船(中央)
船 船(ウィース)
船 船(アンナ)
(ヒューズ)船 船
敵
※これ以降、どちらの陣営でもヒューズの縦を左翼、ウィースの縦を右翼と記す。
「7隻か…多いな」
「サウスブルーの海賊を狩るには少し多そうじゃな」
「それほどに、本気ということでしょう。彼らは」
「エルツ、どうするの?」
敵の布陣は…なるほど、左右に逃げれば各縦がそれを塞ぎ、正面は挟み撃ちか。最低でも2人は実力者がいるな。そして、私達の後ろは先程抜けてきた嵐。逃げ道はなく、戦うしかない。うまいな。なら、戦い方はこちらが選ばせてもらおう。
「全員、持ち場に付け!戦の時だ!各班長以上の者は、配下に指示を出した後に私の元へこい!」
『オオ―!』
「ルッツ、イレーナ、ライラ、今から指示を出す。が、その前に」
部下達に指示を出し、作戦の主なメンバーを呼ぶ。そしてその時、海軍の艦隊から砲撃が始まった。
「――
今回は本来の仕様での展開。中心部だけ静かな、激しい竜巻を作り出す。昔、嵐を抜けた先でキッドと鉢合わせた時以来、嵐を通る時は必ず、風を集めておくようにしている。
展開した他津間帰に敵の砲撃が当たるが、すべて問題なく塞がれる。艦隊戦で使うのは何気に初めてだが、問題なさそうだな。だが、これほどのサイズだと、継続時間はそう長くない。
「隊長。皆、集まりました」
ルッツの報告に周りを見れば、呼んだ全員が集まっていた。よし。
「今から指示を出す。よく聞け」
まず、私とルッツ、ライラは他津間帰が消えれば敵艦に奇襲を仕掛ける。イレーナはその間の指揮を頼む。各班長はイレーナの指揮に従い船を持ち堪えろ。敵を無力化した後、即座にこの海域を離脱する。以上、何か質問は?……ないな。
「ルッツ、心の準備は?」
「はい、問題ありません。準備は出来ています」
ルッツを見れば普段の服装の上に、他の装備を着込んでいる。なるほど、あれが…闇市で買ったやつか。どうやら、本当に問題なさそうだな。使わずに済めば一番だが。
「ライラ、戦いだ。おそらく、強敵が待ち構えているだろう。君を頼りにしているよ」
「うん、任せて。わたし、がんばる!」
頼もしいことだ。あの島でライラに出会えて本当に良かった。
「イレーナ、準備を頼む」
「とっくに終わらせておる。いつでも構わぬぞ」
早いね…流石。さあ、そろそろ他津間帰も限界だ。
「皆、行くぞ!」
「はっ!」
「おおー」
「うむ、任せよ」
船の周りに展開していた他津間帰を消し、空に飛び上がる。横でルッツが獣型に姿を変えライラを乗せるのが見える。大きいねー。海軍、ビビるかなー。ライラを乗せたルッツが横へ飛んできた。周りを見ると…うん、問題ないようだな。イレーナがいてくれて助かるよ。これで、奇襲は成る。
さあ、戦の始まりだ。
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待ち伏せ作戦当日。
今日、ジェイド海賊団がリバースマウンテンに侵入したという報告が入った。ようやくね。即座に私達の艦隊は出撃した。双子岬から少し進んだ海域で一旦止まり、私の能力を使いジェイドの居場所を特定する。
動物系ヘビヘビの実 モデル ガラガラヘビ
これが私の能力。ヤコブソン器官やピット器官、ウロコ等、ヘビの持ちうるすべてを使い相手の追跡をするんだけど。正直、今では何を使っているのか、自分でもよく解らない。私は幼い時に能力者になって以後、ずっと使いこなしてきた。そのおかげか、熟練度だけは非常に高くて、部分変化まで可能になっている。追跡をする時に必要な器官だけを変化させていたら、もはや、なにで追跡しているか、自分ですら判断できない始末。少し、情けなく感じる。
でも、その性能だけは自信がある。私は今まで狙った獲物は必ず捕まえてきた。たとえ、一度逃げられても、地の果てまで追いかけて捕まえる。だからこそ、戦闘能力の低い私がこの歳で少将にまで上がれたんだ。
今回の任務だってそう。私の追跡能力を買ってくれたツル中将からの推薦で任されたもの。失敗するわけにはいかない。戦いは脳筋野郎とナル野郎に任せるしかないけど、追跡は私にしか出来ない。だから、可能な限り早く探し出して、待ち伏せを成功させるんだと意気込んだ私だが…これは。
「うわぁ。わかりやすっ!」
おそらく、嵐の中なんだろう。無作為に吹き荒れる嵐の中で、異様に綺麗な風の動きがある。わかりやすっ!え、なに。能力を使って超高速で嵐を進んでるの?え?なんで?意味わかんない…
「ま、まあ、良いわ。位置は早めに特定できた。これなら待ち伏せも成るでしょう」
取り敢えず、ナル野郎に報告ね。
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ジェイド海賊団の位置を特定し、彼らの移動経路を把握。これにより、待ち伏せをするにあたっての準備はすべて整った。私の仕事も一旦終わりね。こちら側に来ない限り、私はもう何もする必要はない。戦いは馬鹿二人に任せるだけだし。指揮もナル野郎がするしね。砲撃が始まれば私の能力の精度は低下するしね。
艦隊の配置を終え、ジェイド海賊団が来るのを待つことしばらく、嵐の海域から巨大な船が出てくるのが見える。あれが奴らの船。大きすぎるでしょ。先程まで感じていたあの船の移動速度は、どう考えてもこのサイズの船からは出せそうにない。カゼカゼの実、恐ろしいね。
そう、観察しているとナル野郎から砲撃の指示が来た。始まりね。
「各砲門、放て!」
私の合図と共に放たれる砲撃と、他の船からの砲撃が一斉に敵艦に向かい降り注ぐ、その瞬間。
「っ、この風は…?」
敵艦の周囲に膨大な風の動きを感知する。そして、瞬時にそれは巨大な竜巻に変わる。艦隊の砲撃が竜巻に当たるが、竜巻にはなんの変化もない。くっ、こんなことまで。どうするの?
