【完結】キラメキ・リンク!~煌めきの彼方へ~   作:匿名女児

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第13話 煌めきの頂へ

──十二月。

 

ついに、公式大会・本選の日がやってきた。

 

大きな会場には、全国から集まったアイドルたち。

 

客席は満員。

 

ステージには、これまでの大会とは比べものにならないほど大きな舞台が用意されていた。

 

「ここが……本選」

 

ヒカリがステージを見上げる。

 

「うん」

 

ユウヒが頷く。

 

「私たちが、ここまで来たんだね」

 

「なんか、夢みたい!」

 

リカが笑う。

 

「でも、夢じゃありません」

 

カリンが胸元に手を当てる。

 

「私たちは、ちゃんとここまできました」

 

「うん!」

 

ヒカリが拳を握る。

 

「今日は、四人で最高のライブをしよう!」

 

「Color☆Link!」

 

四人が手を重ねる。

 

「ファイト!オー!」

 

 

『皆さん、お待たせしました!』

 

司会者がステージ中央へ登場する。

 

『いよいよ、公式大会・本選の開幕です!』

 

会場が大きく沸く。

 

スクリーンに出場者が映し出される。

 

『それでは、さっそく参りましょう!』

 

 

最初のアイドルがステージへ上がる。

 

華やかな音楽。

 

軽快なダンス。

 

そして──

 

煌めきが広がる。

 

初級。

 

続いて中級。

 

さらに。

 

上級。

 

ステージいっぱいに光が広がった。

 

『素晴らしい!』

 

司会者が声を上げる。

 

『二次予選時から更なる成長を感じる演技でした!』

 

会場から大きな拍手が起こる。

 

続くアイドルたちも、次々に煌めきを披露していく。

 

中級。

 

上級。

 

それぞれが磨き上げたパフォーマンスを見せる。

 

観客の熱気も、徐々に高まっていく。

 

そして。

 

『続いては──』

 

会場の空気が変わった。

 

『前回大会、二次予選第1位!』

 

スクリーンに名前が映し出される。

 

『トップアイドル──天原カサネ!』

 

大歓声。

 

「……来た」

 

ヒカリがステージを見る。

 

カサネがゆっくりと歩いてくる。

 

その表情は、いつもと変わらない。

 

静かで。

 

穏やかで。

 

それでいて、圧倒的な存在感を放っていた。

 

 

照明が落ちる。

 

暗闇。

 

カサネだけを、一筋の光が照らす。

 

音楽が始まる。

 

カサネが目を閉じる。

 

そして。

 

「キラメキアクト──」

 

静かな声。

 

──瞬間。

 

背中から巨大な蝶の羽が現れた。

 

「……!」

 

会場が息を呑む。

 

銀河のような煌めきを内包した羽。

 

カサネの身体が、ふわりと浮かぶ。

 

そのまま空中へ。

 

蝶のように舞う。

 

会場を横切るたび、煌めきが軌跡となって残っていく。

 

やがて。

 

無数の煌めきが会場全体を包み込んだ。

 

──そして。

 

景色が変わる。

 

ステージも。

 

客席も。

 

天井も。

 

すべてが宇宙へと変わった。

 

無数の星。

 

星雲。

 

銀河。

 

カサネは、その中心に浮かんでいる。

 

 

カサネが手を伸ばす。

 

無数の星々が集まっていく。

 

星雲が渦を巻く。

 

銀河が生まれる。

 

さらに大きな光が形成される。

 

それが弾ける。

 

──新たな星が生まれる。

 

さらに銀河が生まれる。

 

まるで宇宙そのものが創造されている。

 

「……」

 

ヒカリは言葉を失う。

 

二次予選で見たもの。

 

二度目でも言葉を失うほどの煌めき。

 

しかし。

 

まだ終わらない。

 

カサネが静かに手を広げる。

 

宇宙に、淡い光が降り注ぐ。

 

無数の光の粒。

 

それらが集まり。

 

一本の巨大な光の樹を形成する。

 

枝が伸びる。

 

葉が生まれる。

 

花が咲く。

 

そして。

 

無数の生命を思わせる光が、宇宙いっぱいに広がっていく。

 

