【急募】高育のAクラスで快適に過ごす方法 作:人生谷あり罠あり
ブレーズ・パスカル
試験のルール説明の翌日、午前8時前。俺は部屋でスマホを眺めていた。そろそろ自分が『優待者』であるか否かを知らせるメールが学校側から届くはずだ。
「ま、そりゃそうだよね」
結果から言えば俺は『優待者』じゃなかった。ま、普通に考えたら分かる話だ。俺のグループは柴田颯が選ばれただけ。
今後とる行動は一切変わらない。ただ簡潔に、冷徹に、確実に進めていく。何があろうと、誰が喚こうと。
─────俺がこの試験における策略を考案した時点で、試験の結果は定まっている。
『Dクラスの『優待者』の情報を渡せ』
俺はメールが来てから約1分後には櫛田宛のメールを送っていた。目的達成のためにはこの『櫛田桔梗から情報を入手した』という工程が欠かせないからね。
だって証拠もないのに『優待者』をでっち上げたところで誰も信じないし。こっちにとっても、彼女が裏切ってくれた方がありがたい。
『誰ですか?』
『そんなことはどうでもいい』
『集めないとどうなるかは知らないぞ』
そして、俺はあの日撮影した動画を送る。直接的な脅しではないものの、もし断れば明日から自分の立場がないことは理解してくれるはずだ。
『分かりました』
『期限は2時間後の午前10時までだ』
『それまでに無理だったら分かるな?』
別に、俺は本気で櫛田の秘密を暴露するつもりはない。というか、櫛田を駒として扱えるメリットが大きすぎてそもそも択に入らなかったくらいだ。
それでも、向こうからすれば俺は正体不明で尚且つ自身の秘密を握る存在。言う事を聞く以外の選択肢は存在しない。
それから、葛城がクラスのチャットグループでグループディスカッションでは沈黙を貫くようにと指示を出した。これは原作通りだ。
葛城としては、運よく『優待者』を見つけれれば指名し、そうでなければ危ない橋は避ける方針なんだろう。堅実で、実にAクラスらしい戦い方だ。
「ごめん神室、やっぱりやってもらうことができた」
櫛田にメールを送ってから約10分後、人気のないデッキまで移動してから俺は神室に電話を掛ける。彼女のディスカッションまで後50分ほどか。少しギリギリだ。
『私あと9時からディスカッションなんだけど』
「でもまだ時間あるでしょ?」
『はぁ。何よ、言ってみなさい』
もちろん、俺は最初から神室に役目を与えるつもりだった。けど、たまにはこうして『予想外』のことが起こってそれの対応をしていると見せるのも必要だ。
今までの行動で俺が普通じゃないのは分かってるだろうけど、たまには人間アピしておかないと本当に宇宙人か何かだと思われかねない。
「そうだね。まずは──────」
『…………は? え、それ、本気で言ってるわけ?』
「え、そうだけど。何かおかしいこと言った?」
『いや、
「この学校のルールは『ポイントで買えないものはない』、だよ。当然、それだって可能さ」
今からすることを断片的に伝えたら驚かれてしまった。確かに思いつきずらい内容ではあるけど、不可能じゃないはずだ。校則にも違反しないし、当然法にも違反しないしね。
「わ、分かった。それじゃあ、一応聞いてみる。誰でもいいわけ?」
「できれば真嶋先生が望ましいかな。けど無理そうなら誰でもいいよ、
さて、舞台は整いつつある。どんな世界線だとしても、ここが一番の関門になるのは変わらなかった。豪華客船の上、渦巻く陰謀、流れる猜疑心。
らしくないかもしれないが、ショーの始まりとしようか。
◆
「なんだ、これは………」
葛城康平は、例の人物から送られてきたメールを読んで、無意識のうちに言葉を零していた。
「あり、得ない。こんなこと、可能なのか……?」
出るのはただ、困惑の言葉だ。内容は理解できる、しかし実感が追いついてこない。このメールの内容が本当なら、こいつはもう理解不可能な存在だ。
しかし、実行することができれば、俺たちAクラスは再び大きく前進する。正式にリーダーになることも、綾小路をクラスに引き入れることも可能になる。
「しかし、危ない橋であることは確かだ。踏み出すには、要素が薄い」
スマホが震える。誰かから、電話がかかってきたようだ。タイミング的には、画面の向こうにいた人物である可能性が高そうだな。
『──────あ~、もしもし? 話すのは初めてか』
「そうだな。それで、わざわざ電話をかけてきてまで何を伝える気だ?」
聞こえてきたのは、変声機によって異質的に変えられた声音だった。最早相手が男なのか女なのかさえ判別できない。リスクは0にしておきたいということか。
『ま、メールで送るの面倒だしバーッと電話口で説明しようかと思いまして』
「貴様は何者だ。なぜ俺に手を貸す」
