別世界を生き抜いた女の転生サイヤ人ライフ 未来トランクス編 作:ミルク見るぜ
流れが少し変わってるかもですが、アニメに沿って展開しているつもりです。
ミミがカメハウス付近に不時着してから数十年が経った頃、
ミミ達からすれば未来の世界にて。
青髪の青年が長い黒髪の女性と共に荒廃した街並みを走っていた。女性が持っているビンの中には青白く光る謎の液体。大事そうに抱えながら、どこか目的地があるのだろうか、周りを警戒しながらまっすぐ走っていた。
青年、未来トランクスは滲む汗を拭いながら、悔恨の思いが頭を巡っていた。
数年前、この世界を黒い厄災が襲った。人造人間、そして、セルという化け物からトランクスが救い、更に魔人ブウの復活を未然に防いだこの世界は平和を享受していたが、それも束の間であった。
瞬く間に街を一つ滅ぼしたその厄災は、こう言った。「この世界のために、人間を滅ぼす。喜べ。美しく生まれ変わる世界の礎におまえ達はなるのだから。」
トランクスは黒髪の女性、マイが結成していた抵抗軍《レジスタンス》と共に、その厄災と戦ったが、セルやバビディ一味を倒した力を持つトランクスでさえも歯が立たず、世界は地獄と化していた。トランクスは己の無力さを呪いながら、タイムマシンを使い、再び過去世界に行こうと母で、天才科学者の未来ブルマと協力して燃料を集めていた。
だが、片道分の過去に行けるだけの燃料が集まった時、その厄災がトランクス、ブルマを襲った。厄災がブルマの胸ぐらを掴み、今にも殺そうとしていたが、トランクスは動けなかった。だがブルマはこの状況下でもトランクスに「行きなさい!トランクス!生きるのよ!!」と発破をかけた。直後、その厄災は無慈悲にブルマを消滅させた。
「母さん!!うぅ…!!」と涙が溢れて止まらない中、最期の言葉を守るべくトランクスは燃料を抱えて走り出した。そうしてマイと合流し一時休息する中、トランクスは過去世界に行く事、燃料が片道しかない事を告げると、マイは「え!片道!?帰れないのか!?」と目を見張る。当然だ。帰れる方法が過去世界で確立されているとは限らないからである。だがトランクスは母を信じる事を決めていた。そして過去世界には、「仲間」がいると告げたのだった。
タイムマシンを起動すべく、魂の結晶たる燃料を抱えて走った。厄災の気配がない事を確認し、タイムマシンがあるカプセルコーポレーションの敷地に入った時、トランクスの背筋に冷や水が通る。厄災の気配だ。
上空の緑黒い雲が渦巻く中、「マイ!先に行け!!」トランクスが殿を務め、厄災が撃ち出す気弾を切り裂いて見せるが、せめぎ合いになった時、力負けし吹き飛ばされてしまう。「ぐわああ!!」倒れこむトランクスにマイが駆け寄る。慌てて、「来るな!!」そう言って起きあがろうとしたが、マイにタイムマシンの燃料を渡され、
「私が囮になる!!あんたは皆の最後の希望なんだよ!行け!!」と瓦礫に隠れて、厄災に向け、特大の砲弾を撃つがすぐかわされ、気弾を一発撃たれてしまった。高威力の気弾の爆発に巻き込まれ、マイは宙を舞った。トランクスはその姿を見るやいなや、「マイ!」と駆け寄る。倒れたマイを抱き起こしたが、反応なく、だらりと上体が脱力していた。それだけでトランクスはマイの「死」を確信した。
「は…あ…あ…」荒く息を吐くトランクス。今日一日で、大切だった人達が自分の目の前から永遠に去ってしまった。それも、黒い厄災によって…
それによりトランクスの脳裏には昔の記憶がよぎる。緑の化け物、セルが過去世界の全てを巻き込む『セルゲーム』を行った際、一度は自爆したはずのセルが再生し、トランクスに向けて光線を放とうとした。が、トランクスの前に、黒髪のサイヤ人の女性がトランクスを庇い、一撃を食らったのだった。
トランクスが駆け寄り、その人を抱き寄せるが、すでにその人は虫の息だった。その人は「と、トランクス。あなたは…生きなきゃ…いけない。未来の最後の、き、ぼう、だか…ら」そう告げると、自分の腕の中で力尽きてしまった。記憶がフラッシュバックし、
怒りが滲んだ目で、瓦礫の山の頂上に降り立つその厄災を見て
