異界の邪竜は静かに暮らしたい 作:邪竜の棲家
色々設定は考えてましたが矛盾だらけの作品になってしまいそうなので非公開にして封印しました。
あとオリ主の設定上、中々マリアベルとの絡みに戻れずタイトル詐欺みたいになってましたしね。
こちらの作品は原作の設定はなるべく壊さないように書いていくつもりです。
原作開始前スタートなのでネタバレ注意です。
世界が始まる前は、一つの意思のみが存在していた。
そのモノは完全無欠の存在───〝全なる一〟だった。
だがそのモノは孤独に耐えかねて、二つに分離する。
一方は退屈を紛らわそうと世界を生み出し。
もう一方は何も感じない事を選んだ。
創造神としての道を選んだそのモノは、世界を生み出し、その過程で妹弟達───〝竜種〟が誕生する。
〝竜種〟が四体となったことで混沌とした世界は安定し、秩序が整った。
これを管理する為に〝始原の七天使〟を生み出す。世界に法則が定められ、確固たるものとなっていく。
そんな中、世界の外側───次元の狭間では人知れず、新たな意思が生まれ落ちていた。
ソレはまるで永い眠りから目覚めたように『声』を洩らす。
『───⋯⋯⋯ん。⋯⋯⋯ふ、む。此処は、何処だ?』
ソレ───私は辺りを見回すかのように感覚を研ぎ澄ませる。
だが周囲には何もなかった。
あたりは静寂に包まれている。
つまり、何物にも侵されることなく静かに此処で暮らせるということだ。
なんて素晴らしい場所なんだ───と喜んでるのもつかの間、何者かの『声』により私のスローライフ生活は始まる前に終わりを告げたのだった。
『───⋯⋯⋯え?どうして世界の外側に⋯⋯⋯それも次元の狭間なんかに意思が生まれるんだ?』
いやそんなの知らんし。生まれては不味いことなのか?
『不味くはないけど、ボクにとっては予想外の出来事だからちょっと困惑してる』
予想外の出来事なのにちょっとなのか。まあいい。私という意思が、お前の言う次元の狭間とやらで生まれたのは事実だ。
『そうだね。それじゃあ今から其処に向かうからちょっと待ってて!』
は?いや来なくていいんだが───と私が拒絶するよりも早く、『声』の主が何の前触れもなく次元の狭間に姿を現した。
世界そのものの如く星々の輝きを宿す漆黒の長髪と、金の瞳が特徴的な男とも女ともつかない容姿のモノ。
そのモノが放つ
『やあ、待たせたね』
待ってないけどな。というか一瞬で
『そうだね。君の意思はボクの故郷───〝天星宮〟の外側で観測されたからすぐに見つけられたよ』
ほう、そうなのか。どうでもいいけど。
『ちょっと冷たくない?まあいいけど』
いいんだ。それよりお前は何者なんだ?
『あ、自己紹介がまだだったね。ボクの名前は〝星王竜〟ヴェルダナーヴァ!退屈過ぎて世界を生み出した創造主様だよ。とても図が高い存在なのさ』
へえ、そうなんだ。
『リアクション薄いな君。もっと驚いてくれてもいいと思うんだけど』
別にいいだろそんなの。私はこれから此処でスローライフ生活を満喫するのだからお引き取り願おうか。
『えー⋯⋯⋯来たばっかりのボクを追い返そうとするなんて酷くない?』
私はお前を呼んだ覚えはないし、勝手に来たのはそっちだろ?
というかいい加減自分の住処に帰ってほしい。じゃないとマジで怒るぞ。
などと私が言うと、ヴェルダナーヴァがニヤリと笑って挑発してきた。
『怒るってどうやって?君は意思のみの存在なのだからボクに攻撃する手段すらないじゃないか』
ほほう。ならば私がお前みたいに姿形を得ればいいだけの話だ!
