石化後すぐ復活しちゃった系オリ主   作:野菜神

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プロローグ

 それは唐突だった。

 

 いや、厳密には前々から予兆はあった。度々起こった鳥の石化。

 それが全人類に対して起こっただけのこと。

 

 簡単な話である。人類は今この瞬間に全てが石となりその存在を固定したのだ。

 多くの者はすでにその意識さえも途絶えさせ、ただの石像に等しきものとなっているだろう。

 

 

 かくいう私も、今の状況をこうなる前から完全に理解できてはいたのだが、何も対策できずに石化している。事前に知っていたとは言え現代人類の術ではどうしようもならない石化の光に見事に飲まれてしまったのだ。

 

 なぜ、私が事前から知っていたかと言えば、それはまぁ当然、原作としてこの世界を知っている転生者だからである。

 説明するまでもないありきたりな話だ、死んで、神様に出会い、新しい生を別世界でもらった。その世界がたまたまDr.stoneの世界だったということだ。

 

 ちなみに神様からチートはもらっている。水や飯がなくとも通常通りの活動が可能というサバイバルにもってこいな体質だとか。ほぼ永久機関であり科学を根本から否定してしまいそうな体質である。

 ついでに好きなように不老不死にもできる。不老不死は不幸になると言われる中好きにできるとは何て便利だろうか。

 

 なお、現代日本で飯を食えないなんてこともない上に、死ぬようなこともないのでそれらチートが発揮されたことは今世で一度たりとも……何度かはある。それら全て転生の際に生じた不具合から発生したものなのでノーカンとするが。

 

 このくらい、外部からの刺激が何もなく眠たくなってしまう環境の中どうしたことか。

 すぐに寝てしまうというのも一つの手だろうか、そして気づけば訪れる数千年後に人類文明が復活した後に蘇り暮らしていく。

 うーん。素晴らしい。

 別に、自分はDr.stoneという作品は好きではあるが、その作品の世界観を自身で満喫したいわけではない。原作の時系列に復活して原始の世界を体験するのも面白そうではあるがやはり現代人。

 千空たちが人類文明を復活させた後に復活する。この方が楽しい生活を送れそうだ。誰が好き好んで原始時代を生きようか。

 

 人類を作るSF物語は様々な分野の天才たちに任せるとしておくことにしよう。私も私でファンタジーな存在ではあるが、ドクターストーンの登場人物も大概ファンタジーであるし。

 特にカセキ、大樹。この作品最大のファンタジーは人物であるともよくファンの間では言われている。

 

 

 

 

 そうだね、突然だがここで一つ自分語りをしよう。

 なぜか?そりゃあこんな暗い、暗いどころでなく視覚も聴覚も五感全てがない環境だ。自分語りでもしなくては精神がおかしくなってしまう可能性が高い。

 3700年も待つ気は無いのでいつか寝ようとは思うが。

 

 まぁ、今行なっているのは本格的に寝る前の脳の整理のようなものだ。数千年後に万が一にも完全な私としてなにかがかけないように目覚めるための。

 

 そうだね。前世や今世で共通していることを話そうか。私は漫画家、小説家、シナリオライター、まぁそこらへんの物語を作る職につきたかった。1番目指すは漫画家である。

 だが、現実というのは非情でね。たとえ漫画の世界の住人だとしても漫画を職にするのは厳しいとよく言われたよ。

 まず前世では単純になれなかった。親が小説家だったから物語を構成する才能はあると思っていたんだが遺伝されなかったようで。

 それはそれでも楽しい人生ではあったのだがやはり悔いとしては残っていたよ。

 

 そして、転生し、辿り着いた世界がこの世界である。

 記憶を取り戻したのは6歳の頃だったか。一気に前世の記憶を取り戻し、さらには今世の人格ともゴッツンコしたことにより脳ははち切れ死亡した。

 人生2度目の死亡となったが、転生してすぐ死んだ自分のことを哀れに思ったか神様からのチートかはしらないが急遽追加されたご都合的な不老不死で復活という流れがある。

 そのせいで脳スペックが天元突破したので不幸中の幸いと言えるのだろうか。天元突破したところで凡人に変わりはないのだが。

 

 ちなみに、この体の基の人格は記憶がない私と大差はなかったらしく、一時二重人格にはなったが互いに了承の上で普通に融合してなし崩しに同じ人格になっている。

 

 将来の夢の話に戻るが、前世で諦めたとは言え、今世を一から謳歌できるというのであればまた目指してみたいと私は活力を入れたわけだ。

 やはり、1番目指したいものは変わらず漫画家だ。

 

 そうなった私は前世以上に練習をしたが前世から引き継ぐ才能の無さにはばまれながらも何とか一度賞を取るまでに至ったわけだ。同年代で何賞も取っているものもいると考えれば前世ありでこの醜態かとは思うが、前世の優位性を超える天才というのはやはりいるものでありそこは割り切った。

 

 

 となると、やはり私は原始時代に蘇りたくはない。理由は当然、漫画家になるための練習の時間が大きく減る。

 あの中漫画だけ書くなんてことはできないだろう。別に、今世も漫画だけ描く暮らしを送っていたわけではないが、それ以上にだ。それに練習できる環境もない。

 

