無の魔法少女   作:ゴス

24 / 24
EP:20 夢

「⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎…」

 

倒れている赤髪の女性が名前を呼んでいる。

しっかり聞き取れない。

相手はどこ?もしかして…私?

体が言うことを聞かず勝手に女性に近づいて体を起き上げる。

 

「ごめんね…最後まで一緒にいられなくて…」

 

顔が見えない。

霧がかかったように顔が覆われている。

誰?この人は?

声が聞こえない。

でもこの雰囲気は何処かで?

だんだんと赤い粒子になり消えていってる。

 

「わたしが最後まであなたを信じれば…」

 

信じる?

あれ?私泣いてる?

涙が止まらない…

 

「大好きだったよ…」

 

何か返事をしようとしたけど声が出ない。

そうもしないうちに女性が消えていく…

 

「がん…ばっ…て…」

 

赤髪の女性が完全に消えた。

何故だろう涙がいつまでも止まらない。

理由はわからない。

何故か泣いている。

 

《忘れたままでいいの?》

 

誰?この声は私に似ているような…

突然、頭の中から声が聞こえてくる。

 

《君が今立っている世界は正常?》

 

何を言っているの?

魔法少女のことを言ってるの?

あれが普通でしょ?

 

《君は何故、力があるのか考えたことはある?》

 

私の声で意味のわからないことを言わないで…

多分夢だろう。

なんとも嫌な夢だわ。

 

《これは夢じゃない》

 

じゃあそれ以外だったら何?

 

《いつかは分かるよ》

 

私と似ている声が微笑んだように言ってくる。

これは私の記憶?

でも私はヒトが死ぬところなんて一度も…

 

《君は何をする?》

 

待ってまだ聞きたいことが!

 

景色が遠くなっていく。

そうして完全に辺りが真っ暗になった。ーー

 

ーーベットから飛び起きると横に白くまの妖精が寝ている。

寝ているとただのぬいぐるみにしか見えない。

 

「何かしらあの夢…」

 

夢は忘れると聞いているけど…この夢はハッキリと覚えているわ。

 

「私は何をする?…ね」

 

このままで良いの?

このままのんびりと魔法少女の活動をして過ごすのは…

あれ?私は何のために魔法少女になったのかな?

 

「そう私は…何かを成すために…」

 

何って何を成すためなの?

探さないといけない…私が何を成すのか…

赤髪の女性が消えたあの景色も。

私らしきあの声の意味を。

知らないといけない。

ムイは必ず手掛かりになるはず。

妖精で記憶が消えているなんて見たことがないし聞いたこともない。

だからこれから見つけていこう。

私…いえ私たちの記憶を。

 

「ムイ起きて」

 

「うーん…あともう少し」

 

この妖精は何故か俗っぽいのよね。

まぁ良いんだけど…

つまらないものよりは私は好きよ。

 

「今日は神崎モモと魔少するんでしょ?」

 

「ハッそうだった!」

 

まだまだ世話がかかりそうね…

 

◇◇◇◇◇◇

 

魔人を倒した後に家に入るとふと気になったことがあった。

 

「ねぇ華ちゃん。なんで急に魔物を無くそうと思ったの?」

 

僕はあの時に魔物の殲滅を目標にした華ちゃんを疑問に持った。

今まで保守的に動いていた華ちゃんが急に考えを変えたんだ。

気になって仕方がない。

 

「…どうしてかしらね」

 

「華ちゃんも理由がわからないの?」

 

「えぇ最近になって魔人が出たでしょ。あれが出た時に何故か不味いと思ってしまったのよ」

 

何故かって…理由をわからないのにそんなことしようと思ったのか…

 

「そうよねおかしい。私もそう思うわ」

 

でも華ちゃんの勘がそう言うなら従ってみるのまあありだけどね。

悪いことではないから。

 

「僕はついていくよ」

 

「…ありがとう」

 

僕に微笑んでくれた。

たまに見るこの顔がいいんだよ。

 

「さて、しんみりしている暇はないわ。私は宿題をするからまたあとでね。あと明日も調査に行くわよ」

 

「うん、わかった」

 

華ちゃんはそう言って自室へ入って行った。

気を取り直して明日も頑張るぞ!




夢の時系列は2回目の魔人戦の少し前ですね
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

ステッキを拾った。魔法少女になった(30代男性)。(作者:稲荷竜)(オリジナル現代/冒険・バトル)

道端に落ちていた魔法のステッキを拾い上げたせいで、タイミング悪く魔法少女になってしまった30代男性。しかも闇属性。▼かわいい女の子のフリをするのは心苦しいが、戦う力があるのにまだ幼い少女たちにだけ戦わせるのはもっと心苦しい。▼そういうわけで魔法少女活動を続けることにした。……退職金でまだ暮らせるうちは。▼魔法少女活動はなんで昼が多いの? 社会人には不向きすぎ…


総合評価:2636/評価:8.88/連載:31話/更新日時:2026年09月10日(木) 11:00 小説情報

ニチアサ系で禁断の『主人公勢洗脳闇堕ち全滅エンド』を目指したい(作者:匿名希望)(オリジナルファンタジー/冒険・バトル)

ニチアサ系変身ヒロインアニメの世界に、主人公の双子の姉としてTS転生した朝霧夕陽(あさぎりゆうひ)。原作主人公勢の活躍を特等席で見ることができる! と喜んでいたのだが――悪の組織に勧誘(洗脳)されて、理性のブレーキがぶっ壊されてしまう(なお、洗脳自体はすぐに自力で解除した模様)。▼「見守りたい」という純粋な想いは歪んでいった。▼これは禁忌とされるバッドエンド…


総合評価:2335/評価:8.25/連載:16話/更新日時:2026年09月09日(水) 12:10 小説情報

転生少女が工房を開いたら、有力者たちのたまり場になった(作者:暁刀魚)(オリジナルファンタジー/冒険・バトル)

 転生者のアリエルは才能に恵まれていたものの、出世に興味がなかった。▼ 学生時代の研究は一部の人間にやたらと評価されていたが、それをひけらかすと嫉妬されて面倒だと考えるのがアリエルだ。▼ あまり人の来ない田舎の故郷で工房を構えることに決めるのは、自然なことだった。▼ しかしどういうわけか、アリエルの工房には常に学生時代に知り合った有力者が各地から集まってくる…


総合評価:5007/評価:8.53/短編:3話/更新日時:2026年05月29日(金) 12:10 小説情報

TS転生人外ロリ、厭世魔法少女の使い魔になる(作者:蓋然性生存戦略)(オリジナルSF/冒険・バトル)

とりあえず地球が爆散して転生することになった人間が一人。▼元凶を名乗る自称神様モドキに願いを聞き届けてもらい、TS転生人外ロリになった彼は、転生直後に浮かれた気分だったためにボコられ、とある魔法少女の使い魔にされてしまう。▼最初は死にたくないがための投降だったが、次第に魔法少女《エンドロール》の私生活の彩りの無さに対し、お世話魂に火がついた。▼これは、厭世家…


総合評価:5427/評価:8.75/完結:12話/更新日時:2026年05月15日(金) 14:40 小説情報

鬱百合アニメの推しキャラ皆に幸せになってほしいTS転生百合厨魔法少女(作者:丹羽にわか)(オリジナル現代/冒険・バトル)

TS転生百合厨魔法少女(糸使い)が推しの幸せの為に沢山頑張るお話。百合厨美少女は百合に挟まれると良い出汁が取れる。


総合評価:5165/評価:8.69/連載:5話/更新日時:2026年09月02日(水) 20:07 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>