優しく暖かい声
E.G.O開花
QMZ『もう油断DUE...みんな... nyuqr:W3:@.』
タモツは再び周囲に渦を出現させ、先生達に攻撃を仕掛けようとする。しかし先程とは違い、赤い渦の他に白い渦もちらほらと確認出来た。
マエストロ「先生よ、わかっていると思うが...」
先生「うん、彼女の攻撃は基本当たらない方がいい...」
先生「みんな!攻撃には当たらないように!当たると何が起きるかわからない!!」
指示を飛ばしたと同時にそれぞれの渦から攻撃が始まる。赤い渦からは手の様なモノが進路上に存在する物を切り裂く様に、白い渦からはベアトリーチェを縛っているモノと同じ触手が出現した。
スクワッドの皆は攻撃を交わしつつタモツに攻撃を仕掛けていく。しかし銃弾はタモツには届かない。
ミメシスも銃弾を変え、攻撃を続けるが赤い手と白い触手によりその数を減らしていく。
サオリ「これならどうだ!」
サオリは手榴弾を取り出し、投げ付ける。手榴弾は真っ直ぐタモツには向かっていく。しかし銃弾と同じ様に崩れていく。しかし完全に崩れ切る前にタモツの眼前で手榴弾は爆発した。
『ドオォォォォォォォン....!!!!』
サオリ(視界を遮った...今ならいける!!)
煙で視界が遮られた今がチャンスだと判断したサオリはタモツに攻撃を始める。
しかしサオリは気付いていなかった。背後で蠢くモノを。
ヒヨリside
ヒヨリ(銃弾が通じない今はミメシスのサポートに回るしかないです...)
ヒヨリも他のスクワッドのメンバーと同じくタモツからの攻撃を交わしつつミメシスの攻撃が通りやすい様にサポートに回っていた。
しかしヒヨリの動きは他のメンバーとは違い、全て的確にかわしていた。
ヒヨリ(先程から周囲がよく見える...過集中しているからでしょうか?でもこの調子で...)
その時ヒヨリの視界にあるモノが入る。
それはサオリの背後の瓦礫の暗がり...その奥に白い渦が出現している事に...
ヒヨリ(アレって?!サオリ姉さんは気付いていない...!!声を...いや間に合わない!!)
ヒヨリ(今はこうするしかない!!)
ヒヨリは駆け出し、サオリに向け腕を伸ばす。
そして...
ヒヨリ「リーダー!!」 『ドンッ!!』
サオリ「え...?」
ヒヨリはサオリを突き飛ばした。それと同時に白の触手がヒヨリの背中を貫いた。
サオリ「ヒ、ヒヨリ...?」
ヒヨリ「良かった...リーダーが無事で...」
(気持ち悪い...体の中を弄られている様な...意識が...)
目の前ではサオリの驚愕している顔が見える。
ヒヨリ「そんな...顔を...しないで...り...ーだー...」
(ダメだ...沈む...ご...めんなさ...)
ヒヨリの意識は沈んでいく。そしてヒヨリは聞いてしまう。
『優しい声』を
"こんにちは、ヒヨリちゃん"
ヒヨリ「え...?」
声が聞こえ、目を開けると目の前には花畑が広がっていた。
ヒヨリ「私は...バシリカの至聖所にいた筈...ここは?」
???"ここは君の心象世界、随分と綺麗だね。"
ヒヨリ「?!だ、誰ですか...?」
声が聞こえ振り返ると白衣を着た大人の女性が佇んでいた。
???"心象世界はその人の人柄をそのまま映し出すって言うけど、それなら君は心が綺麗なんだね。あぁ、私が誰かは伏せておくよ。ここにいるだけの関係だろうしね。"
ヒヨリ(なんだろう、この人...まるで先生みたいな人ですね...)
