TRPG世界に転生したと思ったけど、エロシやんけ!! 作:胡椒こしょこしょ
『Exceed:Welcome to Underground』
策謀が渦巻き、超常的な事物や存在が都市伝説としてまことしやかに囁かれ、人間が人知れず消える街『錯浄市』。
そんな悪意と神秘の入り混じった街で、プレイヤーキャラ
そして、いかなる場合においても決断を迫られる……そんな魔都で懸命に生き抜いていくTRPGである。
そんな世界で二度目の生を受けてしまった。
この街で平和に生きていく為には、それこそ厄介ごとに首を突っ込まないこと。
見知った人物に巻き込まれる……これは最もオーソドックスな導入の一つだ。
だからこそ、どんな状況にも動じない心持ちが必要だ。
どんなに困った人を前にしても、『ん? なにそれ? ああ、あるあるだよね~。まぁ、いずれなんとかなるんじゃない? それじゃ』と流せるようにならないと。
人間、『それヤバくね!?』って言葉だけでも色々と話せてしまう生き物だからな。
だから今回も……。
「あ~、センパ~イ。ちょっと……助けてもらってもいいッスか~? ほっ♥ ほっ♥ それっっ❤」
「うひょひょww エッチだねぇ……❤」
七波羅学園一年、氷室優姫奈。
そんな彼女が往来で逆バニー姿になって、ガニ股で立っているのだ。
それもどこから持ってきたかよく分からないクソデカ布で身体を隠して早着替えを披露し、エロジジイに視姦されながらも僕に助けを求めてる。
この状況も流して……。
なが、流して……。
いやっ、こんなん流せるかっっっ!!!
「はぁぁ~~、汗だくでサイアク~~~。センパイマジ助かったッス、あのまんまじゃウチ襲われてたッスよぉ」
「はぁぁ……どういたしまして……」
なんとかおっさんを追い払いつつ、ずっと早着替えを繰り返す彼女を人気のない路地裏まで引きずって来た。
マジで疲れた……人がなんとかしてやろうって時にバサバサ腕動かしてあたシコしやがって……。
息を整えて、彼女を見やる。
おおぉ……。
艶やかな褐色の肌。
その豊かな胸の曲線を汗の粒が流れていき、見えてはいけないゾーンを隠すハート型のニップレスはいつ外れるか分からなくて冷や冷やさせられる。
安産型のむっちりとした下半身をほぼほぼ透明に見えるほどのデニールのストッキングがつつみ、太ももはバンドでムチッと肉感が出来ている。
雪のように青く見えるほどに艶めく白く長い髪は乱れ、口にかかる。
それだけで彼女の口元を彩る青いリップと、宝石のように赤い瞳に視線が誘導された。
いかん……まるで芸術を品評するようにまじまじと眺めてしまった。
結構動いてたみたいで、汗も掻いてるし……正直エロいねっ!!!
そら、おっちゃんも往来でズボンに手を突っ込んでゴソゴソやるわ。
いけないことだけど。
気持ちはわかるわ、うん。
……まぁ、それはさておきだ。
あ~~~~……やっぱ聞かなきゃダメか? コレ。
聞かなきゃダメだよな……ここでそれじゃさようならとはならないよなぁ。
「な、なんでそんな恰好してんの? そういう趣味??」
「心外ッスねぇ……そんなキモイ趣味、ウチにあるわけないっしょ? 無理やりさせられたんすよ、この恰好」
「無理やり?」
「そうっス」
顔を顰めながら、自分の身体を指さす氷室。
やべ、つい聞き返しちゃった……深入りするつもりはないんだけど。
というか、凄い嫌な予感が……。
「ちょうど、ミキと別れたくらいなんスけど~」
~~
『……帰るか~』
『ぶ、ぶひひっ、ちょっと良いかな?』
『は?』
『おっぱいもお尻も大きいし、ガタイもイイ……これは良いドスケベウサギちゃんになりそうだねぇ……w』
『チッ……キモ。消えてくんね? 加齢臭でくっせぇ~から。手ェ出る前にはよどっか行った方が良いよぉ? それとも歯ぁ食いしばるぅ~~? マゾ太くぅン?』
『歯ぁ食いしばんのはお前だメスガキ! オラ!! 生き恥媚び媚び裸芸ドスケベ逆バニーになっちゃえ~~~~!!』
『っっ、なにやっ……ほぎょっっっ゜!!?❤❤❤』
~~
「てな感じで、スマホ見せられたこうなって~。それからウチの意志とは無関係にバカみたいな芸やっちゃうようになったんスよね~~」
さ、催眠スマホやんけ~~~~~~~!!
