今日は日曜日で華ちゃんの学校は休みだ。
部活動も入っていないことだから今日は活動に専念することになった。
「相変わらず首根っこ掴まれるのは不服だけどね…」
「ならもっと速く飛べるようになってから言ってちょうだい」
うぐっ…それを言われると何も返せないから辛い。
僕だって練習したさ。だけど全くできなかった…
「前も言ったけどムイは多分〈創造〉が合ってるよ」
なら今度創造を練習するか…
華ちゃんにも教えてもらえないから完全に独学なんだよね。
前に聞いたらーー
「自分で頑張って」
って言うもんだから、ふざけるなって思ったよ。
「今日もやってるわね」
家から少ししたところに魔力の気配がしてきた。
僕にも感じ取ることはできたけど…どうして華ちゃんの方が早いの?
学校の時も僕より速く気づいていた。
これじゃあ妖精の役目が…
「考え事してないで行くわよ」
「わかった」
おっ?近くにマンションがある。
あそこの屋上で見学できるかも。
「あそこどう?」
「いいやあそこはダメ。一般人の気配がする。もう少し上にしましょ」
よくよく見てみると人が2人立っている。
動画を撮っているようだ。
「ごめんね」
「いやどんどん言って、そう言う意見は」
やっぱり華ちゃんは最高だね!
失敗を責めないだなんて。
…少し辛辣だけど。
「あそこの屋上にしましょ」
華ちゃんが指した先には15階建てのビルがある。
上に降り立つと誰もいない…
「ここなら落ち着いて観れそうだね」
「はぁ〜いいえ無理そうね」
「え?それはーー」
言いかけた途端僕は下に投げられた。
ちょっと華ちゃん?またですか…
今度は何がーー
《先には家に戻ってて》
《どうして》
《魔法少女が来るわ。すごいスピードで》
そう言うとブチっとテレパスが切られた。
大丈夫なのかな…
とりあえず華ちゃんが言ったように家に戻ろう。
◇◇◇◇◇◇
わたしたちは今、白の魔法少女と対峙していた。
ことの始まりは今日、アクセル先輩と見回りに来ていた。
途中で空に魔法少女がいるとパートナーの妖精が言っていたのを先輩に報告したら
「行ってみよう」
と言われたから魔法少女が止まったビルの屋上まで行く。
わたしは階段を使わせてもらって屋上へと上がる。
屋上に着くと折り畳み椅子に座っていて魔法少女を観戦していた。
白のドレスが少し赤味を帯びている。
髪は純白の絹のようで風を靡かせている。
「なんの用?」
相手に驚いた様子はない。
来ることがわかっていたみたい。
「いや、ここに人がいると聞いてね」
「そう…じゃあもう用はないわね」
そう言い女の人は手を振って興味を失ったように話さなくなった。
さんな態度にわたしたちは呆気に取られる。
だって今までこんなことされたことないもん。
「あ、あの…」
「…何?まだあるの?」
「いやあのせめて名前でも」
「言う必要ある?」
これだけ話しかけてもまだ一向に振り向かない。
「流石に失礼じゃないかな?」
アクセル先輩も女の人に言う。
だけどその言葉も響かなかった。
「邪魔がしたいのなら帰って」
トップ10に入る人の言葉でも効かないだなんて…
「君…無所属でしょ?」
趣向を変えたアクセル先輩の言葉に初めて彼女がピクリと止まった。
「…それがどうしたの?」
初めてこちらを向いた。
目は綺麗で真っ赤な瞳をしている。
「協会に入らないかい?いろんな支援を受けられるよ」
その言葉に彼女は苛立ちの雰囲気を出した。
そして立ち上がってこちらを向いた。
なんだろう私たちとは違って服装がドレス?
「私はアクセル。一応協会のトップ7に居させてもらってる」
「はぁ…私はエンド」
「わ、わたしはジャスティスと言います」
「もういいこれで満足?」
「いや君を協会に連れて行くよ」
「何故?」
やばいエンドさんが段々と怒ってきている威圧感がすごい。
「先輩、そろそろ辞めませんか…」
「黙ってて無所属をそのままにしておく気は無いんだ」
「もういいかしら?私は帰る。今日は忠告に来たつもりだったけど…無駄だってことがわかったから」
忠告?もしかしてわたしたちが来ることを事前にわかっていた?
「へぇ…それはどんな忠告かな」
「これ以上私に構わないでって忠告だったんだけど…無理みたいね」
「それは無理な相談だね」
「じゃあもう用は無いわ、さようなら」
そうして後ろ向きに下がるとそのまま飛び降りた。
「「え?」」
そのまま慌てて下を覗くともう誰もいない。
「逃げられたか…」
「あれが、白の魔法少女…」
少し辛辣だけど、わたしたちを襲いはしなかった。
わたしは今のところエンドは敵では無いと思っている。
味方でも無いと思うけど…
彼女はこれからなにをするんだろう?