最後に残ったのは黒い暴力でした。
最後に残った風化した聖女の誇りすら消え果てました。
止まった時が動き出した様にベアトリーチェの切り落とされた腕から血が吹き出す。それと同時にベアトリーチェが絶叫をあげる。
ベアトリーチェ「ぎ...ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!私の...私の腕がぁぁぁぁぁ!!」
その光景を先生達はただ見ている事しかできなかった。
タモツ「どうしたんですか?早く私の手を取ってください。手を取れないなら...」ガシッ
ベアトリーチェ「ぐ...がぁ...は、離せ...!」
タモツはベアトリーチェの髪を掴み自らの顔の位置までベアトリーチェの頭を持ち上げた。
タモツ「よく立ち上がれましたね!出来るならご自身の力で立ち上がって欲しかったのですが...」
ベアトリーチェ「こ...の...!『ザシュッ』ぐがあぁぁぁぁぁぁ!!」
残った腕でベアトリーチェがタモツに対して攻撃を仕掛ける。しかし先程と同じようにベアトリーチェの腕が切り落とされ、絶叫がこだまする。
サオリ「タ、タモツ...?何をして...『ジャギンッ!』ッ!!」
サオリがタモツに近づこうとした時、目の前に黒い穴が現れ、そこから黒と紫の混じった色をした針が生え、サオリの喉元で止められた。
タモツ「それ以上近づくと...分かるよね?」
サオリ「コクッ...」
サオリが頷いたのを確認し、タモツは針を納め、黒い穴を消滅させた。
タモツ「それで良し。とりあえずこれは飽きたから...」
タモツはベアトリーチェの頭から手を離し、ベアトリーチェの背後の黒い穴から白い半透明の触手の様なモノを出現させ、ベアトリーチェの体に巻き付かせた。
ベアトリーチェ「腕が!腕がぁぁぁぁぁ!!が...ア...ァ...」
触手に巻き付かれたと同時にベアトリーチェが先程の絶叫が嘘かの様に静かになった。
タモツ「なんだ、精神力は並以下...こんなのに従ってたなんて馬鹿馬鹿しいね...」
手を叩きながらタモツはこちら側に振り返る。その顔は相変わらずの笑顔。ただしその瞳は黒く濁りきっていた。
マエストロ「呑まれたのか...自らの心の闇に...!」
タモツ「違いますよ、マエストロさん。受け入れたんですよ。おかげでかなり楽になりました。」
ヒヨリ「タ、タモツさん!なんで!貴女はこんな事をする人じゃ無かった筈です!!どうして!?」
突如、ヒヨリが声を張り、タモツに言葉を投げかける。
タモツ「違うんだよヒヨリ。私はね『こんな事をする人』だったんだ。」
ヒヨリ「え....?」
タモツ「自分が助かる為には嘘をつくし、他者を犠牲にする...そんな残酷な人なんだ。」
ミサキ「ちょっと待って、犠牲ってどう『60人』...え?」
タモツ「60人、私が犠牲に...命を奪ったアリウス生の数。どう?これでも言える?優しい生徒だって。」
先生達は驚愕した。ただの学生に対して背負わせるにしてはあまりにも酷いモノだと。
アツコ「やっぱり...そこまで抱えていたんだね...」
サオリ「だがまだ償える!まだ時間はあるんだ!」
タモツ「償える...か。フフフ...」
タモツは俯き、小さく笑い始める。そして...
タモツ「償える訳ないだろッ!私は、命を奪っただけじゃない!その亡骸すら!侮辱した!!」
上げた顔は怒りに歪んでいた。彼女は自身に似つかわしくない怒声をあげ、自らの感情を吐露する。
タモツ「犠牲にした後に、後輩達、同級生達、先輩達に対して優しい生徒を演じなくちゃいけない!それを繰り返して、繰り返して...繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して!!もう限界なんだ!!」ジャラ...ジャラ...ジャラ...ジャラ...
突然、彼女の周りに青、白、黒、赤の鎖が4本出現し彼女の周りを回り始める。その鎖の先には楔の様なモノが付いている。
先生は生徒達に指示を出せる様に、アリウススクワッドはすぐに動けるように、マエストロは複製をすぐに出せるように、臨戦態勢をとる。
タモツ「もう...遅いんだ...私には償う資格がないんだよッ!!!!『ドシュッ!』...え?」
タモツが声を荒げた時、楔がタモツに打ち込まれた。
先生&マエストロ『?!』
アリウススクワッド『なッ?!」
困惑する先生達を他所に楔はどんどんタモツに打ち込まれていく。1本、2本、3本と...
タモツの体には4本の楔が打ち込まれていた。
そして先生達は気付く。タモツの頭上に、巨大な楔が一つある事に。
先生達はこれから起こる事を予想出来ていた。故に楔を破壊しようと動き出していた。しかし、その攻撃が届く前に、楔がタモツの脳天に突き刺さる。それと同時に青い光が至聖所を満たしていった。
Proelium Fatale
LASCIATE OGNI SPERANZA VOI CH’ENTRATE
カタコンベ 通路
マル「あれ?ここってさっきも通った様な...こっちかな?」スタスタ...
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マル「ん〜?もしかして...迷ってる?」
マルは現在、カタコンベの迷路を彷徨っていた。このカタコンベ、時間ごとに通路が変化しており特定の時間でないと辿り着けない仕組みとなっているのだが...勿論、マルがそんな事知ってるわけはなく、現在迷子になっているという状態だった。
マル「道中で半透明の死人に襲われるし、同じ光景ばかりだし...飽きてきたなぁ...」
マル「食料には困らなかったけど...」ボソッ...
