終わりに至れば・・・・きっと皆が幸せになれます。
新鮮だな…焦ったくもない……。むしろ清々しい気分だ。
5b@-gx@d
頭部の代わりに生成された紫色の宝玉を光らせ、バルバラがガトリングの銃口を向ける。
それを見たマルとミカは回避の行動に出る。次の瞬間、先程までいた箇所に銃弾の雨が降り注いだ。
マルは銃弾を避けながら投擲したハンマーを回収し、バルバラに攻撃を仕掛ける。
マル「ふんっ!!」『ブゥンッ!』
『ガギィィンッ!』
バルバラ「_______」
しかし攻撃を受けたバルバラは少し仰け反っただけでそのままマルに対し攻撃を行ったのだ。
『ズガガガガガガンッ!!』
マル「チッ!」バッ!
マルもバルバラの攻撃を交わし、距離を取る。しかし、回避が遅れたようで5発ほど攻撃を受けてしまった。
マル(やっぱり...効果が薄いな。さっきとは大違いだな...それにアイツの攻撃、私達と同じじゃん。面倒くさいな〜...)
ミカ「ちょ、大丈夫なの?!何発か受けてたけど...」
マル「うん?大丈夫だよ。ほっとけば治る治る。」
ミカ「そ、そう...じゃなくて!力を貸して欲しいって、貴女一人でもいけるんじゃ...」
マル「まあ、時間を掛ければ私達一人でも大丈夫だよ。」
ミカ「なら「でも。」え?」
マル「多分...間に合わなくなる。お願い、ミカちゃん。力を貸して。」
マルは真剣な眼差しをミカに向け、力を貸して欲しいと懇願する。
ミカ「貴女にも事情があるんだね。...わかった、力を貸すよ。」
マル「ありがとう、ミカちゃん。それじゃ、一緒にアイツをやっつけようか!」
マルとミカはバルバラに視線を向け、攻撃体制を取る。それに合わせてバルバラも銃口を二人に向ける。
マル(待ってて、タモツ...)
:
:
バシリカ-至聖所
青い光に包まれた至聖所。その光は次第に収まり、そして完全に光は消えた。
先生「う...みんな!大丈夫?!」
サオリ「ああ、私は大丈夫だ。姫、大丈夫か?」
アツコ「うん、大丈夫...」
ミサキ「私も大丈夫...でもまだ少しチカチカする...」
ヒヨリ「うぅ...まだ視界がチカチカしますぅ...」
マエストロ「...........」
マエストロはただ一人、前方に視線を向けている。
先生「マエストロ...?」
先生もマエストロの見ている先に視線を向けた。そこには赤、白、黒、青の刺々しい装飾が施された人間大のサイズの青い宝玉だった。
先生「何...あれは...」
先生達が呆然としている中、宝玉に異変が起きる。なんと赤と青の装飾がひとりでに動き始めたのだった。動き始めた装飾はまるで手のように開く、握るを繰り返していた。どうやら装飾と思っていたモノは手のようだった。2つの巨拳が動いている最中、残り2つの色の巨拳も動き出し、宙に浮いた。
そして、青の巨拳が宝玉を掴み、握り始めた。
ミシッ...ミシッ...と宝玉が嫌な音を出す。
そして...
『パキイィィィンッ!!!』
宝玉が砕け散り、中から鎖が飛び出してきた。
鎖はなりふり構わず辺りを攻撃し始めた。
ミサキ「先生、私の後ろに居て!」
ミサキは咄嗟に自らを先生を守る盾にした。
先生「ありがとう、ミサキ!」
次第に鎖は勢いを落とし、発生源である宝玉のあった場所に戻っていく。
その発生源に一つ、人影がある事に皆が気づいた。しかし、その姿は鎖に阻まれ、見ることは出来ない。
鎖が全て無くなった時に、その姿を見た。
そこにいたのは異形としか言えないモノだった。
顔に当たる部分には赤、白、黒、青の4色の渦、体も頭部と同じ色の鎖で縛られている。そして4色の鎖がそれぞれ同じ色の巨拳に接合される。
それぞれの巨拳はまるで生き物かのように動き始める。
QMZ『どうしたの?そんな驚いた顔して。まるで化け物にあったみたいだね?』
:
:
心象世界
タモツ「あれ?私何をしてたんだっけ?」
真っ暗な世界でタモツは目を覚ました。周囲には何も無く、ただひたすらに闇が広がるのみ。
タモツ「確かアリウスに戻って、みんなに会って、それから...『大丈夫だよ、貴女は何も考えず自らの心のままに動けば良いの。』...」
突然、背後から何者かがタモツに話しかける。しかし今のタモツには後ろを振り向く気力がなかった。
タモツ「そうだよね...やりたいようにやれば良いよね...」
そうしてタモツは瞳を閉じる。不思議と不安などの感情は湧かなかった。あるのはただ心地よさだけだった。
:
:
アリウス自治区-バシリカ 至聖所
先生「!!!」
(アレは...私が夢で見た!!まさか、彼女が...)