──まるで、オーロラのように。

 

星の間を飛ぶ光の鳥。

 

光の蝶。

 

無数の花。

 

生命が生まれる。

 

そこには、煌めきで作られた楽園があった。

 

司会者は、またしても言葉を失っていた。

 

観客も同じだった。

 

ただ、目の前の景色を見つめている。

 

 

カサネが閉じていた目を開く。

 

──カチッ。

 

小さな音が響いた気がした。

 

宇宙に巨大な時計が現れる。

 

針が動く。

 

時間が加速する。

 

星が生まれ。

 

成長し。

 

消えていく。

 

宇宙が変化する。

 

昼。

 

夕暮れ。

 

夜。

 

そして。

 

再び朝。

 

何度も。

 

何度も。

 

時間が流れていく。

 

そのすべてを、カサネは静かに見つめている。

 

やがて。

 

カサネが手を上げる。

 

時間が止まった。

 

星も。

 

銀河も。

 

光も。

 

すべてが静止する。

 

カサネは一歩踏み出す。

 

すると、宇宙が再び動き始める。

 

すべての煌めきがカサネへ集まっていく。

 

星。

 

銀河。

 

生命。

 

時間。

 

宇宙そのもの。

 

すべてが、一点へ。

 

カサネの頭上に巨大な光が生まれる。

 

それは。

 

王冠だった。

 

「……!」

 

カサネの頭上へ、煌めきの王冠が降りてくる。

 

カサネは静かに、それを戴く。

 

同時に。

 

その手に一本の杖が現れる。

 

星々を束ねたような、美しい杖。

 

カサネがゆっくりと持ち上げる。

 

「キラメキアクト──<星々を統べる者>ステラ・ソヴリン」

 

──その瞬間。

 

カサネが、まるで王座に立つ者のようにステージ中央へ立った。

 

杖を掲げる。

 

宇宙全体が輝く。

 

無数の星が一斉に煌めく。

 

銀河が光を放つ。

 

星雲が渦巻く。

 

そして。

 

それらすべてが、カサネを中心に巨大な光の王冠を形成していく。

 

会場そのものが、カサネの煌めきに包まれる。

 

誰も。

 

声を出せなかった。

 

その姿は。

 

まさに。

 

煌めきの頂点に立つ王。

 

 

カサネのライブが終わる。

 

王冠も。

 

杖も。

 

宇宙も。

 

ゆっくりと消えていく。

 

最後に残ったのは。

 

ステージ中央に立つカサネだけだった。

 

深く頭を下げる。

 

──数秒。

 

会場は静まり返っていた。

 

 

『……』

 

司会者が震える声で口を開く。

 

『……す、すごい……』

 

観客から。

 

少しずつ拍手が起こる。

 

それが。

 

瞬く間に巨大な歓声へ変わった。

 

『これが……天原カサネ……!』

 

大歓声。

 

拍手。

 

歓声。

 

会場全体が揺れている。

 

ヒカリは、ただステージを見つめていた。

 

「……勝てるのかな」

 

その言葉が漏れる。

 

ユウヒがヒカリを見る。

 

リカは拳を握る。

 

カリンも黙ってステージを見ている。

 

誰も。

 

簡単には答えられなかった。

 

カサネのライブは。

 

あまりにも圧倒的だった。

 

 

『それでは、次の出場者です!』

 

司会者が声を上げる。

 

スクリーンに名前が表示される。

 

『Color☆Link!』

 

会場から拍手が起こる。

 

ヒカリがステージへ向かう。

 

「……行こう」

 

四人が並ぶ。

 

「うん」

 

「はい」

 

「大丈夫」

 

ヒカリが深呼吸する。

 

「泣いても笑っても、この一曲に全部を込めよう!だから──最後まで、私たちらしく煌めこう!」

 

音楽が始まる。

 

四人が一斉に動く。

 

歌。

 

ダンス。

 

ステップ。

 

ターン。

 

そして──

 

「キラメキアクト!」

 

四人の煌めきが同時に弾ける。

 

 

 

ユウヒ。

 

青い煌めき。

 

青い花畑。

 

青い羽。

 

ヒカリ。

 

桃色の煌めき。

 

桃色の花畑。

 

