女王エルフィンと共に
リニュア「…」
私はこの特異点を守る為に誰がこのエーリアスを守る救世主足り得るか、決めあぐねていた
少しずつエーリアスの守護者としての道を歩み始め私の初めての友達になってくれたエルフィン女王様
この世界の為尽力し私の居場所になってくれると言ってくれたエレナ市長様
きっと私の選択で何かが大きく変わる
そして私が答えを出す日がやってきた
リニュア「女王様、司祭長」
ネル「どうしたのですか?」
リニュア「私はこれから正式に妖精王国の一員としてエルフィン女王様を支えていきます」
リニュア「妖精王国の反乱から長い付き合いになりましたが、きっとエルフィン女王様こそエーリアスを導く存在になると信じたいからです」
エルフィン「リニュア…」
ネル「これからもリニュアさんが支えてくれるのならば妖精王国は安泰ですね!実際、あなたのお陰で私では手が回らないことや目の届かない所の心配が無くなりました」
エルフィン「リニュア、あなたの期待に応えられるように頑張るわ」
エルフィン「これからもずっと一緒にいてね!」
リニュア「はい!これからもよろしくお願いしますね!」
とある朝
ネル「大変です!教団の賛美歌集が消えてしまいました!」
教団内部は大慌ての妖精で溢れかえっていた
国の文書の記録や要人の私物などが一夜にして一部盗まれたからである
ネル「誰がこんな事を…」
リニュア「複製とかはしていないんですか?」
ネル「神聖な物なので複製を禁じていて原本しかなく…」
ネル「あれがないと何もできないです…」
リニュア「探してみましょうか。貴重な資料という観点では大切なものですから」
リニュア「取り敢えず今日の分のミサは終わったんですか?」
ネル「いえ、賛美歌が無いので出来ません」
リニュア「…?」
リニュア「内容は覚えていますよね?」
ネル「覚えてないです。賛美歌集に頼りきりだったので」
リニュア「(絶句)」
リニュア「何年もやっている物を司祭長であるあなたが覚えてないって相当まずいのではないでしょうか…」
リニュア「私ですら毎日部屋から聞こえてくるから全編覚えていますよ…」
ネル「凄いですね…」
エルフィン「全く、ネルったらバカね〜何年も続けてることなのに未だに覚えられないなんて」
ネル「…そう言う女王様はしっかり日課の台詞を覚えているのですか?」
エルフィン「え?あー、勿論覚えてるわよ」
リニュア「今はそんなくだらないことを話している場合ではありません。」
エルフィン「そう言えばエレナから来たこのメールを誰かに送らないと」
リニュア「市長様からのメール?」
リニュア「ん?これ暗号化されてますね…」
リニュア「えっ!?」
エルフィン「どうしたの」
リニュア「エレナ市長様が風の精霊達に攫われたので救援を願うそうです」
ネル「エレナさんが?」
エルフィン「エレナが精霊達に何かしたのかしら。」
リニュア「あー…これは私のせいかもしれません」
リニュアは前のモナティアムでの一件を詳しく説明した
ネル「そんなことがあったんですね」
エルフィン「えぇっと…エレナと下級精霊達が協力して色々やっていた所に火の上位精霊がやって来たのを追い返したのね」
リニュア「その報復かもしれませんね」
リニュア「すみません。紛失物を探すのを手伝う前に私が撒いた種を刈り取らなければいけないかもしれません」
リニュア「なるべく早く戻ってくるので先にこちらを片付けてきます」
エルフィン「待ってよ、これは妖精王国宛の手紙でしょ?なら私たちも行くわよ!」
リニュア「ですが…」
エルフィン「私達は友達でしょ!友達を助けるだけよ!」
ネル「はい。紛失物についてはその問題が解決してからでもいいでしょう」
ネル「ですが…その…」
ネル「リニュアさん、賛美歌集が見つかるまで朝のミサに参加してもらえませんか?」
リニュア「………」
ネル「みんな歌詞を覚えてないので全員口パクで歌うことになってしまいます…」
