リニュア「ええと…ここ周辺から危険信号が出てるわね…」
時折一人で周辺のパトロールをする
こういう小さな危険の排除が平和につながると信じて
リニュア「あら?誰かが戦ってる…」
リニュア「助けに行かなきゃ!」
フリックル「…あなた急に何?」
フリックル「こんな奴ら私一人で十分だって言うのに…」
リニュア「すみません…」
リニュア「あれ、あなたは…」
フリックル「あなた…あの時のエルフ…」
リニュア「時折周辺をパトロールしてるんです。こういうちょっとした事が平和に繋がると思って」
フリックル「ふん…そんなことの為に働いてるなんて物好きな奴ね」
フリックル「ま、どの種族にでも変わり者はいるわよね。」
フリックルは背を向けた
リニュア「あっ、ここで何してたんです?」
フリックル「あなたに関係ないでしょ」
そう言うと去ってしまった
エルフィン「おかえりなさいリニュア。」
リニュア「はい!」
ネル「リニュアさん、反乱の時から今まであなたには沢山尽力してもらいました」
ネル「そろそろ休暇を取りお休みになってください。」
リニュア「お気遣い感謝します!」
リニュア「でも休んだからと言って何かやりたいこともないんですよね…そんな時はいつも魔物狩りに出かけているので…」
エルフィン「それじゃあ休んでないのと同じじゃない。そういうのなんて言うんだっけ…ワーカートリック?」
ネル「ワーカーホリックでは?」
エルフィン「そうそう!」
リニュア「…」
リニュア「(仲の良かった人達は皆いなくなっちゃったしね)」
エルフィン「ねぇ、今度のお休み私とお出かけしない?」
リニュア「えっ?」
エルフィン「一緒に行きましょ!」
エルフィン「私ね、パンを持ってここで食べるのが好きなの」
エルフィン「お気に入りの場所なのよ!」
リニュア「……」
エルフィン「なっ、なんで撫でるのよ」
リニュア「あっいえなんとなく…」
エルフィン「私、嬉しかったのよ」
リニュア「何がですか?」
エルフィン「あなたって、私の事ちゃんと女王扱いしてくれるでしょ」
リニュア「?それがどうしたんです?」
エルフィン「私…こんなんだから女王って呼ばれてもそれらしい扱いをしてくれる人はいないの」
エルフィン「わかってるわ。お姉様のように私は優秀じゃない」
エルフィン「でもね、あなたみたいに一人でも期待をしてくれる人が隣にいてくれると期待に応えたいって気持ちになるの」
リニュア「いえ…私はただ手助けをしているだけですので」
エルフィン「それが嬉しいの。あなたがどこから来て何をしたいのか何も知らないけど、助けてくれるってことはもう私の友達でしょ」
リニュア「友達…ですか?」
エルフィン「違うの?」
リニュア「いえ!とても嬉しいです!ここに来てから初めての友人ですね!」
エルフィン「だからリニュアにはこれからも私の側にいてほしいわ!」
エルフィン「まだまだ不甲斐ない私だけど…頑張るから応援してね!」
リニュア「ええ!きっと立派な女王になれるって、信じていますよ!」
エルフィンとリニュアは手を繋いで帰ってきた
ネルは笑いながら帰ってくる二人を見て優しく微笑んだ
リニュア「司祭長、あの紙の束は何ですか?」
ネル「妖精王国宛の手紙ですね、あとで確認するつもりです」
リニュア「私が確認を手伝いましょうか?」
ネル「大丈夫ですよ。今日はお休みなんですからゆっくり休んでください」
リニュア「わかりました」
ネル「あ…すみません、この書類だけあの部屋へ持っていってもらえますか?」
ネル「あそこは大切な書類を保管する部屋なんです」
リニュア「いいですよ」
リニュア「ええと…ここに…」
リニュア「ん?何かしらこれ…」
「訪問記録 魔女 フリックル ベリータ女王の件についてエルフィン女王に謁見を願う」
リニュア「ベリータ女王?」
リニュア「確か今ベリータ女王は行方不明になっていると聞いたけど…」
リニュア「女王様に聞いてみようかな」
エルフィン「リニュア!どうしたの?」
リニュア「ええと…結構前ですが妖精王国の訪問記録にあのフリックルという魔女の記録が残っていたんです」
