【完結】キラメキ・リンク!~煌めきの彼方へ~   作:匿名女児

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第12話 届かない煌めき、遥かな星空

──十一月。

 

十二月の公式大会を目前に控えた、二次予選大会。

 

大きな会場には、全国各地から集まったアイドルたちが集まっていた。

 

客席も満員に近い。

 

ステージの中央には、大会専用の巨大な舞台。

 

「すごい……」

 

ヒカリがステージを見上げる。

 

「ここで二次予選をやるんだ……」

 

「緊張してる?」

 

ユウヒが尋ねる。

 

「……ちょっとだけ」

 

ヒカリが胸元に手を当てる。

 

「でも、やることは変わらないよ」

 

リカが笑う。

 

「ウチたちは、いつも通り!」

 

「はい」

 

カリンも頷く。

 

「私たちの煌めきを、届けましょう」

 

四人が顔を見合わせる。

 

「Color☆Link!ファイト!オー!」

 

その時。

 

『まもなく、二次予選大会を開始します!』

 

会場に司会者の声が響いた。

 

四人はステージへ視線を向ける。

 

そして──

 

大会が始まった。

 

 

『それでは、まずは今回の大会ルールをご説明します!』

 

司会者がステージ中央に立つ。

 

『今回の二次予選では、出場するアイドルたちのライブパフォーマンスによって順位を決定します!』

 

会場から拍手が起こる。

 

『そして──』

 

司会者が大きく腕を広げる。

 

『上位三組が、来月十二月に開催される公式大会・本選への出場権を獲得します!』

 

観客から歓声が上がる。

 

「三組……」

 

ヒカリが呟く。

 

「ここを勝ち抜けば、十二月に行ける」

 

「そういえば、カサネさんも出るんだよね」

 

リカが言う。

 

「うん」

 

ユウヒが頷く。

 

カリンもステージを見る。

 

「……負けられません」

 

『そして、本日の演技順はこちら!』

 

スクリーンに出場者の名前が表示される。

 

『まずは一組目!──』

 

会場が静かになる。

 

いくつかのアイドルが呼ばれた後。

 

『続いて、Color☆Link!』

 

「……!」

 

ヒカリたちの表情が引き締まる。

 

『そして最後を飾るのは──』

 

スクリーンに、大きく名前が映し出される。

 

『トップアイドル、天原カサネ!』

 

「……!」

 

会場から一際大きな歓声が上がった。

 

ヒカリは思わず画面を見つめる。

 

「カサネさん……」

 

これまで何度も遠くから見てきた存在。

 

「私たちは最後から二番目だね」

 

ユウヒが言う。

 

「うん」

 

ヒカリが頷く。

 

『それでは、一組目のライブです!』

 

 

アイドルがステージへ登場する。

 

明るい音楽。

 

華やかな衣装。

 

元気いっぱいの歌とダンス。

 

そして──

 

「キラメキアクト!」

 

煌めきがステージを彩る。

 

初級。

 

続いて、中級。

 

ステージいっぱいに光が広がる。

 

『おおーっと!』

 

司会者が声を上げる。

 

『見事な演技です!これはかなり評価が高くなりそうだ!』

 

会場から拍手が起こる。

 

「すごいね」

 

ヒカリが呟く。

 

「うん」

 

ユウヒが頷く。

 

「私たちも、負けていられない」

 

ライブが終わる。

 

大きな拍手。

 

『素晴らしいパフォーマンスでした!』

 

司会者が笑顔で締める。

 

『さあ、続いては──』

 

スクリーンに名前が表示される。

 

『Color☆Link!』

 

会場から拍手が起こった。

 

「行こう!」

 

ヒカリが三人を見る。

 

「はい!」

 

四人がステージへ向かう。

 

 

──Color☆Link。

 

ステージ中央に四人が並ぶ。

 

会場を見渡す。

 

たくさんの観客。

 

大きなステージ。

 

そして。

 

この先には、カサネがいる。

 

「……大丈夫」

 

ヒカリが小さく呟く。

 

「私たちは、ここまで来たんだから」

 

音楽が始まった。

 

四人が同時に動く。

 

歌。

 

ダンス。

 

ステップ。

 

ターン。

 

四人の動きがぴたりと重なる。

 

そして──

 

「キラメキアクト!」

 

最初にヒカリが飛び出す。

 

桃色の煌めきが広がる。

 

昼の光。

 

青い空。

 

そして──

 

桃色の花畑。

 

「綺麗……!」

 

観客から声が上がる。

 

続いて。

 

「次は私!」

 

リカの煌めき。

 

