【完結】キラメキ・リンク!~煌めきの彼方へ~   作:匿名女児

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第7話 煌めきの名前

テレビから、明るい音楽が流れている。

 

『続いては、現在全国ツアー中の大人気アイドル、天原カサネさんのライブ映像です!』

 

「カサネさんだ!」

 

ヒカリがテレビに駆け寄る。

 

「またライブしてるんだ」

 

ユウヒも画面を見る。

 

「今度はどこ?」

 

「北海道だって!」

 

リカが答える。

 

「この前は大阪だったのに!」

 

テレビの中では、カサネが大きなステージの上で歌っていた。

 

白銀の髪。

 

紫水晶の瞳。

 

その姿は、どんな場所でも変わらない。

 

観客の歓声が響く。

 

そして──

 

カサネの周囲に、銀色の煌めきが集まり始めた。

 

「……!」

 

三人が息を呑む。

 

星。

 

月。

 

無数の銀色の光。

 

それらがステージいっぱいに広がっていく。

 

「やっぱり、すごい……」

 

ヒカリが呟く。

 

ライブ映像が終わる。

 

『天原カサネさんは、今後も全国各地でライブを予定しています』

 

「全国を回ってるんだね」

 

ユウヒが感心する。

 

「いいなぁ……」

 

リカがテレビを見つめる。

 

「ウチたちも、いつかあんなステージに立ちたい!」

 

「うん!」

 

ヒカリも頷いた。

 

 

──それから。

 

またテレビにカサネが映っていた。

 

『続いては、海外公演のニュースです』

 

「海外!?」

 

ヒカリが驚く。

 

『天原カサネさんは本日、フランス・パリでライブを行いました』

 

画面には、大勢の観客。

 

そして──

 

銀色の煌めき。

 

大きな花。

 

星空。

 

そのステージを埋め尽くすような光。

 

「すごい……」

 

ヒカリが目を輝かせる。

 

「世界中でライブしてるんだ」

 

ユウヒが呟く。

 

「カサネさんって、本当にすごいんだね」

 

そして、再び画面のカサネをじっと見つめた。

 

 

翌週。

 

アイドル研究部。

 

「見て見て!」

 

ヒカリがスマートフォンを見せる。

 

「最近、いろんなアイドルのライブで変な光が出てるんだって!」

 

「変な光?」

 

リカが画面を覗き込む。

 

「ほら!」

 

そこには、ライブ動画が並んでいた。

 

ステージ上で輝くアイドル。

 

その周囲に、小さな光。

 

別の映像では、光が花の形になっている。

 

さらに別の映像では、ジャンプに合わせて一瞬だけ光が弾けている。

 

「……本当だ」

 

ユウヒも驚く。

 

「この人も、この人も……」

 

「なんか、どんどん増えてない?」

 

リカが画面をスクロールする。

 

「カサネさんのライブを見た人たちが、真似してるのかな?」

 

「でも、真似するだけでできるものなのかな……?」

 

ヒカリが考え込む。

 

「分からない」

 

ユウヒも首を傾げる。

 

 

──天原カサネ 日本最終公演。

 

三人は、客席にいた。

 

「すごい人……!」

 

ヒカリが周囲を見渡す。

 

会場は満員。

 

ステージを待つ観客の声が響いている。

 

「これが、カサネさんの生ライブなんだ」

 

ユウヒが呟く。

 

「しっかり見ておこう」

 

リカが拳を握る。

 

「うん!」

 

照明が落ちる。

 

会場が静かになる。

 

一筋の光がステージを照らした。

 

白銀の髪。

 

紫水晶の瞳。

 

「皆さん、こんばんは」

 

天原カサネが微笑む。

 

大歓声。

 

音楽が始まった。

 

カサネが歌う。

 

踊る。

 

一歩。

 

ターン。

 

そして──

 

銀色の煌めきが集まり始める。

 

「……!」

 

ヒカリが息を呑む。

 

カサネの身体を、銀色の煌めきが包み込んだ。

 

次の瞬間──

 

衣装が光に包まれる。

 

ステージ衣装が、銀色の煌めきをまとった新たな衣装へと変わっていく。

 

「衣装が……!」

 

ヒカリが目を見開く。

 

リカも思わず立ち上がる。

 

「変わった……!」

 

ユウヒは言葉を失っていた。

 

衣装が変わったカサネが、静かに顔を上げる。

 

その瞬間。

 

銀色の煌めきが、一気に弾けた。

 

星。

 

月。

 

無数の光。

 

煌めきがカサネを中心に広がっていく。

 

ステージを覆い。

 

客席へ伸び。

 

さらにその先へ。

 

まるで夜空そのものが、会場の中へ降りてきたかのようだった。

 

「……すごい……!」

 

ヒカリが声を失う。

 

銀河が生まれる。

 

無数の星が流れる。

 

大きな月が浮かぶ。

 

煌めきの花が咲き、光の粒が空中を舞う。

 

カサネが一歩踏み出すたびに、銀河が大きく広がっていく。

 

ステージを中心に広がった煌めきは、会場全体を包み込んでいった。

 

観客の頭上まで銀色に染まる。

 

まるで──

 

会場そのものが、一つの巨大な宇宙になったようだった。

 

