Ce n'est pas encore fini‼︎   作:6つ目

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You can do it!(あなたのためなら)

ハンドシグナル、1.10(攻撃開始)

 

「こいよ!猟犬ども(ハウンズ小隊)

 

ハンドシグナル、4.10(陣形展開開始)

 

ARの攻撃より先に横へ飛び、サーバーに隠れる。

ライトを仕舞い、ツインドラゴンを構える。

弾は…使ってないから大丈夫だな。サイドアームを使う機会はなさそうか?

 

ハンドシグナル、4.2.1(特定ポイントを攻撃)

 

「っ!?」

 

左頬を何かが通り過ぎる。いやわかりきってる。弾丸だ。

…横を見ると、サーバーに大きな穴が空いてる。

─このデカいサーバーを貫いた?普通の弾じゃない対物仕様の……

 

「12.7mm弾だな。」

 

「ははっ、最高じゃねえか」

 

ハンドシグナル、6.8(制圧射撃)

 

「これだから軍隊はっ!」

 

地面を蹴って制圧射撃を避けながらARのやつに向けて射撃を開始する。

あの推定リーダー、変な動きをしてやがる。

あれで全体に司令を出してるのか?

 

ハンドシグナル、5.9(防御せよ)

 

「流石に一筋縄じゃいかないか。」

 

あたしの攻撃はARのやつに届くより前に盾持ちが前に出て防御される。

あの盾…ツイン・ドラゴンの9×19mmじゃ貫けないな。

ははっ、貫くのに最高最適に武器があるじゃねえかよ。

 

「ハンドル部分を狙え。衝撃がそのまま腕に流れてダメージになる」

 

サーバーに隠れ、特殊弾を装填する。

アームは上下3:7か。少し上の方を狙う必要があるな。

 

「ここだろ!」

 

サーバーから飛び出て、アームを狙う。

反応はされたが問題はない。HELIOS弾はそれを貫くはずだ。

 

ハンドシグナル、4.1(足を撃て)

 

弾が盾に…ハンドル部分に当たるのが見える。

が…あたしのサイドアームとは別、もう一つの銃声が聞こえる。

 

「がっ!?対物ライフルは流石に痛ってぇ…」

 

倒れるようにまたサーバーの後ろに隠れる。

足に当たった弾自体は貫通していない。だが、当たった衝撃で変な方向に行きやがったか。

歩けるからまだいいが……違法弾薬に違法改造のオンパレード。

これだけであたしにダメージを与えるだけの火力に上がる。

 

だが…飛び出すときに見えたあれはハンドシグナルか。

あれが、こいつらの規則を作ってる。

じゃぁそのハンドシグナルは何を基準に出している?

ハンドシグナルを出しているのはリーダーらしきやつだ。

あの指揮官とかいうやつは何で指揮をしている?

 

「次が来るぞ!にげろ」

 

|ハンドシグナル、8.1.10(制圧射撃開始)

 

ARとSR、LMG全員からの十字砲火が飛んでくる。

 

「サーバーお構い無しかよ!」

 

サーバーからサーバーに走り抜けながらリロードタイミングが来るまで逃げる。

足が痛い…うまく走れている気がしない。

盾持ちを見る余裕一つない。あいつはどうなった?

もう流石に復帰したか?先にあの盾をぶっ飛ばすことにしよう。

 

「左だ」

 

「あ?左がなんだって?」

 

「あの盾、左側の視認性が最悪だろ。」

 

そういうことか。あたしが今いるのは右側。

左側に走り抜けてそのまままずは盾持ちを倒す。

ツイン・ドラゴンには休憩だ。サイドアームのほうが今は最適。

 

「見えたぞ、勝ち筋。」

 

特殊弾を3発分、装填しタイミングを待つ。LMGの装填はすでに済んでるのか。なぜ攻撃してこないんだ?

