あと、今更だけど感想も歓迎です。
「只今戻りました、隊長」
「戻ったか、ルッツ。それで、海軍の動きはどうだ」
「はい、隊長の予想通りでした。海軍は王国の周りを哨戒するだけで、王国からは離れません」
ルッツが戻り、ちょうど補給も終わったので船を出航させながら話を聞く。
やはり、海軍の目的は私達をサウスブルーから追い出すことか。なら、待ち伏せはほぼ確定だな。
「それと、奴らを率いる少将のこともいくつか報告があります。報告書に纏めておきますので、時間がある時に読んでおいて下さい」
「そうか、ご苦労。助かった。それと、新しく仲間になったライラだ。ライラ、自己紹介を頼む」
「わたし、ライラ。よろしく」
軽いな。いや、緊張とかしないなら楽でいいんだが。そんな、ライラの軽い紹介を受けたルッツは私を一瞬ちらっと見た。睨むようなその目はおそらく「なんですか、これ?品がないですね」という意味だろう。
「初めまして、ライラ嬢。私の名前はギール・L・ルッツといいます。こちらこそよろしくお願いします」
違った。まあ、そうだよね。君、目つきが悪いだけだしね。
「隊長、この方とは何処で?」
「ああ、さっきの島で会ってな。少し話してる内に気が合ってな、船に誘ったのさ」
「うん。いい話だった」
「なるほど、そういうことですか。なら、ライラ嬢はその島の人なので?」
「ん?違うよ?」
えっそうなの?てっきり、ここの人かと思った。…あ、その辺り聞くの忘れてた……よし。
「そういや、まだ、話の途中だったね。詳しい話を聞こうとしたら、ちょうど、そのタイミングで、ルッツが来てね」
「そうでしたか、申し訳ありません。話を遮ってしまって」
「ルッツ、別に君を責めているわけではない。だから、気にする必要はない」
そこで謝られたら罪悪感半端ないな。やめてよね、そういうの。
「ま、まあ、とにかく。ライラ、君に関して聞いてもいいかな?」
「いいよ、なにが聞きたいの?」
それから、ライラにいくつかの質問をして知ったのは、出身がさっきの島近くの小さい島で、旅の途中であの島に着いたということだった。それで、あの島に来た時、たまたま海賊が襲ってきて、迎え撃ったらハマったと。最後だけ理解できないな。ちなみに、歳は18歳。私より2つ下。
「今更だが、あの島の人達には挨拶とか大丈夫だったのか?」
「別に良いんじゃない?あまり話したことないし」
それはそれでどうなんだ?というか、ライラがあの島を出た後、海賊が襲ってきたらどうなるんだ?いや、そこは海軍の仕事か、他国の者にそこまで気を配るのも良くないな。
「えっと、質問はもうおわり?」
「ああ、そうだね。もう大丈夫だよ。済まないね、色々聞いてしまって」
「ううん、いいよ。別に」
「そうか、ありがとう。…よし、じゃあ、各自、島に着くまで好きに過ごせ。ルッツ、報告書は船長室に置いとけ」
「はい、分かりました。では、私はこれで」
「じゃあ、わたしは……船の中を歩いてみても良い?」
「勿論さ。ここはもう、君の船でもある。好きなようにしてもいいよ。そうだ、どうせだし、私が船の案内をしてあげよう」
「いいの?じゃあ、お願いしようかな」
「任せてよ。この船に関することで、私以上の者はいないさ!」
これはマジで言ってる。さーて、何処から案内しようか。ライラが興味ありそうなのは…
「そうだな…まずは、船の武器庫でも見せよう。なかなか良い物が置いてある」
「おー、面白そうだね」
「だろう?君のその刀もなかなかの一品のようだが、この船にはそれにも劣らない物がいくつかあるんだよ」
「へー?エルツの剣みたいな?」
「いや、私の剣ほどの物は流石にないよ。これと同じくらいのは王国の宝物庫でもないとね」
「そうなの?確かに凄そうな見た目だったね」
「そうなんだよ。私の、このヴィリディスはなにせ大業物なんだぞ。凄いだろう?」
「おおー、凄いねー。初めてみた」