「ブラック…!!」と唸った。
ブラックと言われた厄災の姿がその姿を現す。
ブラックの姿は、黒い道着に赤い帯、白いブーツを履き、左耳には緑色の球体のアクセサリーが揺れていた。そしてその顔は、トランクスがかつて過去世界で頼り、そして希望の象徴だった
「孫悟空」に酷似していたのだった。
ブラックは勝ち誇ったように
「いよいよおまえの息の根が止まる日だ…!!トランクス」口元を吊り上げた。
その言葉を聞き流しながらマイの手を無言で握るトランクスにブラックは皮肉るように、「トランクスよ。別れは済んだか。人間でもするのであろう。弔いをな。」そう告げ、地面に降り立つ。トランクスは「くっ……」と唸るが、冷静にタイムマシンの燃料と、タイムマシンがある倉庫の位置を一瞬確認し、破壊されていない事が分かると、タイムマシンがある方向とは別の場所を見つめた。ブラックも釣られてみるが、何もわからない。そして自分を睨みつけ動かないトランクスに「ふ…私とやるつもりか?勝てぬと知りながら…本当にサイヤ人は面白い。」と呟く。
その後、沈黙が続き、緊張が走る中、ブラックが徐に「あの世にいるその女と、青髪の女に詫びるがいい。」挑発した。その言葉に分かりやすくトランクスが歯を食いしばる。そしてブラックが「献身に報いきれず…無駄死にをする自分を恥じてな…」と言った瞬間、
トランクスが怒りから姿を変えた。金色の戦士「超サイヤ人」になり、「よくも…!良くも!マイや母さんを!うおおおお!!」叫びながらブラックに挑む。腹に一発、鋭くめり込ませ吹き飛ばそうとしたが、すぐにブラックが立ち直る。すかさずトランクスは蹴りを入れるが、ガードされ拳で打ち抜かれた所隙に腹部に重たい蹴りを入れられた。
唾が吐き出されたが、すぐにトランクスも立て直し、ブラックのコンボを防ぎ、殴り合いになるが、壁に吹き飛ばされ、腕を足で押し込まれ、鈍い音を立てる。ブラックは気弾をすぐさま降り注ぎ、トランクスはすべて被弾してしまう。力が抜け、膝をついたトランクスに「…これで終わりか。誇り高き戦闘民族サイヤ人の最期にしては、無様なものだ。」そう評し、気弾を大きく作ると「消えるがいい。」吹き飛ばそうとした。なすすべがないかと思われたが、トランクスの手が吹き飛ばされていた自分の剣に当たる。
「あ!!」と目を見開いたトランクスはすぐに剣をブラックの手元にぶん投げる。「なんだ!!」空いていた片手で弾こうとしたが、そのせいで手元が狂い、気弾が爆発し、ブラックもダメージを受けた。「貴様…!!」腕を押さえて唸るブラックにトランクスは「魔閃光!!!」と両手を額に当て、気功波をブラックに向けて放った。ブラックが顔を隠してガードし、爆風の中に巻き込まれた。土煙を払ったが、トランクスの姿はなかった。トランクスは魔閃光を放った直後、戦場を離脱し、タイムマシンの倉庫へ入る事に成功した。
ブラックはすぐ近くの倉庫にトランクスがいる事を知らず、上空へ飛び、「隠れても無駄だ…すぐに見つけ出してやる…」と気を集中させ、トランクスの気配を探し出そうとしていた。だが、トランクスはそれは織り込み済みで、気配を消すと、タイムマシンを起動させた。タイムマシンが上空に飛び出した音でブラックが気づくが、これがタイムマシンと言う事は知らないようだった。それでも、「そんな飛行機で、私から逃げられるとでも…!?」と腰に両手を落とし、気を貯めると、「終わりだ!トランクス!!」と「かめはめ波」のような構えで黒い気功波を放った。だが、トランクスを捉える事なく、タイムマシンは姿を消した。
ブラックは「何!?消えた…!?」と叫ぶとすぐさま探知を開始するも、感じる事ができなかった。まるでこの世界から突如消えたような、そんな感覚だった。
タイムマシンの中でトランクスはブルマの言葉やマイの言葉を脳内で繰り返し、「俺は絶対に
皆のためにも、無駄に…しない…!」と気を張っていたが、痛みに耐えきれず、気絶してしまう。
倒れたトランクスをタイムマシンは静かに過去へと送るのだった。
2話目で未来編に飛びました。
さて次回からオリ主が関わり始めます。
高評価、よろしくお願いします。