桃色の羽。

 

 

 

リカ。

 

黄色の煌めき。

 

黄色の花畑。

 

黄色の羽。

 

 

 

カリン。

 

緑の煌めき。

 

緑の花畑。

 

緑の羽。

 

そして、新たな煌めきの衣装を纏った四人が、それぞれの花畑に立つ。

 

青色。

 

桃色。

 

黄色。

 

緑色。

 

それぞれが違う。

 

けれど。

 

同じ輝きを放っていた。

 

 

四人が空へ飛び上がる。

 

それぞれの煌めきが、会場へ広がっていく。

 

青色。

 

桃色。

 

黄色。

 

緑色。

 

四つの煌めきが、さらに広がる。

 

そして。

 

空中で交差する。

 

煌めきが混ざり合う。

 

四人の軌跡が一本につながる。

 

花畑が一つへつながっていく。

 

昼の空。

 

太陽。

 

そして。

 

四人の花畑。

 

会場全体が、色とりどりの煌めきで満たされていく。

 

ヒカリが叫ぶ。

 

「もっと!」

 

四人の煌めきがさらに強くなる。

 

カサネが残した煌めき、

 

それが

 

Color☆Linkの煌めきに重なっていく。

 

「……!」

 

四人の身体を包む光が強くなる。

 

四人は止まらない。

 

積み重ねてきた練習。

 

失敗した日々。

 

そして。

 

カサネの煌めき。

 

すべてが、今の四人を支える。

 

四人は空を舞う。

 

さらに煌めきを巻きながら。

 

会場全体へ。

 

 

そして。

 

四人がステージへ戻ってくる。

 

「……」

 

四人が顔を見合わせる。

 

「行こう!」

 

四人の声が重なる。

 

「キラメキアクト──」

 

四人の煌めきが、一気に膨れ上がる。

 

「レインボー・ガーデン!」

 

──瞬間。

 

会場全体が光に包まれた。

 

昼の空。

 

太陽。

 

草原。

 

そして。

 

巨大な花園。

 

青色。

 

桃色。

 

黄色。

 

緑色。

 

四つの花畑が、どこまでも広がっていく。

 

さらに。

 

四人の花畑から無数の花が生まれる。

 

花が咲く。

 

また咲く。

 

その花々が光へ変わる。

 

光が空へ舞い上がる。

 

そして。

 

空いっぱいに巨大な虹が生まれた。

 

「……!」

 

観客から歓声が上がる。

 

四人は、その中心で歌い続ける。

 

四つの声。

 

四つの色。

 

四つの煌めき。

 

それが一つになっていく。

 

カサネの宇宙とは違う。

 

壮大な世界ではない。

 

けれど。

 

そこには。

 

四人が積み重ねてきたものがあった。

 

仲間。

 

友情。

 

努力。

 

そして──

 

煌めきを届けたいという想い。

 

四人が手を伸ばす。

 

花々が一斉に咲く。

 

虹がさらに輝く。

 

──ぱぁっ!

 

巨大な煌めきが会場いっぱいに広がった。

 

 

『……』

 

司会者は、またしても言葉を失っていた。

 

観客も。

 

審査員も。

 

誰もが圧倒されている。

 

そして。

 

会場の煌めきが──

 

これまでにないほど強く輝き、ヒカリに集まる。

 

桃色。

 

金色。

 

これまでとは比べものにならないほど、強い光。

 

「なに……これ……」

 

衣装が変わっていく。

 

桃色を基調とした衣装。

 

そこへ金色の装飾が重なる。

 

まるで太陽の光を纏ったような、華やかな姿。

 

背中の羽も変わる。

 

桃色の羽に、金色の光が走る。

 

さらに大きく。

 

さらに美しく。

 

まるで。

 

太陽そのもののような羽。

 

「私……」

 

身体の奥から。

 

煌めきが溢れてくる。

 

「まだ……できる」

 

ヒカリが顔を上げる。

 

「もっと……届けられる!」

 

 

ヒカリが空へ飛び上がる。

 

桃色と金色の煌めきが、会場いっぱいへ広がっていく。

 

花園がさらに広がる。

 

花が咲く。

 

次々と。

 

無数に。

 

