勇気の翼   作:ハーメルン很勇

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新女王ベルベット

リニュア「…」

 

エレナ「モナティアムへ向かうまでずっとあたしを抱きかかえたままだんまりを決め込むつもりか?」

 

エレナ「あたしに“造られた”と言ったな。心当たりはある」

 

リニュア「あっいえ、少し考え事をしていただけで…」

 

エレナ「この世界で特別な力を持つ存在が居る事はもう把握している。」

 

エレナ「そいつらの力を使って君を造ったんだろう」

 

リニュア「ええそうですが…」

 

エレナ「リニュア、なら君の髪をサンプルとしてもらえないか?」

 

リニュア「なぜですか?」

 

エレナ「解析して君を量産するんだよ。君のような人材が何百体もいればモナティアムの発展は早まりこの世界の支配者にだって容易くなれるだろう」

 

リニュア「…嫌です。」

 

リニュア「私がいた次元の市長様は何千年とかけそれらを見つけ出し犬猿の仲であったヒルデ先生と協力してまで私を造りだしました」

 

リニュア「私が世界を救う希望だと信じて…」

 

エレナ「まぁ利益があるのならあのヒルデと組むのも吝かではない。結局誕生するのが早まるだけだ 別にいいだろう」

 

リニュア「ダメです。私の市長様は私を作るというその結論に至るまであなたが何度も壁にぶつかり、他の種族達と真に友好関係を築き上げ、エルフの裏切りの本能を捨て去ってまでこの世界に適応しました」

 

リニュア「エーリアスに生きる種族たちを想い正義感の強いあなたでなければ私を作る資格はありません。」

 

エレナ「…」

 

エレナ「そんなくだらないことに拘って何になるんだ」

 

エレナ「ならあたしがそうならなければ君は誕生しないのか?」

 

リニュア「…それはわかりません」

 

エレナ「…君を造って世界はどうなったんだ?良くなっていったか?」

 

リニュア「…私が目覚めた時には市長様しか生きている者は居ませんでした」

 

リニュア「その市長様も目覚めてくれて良かったと言い残し死んでいきましたけどね」

 

エレナ「…」

 

 

 

 

 

 

 

マリー「広場を占拠する魔女達が増えたみたいですよ!」

 

ネル「まずいですね…このままでは」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのころバラック街では

 

ベルベット「前女王が俺様に負けた以上俺様が妖精王国の新女王だ!逆らう奴は地下に投獄してやるからな!大人しくこの薬草粥を食え!」

 

妖精「うぅ…こんなにまずいの耐えられない…」

 

ベルベット「あ?文句があるなら食わなくていいんだぞ」

 

妖精「甘いものやパンは無いんですか…?」

 

ベルベット「そんなもの食ってたらどんどん身体が悪くなっていくぞ!お前らにやるものはこれだけだ!」

 

ロレット「待ってよベルベット」

 

ロレット「こちらのお嬢さんは急に食生活を変えろと言われて驚いてるのさ」

 

ロレット「少しは甘いものを供給し完全にこの薬草粥が適応するまで慣らしていってあげたほうがいいんじゃないかって私は思うけどねぇ?」

 

ベルベット「甘やかしてどーすんだ!」

 

ロレット「女王の器…というのはそう言う所も大切だと思うよ。民に寄り添えば自然と君を女王と認めるはずさ…」

 

ベルベット「うーん…そうなのか?」

 

ロレット「お嬢さん?パンは分けてあげるよ」

 

妖精「本当ですか?!」

 

ロレット「そのかわり、私たちの為に働いて貰うけれどね…」

 

ロレット「最近獣人達がここに介入してきていてね…」

 

ロレット「みんなで彼らを追い返してくれないかな?妖精王国の住民である妖精が言うのであればおとなしく引き返すと思うから」

 

妖精「でもディアナ村長は…私たちに果物を…」

 

ロレット「よーく考えてご覧マドモアゼル。エルフィン女王はもうここ何日も戻ってきていない。女王が居ない今その協力者の獣人の村長がいつまでも手を貸すとでも?」

 

ロレット「私達に従えば薬草粥だけでなくパンの配給も行うと約束するよ?」

 

妖精「パン…」

 

 

 

 

 

 

 

 

ティグ「妖精王国に居る悪者を俺が倒せばいいんだろ?わざわざババアが付いてくる必要も無いだろ」

 

ディアナ「そんな事を言って勝手に暴れられては困るんだよ…何するか分からなくて目が離せないからね」

 

ティグ「ふん。」

 

 

 

 

 

妖精たち「獣人だ…」

 

ディアナ「こんにちは妖精の皆さん。女王様の様子と少しですが支援物資を…」

 

妖精A「ここから出ていけ!!!」

 

妖精B「助けは要らない!帰れ!」

 

ディアナ「!?これはどういう…」

 

ティグ「お前ら…俺様が直々に出向いてやってるのになんだその態度は」

 

ディアナ「ティグやめなさい。急に押しかけた事は謝罪します。ですがどうしてそんな…」

 

妖精A「帰れと言っているんだ!!」

 

妖精B「お前達をこの国は受け入れないぞ!!」

 

ティグ「支援を受けといてこの仕打ちか?馬鹿な妖精どもには礼儀ってやつを教えてやらなきゃいけないみたいだな…」

 

ティグは剣を抜いて妖精たちに向けた

 

妖精A「ひっ!」

 

 

ディアナ「ティグ!!!!」

 

ディアナ「分かりました。ですがエルフィン女王様についてだけお聞きしてもいいですか?」

 

妖精B「前女王は数日前に逃げた。今はベルベット様が我らの女王だ」

 

 

 

 

妖精達は獣人を拒絶した

ロレットが供給はいつか終わるかもしれないと繰り返し吹聴し不安を煽り、我らを正式な妖精王国民として認めるならパンの配給を行うと発言したことで妖精達は支援を行っていた獣人達を切り捨てベルベットを女王として認めたのだった

 

 

 

 

ベルベットは正式に“女王”を名乗りゴマすりが得意な妖精を側に置き今まで助言を行っていたロレットを切り捨て暴虐の限りを尽くしていた

 

だが彼女は気付いていなかった

その王座は束の間の栄光に過ぎないことを…

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