光の戦士達の凶行   作:小説チーム・ハスタート

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第9話

 飛竜のような姿を持つ怪獣と、二人の光の戦士。モニターに映し出された向こう側で戦うそれらを、地球警察隊が見守っている。

 その地球警察隊が応援している…否、味方をしているのは、怪獣側。というのも、この日本の一番偉い政治家である神峰靈夢が何者かの仕業によって光の戦士と戦わされ。その光の戦士…ウルトラマンによって殺されたのだから。…それに怒ってくれ、自分達の兵器で光の戦士に立ち向かわんとしたアメリカの大統領、アルフレッド・ポーカーが率いる軍隊を用いたとしても。光の戦死…ウルトラマンにはかなわず。それどころかウルトラマンたちはあろうことか日本の神社仏閣を襲撃し始めたのである。

 一見すれば日本人の敵に回ったとしか言いようのない、ウルトラマンの行動。それらは地球警察隊に…否、日本人に絶望を与えるには十分すぎるほどのものだった。

 神も自分達の事を見捨てたというのだろうか。…敵に回ったウルトラマンになすすべがなくなる地球警察隊だったが。そんな地球警察隊…否、日本人たちにとって。意外な味方が現れる。…それは、元来ならば人類の敵として破壊の限りを尽くし、人類に仇なす存在だった怪獣達。…いや、宇宙からの侵略者たち。それらは普段なら、地球を狙って人間達に害をなしていくのが普通だったのだが。今回ばかりは地球に害をなしているウルトラマンに対して戦うそぶりを見せ。これまでにそのすべての戦いで…かなり有利に戦ってきていたうえに。何人かの光の戦士の事を倒してくれてさえいた。

 その怪獣は今や、日本人にとっては救いの神のような存在としか思えなかった。…だからこそ地球警察隊は。…今、ウルトラマンと戦っている飛竜のような姿の怪獣に肩入れをし。買ってくれ、と願っていた。

 機動力では上回っているがために、ウルトラマンの攻撃をひらりひらりとかわしていく怪獣。…その怪獣はしばらく攻撃を回避したのちに。口に炎を溜め…それを一気に光の戦士へと放っていく。

 その炎は、光の戦士にさく裂し。その光の戦士の体勢を大きく崩させることに成功する。…しかしてその光の戦士は、体勢を立て直すのも早かった。

 再び構えを取り始める光の戦士。…飛竜のような姿の怪獣が大きく咆哮をあげ。今度は翼に備えられたその鋭い爪で光の戦士へと襲い掛かっていく。

 

「…先ほどの攻撃のダメージも残っている。今攻撃すれば、相手の光の戦士は倒れるはずだ!」

 

 飛竜のような怪獣の方にはいまだリスクはあったが、地球警察隊の頭にはそんなことはすっかり忘れ去られている。…ここまで、怪獣が光の戦士に対して優位に戦えて来たのだから。同じように戦えるはずだろう、…そう、地球警察隊は思っていたのだ。

 しかして現実はそうは上手くは行かない。光の戦士がその飛竜のような姿を持つ怪獣の突進をすんでのところで躱して見せたかと思うと。その首を小脇に抱えたのである。

 

――光の戦士が、怪獣の首を…!!?

 

 暴れる怪獣。だがしかしてその怪獣も、もう片方の爪で光の戦士の事をどうにか攻撃しようとするが…攻撃は届かずにいる。…それは一転して、怪獣がピンチになったことを意味していた。

 光の戦士が、暴れる怪獣を抑え込む。…そして、自分を軸にグルングルンと回り始めたかと思うと。一本背負いの要領で怪獣を地面にたたきつけた。

 上がる土埃。轟く怪獣の叫び。その怪獣の胴体部分に、光の戦士は自身の手を突き立てたかと思うと。気合を一点に集中させエネルギー弾で怪獣の事を撃ち貫いた。

 飛竜のような姿を持つ怪獣が、身体全体から力が抜けていくかのようにぐったりと倒れこんでいく。…先ほどの光の戦士の攻撃が、急所に当たった証でもあった。

 

「…怪獣、光の戦士の攻撃により、絶命しました。…これまで、大活躍をしてくれただけに…彼の事を我々は忘れられないことでしょう…。」

 

 目を閉じ、絶命したことを明らかに示す怪獣。…一方の光の戦士はといえば、片方の手を天に突き上げ。何処かへと飛び去っていく。…恐らくは、その光の戦士は倒れてしまったり窮地に陥ったりした光の戦士の代わりとして戦う役割を担っていたモノなのだろう。その役割を終えた今、倒れてしまったもう一方の光の戦士とともに何処かへと飛び去っていった、という事なのである。

 

――あの光の戦士達も、何れは我々の前に本格的に立ちはだかることであろう。…ただ今は、…それまでに頑張ってくれた怪獣の事を、弔おう。

 

 地球警察隊が、静まり返る。…隊員たちは、それまでに頑張ってくれ、そして命を落としたかの怪獣に対し。追悼の意をささげ行く。

 …そして、その日は日が沈み。そして夜が更ける。…だがしかして朝を迎えたその時。地球警察隊の本部、その中央に奇妙な姿の生き物がいた。

 

「な、何だこいつは…!?」

 

 第一発見者である樹代光一郎が驚く。…その樹代光一郎に対して。なんとその生き物…背中に翼を持ち二本の脚で立つ恐竜の子供のような姿のそれは、言葉を発したのであった。

 

『人間さん、此処は地球という場所であっているの?…合っているならば、僕の話を聞いて。…この戦い、ウルトラマン…いや、M78星雲が仕掛けてきたものなんだ。』

 

 生き物が話し始めたのは、驚きの話。…それは、地球警察隊の度肝を抜くこととなる。

 

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