さて、前回アナザーブレイドになってしまった翼さんと、戦いから目を背けたツカサちゃん
果たしてどうなることやら…では、ご覧ください
『ヴーヴーヴーヴーヴー!!』
突如として特異災害対策起動部二課に鳴り響く緊急事態を告げるサイレン音。自体を把握するため、風鳴弦十郎を始めとした者達が指定の位置につく。
「二課本部内にて謎のエネルギー反応を検知!現在解析中です!」
「侵入者か…?」
「監視カメラの映像出します!」
職員の一人が監視カメラの映像を出すと、そこには異形な形をした剣のような化け物が映っていた。
『私は…剣では何一つ守れないのか…私は、どう生きていけば…』
その怪物から、二課内部のみならず、隣で聞いたことのある、青い片翼の声が聞こえてきた。
「・・・あの化け物が…翼…?」
相棒の声が聞こえたとわかった瞬間、天羽奏は自然と司令室を飛び出し、先程の映像が映った場所へと駆け出していた
「……あぁ、そうか。そういう事なんだな…」
映像に映されている場所では、崩れた剣の化け物となった翼が何かを理解したように動きを止めていた。
「翼ぁ!!」
息を切らしながら、走ってたどり着いた奏が化け物と化した翼に叫ぶ。
「はぁっ、はぁっ…翼、何なんだよその姿……!」
「ねぇ、奏…私、わかったの。私は何一つ守れない…折れた剣。国を守ることもできないし、手を結ぶこともできない…」
「つ、翼…?」
共に戦場に立つ相棒のいつもとは異なり、あからさまにおかしい様子を見て恐怖する奏。何より翼が怪物になったことを認めたくないのもあるだろう。
「私は一人…ずっと孤独で生きていかないといけないの…
でも、それも飽きた…だから、こんな世界…私が壊すの!!」
「ッ!?」
相棒の口から発せられた、突然の別れと敵対心。自らが剣であることを捨てた翼…アナザーブレイドは、奏に向かって走り出してくる
(まだリンカーの浄化が出来てねぇ…だったらこいつで……!!)
奏の言うリンカーというものについて…実は、奏はシンフォギアを己の身に纏う際にリンカーという薬品を注入している。それにより適合係数を無理やり引き上げてまとっているが故に、時間制限と次回使用までに時間がかかるのだ。
つまり、今の奏はシンフォギアを纏えない。一か八か、ツカサから貰った(というより押し付けられた…?)ジクウドライバーを腰につけようと取り出し、腹に当てるが…
「…!?何でだ…ツカサの時は自動で巻き付いてただろ!?」
何度腰に当てても、ジクウドライバーは反応を示さない。おそらく選ばれた者にしか使えないのだろう。奏は選ばれた者ではない、何度やっても巻き付かないのは、そのためだろう。
「ア"ァァァァァァ!!!」
アナザーブレイドは、自らの心に秘めた感情を剥き出しにし、奏にタックルをかます
「がぁっ!?」
タックルを受けた奏はジクウドライバーとライドウォッチを落とし、地面に転倒してしまう。
「奏…世界の最後は、奏と一緒に見たい…だから、また後でくるね…」
アナザーブレイドは二課から地上に続くエレベーターシャフトの中に入り、地上へと上がっていった。
一人その場に残された奏は、悔しさと悲しさに支配されていた。変異した相棒を助けられなかった、何もできなかった。自分には困ってる相棒を救うことさえできないのか…己の無力さに、奏は涙を流すしかなかった。
「くそっ…クソぉっ…!!!うぅ…う"ぁァァァァァァァァァ!!!」
一方その頃…ツカサは一人、ソファに座りスマホをいじっていた。だが、彼女の気分は晴れておらず、今だ曇り模様。
「……ッ…」
曲を聴くアプリを開くたびに見える、ツヴァイウィングの文字。昨日までのツカサなら、辛いことがあったときはツヴァイウィングの曲を聴いて気分を上げていた。
だが、今はツヴァイウィングの片翼から拒絶され、釘を差された。ツカサはどうすればいいか分からなかった。