リニュア「ベリータ女王様についてお話したいと」
エルフィン「お姉様の事?あのフリックルが?」
リニュア「ベリータ女王様は今行方不明なんですよね?その事について聞きに来たんじゃないでしょうか」
リニュア「何か知っていますか?女王様」
エルフィン「あー…それ名前の知らない魔女だったから薬のセールスかと思って会わなかったのよね」
リニュア「えぇ…まずいんじゃないですか?今からでもフリックルに会いに行って事情を聞くべきでは?」
リニュア「ベリータ女王様が見つかれば魔女のごたごたも解決すると思いますし…」
エルフィン「そうね、お姉様に会いに行きたかったし」
ネルに事情を話し、フリックルにアポイントを取り規定の日時に会いに行くよう取付けた
マリーとネルが同行し、エシュールにも声をかけたがエシュールは都合がつかず4人で行く事に
フリックル「…今更なんの用?」
ネル「すみませんフリックルさん、あなたの事情を知らず女王様が追い返してしまっていたようで…」
フリックル「別にもういいわ。あなた達の助けを得た所で事態は好転すると思えないし」
エルフィン「ちょっと!お姉様の事なら話は別よ!」
エルフィン「で…お姉様についてなんの話がしたいんだっけ?」
フリックル「あなたたちの助けなんて要らないわ。帰りなさい」
フリックル「怠惰で常識の無いあなた達と違って連絡を寄越せば直ぐに応じるから説明する為になるべく早くこの場を設けたけど、もう私の口から直接話したからいいでしょ」
エルフィン「よくないわよ!お姉様が今どこに居るか私も知りたいの!」
フリックル「なら自分で探しなさい。私も行方を追っているけど未だに掴めないの」
エルフィン「協力すれば…」
フリックル「“必要ない”と言ったでしょう帰りなさい」
茨が行く手を遮った
それはもう話す必要は無いという明確な拒絶だった
エルフィン「ちょっ!待ちなさいよ!」
リニュアが茨を焼き切った
リニュア「待ってください。私もベリータ女王様の行方は気になります」
フリックル「あなたは…リニュアとか言うやつね」
リニュア「ええ。私もベリータ女王様の事は知っています。この次元ではありませんが…とても良くしてもらいました」
リニュア「私も協力したいんです。」
フリックル「………」
フリックル「妖精の女王、もうあなた達は帰っていいわ」
フリックル「私はこいつに用があるから」
ネル「…まぁリニュアさんならきっと上手く話してくれるはずでしょう」
エルフィン「いくら私が門前払いしたとは言えこんな仕打ちする必要ある!?」
エルフィン「嫌なやつね!」
マリー「…女王様が最初に追い返さなければよかったのでは?」
エルフィン「わっ、分かってるわよ!それでも話すらまともに聞いてくれないなんて…」
フリックル「正直あなたのことはよくわかってないのよね」
フリックル「エルフと一時的に組んだ時も重要なポストにいるエルフは勿論末端の班員まで一通り目を通したのにリニュアなんてエルフは居なかったもの」
リニュア「ええとそれは…」
私は話した
私は違う次元からやってきたエルフでありこの世界を守りたいが為表舞台に姿を表し妖精の女王を助けていると
狂人の言うことかと話半分で聞いていたフリックルもそして“世界の滅亡を阻止”という言葉を聞いて目つきが変わった
フリックル「エルフがふざけた事を言って騙そうとしているのかと思ったけど…どうやら違うみたいね」
フリックル「ねぇ、あなたエーリアスの滅亡について何故知っているの?」
フリックル「まさか本当に滅亡した世界を見てきたから知っていると?」
リニュア「信じられないかもしれませんが事実です。」
リニュア「滅亡の方舟…あの計画が失敗する事をここではない別の次元のエレナ市長が伝える為に私を産み出したのです…」
フリックル「…!」
フリックル「もしあなたがエルフのスパイだって言うのなら…もう私は為す術がないわね」
フリックル「信じるわ。その方がまだ現実的だもの」
リニュア「私は色んな次元を渡ってきましたが、滅亡の方舟を実行する前に滅んでしまった次元も多くどうにかして滅亡を避けたいのです」