そう言って私は意思のみの存在から、ヴェルダナーヴァみたいな人型の姿に変化した。
ところまでは良かったんだが、私の目線、かなり低くないか?まるで親と子みたいな感じなのだが。
見上げるようにヴェルダナーヴァの顔を視界に収めると、呆気にとられたような表情をしていた。
お?そんな顔をさせられたのならば私としてはしてやったりな気分だ。
『ふふん、どうだ!私を見縊ると痛い目見るぞ!』
『⋯⋯⋯うん。本当に驚いたよ。まさか君が───ボクそっくりの子供になっちゃうんだから』
は?子供!?それはどういう意味だ───と私は自分の手を見て目を丸くする。
あれ?なんだこの小さい手は!?これでは奴の言う通り子供ではないか!
『おかしいなぁ⋯⋯⋯お前を完璧に模倣したつもりだったのに、どうしてこうなった?』
『さあ?───ってボクを模倣したってどういうこと?確かに幼い部分を除けばボクそのものの見た目になってるけど』
『そのままの意味だが?⋯⋯⋯ふむ。お前を完璧に模倣できなかったということは、私の力は『万能』ではないのだな』
『大丈夫だよ。だってボクも『万能』ではないのだからね』
は?と驚く私。
世界の創造主の癖して『万能』じゃないとかどういうこと?あと『万能』じゃないのに何が大丈夫なんだ?と小首を傾げる私。
一方でヴェルダナーヴァも、不思議そうな顔で自分とそっくりの子供をまじまじと見つめていた。
『(ボクの定めた法則を無視して生まれた未知の意思なだけあって、ボクを模倣しようとするなんて驚いた。フフッ、君のことがもっと知りたくなったからこれは───お持ち帰り決定かな!)』
世界の法則の外側みたいな存在のこのモノは、ヴェルダナーヴァの与り知らぬところで生まれたバグのようなものだから処理するのが正解なのだろうが、それは勿体ないと思いやめた。
それに自分が生み出した存在ではないからか、逆らってくる。そんな存在は初めてで面白いと思えたので、ヴェルダナーヴァはこのモノを持ち帰ってじっくり観察することを決めたのだった。
『───まあいい。それよりもこうして手足ができたのだから、お前を攻撃することも可能になったぞ?』
『へえ。生まれたばかりの小さき者の君が、ボクに挑む気かい?』
私の言葉を聞いてまた挑発してくるヴェルダナーヴァ。
カチンときた。そこまで言うならやってやろうじゃないか!
『ふん!この私を怒らせたこと、後悔するがいい!』
そう言って私は、ヴェルダナーヴァがつい先ほど見せた技(?)を模倣して殴りかかってみることにした。
お?驚いてる驚いてる。だが私のパンチはあっさり受け止められてしまった。
『チッ!私の拳を簡単に受け止めるとはやるではないか!』
『そんな
『埴猪口で悪かったな!こちとら生まれたばかりなのだから戦い方すら知らないのだよ!』
『よくそれでボクに喧嘩を売れたね。しょうがない、ボクが手本を見せてあげよう。よくその目に焼き付けておくんだ』
私にそう言ったヴェルダナーヴァは、目にも止まらぬ速さで拳を振り抜いてきて、私の鳩尾に突き刺さった。
『~~~~~ッ!!?』
余りの激痛に言葉にならない叫び声を上げる私。
私のパンチが埴猪口と言われるのも理解できるほど鋭い一撃だった。
というか速すぎて見えなんだ。
だがまあ、次は避けられるだろうな。
あと痛いのは嫌なので次からはなしがいい。
そう思いながら私の意識は闇の中へと沈んでいった。
オリ主設定
発生場所:〝天星宮〟の外側にある次元の狭間。
名前:
性別:
能力:『〇〇模倣』
『思念伝達』、『瞬間移動』は模倣能力で習得済み。
ただしヴェルダナーヴァの模倣は不完全だったようで『万能』ではない。
追記:サブタイがタイトルと同じになっていたので修正しました