「寝坊したぁぁぁ! やべぇぞ穂香、もうこんな時間だ!」
急いで同室である穂香を叩き起こして時計を見せる。
なんだかんだでもう二学期が始まろうとしていた。
仲間である颯 大地との出会い、織斑 一夏の卒業、この世界でのBCウイルスの侵食……普通(笑)の俺らにはすこしばかりイベントが多すぎたのかもしれない。
そのせいで夏休みがあまり休めなかったし、早く終わってしまったかのような感覚だ。
「ふぇ……ぁあ。」
寝ぼけ眼をこすってゆっくり起きてくる。そんなところが少しだけかわいく見えた……
「場合じゃねぇぞ! いくら担任が変わったからって織斑先生が起こらねぇとは限らん! というよりも寮長してるから絶対分かるはずだ!」
まだ寝ぼけている。そしてその目をじわじわ開けて……顔を真っ青にしている。
「ヒャァァァ! なんで起こしてくれなかったの!?」
「俺もついさっき起きたんだよ! くっそ、急ぐぞ!」
こんな慌ただしい二学期の始まりを迎えたのだった。
なんとか朝食も食べ終わり、校舎に入ることができた。結構急いだためにほんの少しだけホームルームまでに時間があった。
すると、何故か隣のクラスが慌ただしい―――――というよりも、なんか人がはみだしている。
どう考えても違う学年の人いるよね。ほら、ネクタイの色が全然違う。
「ちょっとごめんよぉ。」
とりあえずこの現象をおかした発生源の元へと歩む。
中心にいたのは一夏だった。
「なぁ一夏……今日は何したんだ? ……遂に女に手ぇ出したのかっ!?」
「んなわけないだろ! 何でか俺が今年でこの学園を出るのがひろまってんだよ! しかも俺が楯無と付き合ってることまで!」
はぁ!? 何でだ、あの場面には専用機持ちしかいないし、あいつらがそんな簡単に秘密をばらすことはないはずなのに……
「ごめんね、うちの部活の新入りが特ダネとかいって入手して、まさかほんととは……」
そう言って謝ってくるのは…確か3年の黛さん。ということは新聞部か。
ただ、そうだとしてもどうやって情報を得たんだ?
「やっ!」
「「「うぉぁぁあっ!」」」
突然話しているところに誰かがわいて出て、ついのけぞってしまった。さっきまでいなかったはずだぞ……
ネクタイの色を見るに1年だな。そしてこの流れだとこいつは……
「どうも~、1年新聞部の畑でーす。気軽にランコちゃんって呼んでくださーい。」
………………つかめねぇ! この人!
何故だろう、この一瞬しか会った事がないのに、この人はつかみどころがないと予想できる。
「ところでどうやって一夏が卒業何てことを知ったんだ?」
「そんなものは簡単ですよ。盗聴器をつか……女子の勘ですよ、おほほほ……」
おい、この1年盗聴器とか言いやがったぞ。ほとんど犯罪じゃねぇか。
これってIS学園じゃなかったら即逮捕だぞ……
「んじゃあ一夏はこれからどうすんだ?」
すると、一夏は何故か苦い顔をして、
「そんなことよりも、自分のことを心配した方がいいぞ。」
? ごめん、意味がわからん。どうして俺が?
「ヒントを与えるとしたら、1年前の俺、かな?」
一夏はそんなことをいって、苦笑いをした。
「ほら、お前ら~席につけ~。んでもって他のやつらは自分達の教室帰れよ~」
気の抜けた、しかししっかりしている声が教室の扉の方から聞こえた。そこにはスーツを着て、眼鏡をかけ、出席簿を持った俺の兄が――――――
「ぶふっ、兄貴眼鏡全然似合ってな―――ぐふぉっ!?」
瞬間俺のみぞおちに出席簿が刺さる。なんだよ、すべての出席簿は共通で鉄板でも入ってんのか?
眼鏡をはずして、
「教師に向かって冒涜かますとはいい度胸だなぁ、聖摩。」
「暴力と権力を振りかざすような教師にはちょうどいいだろう? というよりも兄貴はここのクラスじゃねぇだろ?」
「騒動を沈めるのは教師の仕事だぜ?」
何故だろう。俺と兄貴の間に火花が散っているのが見えている気がする。
「えっ、もしかして新しい教師って聖摩君のお兄さん……?」
「す、すごい……ここまで兄弟そろって美形だなんて……」
「しかもどっちも攻めの素質が……」
「聖摩×一夏を押していたけど、聖摩×聖摩兄や聖摩兄×聖摩もありかも…いや、いける!」
ぞぞぞっと悪寒が走る。明らかに耳にいれてはイケない話では?
その場はとりあえず解散となり、それぞれがクラスへと帰っていった。
「はぁ……一夏さんが卒業かぁ……」
私、五反田 蘭はどうもやる気がでない。せっかくおんなじ学園に入学できて、一緒にいれる時間も増えたかなって思ったのに。
何よりも落ち込みたいのは――――――
「一夏さんが他の女子と付き合っていたなんてぇ……」
確かに好きだというのをためらってしまった自分が一番悪いと思うけど、それでもどこかで腑に落ちないと思ってしまう自分がいる。
悶々とした感情が渦巻く。
「お前ら、席につけ。HR始めるぞ。」
噂通り、担任は千冬さんに変わっていた。
やっぱり千冬さんは格好いいなぁ……あれぐらい自分も綺麗だったら自信もついたのかなぁ。
「そうだ、その前に転入生を紹介しとかないとな。入っていいぞ。」
俺、颯 大地は今現在廊下でたっている。別に悪いことして『廊下に立っとれぇ!』とか言う流れでいる訳じゃあない。
単なる転入生は後から入ってください的なもんだ。
にしても怖いなぁ、俺以外はクラス全員女子なんだろ? 俺の世界の学校も女子は少なかったがそこまでじゃないし、そもそも7、8人違うだけだし。
「そうだ、その前に転入生を紹介しとかないとな。入っていいぞ。」
おっ、許可が出たしはいるか。
ガラガラガラ
とりあえず教卓横まで移動。するのにも一苦労だ。
理由は簡単。女子の視線が突き刺さって突き刺さって……本気できつい。
「えーっと、颯 大地です。今学期だけのみの入学となりますが、よろしく。」
「…………………」
あれ、なにこの空気。なにか変なこといったかな?
「キャァァァァァァ!」
「すごいカッコいい、というよりも可愛い!」
はぁ!?
「女の子みたい!!」
はぁ??
「守ってあげたい!!!」
いや、逆に俺がお前らを守るために来たのに。
ここで織斑先生の助け船が、やっぱいい女性だなぁ。
「あー、こいつは確かに童顔、低身長で小動物っぽいが、そういじってやるなよ。」
全権撤回。このアマ……ぶっ潰すぞ!
大地は頑張ってるかなー、そんなことを俺、聖摩は密かに思っていたのだった。
今回から前書きは無しで後書きで駄弁ろうかと。
遅れました、めっさんです。報告としては1つ、雑談方面で1つ書いておきたいことが。
ひとつは主人公『東郷 聖摩』とヒロイン『春風穂香』のイラストが出来上がりました。そこまでうまくないですが、イメージ参考にどうぞ。
【挿絵表示】
雑談方面では……グリザイアの楽園の新オープニングアニメがカッコいい、とだけ筆記しておきます。
読んでいただきありがとうございます。では。
5/25 9:34追記:今回別作品登場キャラとして『生徒会役員共』の畑 ランコを登場させました。