【完結】キラメキ・リンク!~煌めきの彼方へ~ 作:匿名女児
私立きらめき中学校。
放課後のアイドル研究部。
「ねえねえ、ユウヒちゃん!」
ヒカリが一枚のチラシを手に、目を輝かせていた。
「これ、見て!」
ヒカリがチラシを広げる。
「『公式大会:きらめけ☆次のアイドルは君だ!』だって!」
「公式大会?」
「うん!」
リカが横から覗き込む。
「へぇ。公式大会なんてあるんだ」
「そうみたい!」
ユウヒもチラシを見る。
「……出場資格は、学校や地域のアイドルとして活動をしていること」
「私たちも出られるね!」
ヒカリが嬉しそうに笑う。
「うん」
ユウヒも頷いた。
「出てみよう」
「決まり!」
リカが拳を握る。
「今度こそ、ウチの実力を見せるよ!」
「リカちゃん、張り切ってるね!」
「当然でしょ!」
リカは笑った。
「せっかくアイドルになったんだから、もっと大きなステージで踊りたいじゃん!」
◆
大会当日。
会場は、いつもの商店街とは比べものにならないほど大きかった。
「わぁ……!」
ヒカリが客席を見渡す。
「こんなに人がいる……!」
「緊張してる?」
ユウヒが尋ねる。
「ちょっとだけ……」
ヒカリは胸元を押さえる。
「でも、三人なら大丈夫!」
「そうだね」
ユウヒが微笑む。
「三人で楽しもう」
「うん!」
「よっしゃ!」
リカも笑った。
「じゃ、行こう!」
◆
「それでは、次の出場者!」
司会者の声が響く。
「きらめき中学校から、アイドル研究部です!」
「行くよ!」
ユウヒが先頭に立つ。
「うん!」
ヒカリとリカも続く。
三人がステージ中央に並んだ。
桃色。
青色。
黄色。
三つの煌めき。
「それでは──スタート!」
音楽が始まった。
ヒカリが歌う。
ユウヒが続く。
リカが身体全体を使って踊る。
三人の動きが重なっていく。
ヒカリが笑う。
ユウヒの声が響き渡る。
リカが大きく跳ぶ。
桃色。
青色。
黄色。
三つの光が、ステージの中央へ集まっていく。
三人が同時に手を伸ばす。
煌めきが一斉に輝いた。
三人の周囲を、三色の光が包み込む。
「わぁ……!」
客席から歓声が上がる。
「まだまだ、ここから!」
三人は最後まで歌い切る。
そして──
最後のポーズ。
「ありがとうございました!」
大きな拍手が会場を包んだ。
◆
「それでは、結果発表です!」
司会者がステージ中央に立つ。
「今回の優勝は──」
一瞬の静寂。
「きらめき中学校・アイドル研究部!」
「やったぁ!」
ヒカリが飛び跳ねる。
「よし!」
ユウヒも拳を握る。
「当然でしょ!」
リカは胸を張った。
「ウチたち、優勝だよ!」
「すごいネコー!」
キャルも三人の周りを飛び回る。
初めての公式大会。
三人は、見事に優勝を勝ち取った。
◆
司会者が続ける。
「最後に、本大会スペシャルゲストをご紹介します!」
会場がざわめく。
「それでは、登場していただきましょう!」
ステージの照明が落ちる。
一筋の光がステージ中央を照らした。
白銀の髪。
紫水晶の瞳。
「……!」
ヒカリが息を呑む。
「天原……カサネ……」
ユウヒも目を見開く。
「本物……?」
そして。
天原カサネが、静かにステージへ歩み出た。
「皆さん、こんにちは」
会場から大歓声が上がる。
カサネは微笑んだ。
「今日は素敵なステージを見せてくださって、ありがとうございました」
そして──
「私からも一曲」
音楽が始まる。
カサネが歌う。
その歌声が会場を包み込む。
一歩。
ターン。
指先まで美しく揃った振り付け。
そして──
銀色の煌めきが集まり始める。
「……来る!」
リカが息を呑む。
カサネの周囲に銀色の光が広がっていく。
星。
月。
無数の光。
やがて、それらが一つの空間を作り上げていく。
まるで──
ステージそのものが、星空へ変わったようだった。
「……すごい」
ヒカリが呟く。
ユウヒも言葉を失う。
テレビで見たものと同じ。
けれど、間近で見るそれは、想像以上だった。
カサネは、その銀河の中で最後のポーズを決める。
煌めきが静かに消えていく。
一瞬の静寂。
そして──
会場が、大きな歓声と拍手に包まれた。
「ありがとうございました」
カサネは深く頭を下げた。
◆
ライブが終わり、カサネがステージを降りる。
その横顔を、三人は見つめていた。
「……すごかった」
ヒカリが呟く。
「うん」
ユウヒも頷く。
リカは拳を握っていた。
「……悔しい」
「リカちゃん?」
「だってさ」
リカはステージを見る。
「ウチたち、優勝したんだよね?」
「うん」
「なのに……」
リカは唇を噛む。
「全然、届いてないじゃん」
ヒカリも黙り込む。
さっきまでの喜びが、少しずつ消えていく。
「……私も」
ヒカリが小さく呟く。
「もっと頑張らなきゃ」
ユウヒも、カサネが立っていたステージを見る。
「……そうだね」
三人は、同じものを感じていた。
優勝した。
それは間違いなく嬉しい。
けれど──
自分たちには、まだ足りないものがある。
その差を、今日初めてはっきりと感じた。
◆
帰り道。
「……ねえ」
ヒカリが二人を見る。
「もっと練習しよう」
「賛成」
ユウヒが頷く。
「ウチも」
リカが笑う。
「次は、もっとすごいライブにしようよ」
「うん!」
三人が拳を合わせる。
「もっと頑張ろう!」
「頑張るネコー!」
キャルの声が夕暮れの街に響いた。
この時はまだ知りませんでした。
この先に待っている、さらに大きな煌めきの世界を。
そして──
その世界へ進むための、厳しい修行の日々が始まろうとしていたことを。
ちゃっぴーくん、「そして」を乱用しないで……