何をどうすればいいのか、どうしたらいいのか…あの時の行動が正しかったかどうかもわからない。そんなモヤモヤが彼女を包みこんでいた。
『〜〜♪〜〜♪』
ただただスマホを眺めていたとき、端末が震えだした。メラからの電話だ。
「もしもし…?」
『ツカサ大丈夫か!?』
「え?」
メラの口から飛び出したのは、予想打にしない言葉だった。大丈夫か?といわれたツカサは何のことかわからなかった
『お前知らないのか!?歪な剣の化け物が街を壊して暴れ回ってるんだぞ!?』
「…えっ」
慌ててツカサはテレビをつける。すると、緊急速報と書いてありメラの言っていた歪な剣の化け物が、街を破壊しているのが取り上げられた。
『どうしたんだよボーッとして!?避難してないんだったら早くシェルターに…』
「ねぇ、メラ」
『何だよこんな時に!?』
「…メラは、大切に思っていた人から拒絶されたら…どうする…?」
『………』
ツカサの言葉に、言葉が詰まるメラ。こう言う時にどう言葉をかければいいのか、友達に何があったのか。疑問が複数浮かび上がるが、困ってる者は放っておけぬメラ。こう言葉をかけた
『…私は、たとえ拒絶されたとしても諦めない。それがたった一人きりの大事な人だったら尚更だ。
いいかツカサ?もし相手が認めてくれないんだったら、まずは心を通わせるんだ。相手が何故自分を拒絶するのか、話をするんだ。対話の先に見えてくるものだってあるんだぜ?』
「メラ…」
曇っていた煙が少しずつ晴れだした。まだ話がしたい、相手のことを知りたい…その一歩が、彼女を動かす
「メラ、ありがとう。私…行ってくる」
『い、行ってくるって何処n』
ブチッ
友を戦いに巻き込むわけには行かない。メラの言葉を聞く前に通話をブチッと切ったツカサ
「……翼さん…!!」
一度砕かれた心は再生し、再び立ち上がる勇姿を見せた。行く先は、一つしかない
─────────
「ア"ァァァァァァ!!!」
「打てぇっ!!」
自衛隊員達が銃の引き金を引き、アナザーブレイドめがけて銃撃を行う。だが、彼女に当たりはするものの火花が散るのみで決定打には繋がらない。
「邪魔を…するなァッ!!」
アナザーブレイドが禍々しく変貌した『ブレイラウザー』のような剣を天に掲げると…彼女めがけて雷が降り注ぎ、剣を振りかぶる
すると、雷がビームの如くとんでいき、隊員たちを攻撃…直撃こそしなかったものの、当たれば死を覚悟しなくてはならないものだ。
「やめろ翼!お前のやりたいことは本当に世界を壊すことなのか!?」
そこに、風鳴弦十郎、天羽奏、櫻井了子の乗った車が現着した。本来ならば司令官が現場に出ることは好ましくない事だが、事態が事態なため表に出てきたのだ。
「司令…奏…」
「翼ぁ!!お前…さっき一人って言ったろ、違うだろ!?アタシや旦那に了子さん…いずれはツカサだって」
「堕楽が…仲間……?ふざけた冗談を言わないで!!」
『ッ!?』
ツカサの言葉を発した瞬間、アナザーブレイドは武器を握りしめながら強く叫んだ。そこから吐き出されるのは、彼女の秘めたる想い…
「私は…私は堕楽を仲間だと認めない!!戦う力があるとしても、戦闘経験もろくにない民間人を受け入れない!!…それでも、それでも彼女に固執するなら…私が、私がァッ!!!」
アナザーブレイドが再び雷を剣に纏わせ…今度は奏に狙いを定めて放ってきた
『ドォォン!!!』
「危ないッ!!!」
奏に雷が放たれる直前のことだった。誰かが奏を横に突き飛ばし…雷を受けたのだ
「ギャアァァァァァァッッ!!」
ドサッ…と地面に倒れる音が聞こえ、奏が突き飛ばした人物が誰なのか見ると…
「…ッ!?ツカサ!?」
必死にここまで走ってきたのだろう、息も絶え絶えで雷を受けて腕に傷を受けた堕楽 ツカサがそこにはいた。
「はぁっ、はぁっ…はぁっ…だい、じょうぶ…ですか…?」
「な、なんで…どうやってここまで」
「…奏さんと、翼さんと…話がしたかった。…それだけじゃ、ダメですか…?」