黄色の光が広がり、黄色い花々が咲き誇る。

 

さらに。

 

ユウヒ。

 

青い煌めきがステージを包み、青い花が一面に咲く。

 

そして。

 

「私も!」

 

カリン。

 

緑色の煌めき。

 

緑の花々が風に揺れる。

 

四人それぞれの花畑。

 

それぞれ違う色。

 

それぞれ違う煌めき。

 

以前は、個々の技で終わるか、失敗していた。

 

けれど──

 

「ここから!」

 

ヒカリが手を伸ばす。

 

「私たちの煌めきを──」

 

「つなげる!」

 

四人の声が重なる。

 

四つの花畑が、ゆっくりとつながっていく。

 

桃色。

 

黄色。

 

青色。

 

緑色。

 

色と色の境界が消えていく。

 

大きな一つの花園へ。

 

「Color☆Link!」

 

四人が同時にステップを踏む。

 

無数の花びらが舞い上がる。

 

昼の太陽が輝く。

 

四人の歌声が重なる。

 

そして──

 

最後の振り付け。

 

四人が手を伸ばす。

 

四色の煌めきが、一つの巨大な光になる。

 

「──!」

 

ぱぁっ!

 

ステージ全体が光に包まれた。

 

最後のポーズ。

 

静寂。

 

そして──

 

大きな拍手。

 

「やった!」

 

ヒカリが笑う。

 

リカも拳を握る。

 

「今の、完璧!」

 

ユウヒが頷く。

 

「うん。しっかりできてた」

 

カリンも胸に手を当てる。

 

「四人の煌めきが、一つになりました」

 

司会者がステージへ駆け寄る。

 

『素晴らしい!』

 

大きな声が会場に響く。

 

『四人それぞれの煌めきから、最後は一つの大きな花園へ!』

 

観客から拍手が続く。

 

『これがColor☆Linkの煌めきなんですね!』

 

さらに歓声。

 

『いやあ、素晴らしいライブでした!本選出場へ向けて、非常に大きなアピールになったのではないでしょうか!』

 

ヒカリたちは顔を見合わせる。

 

「……いけるかも」

 

ヒカリが呟く。

 

しかし。

 

司会者が一瞬だけステージの奥を見る。

 

『さて……』

 

その表情が変わった。

 

『次はいよいよ、本日の最後の出場者です』

 

会場がざわめく。

 

『トップアイドル──』

 

歓声が一気に大きくなる。

 

『天原カサネ選手の入場です!』

 

 

ステージの照明が落ちる。

 

暗闇。

 

静寂。

 

そして──

 

一筋の光。

 

その光の中に、カサネが立っていた。

 

華やかな衣装。

 

長い髪。

 

静かな表情。

 

ヒカリは客席からステージを見つめる。

 

「……」

 

カサネは、ゆっくりと目を閉じた。

 

音楽が始まる。

 

優雅な旋律。

 

カサネが一歩、踏み出す。

 

その瞬間。

 

──煌めき。

 

淡い光が、カサネの周囲に生まれる。

 

次第に光が大きくなっていく。

 

そして。

 

カサネの背中から──

 

巨大な蝶の羽が現れた。

 

「……!」

 

会場が息を呑む。

 

羽は透明でありながら、銀河を彷彿させる無数の煌めきを内包している。

 

カサネの身体が、ふわりと浮かぶ。

 

そのまま。

 

空中へ。

 

カサネが優雅に舞う。

 

蝶のように。

 

花から花へ飛ぶように。

 

会場の上空を、ゆっくりと移動していく。

 

その軌跡から、煌めきがこぼれ落ちる。

 

一粒。

 

また一粒。

 

無数の煌めきが会場全体へ降り注ぐ。

 

「すごい……」

 

ヒカリが呟く。

 

煌めきは空中で弾ける。

 

そして──

 

会場の景色が変わった。

 

ステージも。

 

客席も。

 

壁も。

 

天井さえも。

 

すべてが暗い宇宙へと変わっていく。

 

無数の星。

 

輝く星雲。

 

遠くに浮かぶ銀河。

 

まるで、本当に宇宙にいるかのようだった。

 

「……これは」

 

ユウヒが言葉を失う。

 

「っ……」

 

カリンも呆然と見つめる。

 

カサネは宇宙の中心にいた。

 

蝶の羽を広げ。

 

静かに浮かんでいる。

 

そして──

 

歌う。

 

その歌声が、宇宙全体へ響いていく。

 

『……』

 

司会者すら、言葉を失っていた。

 

第一の煌めき。

 