『坂柳有栖が嫌いなんすよ、自分。だからリーダーはあなたがいいなと』
「胡散臭い言葉だな。それで、何をさせるつもりだ?」
正体不明の協力者、だが手を貸してくれるのなら心強い相手でもある。もし仮にこいつが坂柳側へとつけば俺はまず間違いなくすぐにリーダーの座を下ろされるだろう。
『簡単なお仕事っすよ。ただ、周りの空気感に合わせて対応してくれればそれでいい』
「周りの空気感、だと?」
『自分の見立てでは、まあまあ荒れそうなんで。ただ自分も
「確かに、上手くいけばとんでもない利益を生み出せる作戦であることは認める。だが、上手くいく保証はどこにもないだろう」
『あり得ない話っすけど、上手くいかなかったらそのときはクラスポイント取得のために動くだけっす』
「…………それで、情報はどこで手に入れたんだ?」
『企業秘密なんで。ただ、絶対に合ってると確信してるっす』
◆
葛城と電話をしながら俺は、手元にある『優待者』全員の名前を書いたメモを眺めていた。意外なやつがいたりして面白いからだ。
けど学校側も凄いよな。すべてのグループに同じ法則が当てはまるようにメンバーを調整しつつ、更に全クラス均等に3名ずつになるようにしてるんだから。
そりゃあ『厳正なる調整の結果』とか書きたくなるわけだ。
「─────っていうことっす。分かってもらえましたか」
『ああ、分かった。確かに、その線で合っている』
「なら、早速行動に移りましょう。決行は午前10時半で」
『舞台はおまえが整えてくれるんだな?』
「それはお任せあれ」
『分かった。頼むぞ』
あと気になってるのは軽井沢の件か…………確か、2日目のディスカッションで揉めてたはずだから、それ以前に終わらせちゃえば問題ないでしょう。
一応山村さんに見張っておいてもらうか。俺がいる影響のせいで軽井沢が病んで不登校とかになったら寝覚め悪いしね。っていうか、好きなキャラだしね。Dクラスは酷い有様になるだろうけど、いじめられるような未来は避けたい。
◆
真嶋智也は、船内を歩いていた。無人島試験での心労はまだ癒えず、とりあえず静かな場所で休みたかったのだ。
「──────先生」
ふと、背後から声を掛けられる。誰かと思い振り返れば、神室真澄がいた。Aクラス内では比較的優秀な生徒であり、葛城と坂柳どちらにもつかない生徒。
「どうした。何か用事か?」
「先生から、買いたいものがあります」
「………分かった。何が買いたいんだ?」
今回行われている夏季グループ別特別試験において、生徒から物品を購入したいという要望が出るのは
だが、こんな早い段階で希望者が出るとは思っていなかったな。しかも、それが神室であるとは。あまり積極的に動く生徒だとは思わなかったんだが。
「それは──────
アンケート投票ありがとうございました
坂柳派多いなと思ったら話してる場面なかったですね
今後関わらせようと思います…
オリ主と(もっと)関わって欲しいキャラいますか
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葛城康平
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坂柳有栖
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綾小路清隆a.k.a最高傑作
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神室真澄
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山村美紀
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戸塚弥彦
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森下藍
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一之瀬帆波
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龍園翔
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堀北鈴音
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櫛田桔梗
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白石飛鳥
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橋本正義a.k.a蝙蝠