光の戦士達の凶行   作:小説チーム・ハスタート

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第1話

 日本が所有する軍隊。その軍隊の兵器、そしてその駐屯地に所属していた人間のほとんどが、ウルトラマンによって消されて行ってしまった。その所業を目の当たりにした地球警察隊の人々は。ただただそれを見ているほかなかった。…だが、ウルトラマン達は、軍隊の基地を集中的に攻撃するのみで。町に危害を加えてくるわけではなかった。

 一体何をしたいというんだろうか。ウルトラマンの理解しがたい行動に、首をひねる地球警察隊の面々。地球を守るべき存在たるウルトラマンが、何故地球の防衛的施設を狙ったり。日本を守ろうと誓った総理大臣を狙ったりしたのか。彼らはただただ、考えるほかなかった。…だが、あまり長くそれに時間を取られてはいられない。…モニターに、金髪の渋い顔の男性が写し出されたのだから。…そう、アルフレッド・ポーカーである。

 

『二ホンに滞在させてる我が軍の軍人たちが、ファッキンな奴らに襲撃されて壊されてしまったよ!もしかして我々が宇宙人を迎撃する映画ばかり作っているからなのか?だったら、我々の軍艦で迎え撃つほかないね!』

 

 どこか怒りを抑えているかのような様子の、アルフレッド・ポーカー。恐らくは軍艦による攻撃を示唆しているのだろう。だが。地球警察隊は考え込んでいた。

 

――アルフレッド・ポーカーは軍艦による攻撃をしようと考えている。…だが、怪獣はともかくとしてあのウルトラマンだ。恐ろしい機動力で、軍艦からの攻撃を躱してきたとしても、そしてその反撃としてチョップやら何やらでアメリカの軍艦を攻撃したとしても何らおかしくはない。…今のところ、我が陸軍の兵器しか集中的に狙われてはいないとはいえど。海上の兵器が狙われないとも限らない。

 

 モニターを前に考える地球警察隊の一人…西瓜谷宗吉。アメリカの戦力の方に被害を与えないためにも、慎重な決断をしたかったが。アルフレッド・ポーカーはそれを待ってはくれなかった。

 

『迷っているなら、我々は友たるレイムのために、そして親愛なるアメリカの軍人のために復讐を決行するよ!』

 

「…!待ってください!ウルトラマンがどのくらい強いのかわからないのです!早すぎる決断は…!」

 

『もう遅いよ!友の敵を、私はうつ!』

 

 アメリカの大統領の早い決断。宗吉の紅砲にいた一人の人物…眼鏡をかけた知的な男性が、宗吉に対して報告をする。

 

「沖縄にあるアメリカの軍事基地を襲撃したウルトラマンに、アメリカの軍用機が攻撃を仕掛け始めました!」

 

 ウルトラマンがどのくらいの力を持っているかもわからないうちからの、早急すぎる判断。如何にかして犠牲を小さくしてくれ、とも宗吉は思っていた。…だがしかして。モニターに映された戦況は宗吉の概ね想像通りともいえるようなもの。

 来襲してくる軍用機をウルトラマンがチョップやパンチで撃ち落とし。撃たれたミサイルを回し蹴りだけでいとも容易く迎え撃つ。さらには両の腕に光を溜めたかと思うと。ほぼ真横に薙ぎ払い自身に向かってくる戦闘機や戦闘ヘリなどを複数、一斉に撃墜して見せた。

 その様は、炎の海とも呼べるかのような様。そんなウルトラマンに、今度はアメリカの軍艦が一斉にミサイルを放っていく。

 

――だめだ。これ以上の攻撃はするな。

 

 放たれたミサイルは、対艦ミサイル。ほかの艦に対する攻撃に使われるミサイルとだけあって、その威力は絶大だっただろう。だが。そのミサイルを。ウルトラマンはなんと宙で止めて見せた。

 

「……超能力…!?」

 

 今までウルトラマンと共に怪獣達と戦ってきた地球の組織だからこそ分かった。それが超能力の一種、サイコキネシスであるという事は。…それを使い、何をしようとしているかも、地球警察隊には、読めていた。

 

「…アメリカ海軍に告ぐ!その場から退避せよ!繰り返す!その場から退避せよ!!」

 

 いやな予感を感じたからこその行動。嫌な予感を感じたからこその、宣告。それを聞いていたのだろう、アメリカの軍艦がすべて、左右に退避していく。…そう、ミサイルが直線的に進んでいくと思っていたのだから。だが、大方の予測を簡単に裏切り。そのミサイルの群れは…軍艦へとまっすぐに飛んでいく。そしてそれは。軍艦の横っ腹に見事命中し。そこから大きな爆発が起こった。

 モニターの中で起こった、あんまりな現実。あっさりと撃沈された軍艦よりも一回りほど小さな軍艦が、効果はないとわかってはいてもミサイルを再び放っていく。だが、その直後に別の位置から放たれた光弾が海の中へと潜っていき。ちょうどその小さな軍艦の真下辺りで大爆発を起こし。あたかも瓦割のそれのようにその軍艦が真っ二つに割れて沈んでいく。モニターがその方を見やれば。赤と青のラインの入った体の、別のウルトラマンがそこにいた。

 

「ひ、光の戦士…ウルトラマンが、まだ別にいたとは…!しかもあの攻撃…。まるで軍艦の弱点を的確に知っているかのような…!」

 

 人間が持ちうる軍事力と、光の戦士たちの力。その圧倒的な差を思い知らされた地球警察隊。…しかして、そんな警察隊にも…味方をするモノがいた。そして、それらは。意外な者達であった。

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