それは、ただ宇宙を見せるだけでは終わらなかった。

 

カサネが空中で手を伸ばす。

 

無数の煌めきが集まっていく。

 

そして。

 

蝶の羽が、静かに消える。

 

カサネがステージへ降り立つ。

 

宇宙だけが残った。

 

観客は誰も声を出せない。

 

その美しさに。

 

その規模に。

 

ただ、見入っている。

 

カサネは静かに微笑んだ。

 

「……もう一度」

 

その瞬間。

 

宇宙が動き始めた。

 

無数の星々が集まる。

 

煌めきが渦を巻く。

 

銀河が生まれる。

 

さらに大きな光が生まれる。

 

「……!」

 

ヒカリが目を見開く。

 

星が。

 

銀河が。

 

宇宙そのものが。

 

一つの巨大な煌めきへと集まっていく。

 

そして──

 

ぱぁっ!

 

光が弾けた。

 

無数の星が生まれる。

 

さらにその星々が集まり、新たな銀河を形成する。

 

宇宙の始まり。

 

そして。

 

新たな宇宙の広がり。

 

まるで、目の前で世界そのものが創られているようだった。

 

「……」

 

ヒカリは、ただ見つめるしかなかった。

 

さっきまで。

 

自分たちのライブが最高だと思っていた。

 

四人の煌めきがつながった。

 

中級キラメキアクトも安定している。

 

これなら。

 

カサネさんと同じ大会に出られる。

 

そう思っていた。

 

けれど。

 

「……こんなの……」

 

ヒカリの声が震える。

 

「全然、違う……」

 

ステージの上。

 

カサネは静かに立っている。

 

その周囲には。

 

生まれたばかりの星々。

 

無数の煌めき。

 

広大な宇宙。

 

すべてが、カサネの煌めきによって生まれたものだった。

 

 

カサネのパフォーマンスが終わった。

 

最後の光が静かに消えていく。

 

元のステージへ戻る。

 

カサネが深く頭を下げる。

 

──そして。

 

会場が爆発した。

 

『……』

 

司会者はしばらく言葉を失っていた。

 

やがて。

 

『……す、すごい……』

 

震える声。

 

『いや……すごい、という言葉では足りません……』

 

会場から大歓声。

 

拍手と歓声が鳴り止まない。

 

『これが……トップアイドル、カサネの煌めきです!』

 

カサネは静かに微笑む。

 

ヒカリたちは何も言えなかった。

 

ただ。

 

その背中を見つめていた。

 

「……遠い」

 

ヒカリが呟く。

 

隣でユウヒも頷く。

 

「うん」

 

リカは拳を握る。

 

「でも……」

 

悔しそうな顔。

 

「絶対、追いつく」

 

カリンもステージを見つめる。

 

「はい」

 

その目には、決意が宿っていた。

 

 

──そして。

 

結果発表。

 

会場に緊張が走る。

 

『それでは、二次予選大会の結果を発表します!』

 

スクリーンに順位が映し出される。

 

『第3位──!』

 

歓声。

 

『そして、第2位──』

 

一瞬の間。

 

『Color☆Link!』

 

「……!」

 

四人の目が見開かれる。

 

「やった!」

 

ヒカリが喜ぶ。

 

リカも拳を握る。

 

「二位!」

 

「本選出場です」

 

カリンが嬉しそうに笑う。

 

ユウヒも頷く。

 

「うん」

 

そして。

 

『第1位──』

 

誰もが分かっていた。

 

それでも。

 

会場が静まり返る。

 

『カサネ!』

 

大歓声。

 

カサネは静かに頭を下げる。

 

「……」

 

ヒカリはカサネを見る。

 

悔しい。

 

けれど。

 

それ以上に。

 

「すごかった……」

 

ヒカリは小さく呟く。

 

「私たちも、いつか……」

 

リカが隣に立つ。

 

「うん」

 

ユウヒも。

 

「十二月だね」

 

カリンも。

 

「はい」

 

四人は顔を見合わせる。

 

まだ届かない。

 

今は、まだ。

 

けれど。

 

同じ本選の舞台に立つ権利は得た。

 

それだけでも、大きな一歩だった。

 

四人が手を重ねる。

 

「Color☆Link!」

 

声が重なる。

 

 

 

桃色。

 

黄色。

 

青色。

 

緑色。

 

四色の煌めきが、小さく輝く。

 

その先に。

 

十二月の本選。

 

そして。

 

カサネさんとの最後のステージが待っている。

 

──まだ、勝負は終わっていない。

 




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カサネのライブはレインボーライブあたりをイメージ
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