の黒幕であるベアトリーチェも、手刀の一撃でやすやすと葬り去る。
ナギサ様の力を目の当たりにした、生き残ったアリウス生たち。
彼女たちは、トリニティへの無条件降伏を申し出た。
こうして、ナギサ様はお一人でアリウス分校をご制圧なさった。
その力で、作者まで崇拝させてしまう。
その後、一切の妨害を受けずにエデン条約の調印式も終了した。
こうして、エデン条約編は悲劇を生むことなく完結した。
先生が途中から空気になってしまったが。
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全てが落ち着いた後、ナギサ様はお茶会を開かれた。
もちろんいつもの二人も一緒だ。
「な......ナギちゃん。私本当にここにいてもいいの?」
「ナギサ......君は化物なのか?」
招待客のはずなのに、ビビりまくるミカとセイア。
怯える二人に、ナギサ様は優雅にお答えになる。
「良いのですよ、セイアさん。貴方は悪くありませんから。」
「ですが、私を頼っていただければ、隠れる必要もなかったのですが。」
「ミカさんも気にしないでください。幼馴染じゃないですか。」
「お気になさらずに、今まで通りに接していただいて構いませんよ。」
「私たちは『お友達』じゃないですか。」
「でもナギちゃん、私トリニティの裏切り者だよ?投獄しなくていいの?」
「それに、ナギちゃんのことも殺そうとしたのに『友達』のままでいてくれるの?」
至極当然な疑問を投げかけるミカ。
ナギサ様は、彼女の質問に優雅にお答えになられた。
「ええ、問題ありません。」
「これからもずっと『お友達』ですよ。」
一呼吸置いて、ナギサ様はお言葉を続ける。
「ミカさん。貴方は疑問に思わなかったのですか?」
「あなたの口にロールケーキをぶち込むことなど、普通の生徒にできるわけないですよね?」
畳み掛けるナギサ様。
「理由は簡単です......私のほうが圧倒的に強いからですよ。」
「もし次歯向かってきたら、どうするのが良いでしょうか?」
「そうですね~『折るね☆』を実行するのはいかがでしょう。」
「もしお二人が望むのでしたら、今度こそ私の本気をお見せしてもよいですよ。」
「先日ミカさんにお見せしたのは、確か......5%ほどの力でしたし。」
とてもいい笑顔でお答えになるナギサ様。
ナギサ様が、実は手加減なさっていたと知ったミカとセイア。
普段通りの微笑みに、二人は底しれぬ恐怖を感じた。
恐怖から、食べていたロールケーキの味がしなくなる二人。
お茶会が、ここまで恐ろしいものになるとは誰が考えただろう。
ミカは悟る。
ナギサ様から逃れることは不可能であることを。
彼女は既にナギサ様に『お友達』として捕捉されたのだから。
セイアも、ナギサ様には絶対に逆らわないことを誓ったのであった。
セイアもまたナギサ様の『お友達』なのだから。
おしまい