「おい! なんで避難命令が出てないんだ! くそっ!」
『第2部隊は住人の避難を! 残りの部隊は急いで迎撃、あるいは救出せよ!』
そんな怒号が飛び交うなか、俺は静かに目標を倒すべく専用武器:パイルをもって出撃する。
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「おい! 工作員23到着した、道を開けろ!」
俺は戦場についたとたん、静かにパイルを構える。ターゲット…ロック……オン!
「喰らえよっ! ファイアァ!!」
手慣れた動きではなった赤い弾道がモルスクを捉え―――そいつは弾道に当たった―――はずだったのに、不自然に手前でエネルギーが消滅した。
そして
「タイプ モルスクが移動している、だと!?」
『どうやら時空を越える様子です。次元は……』
俺たちが、獲物を、逃した、だと―――?
そこからはもう、何も周りがわからなくなってしまった。
今日もまた1日が始まる。そしていつも通り兄貴の部屋にいく。
べ、別にすることがないんじゃないぜ? ただ、兄貴がちゃんと仕事してるか気になるだけで。
……おっと、失言。ブラコンでもねぇからな?
そんなわけで扉前。すると中から怒号が聞こえる。
「ふざけてんのかよっ! もう俺たちはそっちの仕事にはこの前の提出書類で関わらないといったばかりだろう!」
何をもめているんだ?
「今回のはあんたらの不手際による被害だろ!? あんたらがこっちに来ればいいだけだ! もう俺たち兄弟にその話題を振るな!」
なにか不味い問題でも……
「上の言うことがそんなに大事なのかよ、だから貴様らは政府に動かされるだけの家畜なんだよっ!」
ガタン
かなり強く携帯を机においたのだろう。部屋の外からでも音が聞こえた。
まあでも、俺も今の話に全然関係ない訳じゃ無さそうだし、聞いてみるか。
「兄貴、さっきの話って……一体なんだったんだ?」
「聞こえていたのか……」
すごく言いにくそうな顔をしている。まるで、そう―――重く暗い真実を告げようとしているような。
「もしかして、その話――」
「ああ、BCCHからの秘匿通信だ。」
ちなみに、BCCHとは、ビーストチェンジウィルス対策本部の略だ。つまり、この世界にはない。
「どうやら向こうで、タイプ 『マザー・モルスク』に感染した人物が現れた。そして、そいつが時空の狭間へと移動し、位置反応を見ると、どうやらこっちの世界に向かっているらしい。」
「なっ………」
マザー・モルスクは過去にも一度討伐したことのあるタイプだ。
しかし、このタイプの面倒なところとしては、これ自体がウイルスを散布する性質を持っている。
兄の話によると、『向こうの世界にはかの伝説の兄弟がいるから、援護物資は必要ない。彼らに任せておけば我々がわざわざ動くことはない。』と政府が発言したとのことだ。
確かにふざけている。とても政府の発言とは思えない。
マザー・モルスクを仕留めきれず、あまつさえ別の世界に送り込んでしまったのはどう考えても対策本部のミスである。
それを無視してこっち側の人間にすべてを押し付けるような考えを持った人間が政府にいる。それこそ問題点だろ。
「兄貴、どうするんだ? モルスクは時と場合にもよるが、すぐにウイルスを散布するぞ?」
「とりあえずは学園寮の食堂のおばちゃんに頼んでこいつを入れてもらう。」
そういって取り出したのは、粉状の薬である。
「アルエル……薬の名前だ。これを摂取することでとりあえずは感染はしなくなる。問題なのは食堂のご飯を食べない、まあ自炊派だな。これには聖摩。お前が自炊派のやつに配ってなんとかしてくれ。」
「分かった。」
こっからまた戦いが始まるのか。もうやめたはずの戦場へと向かわなければ――――――
「おっと、安心しろ。戦うのは俺たちだけじゃない。一夏たちにはもちろん、時空を越えての味方を呼ぶつもりだ。」
そんな簡単に時空を歪めやがって……いつかバチ当たるぞ。
「今のとこ予定しているのは彼ら3人だ。」
渡してきた資料に目を通す。そこには―――
「ふーん、『黒の剣士』桐ヶ谷 和人に、『ラタトスク』五河 士道、そんでもって……誰だこいつ、全然情報がねぇじゃん。名前もあまり聞いたことがないな。」
「そいつに関しては、大きく次元を歪めるつもりだ。」
「そうまでしてほしい人材なのかねぇ……」
最後の一人は、颯 大地―――そうかかれていたのだった。
さてと、噂によると、箒の地元が明日かそこいら夏祭りがあるそうで。
今からそれ用の浴衣でも買いにいこうか。
ガチャ
「失礼します。呼ばれてきましたが、いったい何の用が……って聖摩様!! 聖摩様ですよね!! 会いたかったでありますよぉ~~~」
「ギャーッ、朝早くから抱きつくなぁ! そんでもって、当たってる! 当たってるからぁ!」
ナニが、とはいえないけど。まあその、女性特有の色々が。
そう、部屋に入ってきたのはエルザだった。長い間見てなかったけど、どうやら別のところで兄貴の手伝いをしてたっぽいな。
「つか、あんた見た目のわりには言動幼くねぇか!? 何歳だよ!」
するとエルザは人差し指を俺の口に当てた。
「女性に年齢を聞くのは野暮ですよ? まあ聖摩様は特別ですし…うふふ……教えてあげてもいいんですのよ……?」
「はぁ。」
いや、そこまで問い詰めるほど興味はなかったんだけどな。
「今年で19になります。」
……え? 嘘だろ? 俺と2個違いだとっ!?
「若いな…てかまだ二十歳来てないのに随分大人びてますね…」
ちょっとこれは予想外すぎた。うん。
しかも、やっぱあとちょいで二十歳ってこともあって体つきが――――――雑念が入ってしまった。話を戻そう。
「エルザさん、良かったらこれから買い物に行きません? 浴衣買おうと思ってるんですけど。」
「是非! 是非とも行きます!」
こうして、一人の少年と、一人のもののふ女子のお買い物が始まる。
―――のだが、1つの闇が聖摩を狙っていることに誰も気づくことができなかった。
ってなに俺が被害に会いそうな感じのフラグがたってんだよ!
お久しぶりです。
ギリギリ2000文字ごえ。
脳内のストーリー進行と文字列のストーリー進行の速度が違うのは何故だ…