あたしが出てくるまで待っているのか。……行ってやろうじゃねえか

サーバーを蹴り飛ばして一瞬で左側へと移動する。

ここからは手加減なしだ。SRだけは再警戒だな。

 

「お前そんな速いのか。」

 

「まだまだ速くなる」

 

盾持ちがどこにいるかを確認する。

すでに体勢は立て直しているか。だがダメージは蓄積しているな。

トリガーに指をかける。

3発…すべてハンドル部分に穿つ。

ダメージの衝撃はすべて腕へと、流れていく。

HELIOS弾の衝撃を連続3発、すべて腕へと蓄積する。

そのダメージに耐えられなかったか?盾が倒れた鈍い音が鳴る。

 

「ハウンズ2!?」

 

「おかわりだ!」

 

鈍い音が耳へと届くと同時に盾持ちに近づき、口に銃口を突っ込む。

そして、ツイン・ドラゴンの鎖でこいつを拘束する。

 

「……まだ続けるか?」

 

「………」

 

ハンドシグナル、1.1(攻撃続行)

 

ARのトリガーに指をかけているのが見える。

そしてあのハンドシグナル。続行意思があるらしいな。

 

「ばぁん。」

 

撃鉄の横にあるスイッチを押し、口の中でドラゴンブレス弾を放つ。

こいつには悪いが。一発で倒すにはこれが必要なんだ。

 

「ハウンズ2がやられた!」

 

意識を失ったか。

胸ぐらをつかんで倒れるのは阻止する。

こいつは倒したが、まだわからん。あのハンドシグナルはどういう基準の司令だ。

……盾持ちのやつを地面に寝かせる。

ここからはツイン・ドラゴンの時間だ。

 

「おいおいサイドアームはもう終わりかよ」

 

「残りの奴らはこっちのほうがいい」

 

「また来るぞ。一斉射撃が」

 

「もう逃げる必要はねえ」

 

ツイン・ドラゴンをぶん回して弾丸を弾く。サイドアームじゃ出来ない動き。こうなったら、もう逃げる必要なんてない。

……あたしは今、あたまん中のこいつの言葉を参考程度に動きを作ってる。

ハンドシグナルの元になる司令はこれと同じ原理なんじゃねえか?

……リーダーらしきやつのヘッドホン。

あれなら、遠隔で聞くことができるはずだ。

 

「次はヘッドホンか?」

 

「次を言う必要もねえよ」

 

ヘッドホンを狙って、走りながらとにかく撃ちまくる。

スナイパーライフルの攻撃じゃ、怖くない。

LMGはリロードが長すぎるな。もたついてて足引っ張ってんな。

 

 

 

ハンドシグナル…(失敗)

 

「ハンドシグナルは出させねえよ!」

 

ハンドシグナル…(失敗)

 

「ハウンズ4!助けっ!」

 

「これで終わりだよ!」

 

鎖を引っ掛けてこっちへ引っ張る。そのまま頭突きを食らわせる。

脳震盪を起こしたか?ふらっと体揺らしてそのまま倒れる。

さっきと同じように胸ぐらをつかんで地面に寝かせる。

 

「残り二人ぃ」

 

「……待ってくれ。」

 

扉の奥に鎮座していた指揮官が前へ出てくる。

さっきはよく見えなかったが、ら杖をついてる。

そういえば言ってたな。もう歳なんだって。

 

「ごずっ!出てきちゃだめ!」

 

「ん、ごすは守る」

 

展開していた二人があたしと指揮官の間に立ちふさがる。

 

「…愛されてるな。」

 

正直こいつら二人じゃ、もう敵にならん。

油断した足の一撃ですらあたしは血を流してない。

 

「ハウンズ…小隊は依頼達成率100%だった。」

 

こいつの声、痰が絡んだ死にかけの声をしてる…。

今までの誰よりも耄碌してる。

誰が見てもわかる。死にかけだこいつの命はもう…。

 

「いや、もうなんてレベルじゃない。多分とっくに、だ。こいつは等の昔に…死んでたはずだ」

 

「100%じゃ…なくなったとき。俺は引退する予定だった」

 

「今日がその日だな…ゲホッゴホッ」

 

「ごす、!ごす!もう喋っちゃだめだよ。」

 

「…私たち、ここまで?」

 

「ああ、……すまなかった」

 

