仮題-TSしたせいで女性にモテねぇんだけど。〜どんだけモテブームかましても男しか釣れない件〜 作:エッティパンティモンキー
王城まで繋がるからとこの辺りの道はかなり整備されている。
そんな道を通るこの馬車は俺とノア。そして…
「はぁ…」
「ソフィ、溜め息なんて吐いたら幸せが逃げますよ」
「ごめんなさ~い…お母様ぁ…」
…またもや溜め息を吐く俺を呆れたよう見てくる
嫌ではあるが、別に俺は
なら何故か?何と驚きなことにこの誕生日会にはダンスをする時間があるというのだ——ッ!!
いや、知ってたわ。こういうパーティーにダンスは付きもんだし、練習だって頑張ったわ。
前世よりもダンスが苦手なこの身体でも侯爵令嬢として見苦しくない踊りになるぐらい頑張った。
だけどよぉ…
「お母様、何故わたしが第一王子殿下と踊らなくてはならないのですか?」
王子と踊るっていうのはまた別の話じゃん?
……………
………
…
憂鬱な気分が抜けぬまま、俺は王城へと足を入れる。その先の光景といえば、圧巻としか言いようがない。
赤いマットが引いてあって、装飾は全部金ピカで光を完璧に反射している。
…凄く眩しいから木材にしない?目に優しいよ?あぁ…無理?そっか…。
その金髪も照明の光を反射して、まともに顔を見れないほど眩しい。
そうやって俺が眩しさと格闘している中、
要約すると「今日は僕のために来てくれてありがとう。ぜひパーティーを楽しんでね」ってことしか言ってなかったけど。
でもそんな薄っぺらい話も他の貴族さんたちからしたら、重要な情報源だったりする。
娘さんじゃなくても、
だから、こういう場での王子の情報ってのは貴族さんたちからしたら馬鹿にできない。
それで長々した話でもみんなしっかりと聞くわけだね。
まぁそれが俺に関係あるかと言ったらありませんけどね。俺は玉の輿しなくても大丈夫な裕福な上流貴族なので。
それに弟くんがいるので俺が婿をとって世継ぎを作る必要もない。
つまり、このまま女性にモテて結婚しても大丈夫なわけなんですよ。法が許してくれたら…。
そんなこんなで、俺がやることは一つ。第一王子を守ってあげることだけ。
それもすぐに達成できる。
隣にいるノア君から代償のブツを受け取り、祈るように指を組んだ手の中に入れる。そして頭の中で王子に授ける効果を想像すれば、手の中身がフッと消えた。
と、このように俺の力は使う力にあった代償があれば、すぐに効果を出せる。正直それっぽいからやってるだけなので、指を組む必要もない。
だが速攻発動する、強い力にはもちろんその分の代償が付いてくるものだ。
そんな力の代償は二つの条件を満たしたモノである。
条件が少ないと思うかもだが、条件の満たし具合によって効果のレベルが変わる、ちょっとピンキリな力だ。
その二つの条件は以下の二つ。
そのモノを強く想う気持ち。
そのモノと共にした時間。
この二つの条件を合わせた。その分の力を俺は発揮できるのだ。
それで今回第一王子に付けたかった効果は物理魔法無効化の結界と毒無効化だ。
八年ぐらい大切にしてきたモノがなければ力を発揮できないが、普段から色々と備蓄していた俺からしたら、ちょっと心が痛いぐらい。
結構お気に入りのリボンだったんだけどなぁ…。
でも枢機卿さんがくれた、八年物らしい指輪は
とはいえ、これで王子はほぼ無敵状態となった。俺の力と想像力を上回らん限り死ぬことも傷つくこともない。
そしてこの力の効果が切れるのは今夜の十二時。某お姫様の変身魔法と同じだね。
それまでは俺以外がその力を解くことはできない。なので第一王子とのダンスまでは放置が一番…だったはずなんだけどねぇ。
……………
………
…
「ソフィア嬢…兄上を、〝アトラス〟兄上を助けてくれ…!」
…ど~してこうなった?
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