自分の書きたいものを正直に書くので、今回話の内容が暗いです。
お気をつけください
あ、今回はジオウに変身しません。では、どうぞ
※今回より作品タグの方に残酷な描写を追加しておきました。この先もっと暗くなると思われるので…
─普通の高校生『堕楽 ツカサ』。彼女は中学一年の時に出会った『天命 メラ』から勧められたアーティストユニット『ツヴァイウィング』のファンとなった。
そのライブを見に行ったツカサは、ノイズの襲撃に遭い、その中で『歌姫』と『戦士』…ツヴァイウィングは二つの顔を持つことを知った。
自ら戦場へと飛び込んだツカサを待ち受けていたのは、不思議な体験だった。ノイズによって生命活動が絶たれると思ったその瞬間、ツカサは『仮面ライダージオウ』の力を手に入れ、ノイズを沈静化したのだった。
彼女を待ち受けるものとは、一体何なのだろうか─
─────
「堕楽 ツカサさんですね?お話したいことがありますので、至急我々に同行してもらいます」
家に帰ってから翌日、ツカサの家に黒服スーツに身を包んだ者達がぞろぞろと押しかけてきた。一体この者達は誰なのか、おそらくは昨日のライブに関する事情聴取なのだろう…そう思い、ツカサはスーツに身を包んだ者に同行することにした。
「今から行く場所は機密事項に触れる為、目隠しをしてもらいます。よろしいですか?」
「あ…はい」
言われるがままに目隠しをされ、車に乗車。エンジンを入れた車に揺らされ、視界に何も映らないまましばらく移動させられるツカサ。
「ここからは目隠しを外させていただきます」
黒服の男が目隠しを取り外し、ツカサの視界にはエレベーターがうつっていた
「では、エレベーター内部に入ったら手すりにつかまってください」
「手すり…?」
何故手すりにつかまる必要があるのだろうか?そう思った直後…エレベーターの扉が閉じ、勢いよく下へと落下していった
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?」
勢いよく落下していった衝撃に、ツカサの身体は一瞬浮き絶叫が響き渡る、感覚としてはジェットコースターに近いだろうか。
「大丈夫ですか?」
「あぁぁ……め、目が…まわ、る……」
目に星がくるくると回るように視界がグラグラするツカサ。フラフラとしていたところ、エレベーターのボタンを押してしまい、目の前にバタッと倒れる形で姿を見せた
「ようこそ!人類最後の砦、特異災害対策機動部二課へ!!」
勢いよくクラッカーの音がパァンパァンと鳴り響き、上には『熱烈歓迎!堕楽 ツカサ様!』と書かれていた。ぐるぐる回った視界が治ったツカサは、今の自分が置かれてる状況がよくわからなかった。
「あ…あの」
「ん?どうした、何か変なことでもあったか?」
赤い衣服に身を包んだガタイのいい男性がツカサに向けて問いかける。
「…全部、です……」
「やっぱりこうなったじゃねえか旦那!?アイツ混乱してるぞ!?」
先日ライブ会場で生歌を披露したツヴァイウィングの片翼…天羽奏が赤い衣服の男性にツッコミを入れる。それに続くように、もう片翼の風鳴翼もツッコミを入れる
「叔父様…やはりこの歓迎の仕方は違うかと」
「んん?そうか…我ながらいい手だとは思ったんだが…」
「…えっ、と……なんで、ツヴァイウィングのお二方がここに…?」
ツカサの脳内に生まれた疑問は多数あった。ここはどこなのか、ここにいる大人達は誰なのか、何故ツヴァイウィングの二人がここにいるのか…
がんじがらめに張り巡らされた謎は、一つ一つ融解されていくことになった
「改めて、ようこそ特異災害対策機動部二課へ。俺は風鳴弦十郎、ここで司令を務めている」
風鳴…その名前を聞いたツカサは、おそらくこの赤い衣服を着た人が翼の父親なのだろう。そう踏んだ
「アタシは天羽奏。…昨日は、ありがとうな」
「い、いえ…私は、私の言いたいことを言っただけです。…その後にあんなことになるなんて、思ってませんでしたけど…」
昨日、天羽奏は自らの命の炎を燃やしてでも会場に現れたノイズを沈静化しようとした。そこに乱入したのがツカサだったのだ。
「…風鳴翼よ」
「ど…どうも」
ツカサがこの二課で感じた翼の印象は、『怖い』。普段のステージで歌って踊っている翼とは打って変わって、まるで侍のような勇ましさと、声のトーンから冷たさを感じた。
「そして私が!できる女こと櫻井了子よ、よろしくねツカサちゃん♪」
