「今日こそ行くわよ」
「どこに?」
「どこって…そりゃ協会よ。どうしたの?昨日からおかしいわ」
昨日から藍葉花美が頭から離れなくて夜しか眠れなかった。
「あの藍葉花美が気になるの?」
驚いた。
「よくわかったね」
「昨日帰ってからずっと思い詰めたような顔をしていたら気になるでしょ?」
気づいていたのか…
「よかったら私に相談して。私はあなたの契約者でありながら相棒なんだから」
華ちゃん…僕の瞳がうるってきたよ。
「でもムイは藍葉花美に反応したんだよね?神崎朱音には?」
「あの人にも少しだけ違和感が起きたんだよね」
そうだ。
神崎朱音にも見た時動悸が早くなっていた。
「ならあなたと私の消えた記憶の内容は似ているかもしれないわ」
「じゃあ僕たちは前にも会ったことがあるってこと?」
僕は華ちゃんを前に見た記憶がない。
見たことがあるならあの2人みたいに反応すると思う。
「まぁいいわ、行きましょう。今日こそは話をつけるわよ」
そうして僕たちは魔法少女協会へ行った。
だいたい電車二駅のところにある。
魔法少女の集まる場所には見えず普通のビルに見える。
「こんにちは」
入るとロビーみたいに予想の何倍かは広かった
妖精が沢山いてそれ相応の少女もいる。
多分ここで依頼の確認や招集をされたりするんだろう。
「こんにちは本日はどのような用件で?」
初めて見たであろう僕たちに20代ぐらいの女性が話しかけてきた。
「会長に会わせて」
受付嬢は苦笑いをして
「失礼ですがアポイントメントは…」
「エンドよ」
その言葉で周りが静まり返った。
「エンドってあの?」「フエルテ様をぶっ飛ばした無礼者」「貴方フエルテファンだったの?」「でもあれが本当に?」
周りから魔法少女の噂が聞こえる。
「か、確認してきます」
他の視線が気になる…
ていうか他の妖精の視線が…
まぁ僕は悪い意味で有名だったからね仕方ないか。
そうして数分すると受付嬢が戻ってきて
「今すぐ会うとのことです。付いてきてください」
そうして横にあるエレベーターに乗って最上階へと上がった。
「エンド連れてきました」
「入って」
最上階につき奥ではなく少し手前にあるドアを受付嬢はノックした。
「ようこそ」
入ると藍色の髪をした女性が立っていた。
「私は魔法少女協会の会長をしている見詠理恵と申します。お願いします。」
そうして手をさしだしてきた。
その手を華ちゃんは握り返して
「エンドよ」
「あの…名前」
「エンドで十分じゃない?」
「…そうですね」
わぁすごい不服そう…
まぁ華ちゃんもマナー違反だと思うけどね。
「それで今回はどうして話し合いに?」
「あなたたちがストーカーまがいなことをするからよ」
「それは…申し訳ありません」
いや、いつもそこらの魔法少女を観察している華ちゃんも人のことは言えないというか…
「今回はそれを改善しようって思って話にきたのよ」
「では私たちは、どうすればいいのでしょうか?」
「単刀直入に言うと共闘をしましょう」
その言葉に見詠は目を見開く。
流石に予想外だったみたいだ。
「共闘…とは具体的にどんな」
「魔物討伐の要請には可能な限り答えてあげるわ」
「それで可能な限りですか…」
「正直魔人討伐だけにしておいて欲しいけど流石に今は魔人が少ないわ。だから魔物よ」
「どういうことですか」
流石にそこまで考えが至らなかったようだ。
僕も至ることはできないけど今が初めて聞いた。
「最近魔物が活性化しているのは知ってる?」
「えぇそれは存じています」
「まぁそのついでに魔人も多くなると考えておいて。納得はできるでしょ?」
「……結構無茶振りですね」
「わたしも理屈はわからないもの。あなたの未来視もそこまで優秀じゃないみたいだし」
「…気づいていたのですか」
「そこに妖精がいたら気づくわよ」
そう。
さっきからテーブルの上にずっと目をつぶっている人型の妖精が座っているのだ。
しかも模様は夜空の色に星みたいな白が散りばめられている。
これがフトゥールムじゃなかったら誰がフトゥールムだってなるぐらいの妖精が座っていたのだ。
「そうですか…貴女は見える体質なのですね」
「そう思っといたらいいわ」
「…なら魔人優先の要請を出すようにしておきます」
「お願いします」
「追加で協会に入ってくれませんか?その方が要請を出しやすいです」
「ええいいわよ…あと敬語じゃなくていいわ。あなたと私は対等よ」
「助かります…なら早速ですが一つお願いがあって…」
「何かしら」
「あの…魔少に出てくれないかしら?」
え?魔少?華ちゃんが?嘘でしょ?マジで?
僕は今とても楽しみだ。
だって華ちゃんが魔少だよ!
僕のことをじっと見てくる華ちゃん…
さぁ!いい返事をお願い!
「はぁ…いいわよ。いつ行けばいい?」
「ありがとうございます!ずっと向こうからエンドの詳細を聞かれていたので困っていたんです。本当に助かります」
「そう…ごめんなさいね」
「なら早速時間があるし今からでもお願いできますか?」
「早すぎないかしら…」
「いえあんなに送ってくるということは向こうも暇ということです」
「そ、そうね…場所の詳細をお願いするわ」
引き攣った笑いをしている華ちゃんとは対照的に僕はとても楽しみだ。
協会とはいい話をできたし今日はいいことだらけだね。
交渉回だったけど結構難しいねこういうのは