もう一回の約束 学園アイドルマスター×ペルソナ4 作:初めての冬
清夏が目を覚ますと天城屋旅館の客室にいた。
「あ、起きた!よかった~」りせが二人の布団のそばにいて安堵の声を上げる。清夏はシャドウとの会話の後から記憶がないが、無事に帰ってこれたことに安堵した。顔をあげ、周りを見ると清夏の横にはリーリヤも眠っていた。窓の外を見るとオレンジの空が広がっている。
「え、あたしどれくらい寝てました?イベントは?」清夏は冷や汗をかきながら恐る恐る声に出す。
「大丈夫。もう終わらせてきたから。お披露目はまた今度だね」りせは笑いながら軽く言う。
清夏は慌てて頭を下げて謝る。「ご、ごめんなさい!」
「大丈夫だよ。ペルソナに目覚めたらこうなるってわかってたから」りせはそういうが、清夏にはペルソナがなにかまだ理解してない。
「あ、そっか。まだ説明してないや」理解していない様子をみせる清夏に、りせはテレビの中の世界から、シャドウ、ペルソナについて説明をする。説明し終えたぐらいに今度はリーリヤが目を覚まし、りせと清夏の会話を繰り返した。二回詳しく聞くことで清夏は理解が及んできた。
「じゃあ、あたしもあそこにいた皆さんと同じ力に目覚めてるってことなんですね。実感ないけど。リーリヤは使ったんでしょ。どうだった?」
「え、うーん、……興奮しててよく分かんない。でも自分のも皆さんのも、すっごくかっこよかったよ!アニメ見たいだった!」思い返して興奮するリーリヤに二人は苦笑する。
そんなときに天城雪子が、着物姿で部屋にはいってきた。
「二人とも目が覚めたんだね!よかった~!」
清夏とリーリヤは立ち上がり、頭を下げる。
「はい、雪子さん、りせさん、助けていただきありがとうございました!あのときいた他の方々にもお礼がしたいんですけど……」
そのとき再び部屋に入ってくる音がする。
「いや~、リーちゃん、すみちゃんが助かってよかったクマ。クマ今回は~あんまし活躍できなかったけど、逆ナンしてもいいクマよ」 現れたそのフォルムに清夏とリーリヤは固まる。
「ぎゃ、逆ナンってなんですか?」挙手をし疑問を呈するリーリヤ。
「知らなくていいのよリーリヤちゃん」雪子が無表情で答えるとリーリヤは圧を感じ手を下げた。「えっとクマ、さん?もペルソナを持ってるってことですよね?さっきの話からすると」存在に困惑した清夏が助けを求めるようにりせを見る。しかし答えたのはクマだった。
「すみちゃんと同じように、クマのシャドウが現れて~センセイたちが倒してくれたクマ。だからペルソナも使えるクマよ。雪ちゃんもりせちゃんもシャドウが出たクマ。あ、最初から全部話したげるクマ。まずね~陽介のシャドウはね~」
「話さなくていい!!」りせが素早く押し倒し、雪子が転がして部屋の外まで運ぶ。
「この子、燃やしてくるから気にしないで。夜ごはん運んでくるからちょっと待っててね」
「あーれー」と叫ぶクマの声が徐々に小さくなっていき、やがて聞こえくなる。
運ばれてきた夜ご飯を3人で食べながらいろんな話をした。
天城屋旅館に来ていない、清夏とリーリヤを助けた他の人たちは今現実の仕事に行っていることや、今日は来ていない他の仲間の話、また初星学園のレッスンの話や、清夏が悩んでいることについても話された。そのときにりせは笑いながらこうアドバイスをした。
「周りを頼ればみんなが支えになってくれるし、白馬の王子様がきっと現れるよ。これわたしの実体験」
次の日、寮に帰宅し、数日学校を休んだ二人は万全になり初星学園に登校している。
「今日のダンスレッスンどうしよう~」清夏が今までさぼってきたレッスンについぼやくと、
「ダンストレーナーさんに相談するって決めたでしょ、清夏ちゃん。」と窘めるように言う。
「う~、そうだけど~」
そんなやり取りをしながら歩くふたりが、校門に差し掛かると、学校側から二人に、人がひとり近づく。二人の目の前で立ち止まると名刺を差し出しながら硬い口調で話し出す。
「紫雲清夏さんと葛城リーリヤさんでしょうか?私はこういうものです」
「「プロデューサー科?」」二人で名刺を眺めると口からでた言葉は一緒だった。
「はい。単刀直入に言います。お二人をプロデュースさせてください」