「その、どうしたら戻れるか知っていたりしますかね...?」
???"戻り方なら貴女が戻りたいと強く願えば戻れるよ。"
ヒヨリ「それなら"でもそれでいいのかな?"...え?」
ヒヨリの言葉を遮る様に目の前の女性が言葉を紡ぐ。
???"戻っても彼女を止める事が出来るの?現に貴女は彼女にやられてここにいる訳だけど。"
ヒヨリ「それは..."それなら彼女のように自分のやりたい事が自由に出来るようになった方が良くないかい?"やりたい事...」
ヒヨリに向けられる言葉はまるで優しく全てを包み込むようなモノだった。正常な思考を乱し、堕落させるよう謎の女性は言葉を紡ぐ。
???"私の手を取れば彼女の様に自由に生きられる。もう苦しまなくていいの、楽になりましょう?"
ヒヨリ「わ、私は...私は...」
ヒヨリの思考は乱される。自らの意思とは逆にヒヨリの手は女性の方に向かい始める。そしてヒヨリの手は彼女の手を.....取らなかった。
???"どうしたの?"
ヒヨリ「確かに苦しいです、辛いです、やめたいです...でもあの人は...普段のタモツさんならこの手は取らないと思います。だから...ごめんなさい。」
ヒヨリは手を引っ込め、目の前の女性に頭を下げる。
ヒヨリ「でも心配してくださったのはありがとうございます。」
???"それが貴女の選択なんだね、いいよ。その先に何が待っているんでしょうね。"
謎の女性は背を向け、ヒヨリに向けて手を振る。それを見たヒヨリは目を閉じて心の中で戻りたいと強く願う。不思議と胸の奥に熱を強く感じていた。
次の瞬間、ヒヨリの姿が消えて花畑には謎の女性が残るだけだった。
???"久しぶりにお礼を言われたかなぁ〜...忘れたと思ったんだけど"
???"この世界にはもう用は無いし、帰りましょうか"
刹那、一陣の風が吹き花びらを巻き上げる。それと同時に女性も姿を消した。
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アリウス自治区-バシリカ 至聖所
サオリ「ヒヨリィィィ!!!!」
サオリは目の前の光景を受け入れる事が出来ないでいた。目の前では白い触手に胸を貫かれているヒヨリの姿があった。
QMZ『最初に脱落したのは泣き虫ちゃんだったか〜。意外だね〜、驚きだね〜?サオリ、自分のせいで仲間が犠牲になったね、どんな気持ち?』
タモツは触手に貫かれたヒヨリをサオリの目の前に移動させる。そして挑発するように左右に揺らし始める。
QMZ『アッハハハハ♪...邪魔になったし...これでいいか。』
『ブンッ!!』 『ドサッ...』
一頻り揺らし終わると飽きたのかタモツは捨てる様にヒヨリをサオリの後方に投げ飛ばした。
サオリ「タモツッ!!貴様ぁぁぁ!!!」
サオリは激情に駆られタモツの方に走り始める。
先生「サオリ!無闇に行動したら駄目だ!」
ミサキ「リーダー陣形が...!!」
アツコ「サッちゃん!!」
QMZ『ほら、すぐに頭に血が上る。』
先生達がサオリに声をかけたと同時にサオリの周囲を赤と白の渦が囲む。
サオリ「あっ.....」
QMZ『前に指摘した悪いところ、治ってなかったね?おかげで簡単に仕留められる。バイバイ、サオリ。』
タモツがサオリに向け拳を握る動作を行うと同時にサオリの周囲にある渦からそれぞれの攻撃が始まる。
サオリ(回避は...出来ない...ここまでなのか...)
サオリは諦め、目を閉じて衝撃に備える。しかしいつまで経っても痛みが襲ってこない。サオリは恐る恐る目を開けると周囲の渦から発生している赤い手、白い触手は緑色の炎に燃やされ塵になっていた。
サオリ「一体何が...それにこの炎、熱くない...?」
QMZ『は?なんで...』
タモツがサオリの後方を見て驚愕しているのを見たサオリは後ろを振り返る。
そこには....
片目に緑色の炎を宿し、軍服の様な服装に変わっているヒヨリがタモツに向けマスケット銃を構えていた。
大丈夫、後は彼女を救うだけ。
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