「わわっ…!?」
横から突然スケートリンクを滑るような回転でツカサに接近してきた、眼鏡に白衣を身にまとった人物・・・櫻井了子は、ツカサをじーっと見つめ、ツカサの身体を触りだした
「ちょっ…何を…!?やっ、やめてッ…!」
「大丈夫よ、ちょーっと調べたいことがあるだけだから…」
「いやぁっ!!やめてぇっ!!」
二課本部内に響き渡る悲しい叫び。その叫びには何処か、訳ありな匂いを漂わせる、心の叫びにも聞こえた。
「あの…大丈夫よ?ちょーっと身体に異常がないかチェックするだけだから…」
「いやぁっ…いやぁっ……はぁっ…はぁっ」
「櫻井女史…一度彼女を落ち着かせるべきかと」
「そ、そうねぇ〜…」
ツカサが発狂し、二課内部に悲痛な叫びが響き渡ってから数分後・・・飲料水を飲んで落ち着いたツカサは、再び話し合いに応じる姿勢を見せた
「あ、あの…昨日奏さんと翼さんがまとっていた鎧…あれって?」
「あぁ、あの鎧は『シンフォギア』という。現状我々の戦力内で唯一ノイズに対抗できる力・・・だったのだが」
「ツカサちゃんの使った力で、その理論がくずれちゃったのよねぇ〜」
了子が複雑そうな表情で返事をした
「えっと・・・その…すみません」
なんとなく責任を感じとったのか、一同に謝罪するツカサ。しかし無理もない、敵に対応できる力が突然増えたとなれば、混乱もするし根本の論理が崩れることもある
ゆえに、了子の反応は正しかった。
「ツカサ君が気にすることはない。…それで、本題なんだが……こちらとしても、ノイズに対抗できる戦力は乏しい…そこでツカサ君、君の力を貸してほしいんだ。」
弦十郎の真剣な眼差しに、ゴクリと息を呑むツカサ。これから先この組織に関わることは、国家の問題に関わると同義…そう思うと、自然と手が震えていた
「おい…大丈夫か?」
「え……ぁ…」
奏に心配されても尚、手の震えが止まらないツカサ。どうやら迷っていると同時に怯えてもいるようだ。
「…ごめん…なさい、すぐには…答えられません。」
今のツカサにできるのは、迷ってるという意思を見せることしかなかった。
「…無理にとは言わん。だが、答えが決まったらまた教えてくれ。」
「…はい」
司令室から出るツカサ。少し歩いてから腕の震えを抑えようと、胸に手を当てぎゅっと抑えこもうとする
「はぁっ…はぁっ……はぁっ……!!!」
一度精神が崩壊しかけたのか、かなり呼吸が荒くなっており、その場に座り込んでしまっている。
そんな中、司令室の声が少し漏れて聞こえてきた
『…彼女には無理があるわ』
『けど、ツカサはアタシの命の恩人なんだぞ!?それに、アイツと力を合わせれば今後も…』
『戦う意思を持たぬ民間人に戦わせろというの!?』
どうやら奏と翼が口論になっているようだ。アイツ…というのはおそらくツカサのことだろう。奏としてはツカサに仲間に入って翼のバックアップを頼みたい。だが、翼としては戦いを知らぬ民間人を巻き込みたくない。お互いの意地がぶつかり合っていた
『誰も彼もが、戦えるわけではないのよ!?わかってるの!?』
『っ…わかってるさ!けど…力を持っちまった以上、どうしようもねぇだろ!?』
力…昨日手に入れたジオウのことだろう。人間は何処で運命が変わるか分からない。力を手にしてしまった以上、戦いからは避けられない…自分のことで推しが争っている。その事が、ツカサの胸をさらに締め付けた。
扉が開き、口論の果てに司令室を飛び出した奏が顔を見せた
「…ツカサ?」
「……ごめん、なさい…。私の、私のせいですよね…
私が、あの時逃げなかったから…私がいるから、二人が…ひぐっ……ぐすっ…」
地面に座り込んでは涙を流し、胸に手を当てぎゅっと服を握っているツカサ。先程の会話を聞いて尚精神が傷ついてしまったようだ
「な、泣くなってツカサ!アンタがいなかったら…アタシは─」
「…私…ツヴァイウィングと一緒には…戦えない…」
ゆっくりと立ち上がり、奏に近づくと…彼女に、自らの懐にしまっていたジクウドライバーとジオウライドウォッチを手渡した。
「お、おい…」
「…ごめんなさい…私、邪魔でしたよね……それ、貰ってください…
私には、戦う資格なんて…なかったんですよ…」
トボトボと重そうな足取りで奏の前から一歩、また一歩と遠ざかっていった。ツカサの背中は、奏から見て…何処かさみしくも見えた。
『バァァン!!』
「ッ!?何の音…?」