先生は夢で見た異形の正体を知り、驚愕していた。
QMZ『どうしたの?そんな驚いた顔して。まるで化け物にあったみたいだね?』
サオリ「その声、タモツなのか...?」
QMZ『それ以外に誰がいるの?その年でボケた?アッハハハハ〜♪』
自らの身体に巻き付いている鎖を鳴らしながら目の前の自らをタモツと名乗った異形は笑う。
ミサキ「どうなってるかの...あれがタモツさんなの?」
ヒヨリ「あ、あんなのタモツさんじゃないです...」
各々が困惑する声を上げる中、マエストロだけは異形と化したタモツに釘付けになっていた。
マエストロ「.......」
(アレが彼女の中にあった闇...神秘でも恐怖でもない...私の知らない未知の力か...)
マエストロ「いずれにせよ、このままではいかぬか。」
マエストロが腕を上げると同時に彼の周囲にミメシスが現れ、銃を構える。
銃を向けられているにも関わらず、異形は笑う。
そしてミメシス達が一斉射撃を行う。狙いは彼女の頭、銃弾は真っ直ぐと頭部に迫る。
しかし銃弾が当たった瞬間、銃弾はボロボロと砕けてしまった。
マエストロ「?!何が...」
マエストロは辺りを見渡す、そして発見した。ちょうど異形の頭の上に青い眼の様な紋章が浮かんでいる事に。
QMZ『笑っている最中にさ、水を刺さないでよ。』
青い巨拳がミメシス達に向け掌を向けると頭上の紋章がミメシス達の頭上に移動し、青い光を放つ。
次の瞬間、ミメシス達は崩れる様に消滅していった。
その光景を見た者達は同じ考えに至った。
『あの光はヤバい』と。
QMZ『何にもしてないのに攻撃されたな〜...なら抵抗しても問題ないよネ!』
至聖所に再び彼女の笑い声が響く。その笑い声はどこか虚しく、悲しみに満ちていた。
私は周囲の人達に比べ、そこまで優秀ではなかった。訓練の成績は伸び悩み、家族同然の仲間達にも迷惑をかけていると思っていた。
ある日私は訓練をサボり、廃墟の中で身を隠していた。
◯◯◯「訓練、サボっちゃいました...でも、この方がいいんです。私がいたら皆んなに迷惑を掛けちゃいます...」
息を潜め、自らの気配を殺していると自分が隠れている廃墟に近づく足音を聞いた。足音はだんだんと近づき、自分が隠れている部屋のドアの前で止まった。
ガチャ...
タモツ「あ、いた。大丈夫、◯◯◯?サオリ達が心配していたよ?」
ドアが開けられそこに居たのは私の一つ上の先輩、タモツさんだった。
◯◯◯「タモツさん...どうしてここが分かったんですか?」
タモツ「う〜ん...感かな?多分ここにいるなって思ってさ。」
そう言いながらタモツさんは私の隣に腰を下ろす。
タモツ「それよりも、どうしたの?何が嫌な事でもあった?」
タモツさんが私に話しかけてくる。しかしその表情は優しく、どこか安心出来るものだった。
◯◯◯「私って周りに比べて、そこまで優秀じゃないじゃないですか。それで...」
◯◯◯「訓練でも伸び悩んでいて...皆んなに迷惑を掛けているんじゃないかって...」
タモツ「....」
突然、タモツさんは私の前に周り、私の頬を両手で挟み込んできた。
◯◯◯「ふぁもふふぁん?!ふぁひふぉ...」
(タモツさん?!何を...)
タモツ「いい?◯◯◯、貴女にも優れている所はある。例えば貴女は周りをよく見ている。そこを重点的に鍛えればそれは貴女の最大の武器になる。」
タモツ「確かに戦闘力も大事。でもそれだけじゃダメなの。戦いは力だけじゃない、『技術』も必要なの。貴女にはそれがあるんだから、誇りなさい。」
◯◯◯「ふぁもふふぁん...」
(タモツさん...)
タモツ「さ!皆んなのところに戻ろうか!サオリ達も待ってるよ!」
この時の話がまだ私の中に残っている。この話を聞いた時、私の中で何かが燃え上がる感じがした。
私はタモツさんに言われた通りに訓練内容を変え、観察力を鍛える事にした。始めは何度も挫折し、心が折れそうになった。でもあの時のタモツさんとの会話がわたしの支えになってくれていた。
気がついた時には私はチームの狙撃手を任されていた。私は嬉しくなり、その事をタモツさんに報告をしに行く事にした。
しかし私はこの時、自分の鍛え上げた観察力を恨んだ。
久しぶりにあったタモツさんは変わってしまっていた。外見は変わってはいない。内面が変わってしまっていた。
私は声をかける事ができず、逃げ出してしまった。もし、あの時に声をかけていれば何かが変わっていたのでしょうか...
:
:
私は目の前にいる異形と化したタモツさんを見てそのような事を考える。
私は何度もタモツさんに救われた。挫けた時、困った時...タモツさんが支えてくれた!!
だから!!今度は私達がタモツさんを救うんだ!!
不思議と私は恐怖を感じなかった。今はあの時と同じ様に胸の奥で何かが燃えている気がした。
救われた者は一歩を踏み出せました。もう少しです。
感想、誤字脱字報告お待ちしています。