Smiling Archive   作:ギアゴットXⅢ

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血が降り注ぎ、理想郷が彼方にある。

彼女らも私を理解することはないでしょう。

砕けた心の隙間から苦しんできた日々を想像できそうだ。


あまねく歪みの到達点

先生「あれ?ここは...」

シャーレの先生は気付くとボロボロの部屋の中にいた。

先生「私は確か調印式の襲撃を受けて...それからアリウス生に離脱までの手助けをしてもらって...そうだ!ヒナ、ヒナは?!」

先生は周囲を確認する。しかしそこに空崎ヒナはいなかった。

先生「ヒナがいない?一緒にいた筈なのに...とりあえずは周辺の確認をしようかな...」

先生は部屋を後にし、周辺の確認をしに行った。しかし先生は気付かなかった。その背中を見ていた者がいた事を。

???「.........」

                  :

                  :

先生「周辺をある程度は見て回ったけど...周辺の建物や道はボロボロ、それにこの赤黒い跡...これって...」

先生は赤黒いシミのような物を見つけたがそれが何かは考えないようにした。

先生「それにしても...ミサイルの規模ってここまで大きかったんだ。調印式の会場からかなり離れてるんだけど...」

先生は歩き続けた。そして広場と思われる場所に到着したのだが、広場の奥にある物を見て絶句した。

先生「え.....これって.....ウッ...」

広場の奥にあったのは、積み上げられた生徒達の亡骸だった。穴の空いた亡骸、全身から血を流している亡骸、切断された亡骸、外傷が全くない亡骸など、様々な方法で作られたであろう亡骸が積まれていた。

先生「一体誰がこんな事を...『カツ...カツ...』?!誰か来た...!」

背後から足音が聞こえ、先生は振り返った。

そこにいたのは異形としか言えないモノだった。

顔に当たる部分には赤、白、黒、青の4色の渦、体も頭部と同じ色の鎖で縛られており、それぞれ鎖の先には同色の巨大な手が付いていた。

まさに異形と呼べる見た目だが先生は、何故か既視感を覚えていた。

先生「君は...もしかして...」

先生が言葉を紡ごうとした瞬間、全てが消え失せ、周囲が真っ黒な空間に変わってしまった。

 

???「これはこれから起こりうるかもしれない事です。」

後ろから声が聞こえ、先生は振り返った。そこにいたのは1人の少女だった。

先生「君は...」

 

???「名乗る名前はもう...ありません。貴方にお願いがあるんです。あの人を...先輩をどうか救ってください。今のあの人には私達の声が届かないんです。」

突然、真っ黒な空間にヒビが入り始める。

???「もう時間ですか...そろそろ貴方が目覚める時間です。」

先生「待ってくれ!救ってってどういう...!!」

先生が全てを言い終わる前に周囲を光が包み込んでしまった。

                  :

                  :

先生「待って...あれ?ここは...」バッ!!

 

セリナ「せ、先生?!目が覚めたんですね!!」

 

先生(あれは...夢だったのか?いや、恐らく夢じゃない。これから起こるかもしれない事なのかもしれない。だったら...)

先生「困っている生徒を...見捨てる訳にはいかない...!!」

 

 

 

とある廃墟街...

タモツ「...さてと、どうしようかな。」

タモツは建物の屋上から下の景色を見ていた。下では忙しなく動いている影が多数存在していた。

タモツ「あれってアリウスの子達だよね。見た感じ目的は私達かな?」

(それにしても、思ったよりも遅かったな...予想だともう少し早くに動くと思ってたんだけど...)

                   :

                   :

アリウス兵A「いたか?」

 

アリウス兵B「いや、こっちにはいなかった。この付近は粗方探索した。次の場所に行くぞ。」

アリウス兵達は互いに情報を交換すると、次の場所に移動を始めた。

                   :

                   :

タモツ「お、移動を始めたか。当分はこの辺りでゆっくり出来そうかな。」

タモツ「さてと、マルの様子を見に行こうか...ん?」

タモツが屋上から離れようとした時、ある光景が目に飛び込んできた。

それは複数のアリウス兵が1人の生徒を連れて行く光景だった。

タモツ「あの子って確かアリウススクワッドの秤アツコだよね。サオリ達は...いない?何かあったな...」

 

"助けに行くんだ、私達の事は犠牲にしたくせに"

 

突如、タモツの脳内に声が響く。その声は複数人の声が重なっているようにも聞こえた。そしてその声をタモツは聞いた事があった。

タモツ「...うるさい。」ボソッ...

脳内に響く声に対し、タモツは言い返す。

 

(最近は本当に酷くなってきてる...以前ならば寝る事は出来ていたけど今じゃ...)

 

"貴女は優しくなんかない"

 

(ふとした拍子に声が響いて...本当にキツイな。)

タモツは脳内に響く声には耳を傾けず屋上を後にした。

しかし彼女自身、気づいていなかった。自らの体に絡みつく白い鎖に。

 

タモツ(さて、助けるとは言ったけどどうしようかな)

タモツは階段を降りながら考え事をしていた。

その内容は『どちらに行くか』というものだった。

 

タモツ(アツコの方に行くか...?いや、今の私が行けば数の暴力で負けかねない、それに今の私は離反者だ。恐らく私も回収対象だろう)

今の彼女は万全とは言えない状態だった。見回りのために睡眠時間も削り、食事も必要最低限の物を摂取していた。

更に彼女はアリウスから離反した身。ベアトリーチェから回収司令が下っていてもおかしくなかった。

 

タモツ(なら消去法でサオリ達の方か...恐らくアツコの護衛に殆ど回しているだろうし何とかなるか)

タモツが曲がり角を曲がろうとした時黒い何かにぶつかった。

 

マル「あ!タモツ見っけ!また見回りしてたの?そろそろ休みなよ〜」

 

タモツ「起きてたんだね、マル。心配してくれてありがとうね。マルが安心して過ごせるようにする為には必要な事だから...ごめんね。」

曲がり角でぶつかったのはマルだった。恐らくタモツの事を探していたのだろう。

 

マル「安心して過ごせるのは確かにいいけど、私達はタモツには無理をしてほしく無いんだけどな〜?」

 

タモツ「本当にごめんね。でも、やめることは出来ない。後、少し用事があるから出てくるよ。すぐに戻ってくるから心配しないでね。」

そう言いタモツはボロボロの廊下を進んでいった。

 

マル「やっぱり相当無理してるな〜...肉体も心も限界寸前でしょ。それに...もう目に見えるレベルで異常が起きてるよ、タモツ...」




白い鎖は心を乱し、正常な思考を乱していく。

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