優しい声色だ。痰が絡み、死にかけだというのに。

自らの猟犬(ハウンズ小隊)に向けるその声は…瞳は綺麗で優しい。

きっと、この老人にとってハウンズ小隊は自分の娘たちなのだろう。

そんでもって、自分は親なんだろうな。

 

「なぁ…侵入者。いきなりで意味不明だと思うが」

 

「老人からの依頼(お願い事)。聞いてくれないか」

 

お願い事…ね。

願いごとだけが積み重なっていく。

こいつは敵だった。引き受ける道理なんてない。

……けど、あたしの頭の中に引き受けないなんて言葉は最初から出なかった。

不思議なもんだ。

 

「何でも引き受けてやるよ」

 

「…そうか。」

 

「猟犬たちとの約束の下、ハウンズ小隊新指揮官にお前を…任命する」

 

「ハウンズ1と2にも後で教えてやってくれ。……任せたぞ」

 

新指揮官…か。なにが任せたぞ…だ。自分の子どもぐらい自分で面倒を見てほしいもんだ。

…こいつらもそれぐらいやってほしかっただろうしよ。

 

「俺は…責任を取るとしよう。これはスメラギの資料だ。」

 

「飯は、ちゃんと食わせてやれよ」

 

地下2階への扉を閉めて、あの指揮官は出ていく。

残された二人はただ立ち尽くしていた。

無理もない。親同然だったであろう相手が居なくなってしまったんだ。

きっと二度と姿を見れることもない

それにこんなつい今さっきまで戦ってたやつを指揮官に任命するだなんてな。

 

「……私たち、どこで間違えたのかな。」

 

「ん、間違えてない。」

 

「じゃぁなんでごすはっ!」

 

「………約束を守っただけだよ」

 

二人の言い争いをただ眺める。LMGの方の子が黙りこくる。

こいつは、ほかよりも指揮官に愛着があったんだろうな。

だから飲み込めないこともあるだろう。辛いこともあるだろう。

だから、行く末を最後まで見届けなきゃいけないんだ。

 

「うぅっ…ぐすっ、ひっぐ…うわぁぁぁぁぁぁぁん!」

 

「な、泣かない…でよ。こっちまで…ぐすっ、うっうっ……出るな出るなよ…うううっ、なんで出るんだよぉ…」

 

泣いてる二人をそっと抱きしめる。

うまく抱きしめられているとは思えないが。

こいつらはもう、身内なんだ。無視はできない。

ただただ抱きしめて、背中をさすってやった。

アスナやリオも、みんな泣いてる時はそうしてきた。

言葉よりも何よりも今はただ、こういう温かく泣ける環境が必要なんだよ。

 

───数分後───

 

「えっと…見苦しいところを見せたけど、ととりあえず……新しい指揮官らしい…ね?」

 

「ん、私はまだ認めない」

 

「手厳しいな。指揮官たり得るように頑張ることにするか。」

 

たくさん泣いて、心の整理がついたのか。

少し微妙な空気が流れ始める。さっきはこいつらが泣いててあんま気にしなかったが。

さっきまでバチボコにやりやってたってのに、今じゃ味方か。

意味わからんな。いや本当に

 

「まぁ、とりあえず寝てる二人を起こすぞ?」

 

「ん、意義なし」

 

寝かせた二人…まずは盾持ちの方を起こす。

口の中にドラゴンブレス弾撃ち抜いた後に、あたしが新しい指揮官です!

とか意味がわからなすぎて可哀想だな。

あいつ、起こしたあとにそれぐらいやってほしかったもんだよ。

 

「っっ!?あっ、あひぇっ、あーっ」

 

「あー、喋らなくていい。」

 

やっぱ喋れんよな。後でケアしてやるか。

もう一人のリーダーらしきやつも起こす。

こっちも、拒絶反応強そうだよな。あの指揮官への愛着も執着も強そうだ。

 

「……なに、この状況」

 

「あー、簡単に言えばお前らの新しい指揮官にあたしはなったらしい」

 

「……お前が、か?」

 

「ああ、つい今さっきまで戦っていたらあたしがだよ。」

 

「……ハウンズ2。怪我は大丈夫か?」

 

「いひゃひ、ゆらひゃはいへ」

 

色々言いたいことはあるだろうな。

けど、約束なんだな。猟犬(軍人)に約束は何よりも強い拘束具だな。

ハウンズたちはまだあたしに対して少し不信のようだが、行く宛もない以上。

あたしについてくることを選択したらしい。

 

スメラギの資料を手に取り、さっさとジョウラクの本社から脱出する。

出るときは一度も接敵がなかった。

責任を取るとしようって言ってたが…これも関係あるのか?