昼の空がさらに眩しくなる。

 

太陽が大きく輝く。

 

そして。

 

ヒカリが両手を広げる。

 

「キラメキアクト──」

 

一瞬。

 

会場が静かになる。

 

ヒカリ自身にも。

 

この技が何なのか分からない。

 

けれど。

 

胸の中にあるものだけは。

 

はっきりしていた。

 

「サンライト・ブルーム!」

 

──瞬間。

 

太陽が弾けた。

 

まばゆい金色の光が会場を包む。

 

その光から。

 

無数の花が咲き始める。

 

桃色。

 

金色。

 

そして。

 

四人の色。

 

花々が空へ舞い上がる。

 

無数の花びらが光へ変わる。

 

その光が。

 

観客一人一人へ降り注ぐ。

 

誰かの笑顔。

 

誰かの涙。

 

誰かの拍手。

 

そのすべてが。

 

さらに煌めきへ変わっていく。

 

「……」

 

カサネが、ステージの端からその光景を見つめていた。

 

「……そうですか」

 

小さく。

 

微笑む。

 

「これが……あなたの煌めき」

 

ヒカリは空中で輝いている。

 

その姿は。

 

カサネのような王ではない。

 

宇宙を従える存在でもない。

 

ただ。

 

誰かの心に光を届ける。

 

太陽のような煌めきだった。

 

 

会場全体が光に包まれる。

 

そして。

 

最後の花びらが舞い落ちる。

 

ヒカリがステージへ降り立つ。

 

四人が並ぶ。

 

青色。

 

桃色。

 

黄色。

 

緑色。

 

──静寂。

 

誰も声を出さない。

 

一人が拍手を始めた。

 

それが。

 

二人。

 

三人。

 

十人。

 

百人。

 

会場全体へ広がっていく。

 

やがて。

 

巨大な歓声になった。

 

『……す、すごい……』

 

司会者が震える声で呟く。

 

『何という煌めき……!』

 

観客が立ち上がる。

 

『これは……今までの常識を超えている!』

 

会場が揺れる。

 

ヒカリは息を切らしながら。

 

それでも笑っていた。

 

「……みんな」

 

隣を見る。

 

ユウヒ。

 

リカ。

 

カリン。

 

三人も笑っている。

 

「私たちの煌めき……」

 

ヒカリが呟く。

 

「ちゃんと届いたね」

 

「うん」

 

「はい!」

 

「もちろん!」

 

四人が手を重ねる。

 

「Color☆Link!」

 

四人の声が響いた。

 

 

結果発表。

 

会場には、まだ先ほどの興奮が残っている。

 

『それでは……』

 

司会者がスクリーンを見る。

 

『公式大会・本選──優勝者を発表します!』

 

会場が静かになる。

 

ヒカリたちは手を握る。

 

カサネも静かにステージを見つめる。

 

『優勝は──』

 

一瞬。

 

間が空く。

 

『Color☆Link!!』

 

「……!」

 

ヒカリの目が見開かれる。

 

「やったぁぁぁ!」

 

リカが飛び跳ねる。

 

「優勝……」

 

ユウヒが呟く。

 

「私たちが……」

 

カリンの目から涙がこぼれる。

 

ヒカリが三人へ飛びつく。

 

「やった!」

 

「やったね!」

 

「はい!」

 

「四人で……!」

 

四人が抱き合う。

 

会場から大歓声。

 

そして。

 

その少し離れた場所で。

 

カサネが微笑んでいた。

 

「……おめでとうございます」

 

小さな声。

 

ヒカリはそれに気づかない。

 

けれど。

 

カサネは。

 

満足そうに空を見上げた。

 

十二月。

 

最後の大会。

 

自分が最後に立つステージで。

 

新しい煌めきが生まれた。

 

それを見届けたことに。

 

嬉しそうな表情を浮かべていた。

 

──そして。

 

Color☆Linkの四人は。

 

アイドルとして。

 

新たな頂となった。

 

 

 

その日──

 

会場に咲いた花は。

 

誰の心にも。

 

いつまでも残っていました。

 




露骨なインフレ
ライブの勢いは「KING OF PRISM -PRIDE the HERO-」をイメージ
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