無の魔法少女   作:ゴス

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EP:15 記憶

「で結局破壊ってどんな感じなの?」

 

僕の言葉に一瞬呆気に取られた華ちゃん。

だけどすぐに元に戻った。

華ちゃんの珍しい顔を見た。

いつもは澄ました顔しているから少し気分がいいかも

 

「はぁあなた性格悪いね」

 

「そ、そんなことないよ〜」

 

最近華ちゃんに心を読まれるの慣れてきた。

僕ってそんなに顔に出るのかな?

 

「それよりも〈破壊〉ね。あれは使っている人のイメージに合わせられるのよ」

 

どういうこと?

 

「氷魔法が得意だと割ったり塊を放出したりできて、火魔法が得意だと今日みたいに白炎ができるのよ」

 

「ということは使っている人の得意な属性に合わせられるということ?」

 

「ほぼあってるわ。一つ違うのはそれが無属性ってことよ」

 

無属性ってこと?ってどういうこと?

無属性はまずどんな属性かもわかっていないのに…

 

「簡単にいえば形だけの無属性って意味よ」

 

そんな悩んでいる僕に簡潔に言ってくれた。

本当に華ちゃんには魔法に関しては頭が上がらない。

普通は妖精である僕たちが教えるものなのに…

 

「じゃあ炎が効かない敵にあの白炎を与えると効くってこと?」

 

僕のその問いに華ちゃんは満足そうに頷いた。

 

「そうよ。やっとわかったようね」

 

なかなか難しいね無属性って。

あれ?じゃあ前に言っていた無属性でしか倒せない敵って……

いやこれ以上考えるのはよそう。

無属性はとにかく得意な属性に性質が引っ張られるということがわかった。

 

「じゃあ華ちゃんが前に使える属性が多いほど有利ってそういうことか」

 

「えぇそうね私も土以外は使えるわ」

 

何故土だけ?

覚えれるなら覚えたほうが得じゃない?

 

「私には〈創造〉があるわ。だからいらないの」

 

確かに考えれば創造って土の上位互換じゃない?

そう考えると改めて華ちゃんってバケモノな強さしているよね。

そりゃトップが簡単に倒せないわけだよ。

 

「無属性って言うのは色で例えるとその名の通り透明なの。それにインクが合わさって性質が変化する。でもここで違うのはこの透明は色が強すぎるのよ。たとえ黒や白が混ざって色が変わっても透けて見える性質は変わらないわ」

 

なんかいい言葉言っているようだけど僕には何を言っているか6割ぐらいしか理解できなかった。

結局破壊はたくさんあるということがわかった。

…なんか小学生の感想みたい。

 

「…ねぇあなた、過去を思い出すつもりはないの?」

 

「え、どうして?」

 

どうして急に過去のことを聞いたんだろう?

 

「前に頭が痛くなったんじゃない?あの時は過去を思い出そうとしたからでしょ?」

 

それはそうだけど…何故か僕が僕のことを思い出すのを邪魔してくるんだ。

 

「……そう。なら仕方ないわね」

 

「どうして急に聞いてきたの?」

 

華ちゃんが僕に質問なんて珍しい。

華ちゃんは少し迷ったように躊躇ってついに口を開いた。

 

「…私もね記憶がしっかりあるわけではないの」

 

…それは初耳だよ。

いつもあんなに無属性が使えたり頭が良かったりしているのにまさか記憶がないだなんて。

 

「もう何年も生きているのにまだ記憶が戻らないのよ」

 

前に寿命はないと言っていたけど、やっぱりもう何年も生きているんだ。

 

「あなたに会えたこと正直運命だと思っていたわ。普段運命なんて信じないのにね…」

 

「どうして?」

 

「私はね、気づいた時からこの体だったの。普通に生きていたわ。でも私と同じ無属性なんていなかった。」

 

だから僕と出会った時に話しかけたのか…

 

「じゃあ無でしか倒せなかった敵は最近にいたってこと?」

 

そこで華ちゃんは首を横に振る。

 

「いいえ、多分私の記憶が無くなった期間よ。私は魔法少女と言う名前を聞いた時にしっくり来ないのにこの敵についてはしっくりくるもの」

 

じゃあ華ちゃんは魔法少女が出る前から此処に存在していたってこと?

 

「敵がいたことしか覚えていない…でも私にはパートナーがいたわ。それも覚えている」

 

「パートナー?僕に似たような感じの人が前にいたってこと?」

 

「いいえあの人は〈人〉だったはずよ」

 

「でも姿は思い出せないの?」

 

華ちゃんは今度は首を縦に振った。

 

「私にはパートナーと敵に戦って負けたという記憶しかないわ」

 

「え?負けたの?あの華ちゃんが?」

 

華ちゃんが負けるだなんて想像ができない。

今まで余裕そうな華ちゃんしか見なかったから。

 

「今より弱かったとか?」

 

この線ならありえるかもしれない…

けど現実は甘くもなく…

 

「いいえ多分だけど私は今の方が弱いわ」

 

まさか逆だとは思わなかった。

じゃあその敵ってもう想像を絶する強さを持ってるってことか…

今の魔法少女じゃ対応できないね。

 

「だから私はあなたと同じ記憶喪失なのよ」

 

多分僕よりも厄介ごとが多そうだけどね…

スケールの幅が違うんだよ…

 

「僕とレベルが違うよ」

 

「あら、そんなことないかもよ?」

 

そんなことあるだろうね?

 

そうして夜は更けていく。

僕は華ちゃんのことを少しはわかったんだろうか?

 

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