「⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎…」
倒れている赤髪の女性が名前を呼んでいる。
しっかり聞き取れない。
相手はどこ?もしかして…私?
体が言うことを聞かず勝手に女性に近づいて体を起き上げる。
「ごめんね…最後まで一緒にいられなくて…」
顔が見えない。
霧がかかったように顔が覆われている。
誰?この人は?
声が聞こえない。
でもこの雰囲気は何処かで?
だんだんと赤い粒子になり消えていってる。
「わたしが最後まであなたを信じれば…」
信じる?
あれ?私泣いてる?
涙が止まらない…
「大好きだったよ…」
何か返事をしようとしたけど声が出ない。
そうもしないうちに女性が消えていく…
「がん…ばっ…て…」
赤髪の女性が完全に消えた。
何故だろう涙がいつまでも止まらない。
理由はわからない。
何故か泣いている。
《忘れたままでいいの?》
誰?この声は私に似ているような…
突然、頭の中から声が聞こえてくる。
《君が今立っている世界は正常?》
何を言っているの?
魔法少女のことを言ってるの?
あれが普通でしょ?
《君は何故、力があるのか考えたことはある?》
私の声で意味のわからないことを言わないで…
多分夢だろう。
なんとも嫌な夢だわ。
《これは夢じゃない》
じゃあそれ以外だったら何?
《いつかは分かるよ》
私と似ている声が微笑んだように言ってくる。
これは私の記憶?
でも私はヒトが死ぬところなんて一度も…
《君は何をする?》
待ってまだ聞きたいことが!
景色が遠くなっていく。
そうして完全に辺りが真っ暗になった。ーー
ーーベットから飛び起きると横に白くまの妖精が寝ている。
寝ているとただのぬいぐるみにしか見えない。
「何かしらあの夢…」
夢は忘れると聞いているけど…この夢はハッキリと覚えているわ。
「私は何をする?…ね」
このままで良いの?
このままのんびりと魔法少女の活動をして過ごすのは…
あれ?私は何のために魔法少女になったのかな?
「そう私は…何かを成すために…」
何って何を成すためなの?
探さないといけない…私が何を成すのか…
赤髪の女性が消えたあの景色も。
私らしきあの声の意味を。
知らないといけない。
ムイは必ず手掛かりになるはず。
妖精で記憶が消えているなんて見たことがないし聞いたこともない。
だからこれから見つけていこう。
私…いえ私たちの記憶を。
「ムイ起きて」
「うーん…あともう少し」
この妖精は何故か俗っぽいのよね。
まぁ良いんだけど…
つまらないものよりは私は好きよ。
「今日は神崎モモと魔少するんでしょ?」
「ハッそうだった!」
まだまだ世話がかかりそうね…
◇◇◇◇◇◇
魔人を倒した後に家に入るとふと気になったことがあった。
「ねぇ華ちゃん。なんで急に魔物を無くそうと思ったの?」
僕はあの時に魔物の殲滅を目標にした華ちゃんを疑問に持った。
今まで保守的に動いていた華ちゃんが急に考えを変えたんだ。
気になって仕方がない。
「…どうしてかしらね」
「華ちゃんも理由がわからないの?」
「えぇ最近になって魔人が出たでしょ。あれが出た時に何故か不味いと思ってしまったのよ」
何故かって…理由をわからないのにそんなことしようと思ったのか…
「そうよねおかしい。私もそう思うわ」
でも華ちゃんの勘がそう言うなら従ってみるのまあありだけどね。
悪いことではないから。
「僕はついていくよ」
「…ありがとう」
僕に微笑んでくれた。
たまに見るこの顔がいいんだよ。
「さて、しんみりしている暇はないわ。私は宿題をするからまたあとでね。あと明日も調査に行くわよ」
「うん、わかった」
華ちゃんはそう言って自室へ入って行った。
気を取り直して明日も頑張るぞ!
夢の時系列は2回目の魔人戦の少し前ですね