 

───スメラギの工房───

「ほら、依頼の資料だ。」

 

スメラギの工房へと戻り、老人に資料を渡した。

内容は見ていなかったがちらりと見えた感じ、やはりサイドアームの資料だったらしい。

片方は全く知らない銃だが、そこはまぁ別に正直何でもいい。

 

「確かに貰った。……それにしてもあんた。ジョウラクの傭兵部隊をまるまるヘッドハンティングか。肝が座ってんな」

 

「押し付けられただけだよ」

 

老人に背を向け、客間に向かう。

ハウンズたちは客間で休むよう言っておいたが。

…散らかしてないよな?

 

そんな一抹の不安を叶えつつ、部屋の扉を開く。

 

「あー、帰ってきたぞ」

 

「……」

 

返事は沈黙。

まだ心を開いてくれるには程遠いな。

靴を脱いでベットの置いてある部屋へと足を踏み入れる。

 

「……どうやら、嫌われてはないようだな」

 

「まだわからないがな」

 

ベットで4人とも横になって寝ている。

全員ずいぶん、だらしない寝顔だ。

あたしが戻ってくるってのを理解してるのだろうか。

……部屋は綺麗なままだ。タクティカルベスト等の装備はキチンと並べられ、銃も1列に並んでいる。

やはり腐っても軍人か。こいつらも。

……さて、ベッドは占領されちまってるしあたしはソファで寝ることにするか。

 

───────日記───────

クソ野郎、日天子ソルを脳内に飼うことになってから1日目。

ゲヘナの調査まで入って色々と大変だった。

夜に行ったジョウラク殲滅作戦は、後半おかしなことが起きた。

…あたし、ハウンズ小隊の新しい指揮官になったらしい。

おかしな話だよな?つい今さっきまで戦ってたのに、その瞬間私はハウンズの指揮官だ。なんてな。

 

まぁ…とりあえず、そういうことがあった。

これで1日しか経ってないんだから狂気的だよ。

 

そういえば、ハウンズたちの名前を聞いたんだ。

ちゃんと覚えられるよう、日記に記しておこう。

 

ハウンズ1、山神フィデル。ARで武装した責任感の強いリーダーだ。

あたしに対してまだ拒否感があるらしい。ちゃんと仲良くなれるといいんだが。

髪は銀髪のショートヘア。前の指揮官に切ってもらってたんだとか。

 

ハウンズ2、白狼リアン。盾持ちのポイントマンだ。

あたしが口の中にドラゴンブレス弾をぶっ放したせいで呂律がうまく回ってない。

黒髪に緑のワンポイントが特徴的でな、前の指揮官に染めてもらうところから、切ってもらうところまでやってもらったらしい。

 

ハウンズ3、飛渡瀬マオ。LMGで武装していた子だ。あたしの見立てじゃHMGのほうが最適に見える。今度試すつもりだ。

感情豊かな子でな、よくハウンズ4にイジられてる。

髪は茶髪でセミロング内巻きワンカール…一番手が込んでる子だ。

ハウンズ4にセットしてもらってるらしい。

 

ハウンズ4、逆天神エナ。SRで武装してる希薄な子だ。

感情の起伏がほぼ無くて、ドライな印象を受けるがよ。実は結構寂しがり屋に見受けられる。

髪は金髪ハーフアップでな。ハウンズ3、マオにセットしてもらってるらしい。

 

ハウンズたちはまだ私を信頼しきっていないようだが。

このゲヘナの調査に連れて行って、信頼される関係を築けるといいな。

 

           Le commencement(はじまり) クリア

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