リニュア「…分かりましたよ」
魔法の専門家であるエシュールを道中一行に加えた
マリーとマヨが物を盗んだか盗んでいないかで争っていたので仲裁に入り二人で目星をつけた怪しい場所に探しに行くように言い聞かせた
その頃精霊の山では
シーラ「下級精霊達は皆他種族にいいように利用され苦しむ日々を送っている」
エレナ「もう一度言うぞこの頑固者、あたしは正規の手段で彼らに協力を仰いで居るんだ。勿論嫌がるような事はしないし強制することもない。精霊の山に戻りたいと言えば報酬を渡しそのまま帰らせている」
シーラ「まだ嘘をつくつもりか?風に乗って精霊同士の声が聞こえるんだ私には」
エレナ「…何が聞こえているんだ」
シーラ「助けてくれ、やめてくれ、ここから出たい、と」
エレナ「聞こえるはずのない言葉が聞こえるっていうのは、お前何かの病気にかかっているんじゃないのか?」
シーラ「なんだと?」
エレナ「こんな手段であたしを攫う前に風の上位精霊様自らあたしの街へ視察に来てその“声”とやらの真偽を確かめようとは思わなかったのか?」
エレナ「まぁ最も、火の上位精霊は視察に来て労働を強いて居ないと聞いて尚無理やり連れ戻そうとしたから意味のないことかもしれんがな」
シーラ「ふざけた事をごちゃごちゃと…」
シーラ「私は精霊の長として貴様らのような世界樹に寄生する寄生生物を追い払う使命がある」
シーラ「謝罪し下級精霊達を全員解放するというのならば今回だけは許してやる」
エレナ「謝罪か?それくらいなら何度でもしてやる」
エレナ「だが精霊達は望んであたしのもとで働いている。彼らの生み出すエネルギーはエルフにとっても無くてはならない存在だ」
エレナ「寄生する関係ではなく共生する関係になっているというのにお前自らそれを壊すつもりか?」
シーラ「何度言おうと私の心は変わらん。精霊達は世界の為生きる存在なのだからな」
エレナ「…こいつもトンデモ老害だったようだな」
精霊の山に入ると見張りの風の精霊達が何度も襲いかかって来た
見つからないように隠れながら進むも精霊達は精霊の山を熟知しているためあまり効果がなかった
洞窟に入りなんとか風の精霊の追跡を撒いたものの一行は疲労していた…
エルフィン「お腹が空いたわ…」
ネル「そろそろ休憩しましょうか」
岩の上に座りパンを食べ始めた
するとそこにエレナの秘書アメリアがやって来た
アメリア「妖精の皆様、我らが市長様の為に駆けつけてくれたのですね」
アメリア「探していたのですがなかなか見つからず…」
リニュア「精霊の山に足を踏み入れた途端風の精霊達に襲われたので逃げ回っていました」
アメリア「そうでしたね、我々は精霊に対抗する人員と道具を多数用意しているのでそこまで障害にはなりませんでしたが、何度も来られたらとても面倒ですからね」
エルフィン「エレナは今どこにいるのかしら」
アメリア「居所は不明です。現在偵察隊に探させているものの成果は得られていません」
アメリア「我々は頂上に向かって捜索しているので引き続き登りながら探すつもりです」
エルフィン「私も協力するわ!」
アメリア「助かります。女王様」
カンナ「市長殿を発見しました!」
エレナの周りにはシーラと風の精霊達が待機していた
シーラ「現れたな寄生生物ども。ここで一網打尽にしてやる!!!」
エルフの兵と精霊達の争いが始まった
カンナ「数が多すぎます!このままでは押し切られてしまいますよ!」
アメリア「何としても市長様を救い出さなければなりません!!ここで引いてはいけません!」
エルフィン「ど、どうしよう」
リニュア「このままではエルフと精霊に大きな軋轢が産まれてしまうわ…どうしたら」
エルフィン「エシュール!シーラに拘束魔法を使って!」
エシュール「そ、そうでした」
だがエシュールの拘束魔法は直ぐに破られてしまった。シーラは激昂しさらに攻勢を強める事に
???「ふふっ、お困りのようだな」
アメリア「?今の通信は?カンナ隊長の援軍ですか?」