同人誌とかでよく見る、『オラ催眠! 催眠解除!』って奴じゃん。
というか、キモいオッサンに見られたからとはいえ、キミ普段ガラ悪いなぁ!!
「それじゃ、さっきの追い払ったおっさん追いかけないとじゃ……」
「あのキモオジは後から来たただのオナ猿ッス。ウチにスマホ見せてきたクソはそそくさとどっか逃げやがってぇ……」
『P! A! N! I! L! LA! パニラ! パーニラパニラパニラ! ハイグレードな仕事はパニラ!』
「………っ!!!!」
近くを求人の宣伝カーが通りがかる。
その瞬間、目を見開く氷室。
そして、足をぱっかーんとガニ股にすると、ニヘラと笑いながら両手を鼠径部に添えだす。
「おまたの汗拭いまーす☆ ハイグレ! ハイグレ! ハイグレ! やーん♥ 恥ずかしいーン♥♥」
「………」
「……マジ鬱ッス、殺してもらっていいスか?」
あ、氷川の目が死んだ。
宣伝カーのハイグレードの『ハイグレ』部分に反応したのか?
こんなニッチな性癖にすら対応してるなんて……。
これでは、日常生活すら儘ならないんじゃ……。
「……取り敢えず、ここにいるとまたさっきみたいになるかもしれない。俺のバイト先に来れば良い。客はほとんど入らない、静かなのは保証する」
まぁ、それでも氷川はマシな方だ。
なにせ、もっとひどい目に遭ってる人を見たことあるしな。
それこそ、凌辱エロゲみたいな末路になった人も見たことある。
〇イプよりひでーやって感想出たもんな。
それに……俺だって。
~~~
『う゛お゛っ❤ お゛お゛ぉ゛ぉ゛っ❤❤ ご、ごめんね❤ あなたぁ、琉樹……私、この人の女になっちゃったぁ~~♥❤❤』
『じゃあもう終わりだよ。ルキ、父さん”女の子”になるわ。女の子になったらこんな悲しい気持ちにならなくて済むだろ? 必死に働いて寝取られるくらいなら、お父さんもあのビデオレターみたいに強オスにガ〇マンキメられて天国行きたいよ。メイドインヘブン』
『と、父さん……だ、大丈夫?』
『ぽよっっ!(心神喪失)』
~~~
……あんま、思い出したくないこと思い出しちゃったわ。
とにかく、普通のセッションであれば、今回みたいな催眠スマホからの下品エロ宴会芸もなければ、露出辱めもない。
それどころか親父が寝取られて発狂して、俺が親戚の家で暮らす羽目にもなってないだろう。
システム的にやろうと思えば出来るけど、そういうゲームじゃないし。
それにオンラインでもオフラインでも、TRPGは他人と向かい合ってやるもの。
……エッチなロールプレイも、ニッチな性癖方面での提案とかやりにくいに決まってる。
……まぁ、何事にも例外は存在するんだけど。
例えばニッチな性癖の、エッチ描写も厭わずに寧ろTRPGで皆で卓を囲みながらそれをやっていきたいと考えるような剛の者たちが集まる魔境。
エロシナリオ……そう、エロシ!
しかもエロシを集めてやるキャンペーンであるなら猶更!!
まぁつまりね……俺の転生したこの世界、ただのTRPG世界じゃない!
この世界、エロシやんけ!!!
しかも、こんだけ立て続けに見かけるなら、間違いなくキャンペーン!
なぁ、俺の親父壊れちゃったんだけど。
この世界で生きるなら、ケツを狙われないことを祈るしかないね。
そういうエロの対象に自分がなるのもありえるんだよね、怖くない?
「……」
「なに?」
「今のって、もしかして……ナンパッスか?(笑)」
「……平気そうだから置いてくわ、頑張ってね」
「ちょっ、冗談ですや~んw ガチで歩き出したし! 待ってッス~~!」
氷川の声を浴びながら、俺はこの世界の在り方を想いを馳せるのだった……。