フー、気持ちいいぜ。これだから剣の自慢はやめられない。近くの部下が「まーた、船長の武器自慢が始まってる」などと言ってるが、気にしない。自慢はいくらやっても気持ちいいものなんだ。あと、今言ったやつ減俸な。
そんなことをしながらこの船の案内を続ける。広いから時間もかなり掛かりそうだな。その間にマリーナス島に着くだろう。
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サウスブルー、ジェイドリア王国の港。海軍の臨時基地。
「ティネス少将、頼まれたジェイド海賊団の船に関する情報を持ってきました」
「ああ、助かったさよ。そこに置いてってくれるかい」
臨時基地の隊長室で仕事をしてる時、副官が頼んでいた資料を持ってきてくれた。
この書類だけやってから読んでみるかね。
「…ティネス少将。少し休んだほうが良いんじゃないですか?ここしばらく能力の使いすぎです」
「これくらい平気さよ。それに、これは必要なことでもあるさね。アタシがここに配置された理由、アンタも分かってるだろ?」
「それは…確かに、そうですが…。でも、他の方法だってあるはずです」
まったく、心配しすぎさね…これくらいで心配される歳でもないだろうに。アタシは心配する副官を流し、持ってきた資料を読む。
「ううむ、事前に少しは聞いたが、改めて読むと凄まじいねぇ…これが本当に懸賞金3800万のサウスブルーの海賊かい?」
「もう、少将は本当に……ええ、間違いありません。だからこそ、支部から援軍を頼まれたのでしょう」
「そうさねぇ。そして、アタシ達、4人の少将が作戦に駆り出されたと。最初は過剰戦力だと思ったが、こりゃ、仕方ないさね」
ジェイド海賊団の船、
「主な材質はアダム。恐ろしいねぇ…サウスブルーに居て良い存在じゃないさね」
「ええ、まったくです。王国は何を考えてこの様な船を…」
「名目は翡翠輸送船の護衛だそうさよ。それが奪われ、翡翠を略奪する海賊団の船になるとは…皮肉だねぇ…」
大型ガレオン船がカゼカゼの実の力で高速で航海しながら略奪を働く。想像するだけでもゾッとするさねぇ…
この度の作戦、成功させなきゃ次はこいつがグランドラインを飛び回ることになる。失敗するわけにはいかないが…
「どうにも、心配さね…」
どいつも能力は優秀だが、どこか大きくズレているからねぇ…ふぅ、心配したって意味はないか。向こうのことは向こうに任すしかないさよ。アタシはアタシの仕事をするだけさね。
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「なるほど、王国にいる少将は治癒能力の能力者か」
名前はティネス、コードネームは天晃。白い翼のトリトリの実の能力者の可能性が高い、か…なるほど。
「そして、王国に滞在中は哨戒する時以外は王国民の怪我や病気などを見て回ってると、ありがたいね。いずれ会うことがあればお礼をするべきかな」
王国は翡翠の件で政府に良い感情を抱いてない。それにより起きる余計な摩擦を防ぐためだろう。治癒という手段を取ったのは本人の性格だろうが。
私は今、船長室でルッツが置いておいた偵察の報告書を読んでいる。先程までライラに船を案内していたが、ちょうど昼食の時間になったので食事をした。その後、ライラは瞑想すると言って甲板に出て行った。いや、瞑想と言ったがあれはただの昼寝だろ。普通に寝転んでいたし。あれを瞑想と言い切る辺り只者ではないな、やはり。
「このティネスという少将はあくまで王国との摩擦を避け、私達をサウスブルーから追い出すための者。グランドラインで待ち伏せする海軍は、戦闘を専門にする者達もいるだろう。どこまで出来るか…」
まあ、今はそれより魔女だな。さーて、どれくらい来たかな、外に出て確かめるか。
さっと、椅子から起き上がり、船長室から甲板に出る。うーん、風が気持ちいいねー!
