仮題-TSしたせいで女性にモテねぇんだけど。〜どんだけモテブームかましても男しか釣れない件〜 作:エッティパンティモンキー
ソフィアには所謂、前世の記憶というものがあった。
特にパッとしない一人の社会人。ソフィアとは違った性別の彼は他の男と同じように女性にモテることを夢見ていた。…その熱量が他に比べて高いだけで。
学生の時はモテる部活一位と言われたサッカー部に入り、美容に無頓着な男子中学生が多い中、スキンケアなんかにも気を使った。
社会人になってもその夢は変わらず、細マッチョがモテると聞いた時には即ジムを契約し、女性にモテることを糧に自身の限界を追い詰め続けた。
清潔感にも気を使って髭は綺麗に剃り、口臭体臭も気にされないように気をつけて過ごした。
それでも彼は死ぬ時まで女性にモテることはなかった。
金がないわけでもない。顔が悪いわけでもない。頭が悪いわけでもない。性格が悪いわけでもない。
それなのにモテなかったのは、ある意味で奇跡と言えるだろう。
そんな彼が最後まで求め続けたのは女性にモテること。死ぬ時、意識が消えるその時まで彼はそんなことを考え続けていた。
そうして次に目覚めた時には、この国に二家しかいない侯爵。〝クライン侯爵家〟の令嬢になっていた。
最初は混乱したものだ。何故自分が三歳ほどの幼児になっているのか。あの時死んだのではないか。
そんな
彼が言うには前世の記憶を持ったまま別の人物に生まれ変わることを転生というらしい。
それはアニメや漫画といった二次元の話ではよくあることだ…と聞いた記憶がある。
まぁ生まれたてじゃなく、三歳児に転生したかは分からないがそういうものだと納得するしかない。
兎に角、そういったオタク文化というものに疎かった彼はそのことを思い出し、事実を飲み込むのに時間がかかった。
でも飲み込んで仕舞えばこちらのもの。彼はソフィアとしての
家族や従者、枢機卿に見せる優等生の様でどこか少女らしさの残る
一人の少年にだけ見せる優等生な少女とはかけ離れた大人の男とした
そして、
男は少年には申し訳なく思っているが、その時間は少年にとっても気を張らずにおける貴重な時間になっていた。
これから流れる時間もそんなもの。彼の
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従者の少年と自分だけしかいない部屋で、俺は大きなため息をついてソファに横たわっていた。
「お嬢様、お行儀が悪いですよ」
そう呆れを含ませながら親の様なことを言う彼は俺の専属従者。〝ノア〟という少年だった。
「ここには俺とノア君しかいないんだからいいじゃん。俺も疲れたんだってぇ」
「それでもです。どれだけ疲れていても、侯爵家のご令嬢が見せて良い姿ではありませんよ」
呆れた表情のノア君と精神年齢が下の少年に正論をぶつけられる俺。とても情けないことではあるが、それでも先ほどの疲労を和らげることを優先してしまう。
だって…
「次のパーティーで第一王子を狙う集団から命を守れってなんだよ…抽象的すぎんだろ。その集団なんなんだよ…」
今回の仕事に関する情報が少なすぎるから。
第一王子を守れと言われても、どう守ればいいのかすら言われていないのにどうしろと?
集団から守り切れと言うなら、少しでも集団についての情報をくれない?
なんて言って断ろうものなら今までの教会との信頼関係がパー…とまではいかないが、これからを考えると断るべきではないだろう。
だから、どれだけ文句を言っても結局はできる範囲で王子を守ることだけしかできないが…こうも適当だと、頑張れるものも頑張れなくなる。
今まではそんなことがなかった分、コイツなら良いだろと舐められている感じもして尚更、ムカついてやる気がなくなる。
「あ~、もう!面倒だ~!!」
そう言って年甲斐もなく俺はソファの上でジタバタ暴れる。そんな俺をみて、ノア君はさらに呆れた目を向けてくるが知ったもんか。
「はぁ…みっともないですよ。本当にお嬢様の方が年上なんですよね?」
「いやいや、何言ってるんだよ~?ノア君の方が三ヶ月早く生まれてるだろぉ?」
ノア君の話を真っ向から否定する。俺は子供ってことにしないと一応ある大人の尊厳が完全に潰れる気がしたからだ。
まぁ否定したはいいけど…
「そうではなくて…前世の記憶があるんですから精神年齢はお嬢様の方が上という話です」
…俺の
だ、だけどさ?この身体になってから肉体的にも精神的にも子供に釣られているし、ノア君に年上が疑われるのも仕方がないのでは…?
うん、きっとそうだよな。俺のためにもそう思っておこう。
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