好きだからこそ殺した……ってよく聞くけれど……
これはそんなありふれたものじゃない……
そう……この殺人は……彼女との真実の愛のカタチを示すものなのよ……
犯人:宝生マーゴ
◆
新生活を楽しみにベッドで眠りにつくが……気づかぬうちに牢屋敷に拉致された13人の少女たち
フクロウの使い魔【ゴクチョー】から自らが災厄をもたらす【魔女】になる因子を持っていることを知らされ、少女たちは囚人としての生活が始まる……!!
◆ ◇
看守に切りつけられ……メルルちゃんに治療してもらった私は……彼女に愛を感じていた……
この思いを……メルルちゃんにも伝えてあげないと……
そんな中、ココちゃんの配信に出てきた物を使ってみようと思ったの……
ラテン語で13って意味なんだけど……ココちゃんの話では不死身であるはずの魔女も殺せる毒物らしいわ。
愛に障害はつきものっていうけれど……乗り越えられるのも、また愛なの……
しかも、こんなロマンチックなものまであるなんて本当についてるわ♡
感謝するわ……!!
愛……!!
◆ ◇ ◆
私の考えたトリックは……
足跡を残さないことで、現場にいた人物を犯人だと思わせる──というもの
そこで私が用意したのが……
この……
――マーゴが牢屋の中で倒れているヒロを指さす……
『楽ちん かいてき! たのしい! 現場に足跡を残さない敷物:ヒロちゃんかーぺっと』……!!
――!?
ヒロちゃんに乗ってメルルちゃんを殺せば……私の足跡は残らない
殺害現場で倒れているヒロちゃんが有力な容疑者となる……
これが一石二鳥ってヤツね……!!
――!?
◆ ◇ ◆ ◇
ノアちゃんたちの牢屋にヒロちゃんかーぺっとを敷いてメルルちゃん呼んだけど……
――依然として牢屋の中にはうつぶせで倒れているヒロがいる……
ヒロちゃんかーぺっと……乗るのめっちゃ怖い……
――まさかの本番一発勝負……!!
乗った瞬間に起きたりしないかしら……
いえ! 信じるわ!!
私の愛を……!!
そして……
ヒロちゃんに敷物の才能があることを……!!
――!?
――連絡を受けたメルルがやってきて、ヒロに駆け寄ったその隙に……
うおおおおヒロちゃんかーぺっとおおおおおおお!!
うおおおおお!!
うおおおおおおおお!!
――マーゴはヒロの上に飛び乗ってメルルに襲撃し、殺害……!!
――メルルが持っていたビンが落ちた衝撃で割れてしまう……
!?
【モノマネ】の魔法で悲鳴はうまいことかき消せたけど……ビンの割れた音は咄嗟に消せなかった……
でも……誰も来ないみたいだし……うまくいったみたいね……
――メルルの姿にうっとりとした後、ゆっくりと床に降りる……
さようならメルルちゃん。あなたへの愛、受け取ってもらえたかしら……
そして、ありがとうヒロちゃん……あなたには敷物の才能があったわ……
――!?
これでアリバイは成立……!!
後は誰かがメルルちゃんを見つけてくれれば……私が犯人でないと証明してくれる……!!
◆ ◇ ◆ ◇
誰も見つけないわね……
もう40分近く経っていると思うんだけど……
でも……焦らない……
愛は待つことも必要……!!
…………
かかりすぎ……じゃないかしら……?
――!?
せっかく作ったアリバイが意味なくなっちゃう……
音を鳴らして皆に気づいてもらいましょう……
え?
愛は待つんじゃないかって……?
愛とはためらわないことよ!!
ヒロちゃんの服にメルルちゃんのスマホも仕込んだし……
アリバイトリックも成立……
メルルちゃんへの愛が解かれることはないわ……
2人目の魔法議論ミステリーADVの主人公がいない限りは……ね……!!
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
奇特な人間たちの存在により……
「睡眠薬の中身を舐めてみましたけど、結構強力なお薬みたいでちょっとボーっとしちゃいました!」
!?
「のあもね、さっき医務室で見つけたときに甘い匂いがしたから舐めちゃった」
!?
「その通りだ。だって、どんなものか気になるだろう?」
!?
「私が、ヒロくんを弁護しようじゃないか!」
!?
「なぜならそのとき……医務室には、ナノカがいたんだよ」
「君が死体発見時、ドサクサに私の服へスマホを仕込んだとき……手袋はしていなかったはずだ……だからそこに残っていたんだよ。君の指紋がね!」
!?
「もちろん、採取しておいたさ……そのスマホに残っていた、指紋をね!!」
!?
「さあヒロくん! 共に真犯人を追い詰めようじゃないか!」
おじさんが擁護する
奇特少女ノ魔女裁判……!!
――!?
――謎はすべて解かれ……魔女は……処刑された……
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
──お疲れさまでした。
どうも、宝生マーゴです……。
『誰が怯える天使を殺したか』、いかがでしたでしょうか……?
──トリック……すごかったですね……。
【モノマネ】の魔法。アリバイ作り。疑われるべき容疑者……いろいろ準備したんだけどね……。
──敗因は何だと思いますか?
……。レイアちゃんの耳の良さ、ナノカちゃんがケガもしていないのに医務室にいたこと、容疑を擦りつけたヒロちゃんが裁判で強かった、いろいろあるけれど……エマちゃんへの電話ね……。メルルちゃんからかけられたものではないとバレなければ魔女に選ばれなかったかもしれないわね。けれど……
──けれど?
この牢屋敷、奇特な人が多すぎじゃないかしら?
──そうですね
高校生なのに落ちていたものを拾い食いする娘や目立ちたいがために弁護を始める娘に指紋採取の偽証に乗っかる娘……。多すぎよね。
──魔女が勝つにはどうすればいいと思いますか?
探偵側が協力し合えないって状況はどうかしら……?
──ありがとうございました。
……
――よくできましたね。
魔女裁判はまだまだ続く。
初日に戻ってくるのとかあり……?