暗い…ものすごく暗い真っ暗だ。
「白川さんおはよう」
「えぇおはよう」
《なんでこんな暗い中に入れられてるの…》
僕は今カバンの中に入れられている。
ことは昨日の夜だーー
「明日から学校始まるんだけどムイはどうするの?」
「え?そりゃ僕は華ちゃんのパートナーだからね!ついていくに決まっているよ!」
こんな言葉を言わなきゃよかった。
今はものすごく後悔している。
「なら隠さないとね」
「え?どうして?」
「だって私たち魔法少女ってバレちゃいけないんだよ?」
「うんわかっているけど…」
うわ今絶対バカって思われたよ。
「学校、たくさんいるわよ」
「え?何が」
何がたくさんいるんだろう?魔物のこと?
「はぁ。…魔法少女よ」
「え?」
魔法少女だと思わないじゃないか!
魔法少女ってそんなにたくさんいるの?
「なんでわかるの?」
「それを聞くのもう野暮じゃない?」
そうだねもう華ちゃんだからわかるんだね。
「そこら辺にうじゃうじゃ妖精が飛んでるのよ」
あぁそう言えば華ちゃんは見えるんだった。
「もういい?」
「うん…大丈夫」
「じゃあ朝行くからね」
「わかった」
ーーで今に至るわけ。
僕もカバンから覗いたらそこらにうじゃうじゃいた。
なんならあの朝に挨拶していた子も魔法少女だった。
《ほんと授業中は飛ばないで欲しいわね》
御愁傷様です華ちゃん。
《しかもここ魔法少女多いから魔物も結構来るし…》
「え?そうなーー《声出さないで》ごめん》
そう今は契約者同士限定のテレパシーを使っている。
《不味いわ今妖精に見られた…いやバレてないみたいだわ》
僕のせいでバレるとこだった。
危なすぎる。
何かの潜入操作しているみたい。
《魔物が…ほんと処理が面倒なのよね》
あっまた使った。
これ便利すぎるよね。
一度に3分という制限はあるけど全ての生物が止まるんだから。
「行くわよ」
「わかった」
声を聞く人がいないから存分に声を出せる。
あとカバンから出られる。
やっぱシャバの空気は美味しい。
「着いた…今日はいつもより少ないわね」
これで少ないんだ…魔物が10匹もいるよ
「さて始めるわ」
そういって華ちゃんが魔物を殴ると割れた。
…割れた?
あれ、魔物って割れるっけ?
「どういうこと⁉︎」
「時間がないわ。速くすませましょう」
そうして10匹全て割った。
ガラスみたいに割れた。
こんな倒し方初めて見たよ。
僕はこの時の衝撃を2度と忘れることはなかった。
そうして華ちゃん授業に戻ると何事もなかったようにしれっとした顔で受けている。
他の妖精も魔物が発生したことに気付いてない。
この学校魔物が少ないという情報を聞いていたけど…原因が今わかった。
《あれは破壊の権能?》
《正解よ。流石ね、もうわかってきているじゃない》
そりゃあれを見せられたら破壊以外なんだって思うんだけど…
《本当に僕は無属性を使えるようになるの?》
《…諦めないことが1番大事よ。私だって諦めずにやってここまできた》
え?最初から強かったわけじゃないんだ。
《驚いているようね。そうよわたしは1番最初に使えるようになった魔法は氷よ》
氷なんだ。それは意外ーーでもないか似合うし…
《そして最後に使えるようになったのは無よ》
無が最後なんだ…でもどうして無を覚えたのかな。
華ちゃんは最後に取ったっていっていた。
ということはそれ以外も使えるってことだ。
《どうして無を取ったの?》
《無でしか倒せなかった敵がいたからよ》
華ちゃんが遠い目をしながらノートに板書を書いている。
そんな敵がいたんだ…ということはまた現れたら全ての魔法少女は攻撃できないってこと?
《この話はやめましょ。授業に集中したいわ》
そうだった今は授業だったね。
あまりの衝撃で忘れていた。
《ごめんね》
《いいわよ》
そうして6限目の授業が終わり帰路につく。
華ちゃんは部活動には入っていないようだ。
華ちゃんの言い分はーー
「私が入ってもつまらなくなるだけ」
だった。
確かに他の魔法少女と比べてチェンジしなくても身体能力は高い。
華ちゃんの謎が浅くなるどころかどんどん深くなる1日だった。