ツカサは、面と向かい合って話がしたい。ツヴァイウィングのいろんなことを知りたい。そんな理由でここまで走ってきたのだ。
「ダメじゃねぇよ…寧ろ、アタシもだ……!ツカサ、頼む…これは、アタシには使えなかった…アタシの相棒を…翼を、助けてくれ……!!」
ジクウドライバーとウォッチを取り出し、ツカサに相棒の救出を依頼する奏。ツカサは無言でコクッと頷き…奏の手からドライバーとウォッチを受け取る
「堕楽……貴様ァァァッッ!!」
「私は、翼さんと話がしたい…もっと貴女のことを知りたい…!だから翼さん…貴女を止めます!」
ジクウドライバーを腰に装着するツカサ、ベルト帯が自動で射出され、腰に巻き付く。続けてジオウライドウォッチのベゼルを片手で回転させ、ボタンを押す
『ジオウ!』
ジクウドライバーの右側にセットし、チクタクチクタクチクタク…という時計の音が鳴り響いたのを聞き、ドライバーのロックを解除。左手を右目付近に当て、覚悟を決める
「…変身!!」
ジクウドライバーを一回転させるツカサ。ドライバー内部のセグ表記がマゼンタに光り、ZI-Oの文字が流れていく…
『ライダー・ターイム!仮面ライダー・ジオウ!』
堕楽 ツカサは、戦う覚悟を決め仮面ライダージオウへと再び変身したのだ
『ジカンギレード!ジュウ!』
武器のジカンギレード・ジュウモードを手にし、アナザーブレイドめがけて走りながら銃撃するジオウ
「ヴア"ァァァッッ!!」
だが、アナザーブレイドはその程度では怯まず、雷撃をジオウめがけて飛ばしてくる
「ウグ…ッ!」
それでも、ジオウは倒れない…否、倒れるわけにはいかないのだ。奏から託された思いを胸に、風鳴翼を助ける。その約束を果たすまでは─
「ア"ァァァッッ!!」
アナザーブレイドは剣を上に掲げると、その切れ味を上昇させ斬撃を繰り出した。背後には先程の雷撃を受け倒れている自衛隊員達がいる。
「ギャアァァァッ!!」
ジオウは斬撃を受け止めるしかなかった。大きなダメージを喰らい、吹き飛ばされるジオウ
「堕楽…世界の終わりを見せるための最初の犠牲者は、貴女になってもらうわ…」
「……翼さん…なんでですか…?なんでそれほどに…私を拒絶するんですか!!!」
「…!?」
それまで静かで大人しかったはずのジオウが吠えた。これまで散々耐えてきたのだ…その限界が来たのだろう。ジオウは、自らが秘めた想いを、アナザーブレイドにぶつける
「私が何をしたんですか!?あの惨劇を生きたから…戦ったから!?だとしても、私のことを知ろうともせずに…一方的に突き放して…いたぶって……!!楽しいんですか!?」
「……それ、は…」
「それが風鳴翼の本心だというなら…翼さんが世界を壊すと言うのなら……!!私がその運命…変える、変えてみせる!私が…運命を変える切り札になる!!!」
すると、ジオウの想いに反応するように、右腕のホルダーに取り付けられていたブランクウォッチが、青と銀の光を放ち出す…放たれた光はウォッチに吸収されると、グルグルと言う音と共に内部の機械が回りだし…起動した。
「…これは」
瞬間、ジオウの脳内をよぎる昨日と似たようなビジョン。まるで、その力を使えと言ってるように…
「…翼さん…これが私の、覚悟です!!」
ジオウは青と銀のウォッチを取り外すと、ベゼルを回転させボタンを押し込んだ
『ブレイド!』
ジクウドライバーの空いているもう片方…左側にウォッチをセット、ロックを解除し、ドライバーを一回転させる
『ライダー・ターイム!仮面ライダー・ジオウ!』
すると、ジオウの前に謎の人型鎧が現れた。ジオウはその背中に触れると、鎧が弾け飛び、自らに装着されていく…
『アーマーターイム!ターンアップ!ブレイド!!』
顔の文字が『ジオウ』から『ブレイド』へと変化し、仮面ライダーブレイドを一部彷彿とされる鎧が装着された
