あれ?だけど、ワイズマンにしては・・・
キリコの意識が覚醒する。
モニタはその男の現在の体調を表示する。
脈拍・血圧:正常
体温:正常
体内の内臓モニタ:異常なし
キリコが目を開ける。
刹那、隣にフィアナがいないとわかると、
飛び起きて近くに跳ね、武器を探す。
“随分乱暴な覚醒ね”
ややエコーのかかった、まるで子供のような甲高い声。
性別はわからない。
「危険に慣れっこになると、こうなる」
身じろぎもせず、キリコは答える。
“私の名はダニエル。とりあえず話を聞いてくれないかしら”
しばらく応答がない。
ダニエルはステーションの内部メモリから知識を得て
一方的にしゃべり始める。
“キリコ・キュービィー”
“ギルガメス連合軍所属の兵士。曹長待遇”
“大戦中は様々な部隊へ転籍。”
“ヨラン・ペールゼンに目をつけられ、レッドショルダー部隊へ。”
“その後、あなたのストーカーこと、ロッチナが現れ、長年あなたを追跡”
“惑星サンサ、惑星クエントを放浪。最後にワイズマンごとクエントを破壊”
“仲間たちの助けを借りて各地を放浪”
“あなたの唯一無二のパートナー、フィアナの回復を望むけれども解決手段がない”
“戦争に利用されないため、冷凍カプセルに己を封じ、今に至る”
“大体こんな感じかしらね”
極めて大雑把なキリコの人生の要約に苦笑いしてキリコは立ち上がる。
「よく知っているな。
それでこの奇妙な宇宙船の主であるあんたは何者だ。
俺に何をさせたい。」
”これは宇宙船ではないわ”
”宇宙ステーションに近いかしら。”
”まぁ、いいわ。”
“そうね。”
“私の名前はダニエル。”
“ワイズマンと名乗るクエント超文明の意思とは別ものの”
“クエント超科学の賢人の一人”
“少なくともその記憶ね。”
そういうと、キリコの手前1mくらいのところに、
立体映像を投影する。
「・・・それがあんたの生前の姿、ということか。」
“正直、よくわからない。”
“だけど、そういう姿だった・・・と思う。”
そしてダニエルは告げた。
“私ならフィアナを普通の人間に戻して正常な寿命にすることができる。”
“おそらく、現時点では、全宇宙で私だけができる。”
“成功したら、私に協力してほしい。”
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<次回予告>
それは言った。
我こそは賢人なりと。
神秘の技を以て愛しい人を癒やそうと。
次回<超技術>
キリコが見るのは奇跡か。技術の粋か。