リニュア「表舞台に出てきたのも…今まで傍観を続けた結果守れなかったものばかりで」
リニュア「勿論私一人でこの世界をどうこうできるなんて思っていません。私のエゴ…と言えるかもしれません」
リニュア「フリックル、エーリアスの住民達が手を取り合って生きていけばきっと滅亡を避けることが出来るはずです。」
フリックル「…………」
フリックル「まさか私と同じ目標を持つものがいようとはね」
フリックル「………」
フリックル「エーリアスの住民が手を取り合って…それは見上げた志と言えるわね」
フリックル「でもね、それはあなたのような存在ばかりだった場合の話よ」
フリックル「時間をかけたところで滅亡の為に手を取り合って生きていこうと言ったところで賛同者なんてどれくらい集まるのかしら」
フリックル「エーリアスには報恩の概念を理解できない者、そもそも明日の事すら考えない者、死ぬ事を理解できないが故に恐れない者…」
フリックル「そいつらを人徳で取りまとめ導いていくことなんて誰も出来ないのよ」
フリックル「ねぇリニュア、あなた色んな別世界を見てきたと言ったけれど」
フリックル「そこに全ての種族が手を取り合い生きたという事例は存在したの?」
フリックル「或いは救世主の様な者が現れ考え方の違う種族達をまとめた…なんて事とか」
リニュア「…滅亡が目の前に迫り他人事では無いと全ての種族が感じた時、まとまった事はありました。」
リニュア「でもその時には…」
フリックル「時間も、覚悟も 何もたりていなかった、と…」
フリックル「あなたのいた世界を見たことはないけど、分かる気がするわ」
フリックル「今のエーリアスには世界樹と己の存在について理解する人材は少ない」
フリックル「何者かも、自分の役目すら分からず 世界樹を腐らせて行くだけ…」
フリックル「女王様も行方知れず」
フリックル「ならいっそ、私が全て…」
フリックル「…長くなったわね。もう帰っていいわよ いい時間だったわリニュア」
リニュア「待ってください!その…個人的に私と連絡を取りませんか?」
リニュアはスマートフォンを渡した
フリックル「これって…エルフの娯楽も連絡も全て解決する魔道具よね」
リニュア「はい。えーと、電話のかけ方を説明しますね…それとメッセージの打ち方も…」
フリックル「分かったわ。必要な事があったらあなたに連絡を入れるから」
リニュア「凄いですね、エルフでもない方が瞬時にスマートフォンの操作を理解するなんて…」
フリックル「見くびらないで モナティアムに行った時にエルフの電子機器の仕組みは大方理解したわ」
フリックル「じゃあまたね。妖精の女王にはこれからはリニュアを介して連絡を取ると伝えておいて」
リニュア「…直接話されては?」
フリックル「あんな低レベルな女王とまともな話が出来るとでも?あなたみたいに気が長い性格でもないの。」
リニュア「うーん…」
リニュアはフリックルと友好?な関係を築けたようだ
その頃獣人の村では
ティグ「つまらないな、どこかに強い奴は居ないのか」
ティグ「あのリニュアって奴も俺と戦う気がねぇし鍛錬だけじゃ腕が訛っちまう」
???「そこのお方、少し聞いてもいいかなぁ?」
ティグ「なんだお前」
ロレット「ティグ、と言う獣人を探しているのだけれど 君はなにか知っているかな?」
ティグ「ティグは俺様の事だ、何の用だ?」
ロレット「おお…最初に声をかけた獣人がティグその人だったなんて…幸運だねぇ…」
ティグ「なんだ?用がないなら行くぞ」
ロレット「ティグ殿、あなたの力を借りたいと言う人が居てね。その人の元へ私と一緒に行ってくれないかな?」
ティグ「力を借りたい…?」
ロレット「そう…君の比類無き力を借りたいんだってさ」
ティグ「よくわかってるじゃねぇか。その通り 俺様は最強だ」
ロレット「じゃあついてきてくれるかい?」
ティグ「嫌だね。その力を借りたいとか言ってる奴は強いのか?雑魚に俺を使われるなんてごめんだからな」
ロレット「強い…と言えば強いんじゃないかなぁ」
ロレット「なにせ“エーリアスの主”になろうとしてる人だからねぇ…」