『各艦、砲撃を緩める必要はないヨ。あれほどの大きさサ、長くは持たなイ。それと、あの竜巻が消えると、彼らもボク達に砲撃を始めるはずサ。構えておくようニ』
「…了解」
くっ、本当に能力だけは良いんだから。ナル野郎の指示に従い、砲撃を続けさせる。そして同じく、敵の動きにも気を張っておく。
そう長くない時間、砲撃を続けていると、巨大な竜巻がどんどん勢いを失っていく。本当に長くないわね…くっ。
竜巻が消え、現れた敵艦は艦隊に向けて砲撃を始めるが、あらかじめの指示のおかげで被害はまだ出てない。そして、こちらからの砲撃も敵艦に被害を出してない。回避機動が上手いね。そう感嘆していると、敵艦に向けて、砲弾がもの凄い速度で飛んでいった。ナル野郎ね。砲弾が敵艦に当たる直前、何かに当たったのか空中で爆発する。敵の邀撃。ジェイドか、鳥野郎ね。
ナル野郎の砲弾を邀撃した敵艦はそのまま、ナル野郎の船に向かって砲撃を始める。脅威と判断したんだろう。敵艦の砲撃はナル野郎の能力により、防がれた。おそらく、自分に注目させることで敵の攻撃を誘導しているんだろう。これで、他の艦隊に被害が出る確率はさらに下がった。そう判断した、その時。
―――アルス・ユリアナ――
突然、中央に配置された船が爆発した。
え?一体、何が?さっきまで何もなかったはずっ!いつの間に!?動揺しながらも中央の船に視線を向ければ、そこには……。
「ジェイドっ!いつの間に!?……それに、あれは、一体?」
そこには、左翼の艦隊に飛んでいくジェイドがいた。そして、もうひとつ。巨大な黒い鳥。何、あれは。足が…3本?確か、そういう鳥について聞いた覚えがある。まさか、能力者?なら、おそらく幻獣種。危険過ぎる。誰?可能性は黒い翼が高い。カラスの能力者という情報もある。ほぼ、間違いない。くっ、敵の力を見誤った…!いえ、そもそも、あの巨大な鳥が近づくのを気付けないなんて…。
巨大な3本足の烏。おそらく、黒い翼と推定される鳥野郎はこちらの艦隊。右翼艦隊に向かって飛んでくる。ナル野郎は即座に邀撃を試すが、高度を上げることで回避する。その時、鳥野郎から人らしき影が落ちるのが見える。おそらくはナル野郎の相手をするため。私達が把握してない敵がいる。
鳥野郎はナル野郎の船から離れ、こちらに飛んでくる。私の船?いや、違う。右翼艦隊の端の船に向かうつもり。どうする?鳥野郎の飛行速度を考えるに援軍は間に合わない。なら、ここに留まり鳥野郎を観察して情報を集める。彼らには申し訳ないが、どのみち私では間に合わない。どうか、死なないことを祈ろう。
右翼最端の船に着いた鳥野郎は、能力によるものと思しき炎を使い船を無力化していく。やはり、幻獣種。船を無力化した鳥野郎は、すぐにこちらに向かって移動を始めた。無力化しただけということは船員は無事だろう。そして、奴らの狙いも分かった。私達の撃破ではなく、移動手段の無力化。それこそが、奴らの狙い。脳筋野郎はご愁傷さまね。
ナル野郎の相手をしている者は、おそらく時間稼ぎね。鳥野郎が他の2隻を無力化するまでの時間稼ぎ。そこまで思考し、上に視線を向けると、そこには鳥野郎が近くまで来ていた。どうする?私の能力では上空は範囲外。砲弾でも飛ばすべき?と、考えたその時、なぜか急に鳥野郎が方向転換を始めた。なぜ?どういうこと?と考えた瞬間、なんか横からデッカイ斬撃が飛んできて、私が乗っていた船ごと私を飲み込む。なにこれ意味わかんない………。
この辺りの艦隊戦は作品の設定初期段階から、各少将別にプロットを決めていたので書きやすかったです。むしろ、なんでこれは決めているのに、ここに来るまではノープランなのか。それがわからない。
アンナのプロフィールです。アンナのコードネーム、海軍っぽくないな。
原作でフルネームが出た海軍って、たしかガープだけなはず。なので、海軍は名前だけです。
アンナ
コードネーム:『鈴の追跡者』
階級:少将
年齢:25歳
体格:165cm・52kg
外見:長い茶髪のローポニー・ベージュの目/ベージュのスーツ、コートは普通に羽織っている。
イメージカラー:ベージュ
出身海:グランドラインの少し寂れた国
武装:レイピア
能力:動物系 ヘビヘビの実 モデル:ガラガラヘビ ※見聞色の覇気の兆候あり
六式:月歩・剃・紙絵
動物系 ヘビヘビの実 モデル ガラガラヘビ
幼い時に能力者になり、その後も能力を使い続けたため、能力の熟練度は非常に高い。相手を追跡する時には必要な器官だけを部分変化させる。だが、慣れすぎたためかもはやアンナですら自分が何を使って追跡しているのかわからない。