※ キリコ機がストライクドッグっぽくなっているのは模型とゲームの影響です・・。
惑星デゲンを含むこの宙域に駐留しているギルガメス艦隊。
先頃、バララント側が急に手を引いたことをいぶかしく思い、
拠点惑星<アルテラ>から派遣されている。
クエント崩壊以後、ギルガメスもバララントも惑星ごと飛び散ってしまった
「クエント素子」や、古代クエントのもつ技術を全星系で血眼になって捜索中である。
そこになんらかの資源が見つかったのだから、探らない手はない。
- そこが新たに不可侵とされた宙域でも。
「よし、まずAT隊を先行させよ。」
テルタイン級の戦艦から、
スコープドッグ10機、スタンディングトータス10機が進発する。
全て宇宙戦装備。
このATの他に偵察用機器をさらに前に展開。
正確な場所を探っている。
この動きはステーション側でも当然のように把握されている。
“あら。案外正確に場所を見つけたわね。”
「しばらくやり過ごすか。一時的に他の星系へ移動したらどうだ」
“いま、動いてしまうと、惑星デゲンとの連絡が困難になるわ”
“少なくともあの連中を排除した後じゃないと面倒が増えるわね”
「・・・仕方ない。ステルスがばれるまで、このまま」
状況は中でテスト中のゼトラ大尉たちにも共有されていた。
「キリコ、手伝った方がいいか?」
「今は静観でいい。ただ、ゼトラ大尉の腕は借りたい。」
「? ATなしで?」
「ステーションの中から、砲撃だけしてくれたらいい。
操作はあんたのATに近づけることはできる」
ボルク少佐を見やるゼトラ大尉。
「・・・シミュレーターの中に同じ環境を用意した。
ステーション表面の移動砲塔とリンクしているから
それは使えるはずだ」
「いいだろう。試させてもらうぞ」
ギルガメス軍の偵察用機器から、何か大量の金属片らしきものが散布される。
「なんだ?あれじゃかえって通信妨害になるだろうに・・・」
モニタを見上げていたゴッペル。
しかし、ルッカが違う可能性に気づく。
「あ、あれチャフじゃありません!
何かのマイクロマシンです!」
見る間にマイクロマシンらしきものは、ステーション上空に迫る。
そして互いに微細な電流でネットワークを作り、表面に淡い電磁波を形成。
それがステルスされている表面と接触し、中和される。
“あ!その手か・・・・抜かったわ”
ダニエルも気づいたが後の祭り。
次第にステーションの姿があらわになる。
“う~、こ、こうなったら接近妨害用のモノポールをばらまいて・・・”
「もう正体はばれたみたいだから、資源の無駄遣いはやめましょう」
フィアナに諭されるダニエル。
“で、でも!”
「心配するな。片付けてくる。」キリコが換装を完了したATに搭乗。
いつもと違い、ステーション表面に出るエレベータに乗っている。
「アルフィアとベティアはボルク少佐に協力して表面の砲塔を操作してくれ」
“了解だよぅ”“わかった”
「ガンミアはフィアナの管制補佐。」
“了解”
速度に勝るスコープドックの隊がステーションに近づく。
その時、表面の砲塔から適確な射撃。
一番左側にいた1機が爆散。
続いて隊長機らしきものの直後にいた1機も別の方向からの射撃で爆散していく。
「ちぃ、やはりただ者じゃないな!全機拡散しろ」
残りの機体は広がり、ステーション表面への取り付き場所を探るが、
1機、また1機と打ち落とされていく。
“やったよぅ。3機目!”
“こっちはいない・・・移動する”
対してゼトラ大尉は、遠距離射撃を狙う。
目標は広がってミサイル攻撃を狙っているトータス級。
移動砲塔に搭載したスナイパーライフルの射撃で、中央の一機を落とす。
総勢20機中半数が撃破された時点で、AT隊は撤退を開始。
しかし、帰還しようとする母艦は既に猛攻を受けていた。
すれ違いざまに巡洋艦2隻を葬り、
高速度でテルタイン級に迫ったキリコ機は、対空機銃を潰しつつ、
ついに表面に取り付く。
ローラーダッシュしつつ、装甲が薄そうなところに、ソリッドシューターを
たたき込んでいく。
艦内は既に大混乱である。
「表面に取り付かれたぞ!予備のAT隊を出せ!」
「・・・格納庫ハッチが操作不能!」
キリコ機は次々を機銃や対抗兵器を無力化させると、
ついには艦尾部分を完全破壊。
「えぇい!撤退だ。艦尾は切り離せ!」
「しかし、艦尾にはまだ乗員が!」
「このままだと全滅するぞ!」
内輪もめしている間にキリコ機はブリッジに迫る。
「な、なんだ、この青いATは!悪魔か!」
「あ、あれは、クエントの・・・!」
「お前は誰だ!」
キリコは無線を入れず、つぶやく。
「キリコ・キュービィー」
そしてソリッドシューターの残弾をそのままブリッジにたたき込んだ。
テルタイン級は爆散。
展開していたATも全機撃破された。
“ふぅ。なんとか防衛には成功したけど、相手も考えるわよねぇ”
「そうね。大量に来られたときに困るわね。
ステルス機能をもっと高めないといけないわ」
「ゼトラ大尉。さすがだな。全部一発ずつだな。」とボルク少佐
「・・・この装備のおかげですね。照準が全くといっていいほどずれない。
私のクセも取り込んでいる感じがしました。」
「そうか・・・。」
「すごい・・・。」ルッカは思わず手をあわせて祈る。
「だろ。だから学ぶ価値があるってもんだ。」とゴッペル。
「帰ってきた連中のATを整備するぞ。手伝え」
「はい!」
ステーション側は完勝した。
しかし、1つだけ、彼らが気づいていないことがあった。
超遠距離で、ギルガメスとステーションの両方を監視する衛星があったのだ。
この先、どのような勢力が関わってくるのか、
一抹の不安は残っていた。
<次回予告>
触れてはならぬ。そなたの腕にはミダスの権能
触れるもの全ては金に変わる。
いくら飢えようとも手で触れたものは食べること能わず。
次回<招かざる者>
「神」の座を狙う者が蠢き出す。