「あ、船長。お疲れ様です!もうすぐで、島が見えますよ!」
「ああ、お疲れー。そうか、もうすぐか…なら、私は少し散歩にでも行ってくるよ」
「はーい。行ってらっしゃい、船長」
部下の声を聞きながら、風を使い空に浮かび上がる。こういう日にはやっぱり、空の散歩だな。
船が小さく見えるとこまで上がり、周囲を見回す。…あっちに見える島みたいなのがマリーナス島かな?今更だが、魔女って実在するのか?どんな人だろう…ワンチャン魔女と言いながら実は男でしたーなどという展開もあり得るのか?古くからいるというならかなりの歳だろうな…言葉聞き取れるのか?などと、くだらないことを考えている内にどんどん船も島に近づいている。そろそろ、降りて部下に指示を出さなきゃ。散歩を終わりにして船に戻る。
「よーし、もうすぐ島に着くぞ、各自持ち場に戻れ!」
「あーい、船長!」
「うん?ふぁー。もう、ついた?」
指示とともにあっちこっち自分の持ち場に戻る部下達の間から、瞑想を終えたライラが起きてくる。まあ、昼寝だけどね。
「おはよう、ライラ。よく眠ったようだね。もうすぐ、島に着くよ」
「エルツ、おはよ。そうなんだ、どういう島なの?」
「マリーナス島だよ。聞いて驚くなよ?なんと、魔女が住む島なんだぞ!」
「魔女?へー、そうなんだ?…強いの?」
「さーね、知らないよ!なにせ、実在するかどうかすら怪しいんだからね!」
「へー、凄いね。それを自信満々に言えるエルツが」
「だろー?私の自慢なところなんだからねー!」
「ふふ、そうなんだ。おっかしいー」
「…はあ。隊長、変なことは言わないで下さい。あまりそういったことを言うと、部下に舐められますよ?」
ライラとしょうもないことを言ってると、ルッツがなんか言ってきた。君は真面目だねぇ…そもそも、この船で私を舐めてる船員など居ないだろうに。というか、ルッツが一番知ってるくせにねー
「ふー、見たかライラ。ああいう人をクソ真面目、と言うんだぞ。ああなっちゃ駄目だぞ?」
「うん、気をつける!ああなっちゃ駄目、わかった」
「…隊長」
ああ、はいはい、分かりましたよ。まったく、遊びが足りないねーこの鳥くんは。ライラを見習って…いや、やっぱ良いや。君は君のままいて。明日突然、「最強の烏に、私はなる!」とか言い出したら引くし。はい、しょうもない話は終わり!島だよ、島。着いたし、さっさと停泊して降りるよ!
「ほー、ここが、マリーナス島!まあ、そこそこ栄えてるな。王国ほどじゃないが!」
「おおー、人がいっぱーい」
「隊長、よその島と王国を比べるのはやめましょう。失礼ですよ」
それもそうだな。そもそも、王国はサウスブルーで一番栄えた国。比べちゃ相手にも失礼か!ワッハッハー!