マルの髪の毛からは銃口や銃床がはみ出しており、ナニカを食べた後のようだった。
マル「もう全部壊して進もうかな...『バァン!...バァン!!』ん?銃撃音...かなり近い...」
マル「あっちか...行ってみようかな!」
マルは銃撃音がした方へ歩みを進めた。
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ミカ「だいぶ数は減らせたけど、ちょっときついな...」
聖園ミカは先生達を先に進める為にユスティナ信徒達と戦闘を行なっていた。
しかし目の前にある巨大な影が2つ。アンブロジウスとバルバラに苦戦していた。
ミカ(ガトリングを持っている方はなんとか対処は出来る、だけど...)
ミカはバルバラの攻撃を交わしながらアンブロジウスへと攻撃を行う。しかし、アンブロジウスは仰反るだけで見た目ほどのダメージはない。
ミカ(あの1番デカいの!硬い!とにかく硬い!!私が殴ってもダメージがほとんど無いじゃんね?!)
ミカ「とにかくあのデカいのをどうにかしないと...『カツン...カツン...カツン...』え、足音?」
突如、足音が聞こえ戦闘を行っていた両者はその手を止める。
『カツン...カツン...カツン...ブゥンッ!!』
足音が止まったと同時に暗がりから何かが投げられ、ミカの頭上を黒い影が通り抜けた。
そして...
アンブロジウス「!!!!!『グシャアァッ!!』!!.....」ドサッ...
黒い影はアンブロジウスの頭部に命中し、そのままアンブロジウスは倒れ、動く事はなかった。
ミカ「え...?ハ、ハンマー?」
バルバラ「...!!」『ジャキッ!」
飛んできた黒い影、それは黒い巨槌だった。
ミカは目の前で起こった光景を見て何が起きたのか理解するのに時間がかかっていた。しかしバルバラはガトリングを構え、巨槌が飛んできた通路に向け、攻撃を開始しようとした。
マル「は〜い、落ち着いてね〜」『ガシッ!バギャンッ!!』
いつの間にかバルバラの目の前に移動していたマルがガトリングの銃口を掴んでいた。そして銃口を力任せにねじり切ったのだ。
マル「せ〜のっ!!」『ブゥンッ!』
バルバラ「!!『ゴシャァッ!!』...」ドサッ...
マルはねじり切った銃口をバルバラの顔目掛けて振りかぶり、そのまま叩きつけた。流石のバルバラもこの一撃は致命傷だったみたいで、その場に倒れ動く事はなかった。
マル「う〜ん、戦闘音がする場所には来れたけどタモツはいないか〜。」
ミカ(誰...?この子、こんな子はトリニティにはいなかっただろうし...もしかして、アリウスの...?)
ミカの目の前に残ったのは、黒い塵となって消えていくアンブロジウスとバルバラ、その中心にいる謎の黒い生徒ただ1人だけだった。
ミカ(アリウスの生徒...だよね?それにしてもデカすぎない?私が知っている中で1番大きいハスミちゃんよりも身長大きくない?)
そう、ミカはその身長の高さに圧倒されていた。戦闘能力の高さにも圧倒されてはいた。しかしそれをなかった事にするほど彼女の身長が高かったのである。彼女が知っているであろう生徒の中で1番高い羽川ハスミよりも身長が高いのである。
マル「?」カツン、カツン、カツン...
謎の生徒がミカの存在に気づき、歩を進める。ミカはいつでも戦闘を行えるように身構える。
マル「貴女...」
ミカの前で歩みを止める。それを見たミカは更に身構える。
マル「その服、少しボロボロだけどお姫様みたいですごく綺麗!!いいな〜!」
ミカ「...へ?あ、ありがとう?」
謎の生徒から発せられたのは彼女の服装を褒める言葉だった。身構えていたミカは気が抜けたような返事をしてしまった。
マル「あ、ごめんなさい!まずは自己紹介からした方が良かったよね!ゴホン...改めて、私達は元アリウス所属、涅黎マルっていいます!宜しくね。」
ミカ「え...あ、トリニティ所属の聖園ミカです...?て『元アリウス所属』?」
マル「ミカちゃんって言うんだね!そう、訳あってアリウスから離反したんだよね〜。...ん?」
ミカ「!!」
談笑を始めたマルとミカであったが突然、周囲の雰囲気が変わったのを感じた。
ミカ「何、今の感じ...」
マル「今の感覚...」
(間違いない、近くにタモツがいる。急いで向かいたいけど...)
マルは後ろを振り返る。
マル「そう簡単にはいかないか...」
振り返ったその先では塵となって消滅したバルバラが再び顕現していた。しかしその見た目は先程とは違い、頭部が紫色の宝玉のように変化していた。へし折られたガトリングも再生し、元の形に戻っていた。
マル「力に当てられて変異したか〜、溜め込みすぎだよ、タモツ...」
ミカ「え、アレって貴女が倒したはずだよね?なんでまた...」
ミカも異変に気付き、後ろを振り返り驚愕していた。
マル(流石に1人は厳しそうだな...)
「ミカちゃんだったよね、アイツを倒すために力を貸してほしいんだけど...いいかな?」
これが正しい形なのかもしれませんね。
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