『祝え!全ライダーの力を受け継ぎ、時空を超え、過去と未来を知ろしめす時の王者!その名も仮面ライダージオウ・ブレイドアーマー!我が女王が初めてライダーの力を継承した瞬間である!』
「なんだろう…いける気がする!」
『ジカンギレード・ケン!』
ジカンギレードが自動的にケンモードに変形し、ジオウの左手に武装される。
「ア"ァァァァァァッッ!!」
アナザーブレイドは再び雷撃を放とうとしてくる…が、それより先にジオウが動く。
『マッハ』
本家仮面ライダーブレイドの持つラウズカードの一枚…マッハの力を解放。圧倒的速さでアナザーブレイドと距離を詰め、ジカンギレードを振るう。
「グゥっ…ギャアッ!!」
「やぁっ!たぁっ!!」
ジャキンジャキンと攻撃の度斬撃音が鳴り響く。ジオウとアナザーブレイドの剣がぶつかり合い、ジリジリと火花を散らす…
「堕楽 ツカサァァァッッ!!」
「絶対に…助ける……ッ!!ハァッ!!」
ジオウはアナザーブレイドの剣を弾き、アナザーブレイドを二度三度斬りつける。アナザーブレイドと距離が離れ、ここが勝機と見たジオウはライドウォッチのボタンを押し込む
『フィニッシュタイム!ブレイド!』
ドライバーのロックを解除し、一回転させる
『ライトニング!タイムブレーク!』
ジカンギレードを地面に突き刺した直後、ジオウは勢いよく飛び上がり空中回転。本家ブレイドの『ライトニングブラスト』を彷彿とされる必殺技、『ライトニングタイムブレーク』を放った
「やぁァァァァァァッッ!!」
『ドゴォォォォォン!!』
「う…う"ぅ………!ア"ァァァッッ!!!」
アナザーブレイドめがけて必殺キックが炸裂し…大きなダメージを負ったアナザーブレイドは爆発した
爆発した後には、元の姿に戻った風鳴翼がおり…彼女の体内から排出されたアナザーブレイドウォッチは、粉々に粉砕された
「翼ぁっ!!」
すぐさま翼に駆け寄る奏。身体を持ち上げ、彼女の安否を確認する
「おい翼、しっかりしろ!目を開けてくれ!!」
「………ッ…うっ…か、奏……?」
風鳴翼がゆっくりと瞳を明け、目を覚ました
「翼……世界を壊すとか、言うなよ…!お前は、一人じゃない…アタシやツカサ、旦那に了子さんがいる…!!一人なんて、一人なんて…言うんじゃねぇ……!!」
涙をポタッポタッと流す奏。その涙を拭き取ろうと、翼が手を伸ばす
「…ありがとう、堕楽…奏……」
こうして、風鳴翼がアナザーブレイドになってしまった一件は終わりを告げた。
───────
「堕楽、すまない…迷惑をかけてしまって」
「だ、大丈夫ですよ…翼さんと話せるなら、私はいいので……痛たたたっ!?!?」
「ツカサー、お前が大丈夫じゃねぇだろ…こんな傷負ってよ」
二課本部に戻った一同。ツカサは、傷を負った箇所を奏に消毒してもらっていたが…思ったより消毒液が傷に染み込み、ツカサは痛がってるまである
「…奏さん、翼さん。未熟者かもしれませんが…私、二課に入ります。」
「しかし堕楽…」
「翼さん、私が戦士じゃなくて民間人だから不安…なんですよね?…だったら、私を鍛えてください。」
「ッ!?そ、それは…」
「おー、確かに理にかなってるな。翼はツカサが戦士じゃないから認めたくなかったんだろ?だったら翼が言う理想の戦士とやらに、ツカサを鍛えればいいじゃあないか」
「かっ、奏!?」
奏に自らの墓穴を掘り返され、頬を赤らめる翼。その様子を見て笑顔を浮かべるツカサ。
彼女達の物語は、まだ始まったばかりである─
つづく
いかがでしたでしょうか。ジオウといえばレジェンドライダーのウォッチを使ったアーマータイム!ということで初手はビルド!…ではなく、ブレイドを出しました
設定資料が少なく、最初は書けるか不安でしたが何とかなりました
さて、私今更ながら気づきました
シンフォギアなのに立花響が出てない!技も名前出してない!
シナリオの関係上仕方なかったのはありますが…さすがに次回は原作後半パート入ります
…多分?
ではでは、次回更新をお待ちください