ティグの顔つきが変わった
ティグ「エーリアスの主…だと?」
ティグ「誰だそいつは、俺様を差し置いてエーリアスの主になろうとするやつは見過ごせんな」
ティグ「中途半端な奴が言ってるなら叩きのめして二度と大口を叩けないようにしてやる」
ロレット「(おや?これは思った以上の食いつき様だね)」
ロレット「そうだねぇ…最強である君を差し置いてそんな事を嘯く奴を放っておいて良いのかい?」
ロレット「ついてきてご覧。そいつは魔女の王国に居るから」
ー魔女の王国ー
ロレット「連れてきたよフリックル」
フリックル「ご苦労様」
ティグ「お前がエーリアスの主、だと?」
フリックル「なによエーリアスの主って…ロレット、あなたまさかこいつに変な事言ったんじゃないでしょうね」
ロレット「人聞き悪い事言わないでよ…こうでもしなきゃ連れてこれなかったんだからさぁ…」
ティグ「何のつもりだ?訳分からないことをペラペラと ぶっ飛ばされたいのか?」
フリックル「黙りなさい半獣風情が 私はあなたに報酬を支払い、使う。それだけよ」
ティグ「…お前は強いのか?」
ティグ「雑魚に従う気はない、俺と戦って強さを証明しろ」
フリックル「私はあなたとは戦わないけど、他の奴らと戦う機会ならあげるわよ」
ティグ「どういう意味だ?」
フリックル「いまこの地は女王様が居なくなり自分が支配者になろうと反乱が何度も起きているわ。私に歯向かってくる奴らも何人居るか…」
ティグ「それだけか?俺よりも雑魚な連中を斬って何が楽しいんだ」
フリックル「話は最後まで聞きなさい、いずれ私はこのエーリアス全体を統治するつもりなの」
フリックル「まぁその点で言えばエーリアスの主という表現は正しいわ」
フリックル「でもその道は茨の道。どんな奴が立ち塞がるか分からない」
フリックル「あなたも会ったことのない強者と戦える日が来るかもしれないわよ」
ティグ「くだらんな。お前がエーリアスの主になれる日なんて来ないぞ 何故なら俺様がエーリアスの主になるんだからな」
フリックル「…あなた、馬鹿なの?」
ティグ「なんだと!?」
フリックル「あなたは私がエーリアスの主になる手助けをすればいい。私がエーリアスの主になったその後に私にその剣を向けてエーリアスの主になればいいでしょ」
フリックル「(最もこんな馬鹿にそんな事させるつもりはないけど)」
ティグ「おお…確かにそうだな」
ティグ「だが俺様はお前の下で働くつもりはないぞ、口出しするなよ」
フリックル「本当に馬鹿ね。私の言う通り動かなかったらその強敵にも出会えないしエーリアスの主になる道も遠のくでしょ」
フリックル「まさかそれくらいの辛抱も出来ないの?」
ティグ「馬鹿にするな!分かったよお前の言う通り動けばいいんだろ!」
フリックル「まぁ報酬はしっかり出すから心配しないで 叶えられる範囲なら願いも叶えてあげるわ」
フリックル「勿論あなたの働き次第だけど」
ティグ「はん!向かってくる奴らを全員倒せばいいなんて簡単な事、俺がヘマするわけないだろ?」
エルフィン「あっ、おかえりなさいリニュア」
ネル「フリックルとの話はどうでした?」
リニュア「取り敢えず私個人は連絡を取れるようになりました。妖精王国とは私を介してならやりとりをすると」
ネル「そうですか まぁ急用で来て門前払いされたのにも関わらず話の席を設けて下さっただけで感謝しなければなりませんね」
リニュア「フリックルさんも世界を守る為に動いているようです」
リニュア「お互いに助け合っていけたらいいですね」
エルフィン「フリックル…確かお姉様の側に付いていた魔女だった気がするわ」
エシュール「と言うことはベリータ女王様が居ない今彼女が実権を握っているんでしょうね」
ネル「ベリータ女王様…どこへ行ってしまったのでしょうか…」
ここからルートが分岐します
エルフィンかエレナ、どちらが世界の救世主になり得るかリニュアの選択次第で物語の流れが変わります
不器用ながら成長するエルフィン女王を見守り支えるか
同じエルフであるエレナを正しく救世主の道へ導くか
このシリーズではこの2ルートが正史となります