「これが……カサネさんのライブ……」

 

ユウヒが呟く。

 

「ウチたちとは、全然違う……」

 

リカが拳を握る。

 

カサネは銀河の中心で、最後のポーズを決めた。

 

その瞬間。

 

無数の煌めきが一斉に輝く。

 

「わあああああっ!」

 

会場から大歓声が上がった。

 

煌めきは、ゆっくりと夜空へ溶けるように消えていった。

 

 

ライブ終了後。

 

三人は会場の外へ出た。

 

「……やっぱり、すごかった」

 

ヒカリが呟く。

 

「うん」

 

ユウヒも頷く。

 

「でも……」

 

リカが空を見上げる。

 

「天原カサネを中心に煌めいていた、あの光は一体……」

 

「最初は気のせいかと思ったけど……」

 

ヒカリも頷く。

 

「一体、何なんだろう?」

 

その時。

 

「それはネコ!」

 

「わっ!」

 

三人が振り返る。

 

キャルがふわふわと浮かんでいた。

 

「キャル!」

 

「待ってたネコ」

 

キャルが胸を張る。

 

「三人とも、気になってるみたいネコね?」

 

「うん!」

 

ヒカリが頷く。

 

「最近、ライブで出てくるあの光!」

 

「私たちや他のアイドルにも……」

 

ユウヒが続ける。

 

「カサネさんのものとは、全然違う」

 

「当然ネコ!」

 

キャルが頷く。

 

「あれには、ちゃんと名前があるネコ!」

 

「名前?」

 

三人が顔を見合わせる。

 

「そうネコ!」

 

キャルが指を立てる。

 

「『キラメキアクト』っていうネコ!」

 

「キラメキアクト……」

 

ヒカリが繰り返す。

 

「それが、あの光の名前?」

 

「そうネコ!」

 

キャルが頷く。

 

「アイドルが歌って踊って、たくさんの人の心を動かした時に生まれる煌めきの力ネコ!」

 

「煌めきの力……」

 

ユウヒが呟く。

 

「だから、私たちのライブでも出たんだ」

 

「その通りネコ!」

 

キャルは嬉しそうに笑う。

 

「でも、キラメキアクトには強さの違いがあるネコ」

 

「強さ?」

 

リカが身を乗り出す。

 

「そうネコ」

 

キャルが説明する。

 

「一番下は、集まった煌めきが輝くくらい」

 

「それなら……」

 

ヒカリが思い出す。

 

「私たちが今まで出してた光も?」

 

「そうネコ」

 

キャルが頷く。

 

「それが、最下級キラメキアクトネコ」

 

「最下級……」

 

リカが拳を握る。

 

「じゃあ、その上もあるんだ?」

 

「もちろんネコ!」

 

キャルが胸を張る。

 

「下級、中級、上級……そして最上級まであるネコ!」

 

「五段階……」

 

ユウヒが考える。

 

「じゃあ、カサネさんが使っていたのは?」

 

「上級キラメキアクトネコ」

 

「上級……」

 

三人が顔を見合わせる。

 

「さっきの衣装が変わったのも?」

 

ヒカリが尋ねる。

 

「そうネコ!」

 

キャルが頷く。

 

「上級になると、自分を中心に煌めきを形にできるようになるネコ!」

 

「形に……」

 

リカが目を輝かせる。

 

「だから、あんなにすごかったんだ!」

 

「そうネコ」

 

キャルが頷く。

 

「煌めきの羽を作って飛んだり、衣装を変えたり、ステージそのものを大きく演出したり……」

 

「……」

 

三人は何も言わず、カサネのライブを思い返していた。

 

変身。

 

銀河。

 

無数の星。

 

会場いっぱいに広がった煌めき。

 

「私たちが出した光は、まだ最下級……」

 

ヒカリが自分の手を見る。

 

「うん」

 

ユウヒが頷く。

 

「でも、これからだよ」

 

リカが笑う。

 

「だったら、もっと練習しよう!」

 

三人が顔を見合わせる。

 

「うん!」

 

「もちろん!」

 

 

帰り道。

 

夜空を見上げる。

 

無数の星が輝いていた。

 

「キラメキアクト……」

 

ヒカリが呟く。

 

「なんだか、私たちの煌めきにも名前がついたみたいで嬉しいね」

 

「うん」

 

ユウヒが笑う。

 

「だったら、もっと頑張らないと」

 

「そうだね!」

 

リカが拳を握る。

 

「次は、もっとすごい煌めきを出そう!」

 

「うん!」

 

 

 

三人は歩き出す。

 

まだ小さな煌めき。

 

けれど──

 

その光は確かに、未来へ向かって輝き始めていた。

 

 

 

少女たちはまだ知りませんでした。

 

この先、自分たちの煌めきがどこまで大きくなるのか。

 

そして──

 

いつか、その煌めきがカサネの背中へ届くことを。

 

 

──その頃。

 

ステージを終えたカサネは、一人で夜空を見上げていた。

 

「……少しずつ変わってきたわね」

 

銀色の煌めきが、彼女の周囲で小さく揺れる。

 

カサネは微笑む。

 

「これからが、楽しみね」

 

そして──

 

次のステージへ向かって、静かに歩き出した。

 

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