「さーて、まずは魔女がどこに住んでいるかを調べないと…失礼、そこの人。質問があるが、少し良いかな?」
「え?ああ、はい。大丈夫です。何か?」
「感謝するよ。実は、この島には魔女と呼ばれる方が――」
「ま、ま、魔女!?う、うああ!やめて!怖い!近づかないで!」
「――居ると…何だこりゃ」
な、なんだ。この人?突然、取り乱して?横のルッツに視線を向けるが、知らないとばかりに頭を横に振る。反対のライラを見たらただ、キョトンとしてるだけ。こいつらが脅したとかじゃなさそうだな。どうする?一応聞いてみるか?反応はどうあれ魔女のこと知ってるっぽいし。
「あー、その、魔女の居場所を聞きたいんだが…」
「あああ!やめて!村の東の山に、怖い!近づかないで!住んでます、いやー!」
教えてくれるのかよ…何なんだこの人?取り敢えず教えてもらったし、礼を言って教えてもらった場所に向かう。後ろから「助けて!幽霊が!いやー!怖い!」なんか聞こえるが気にしない。世の中ああいう人も居るのだろう。可哀想に…
「変な人だったねー」
「そうだな。世の中、不思議がいっぱいだね。ライラも気をつけたほうが良いよ。何が切っ掛けでああなるか分からないからね」
「うん、そうするー」
ルッツが横でなにか言いたげそうだが、君が一番心配なんだよねー。色々溜め込むタイプだし。時には吐き出したほうが良いぞ?
「しっかし、この流れだとほんとに魔女は存在するということだよな。ルッツ、どういう人だと思う?」
「そうですね…やはり、古くから居るという話ですし、老婆じゃないかと」
「なるほど、つまらない答えありがとう。ライラ、君はどう思う?」
「うーん、さっきのおじさん、怖がってたし。実は人を捕まえて食べちゃう化物とか?」
「おー、面白い答えだな。さすがライラ。見たか、ルッツ。こういうのでいいんだよ、こういうので」
「なるほど、よく分かりません」
分からないなら、なるほど言うなよ…そんな、くだらないことを言いながら山を進んでいくと、向こうに屋敷らしい物が現れた。ほー、こんな山の中によくこんな物を。なかなかに立派だな。チャイム鳴らそう。
ピンポーン
「隊長、早いです。もうちょっと、探ってからでも…」
「良いんだよ、そういうのは。私達はお願いをしに来たんだ。そういう、失礼なことはいらないよ」
「それは、そうですが…いえ、申し訳ありません。確かに、礼儀ではありませんね」
「そうそう、分かれば良いんだよ」
「ほーん、海賊なのに礼儀、気にするんだ?」
「どういう者であれ、必要と判断した者には、礼儀を気にするものさ。これ、基本ね」
などと、正門で少し雑談をしていると突然、正門と屋敷の玄関が開いた…え?案内なし?勝手に入ればいいの?横のルッツに視線を向く。ルッツは私に判断を任せた。反対側のライラ…はいらないな。よし、入るか!
「失礼しますね。魔女殿にお話を聞きた…は?」
「失礼しまーす…お?」
「誰かいらっしゃいますか?…これはっ」
開いた正門を通り抜け、屋敷の玄関に足を踏み入れながら人を呼んだその瞬間、屋敷の奥から誰かが現れた。問題は、その現れた者だ。その存在は人の形をしているが、その体は向こう側が透けて見え、色素も薄い。その姿はまるで…
「幽霊…?」
そう、まるで、と言うか、普通に幽霊だった。つまりここは魔女の屋敷どころか…
「幽霊屋敷かよ…世の中どうなっているんだ…?」
まあ、取り敢えず、魔女の屋敷に到着。良しとしよう…はあ、大丈夫かこれ?
ルッツ。軽いプロフィール。ミドルネームは今度説明する。名乗る時は普通にLと言う。
ギール・L・ルッツ(Giel Lang Lutz)
異名:『黒い翼』のルッツ
役職:副船長
年齢:27歳
体格:188cm・79kg
外見:黒い髪・黒い目
イメージカラー:黒・シルバー
出身海:サウスブルーの静かな島
能力:動物系トリトリの実
懸賞金:1500万ベリー
初めての仲間
服装
黒い軽めのスーツに白いシャツ。靴は黒のモンクストラップ。袖は二の腕までまくり、ネクタイはしていない。シャツのボタンは首元より少し下まで開けている。
背中まで伸びた髪は首の後ろで細く結び、黒の中折れハットを被っている。
左手には黒い腕時計。時計の枠や靴のバックルなど、金具の色はシルバー。