奏が出てから数分後、通路で大きな音を聞き取った翼が、司令室から出てきた
「奏、どうした…の」
翼は確かにこの目ではっきりと見た。相棒の片翼が、涙を流していたことを。
「…なぁ、翼…アタシ、どうしたらよかったんだ……?」
「奏……」
この日、特異災害対策機動部二課には、重い空気と同時に悲しみの叫びが複数広がった。
─────────
黒服スーツの者達に事情を説明し、家へと送ってもらえたツカサ。鍵をガチャッと開け、一人静かな家内に入る。ツカサの家族は日中仕事で家を外しており、帰ってくることは少ない。そのため、ツカサは一人で家事をこなしている。
買いだめしておいた食材を冷蔵庫から取り出し、水で洗い流すと、包丁を取り出して切り盛りしていく
「痛っ…!」
だが、ピーラーでにんじんの皮を向いている最中に手を擦り切ってしまった。微かに流れる血を見て、ツカサは思った。
あのときの行動は、本当に正しかったのか、と──
一人寂しく料理を食べ終え、食器を洗うツカサ。先程出来た擦り傷を見るたび、脳をよぎる翼の言葉
『…彼女には無理があるわ』
「…私…どうしたらいいのかな……好きな人に、拒絶されて…冷たい視線を、送られて…ッ…!!」
食器を洗う中、翼のことだろうが頭を離れず…気づけばツカサは、また涙を流していた。今まで応援していた相手から切り捨てられたような感覚だ、耐えるほうが無理という話だろう…
ツカサは、一日のうちに二度泣き倒れたのだった…
─────────
「…私は、何をすればよかったのだ…」
一方その頃、ツカサに冷たい視線を送った当の本人である風鳴翼もまた、複数悩みを抱えていた。
相棒の片翼が涙を流していたこと。あの時ツカサにかけた言葉が、本当に正しかったのか。この二つが直結していることなのは明白。だが、事の対処をどうすればいいかわからなかった。否、分かっていてもできないのだ。
「…戦うことは、国を背負う防人となること…彼女には、まだ早すぎる」
初対面で冷たい視線を送り、突き放すような発言をしたのは、ツカサの未来を思ってのことだったのだろう。だが、その言葉がツカサにとってはキツく入ってしまい、矛盾を生み出してしまったようだ
「私は…どうすればよかったのだ…!素直に受け入れろというのか!?彼女を…戦闘経験のない民間人を……!!」
『──それは、お前が知ってることではないのか?』
「…ッ!?何者!」
誰かの声が脳に響いたとき…翼以外の世の時間が、全て一次的に止まった
「な、何だ…?」
『お前は誰も失いたくない…あの時だってそうだろう?天羽奏が絶唱を打とうとした、あの時も…』
「っ……!?」
自身の心理を見透かすような発言に、背筋が震える翼。さらに…
『お前は誰も失いたくない…だから他者を突き放したのだろう?誰かを失うのが怖い…とんだ臆病者だな』
「ち、違う…私は、そんな弱い剣ではない……!」
必死に謎の声に抗う翼。だが、その心はじわじわと暗く侵食されていく…
『剣、か…フッ、ならば解放してやる。お前のいう剣とやらをな…』
次の瞬間、ドゴッ…!という音が響くと同時に、翼の腹に拳がめり込んでいた。
「が、っ……!?」
『さぁ、見せてみろ…世界を終わらせる剣の力とやらをなぁ!!』
腹を抑え、その場にうずくまる翼。そんなことも知らずに、翼の頭を誰かが無理やりつかみ立たせる
「な、何を……ッ…」
翼の視界に映ったのは、全身をローブで身を包んだ謎の人物…その人物は、懐から小型時計のようなものを取り出すと、ボタンを押し込んだ
禍々しい音が鳴り響くと…次の瞬間、その小型時計を翼の身体に埋め込んだのだ
「がぁっ!?」
『フッフッフ……』
ローブに身を包んだ者はその場から姿を消し、翼だけがのこった…が、明らかに様子がおかしい。胸を抑え、苦しんでいるように見える
「何だ…これ、は…ッ……ア”ァァァァァァ!!!」
翼の全身を、禍々しいオーラがつつみ込み…その姿を、異形な仮面戦士へと変貌させた。この日、剣は折れ、怪物へとなってしまった…
『ブレイド……!!』
この日、シンフォギアの世界に本来存在しない記憶…アナザーブレイドが誕生してしまった瞬間だった
つづく
いかがでしたか?翼さんが大変なことになってしまいましたね…
元々翼さんはアナザービルドになってもらうつもりだったのですが、相性を考えるとブレイドの方が良いのでは?となり本編内容に至りました
次回更新もお楽しみに、ではでは