カンナ「いえ、そんなのは居ませんが…」
???「我が助けてやらないこともないぞ?」
ネル「このままでは埒が開かないので助けてもらっては…?」
リニュア「………彼女は」
リニュア「いえ、その必要はありません。私が市長様をお救いします」
リニュア「エシュールさん、私が合図をしたらもう一度拘束魔法を放ってください」
エシュール「えっ?あ、うん」
リニュア「アメリア、シーラの拘束が完了したら捕獲装置で吸引して下さい」
アメリア「分かりました」
シーラ「お前はエルフか…?」
シーラ「イフリートが言っていた妙な気体を噴射して攻撃するエルフはお前か…」
リニュア「シーラ、これ以上手を出さないで下さい」
リニュア「下級精霊達を無下に扱う事はしていません。」
シーラ「信じられるか。」
リニュアとシーラの交戦が始まった
イフリートと違い遠距離での撃ち合いでひたすら牽制しあう。
だがリニュアは強い。
隙を見て攻撃を命中させつづけシーラを疲労させていく
リニュア「エシュールさん!今です!」
シーラ「クッ…また同じ手を…」
リニュア「拘束弾発射!」
エシュールの拘束魔法とリニュアの対精霊拘束弾。二重の拘束で動きを封じた
アメリア「今です!」
シーラを捕獲装置へ吸引する
シーラ「うわぁぁぁぁ!!!!」
???「我の出番が無いではないか!」
???「せっかく報酬で少し良いものを買おうと思ったのに…ついてないなぁ…」
シーラ「よくも私をこんな所へ…」
リニュア「きっと彼女を納得させるには直接モナティアムまで連れて行く必要があるようです」
エルフィン「大丈夫なの?イフリートは精霊達の様子を見ても怒ったんでしょ」
アメリア「その時は風の上位精霊を拘束したままエネルギー研究所で働かせてしまえばいいだけです。何度も何度も精霊達に襲撃されてしまえば修理代に加え余計な人件費が嵩んでしまうので」
エシュール「…それ本当にシーラの言うように無理やり働かせることになるんじゃないですか」
アメリア「モナティアムはテロリストとは交渉しません。詳しく現状を説明しても理解しないという事は言葉の通じないテロリストと同等の存在と見做します」
ネル「うーん…これで解決?したんですかね」
ネル「アメリアさん、妖精王国の文書や私物がなくなっていたんですが怪しいものを見かけた情報とか聞いていませんか?」
アメリア「聞いていませんね。こちらも市長様が誘拐されたと言うことで大騒ぎだったので」
エルフィン「取り敢えずみんなでモナティアムへ帰りましょ。シーラの誤解を解かなきゃ」
エルフィン達とエルフ達は帰っていった…
エレナ「むごーっ!!!(あたしを置いていくな!!!)」
数時間後同タイミングでアメリアとリニュアがエレナを置き去りにしたことに気付き二人で帰ってきた
アメリア「ああ市長様がこんなあられもない姿に…」
エレナ「お前達酷いじゃないか!一番の重要事項であるあたしのことを忘れて帰ろうとするなんて!!」
リニュア「その…すみません」
アメリア「言い訳になりますがあの瞬間、シーラの今後を考えていて市長様の事を忘れてしまいました」
アメリア「どんな時であっても必ず市長様の事を考えなけばいけないのに…秘書失格ですねこれでは」
エレナ「どうでもいいからあたしを支えて連れてけ、リニュアでもアメリアでも構わないから」
エレナ「同じ姿勢で居たせいで身体が痺れて動かない」
アメリア「運動不足で芋虫みたいになっているエレナ様はとても可愛らしいですね、素敵です」
リニュア「私が運んでいきますね」
アメリア「リニュア。あなたは先に行きなさい 私がエレナ様に肩を貸して歩いて行きます」
アメリア「エレナ様が誰かに狙われた時に盾になれるよう日々の体力づくりは欠かしていません。エレナ様と一緒なら精霊の山を10往復することも可能です」
エレナ「訳のわからないことを言っている暇があるならさっさと連れて行け!」
リニュア「はは…」