 

 そうなると、やはり私は人類文明が復興した後に復活したい、そう思うわけだ。その気になれば不老不死で無限の時間を得られる私ではあるが、監視社会の日本の下にそんなものを使えるわけもなく。せいぜい140歳がリミットだろう。

 一つのことを極めるにはあまりに短すぎる。

 いや、そう考えたら管理が曖昧な原始時代に蘇っておいた方がお得なのだろうか。

 

 まぁ、どちらにせよ私がどうにかできることはないのだが。チートを使おうが石化を解く方法なんてものは思いつかない。別に千空と知り合いなわけでもないし名が売れた存在でもないのだから復活液を注がれるわけもない。

 どちらにせよ私が復活するのは人類みんな復活させようというフェーズに入ってからである。

 

 なので私は3700年強の優雅な思考orお昼寝時間が与えられたわけである。実に結構。

 いっそのことこの3700年を利用して漫画の物語でも考えてみようか。

 作者が3700年構想した作品とでも言っておけばインパクトがでかいだろう。

 まぁ、監督が10年構想した作品とか宣伝してる作品は大抵売れないが。10年構想しているということは10年間話を作品としてまとめ上げられていないということでもある。悪い意味でも良い意味でも。

 すごい人なら一年で話をまとめ上げて見せよという話だろう。

 

 しかし、今回3700年もの時間があるのも事実。その時間をただお昼寝して過ごすかそれとも起きて過ごすかならば私は起きて過ごすを選ぼう。

 この3700年の間にこれまでにない全く新しい漫画というのを脳内で仕上げてみせる。

 幸いな事に、転生で一度完全にぶっ壊れた脳が回復した事で高度なシュミレーションも可能である。脳内だけで完成像などもイメージできる。なんならインクの溶け具合など全ても脳内で物理演算も可能である。

 五感から周囲の法則、その全てにかけて限界突破した私の脳はシュミレーションが可能。

 

 一層の事この機会に完全あたらしい世界というのを脳内で形成するのも楽しいだろうか。脳内でさまざまな人間の営みをシュミレーションし、たとえ脳の限界がきてはち切れようと不老不死で再生してさらに強固な脳へとし、やがては一つの世界を完全にシュミレーションできるようになるかもしれない。

 大変おもしろい。

 決めた。この3700年は脳内で漫画のネタになる新世界の創造でもすることとしよう。

 やってることで言えば一般人や厨二病が行う妄想のハイパー上位互換である。

 

 

 ではまず何から行おうか。流石にビッグバンから行うのはあまりにも途方にかかる。人類どころか地球誕生すらしないだろう。

 まぁ、一つの世界を作るのはまたいつかとして、まずは1人の人間というのを完全に再現してみることとしよう。その先も形作っていき、そして。

 

 細胞の一つ一つ、血液の流れ、髪の毛、免疫の働き、その人間が感じる五感、思考。

 そしてその五感を最大限活かすための周囲の環境。それら全てを形作っていく。

 

 一つできればあとは簡単。そのまま生命やそれを渦巻く世界というものを頭の中で連続的に構成していくのみだ。

 もはや漫画とは別次元の何かを作り上げてはいるが、人間の好奇心は止められない。私の頭の中で生まれる新世界はいったいどのようになるのか。どのような結末を迎えるのか。その全てをシュミレーションし、そして。

 

『パキッ』

 

 あぁ、私ははやいうちに禁忌の領域に手を出してしまったのかもしれない。神とはこうだったか、真祖とは、この世界の根源とは。きっと、これは

 

『パキパキッ』

 

 もはや私は私の脳内世界限定ではあるがまごうことなき神なのだろう。だが、もう何者にも止められない。私はあたらしい世界の想像主へと

 

『パキパキパキパキバララララララ』

 

「……おや。良いところだったというのに。もう3700年経ったというのかい?それにしてはあまりにも体感時間が早……は?」

 

 もう3700年強の年月が経ったかと思い、目の当たりの石が落ちた後に瞳を開ける。

 体感時間では数十分ぶりの光に目が眩むが、何の問題なく自分の周辺世界を認識する。

 

 その世界は3700年後に千空が復興した人類文明、ではない。

 ならば人類文明が滅んだ後の原始時代。でもない。

 

 

 そこは、どこからどう見ても私が慣れ親しんでいる現代そのものだった。

 アスファルトは十全にしかれ、高いビルは権威の象徴を示している。目覚めた自身の服装も特に変化はなく、お気に入りのパーカーそのもの。

 しかし人々は石化しており、飛行機が墜落したのか向こうでは黒煙が上がっている。道路では多数の車が事故を起こしていた。

 ポケットから取り出したスマホ、その時間は12:35を示しており、お腹の空いてくるお昼時である。カレンダーを見れば2019 六月という文字が。

 

「……これはぁ、早起きしすぎちゃったかなぁ?」

 

 予定としては3700年強後に目覚める予定が、寝てから経ったの数十分で起きてしまったらしい。我ながらとんでもない早起きさんである。




石化って思考するだけで一応解けるんやー……せや
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